ガンプラバトル・ネクサスオンライン、通称『GBN』。
ロボットアニメ『機動戦士ガンダム』シリーズのプラモデルである『ガンプラ』を用いて対戦や協力してミッションを行ったり、ガンプラがなくてもチャットや情報収集のためのツールとして利用人間が全世界に存在するオンラインネットゲーム。
このお話は、そのGBN内で『ブレイクデカール』というチートツールを使用するプレイヤー、『マスダイバー』達が問題となっていた時期にまで遡る。
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「もう……もう俺にはこれしか手が残ってなかったんだよ……!」
少年の血を吐くような叫びが、戦場に響く。
「やったんだよ!必死で練習もしたしスキル構成だって見直して、ガンプラの出来が悪いのかってやり直したりもした!それでも……それでも駄目だったんだ……!ならもうこれしか残ってないじゃないか!」
違う。
もっと他の方法があったはずなのに、俺はその楽な道しか選ばなかった。
……冷静になって見れば全て自分の自業自得であるはずなのに、こんなのは屁理屈で自分を正当化させているだけだ。
元の姿から異形に変化した機体を振り回すように動かし、暴れまわる。
そんな子供の癇癪すら……いや、癇癪のような無秩序で無軌道な動きだからこそ、無慈悲に捩じ伏せられ機体が徐々に破壊されていく。
「……これでも、ダメなのか……!じゃあ俺は……俺にはもう何も……」
残ってないじゃないか、と言い切る前に機体が完全に破壊され、目の前にディスプレイが表示され、それと同じ内容が機械音声でアナウンスされる。
『Battle ended. Winner 7th Armored Division』
そうして俺は負けた。
その後の事は……殆ど覚えていない。無我夢中のままその場から逃げ出して、俺は『GBN』から離れていった。
一緒に戦ってくれたフォースの仲間からの連絡も来たけど、それを全てブロックして、GBNを忘れようとした。
あの時使っていたガンプラを壊してしまおうとすら考えた。……でもそれだけは出来なかった。ガンプラのことは嫌いになれなかったから。
あの時から今まで逃げ続けて、もうこれで終わったと思っていた。……けど、これから俺は、過去からずっと逃げ続けるなんて不可能だと知ることになる。
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そしてここからは、『マスダイバー』達と『有志連合』と呼ばれるダイバー達の対抗組織による戦いが終わりマスダイバーの脅威が消え、、その直後の電子生命体『ELダイバー』を巡っての争いが終わって新たな命が生まれてから一年後のお話。
少年が、もう一度立ち上がるお話。