もし、サイドスペースに異星の神が攻めてきたら 作:レッドファイッ!
「はぁ……やっとカルデアの地点か」
「シャドウボーダーでひとっ飛びとは言いますが、時間かかりましたね…」
「まあね、流石に瞬間移動はついてないからね」
立香達は、カルデア跡地へ向かっていた。
同行者はマシュ、ダ・ヴィンチ、ゼナ、朝倉リク、ペガである。
ゼナは一応カルデア跡地はAIB管轄なため同行、リクは「唯一自身が守れなかった人達が最後に居た所を確認する」ためである。
なおホームズは「私は元から安楽椅子探偵だ。探検家ではない」とのことで未参加、ゴルドルフ部長はトラウマが蘇るため後の報告を待つとのこと。
「ところで藤丸立香。本当に用があるのか?残された装備などは全てAIBが確保してそちら渡したのだが…」
「ああ、まあ、ただ見ておきたかっただけ…ってのかな?あんな雪山の上じゃ、廃墟になるのなんてあっという間にだろうし」
ゼナに対して立香はそう答える。
人の手が入らないものは自然だろうが施設だろうが荒れるのが早い。
「すごく高くて寒い所あるんだよね……?そのカルデアって…」
「はい、リクさん。南極にある標高6000mの狂気山脈の地点です」
「物凄く寒そうだけど…大丈夫なの?この防寒服、普通の服とあまり変わらないみたいだけど…」
「大丈夫大丈夫。AIBと共同開発したやつだし」
当然ながら全員が特製の防寒服を着ている。
空調なんか整っているはずもないのであるためである。
「ペガは平気なの?」
「リクの影に入ってれば平気だよ?」
「そっか……」
(僕も影に入りたいなぁ……)
「さあ、浮上するよ!」
――――――――――――
「ここが……カルデアだった……」
「凄い損傷ですね……あの時は逃げてるのに精一杯で気にしてられませんでしたが……」
「僕が助けられなかった……ところ……」
オペレートをするダ・ヴィンチはシャドウボーダー内に残り、ゼナ、マシュ、リク、ペガ、立香の5人はカルデア跡地を探索する。
「ここが入り口ですか…?大穴が空いてて……ここから入ったってことですよね?」
『まあそうだね……あの時の襲撃はかなりギリギリだったって私には記憶されてるね』
「ゼナさん、残ったその……人は…」
「……ああ、国連を通じて遺族へ手渡された」
「そうですか……」
「………」
リクと立香は奇しくも同じように苦い表情をしていた。
リクはその時、先行してきた異星の神の使いと交戦しており、倒したと思った段階で7つの隕石が降りてきたがために対応できず。
立香はそもそも逃げることで精一杯だったからだ。
(皆さん、あの日過ごした日を俺は忘れません……安らかにお眠りください)
(僕が未熟だから……ごめんで済む話じゃないけど……せめて……)
二人は同時に手を合わせていた。
そして暫く黙祷もしていた。
(先輩……)
(リク……)
――――――――――――
そして探索をつづけている内に最深部である、カルデアスがある中央管制室へ到着した。
なおカルデアスは侵攻された際の凍結されたままであり、これに限らず現カルデアにある大規模設備などはAIB補助の元でそれらを完全コピーして設置されているのである。
余談だが、それでゴルドルフ部長は再び寒気がしたとかしてないとか。
「ここも懐かしい……な?マシュ」
「はい。まるで昨日のことのように思い出します」
「うわあ、ここのも本当に大きいな……これがあのカルデアス?のオリジナルですよね?」
『そうだよー。リク君。でも記憶が確かなら今のカルデアスのほうが使いやすいのよねー……なんかジェラシー』
「ゼナさん、カルデアスの中はもう調べたんですよね?」
「ああ、第二次調査隊のときにな。結果は「特になにもない」ものだった」
「そうですか……」
立香がこんなことを聞いたのは《彼女》のことがあったからだ。
彼女、オルガマリー・アニムスフィア。
カルデアの前所長であり、アニムスフィア家の当主。
レフ・ライノールが仕掛けた爆弾の真上に居たがためにそのまま体を吹き飛ばされ、精神のみの状態で最終的にはそのレフによりカルデアスに放り込まれた。
そこで消滅したとダ・ヴィンチの見解であったが、もしかしたら……と立香は思ったためだ。
もちろん、それも意味がなかったのだが……。
「………」
だが何かを考える仕草をするマシュ。
「どうしたのマシュ」
「いえ……急に先輩が来る前のことを思い出して……」
「俺が来る前のこと?」
「はい。あの事件がある数日前くらいから所長がずっと変な夢を見ていて、それでグランドオーダーが成功するか否かって時なのでそのせいで物凄く威張り散らしてて……」
「ああ、だから俺が居眠りした時もやけにキレてたのか……」
いくらなんでも怒りすぎだろとずっと立香は思ったのだが、ここにきて解けたようだ。
「藤丸立香、マシュ・キリエライト。そろそろ行くぞ。もういいか?」
「はい、大丈夫です」
「問題有りません。行きましょう」
そうして来た道を戻る一行だったが……
「……?」
「リク?どうしたの?」
「…あーうん……なんか感じた気がしたけど…多分気のせい」
「それならいいんだけど…早く行こうよ。流石に影の中でも寒くなってきたよー」
ペガは少し震えていたそうな。
――――――――――――
2015年
「………また…この夢」
彼女、オルガマリー・アニムスフィアはここ数日、よくわからない夢を見ていた。
遺跡の中を探索しているとなにかの石碑に触れ、そしてその石碑が光り輝いたという内容だった。
それは何度何度も……変わらないものであった。
「なんなのよ……もうすぐ大事なことがあるってときに……!」
だがその夢について深くは考えず早々に着替えて、「人理継続保障機関フィニス・カルデア所長」として動き始めるのであった。
なおドクターからはカウンセリングを進められたが逆に切れられたらしい。