海王神譚   作:川㟢

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続いた。
話は変わりますが、原始回帰は冠の雪原でも実装されるのかという議題について。


第二話

 

 「君、大丈夫かい?」

 

 私に声をかけてきたのは女性だった。外見的特徴として、一言で表すとすれば「乳」そして「紐」であろう。二言になってしまったが、この女性、いや少女とも言うべき存在から、大々的に主張されているのだ。身長は私よりも低いが、この胸部装甲。只者ではないと見える。

 

 おそらく、この少女は私の身なりや体型から見て心配してくれたのであろう。心優しき少女である。

 

 「えぇ、大丈夫ですよ。少し仕事を探しているだけなので。」

 

 この少女が何者かは分からないが、私のような浮浪者と関わり合いにならない方が良いだろう。こんな可憐な美少女が私のような浮浪者と関わり合いになったらどんな噂が立つか分からない。「壁に耳あり障子に目あり」ということわざのように、いつどこで誰が見て、そして聞いているのか分からないのだ。

 

 「仕事?もしかして冒険者をしていてパーティでも探しているのかい?」

 

 どうやらこの少女は、冒険者という職業に対して一定の理解があるらしい。どこかのファミリアの子供、もしくは冒険者であることが予想できる。

 

 「いえ、私は冒険者ではないですよ。サポーターと呼ばれる荷物持ちをして小銭を稼いでいる者です。」

 

 冒険者という職について理解があるならサポーターという職に対しても一定の理解があるはずである。殆どの冒険者はサポーターに対してのあたりが強い。この少女も冒険者であるのならば私に幻滅するだろう。

 

 「サポーター?冒険者ではないのかい?」

 

 こんな浮浪者のような私に対して、自然体で話を続けてくれる彼女は、優しい心の持ち主であることは間違いない。私にこういった家族や知り合いがいれば、今の生活と少しは違ったものになったかもしれない。

 

 「えぇ、サポーターです。冒険者になれるほどの強さはありませんので。内緒にしていることなのですが、恩恵を授かっていないわけでモンスター1匹倒すこともできないのですよ。あっ、恩恵を授かっていないことについては内緒にしてくださいね。」

 

 彼女になら私の秘密を打ち明けてもいいと思い、言ってはいけないことをつい口にしてしまった。彼女の人の良さは纏っている雰囲気や言動などからも分かる。他人に対して秘密を暴露するようなことはしないだろう。

 

 「なるほど、君の秘密については内緒にするから安心してくれていいよ。ところで、つまり君は、どこのファミリアにも所属していないというわけだね?」

 

 口頭だけで、赤の他人を信用することはまずできないが、彼女であれば私の秘密はその胸の中に収めてくれることだろう。

 

 「ありがとうございます。はい、その認識で大丈夫です。私はどこのファミリアにも所属していませんし、恩恵も持っていません。」

 

 「そうなんだね!で、相談なんだけど、君さえ良ければ僕のファミリアに入る気はないかな?勿論無理にとは言わない。大方君は、どこのファミリアにも所属できずに仕方なくサポーターをしているのだろう?」

 

 話から分かる通り、彼女は私を勧誘しているようだ。どうやら彼女は、ファミリアの幹部にあたる者、もしくは神に連なる者であることに間違いないようだ。

 

 「私を勧誘していただけることは感謝しますが、私は何一つできない身ですよ。恐らくあなたの求めている冒険者像とは一致しないと思いますが。」

 

 「そんな些細なことから君を勧誘したわけじゃないさ。君が助けを求めているような顔をしていたからね。君だって、恩恵なくダンジョンに潜るなんてこと、本当はそんな危険なことしたくはないだろう?」

 

 あぁ、彼女は恐らく人ではなく神であろう。ここまで慈愛に溢れた存在は、前世、そして今世でも見たことがない。

 

 「えぇ。その通りです。私は恩恵が欲しい。モンスターに勝つための、そして生き抜くための手段である『神の恩恵』が。名も知らぬ女神様。」

 

 「君ならそういうと思っていたよ!では、改めて聞こう!僕のファミリアに入ってくれるかい?そして僕の家族になってくれるかい?」

 

 私は彼女の一言によって心酔してしまった。私は心のどこかで救いを求めていた。そして今世で早くも失った家族を求めていたのだろう。

 

 (決めた。私はこの神についていこう。)

 

 そう決めた時、私は無意識のうちに口にしていた。

 

 「はい女神様。私を貴方の家族、ファミリアに入れてください。」と。

 

 この日、そしてこの時始まった。ある一人の女神、そして一人の眷属の物語、『海王神譚』が。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「やったぁぁ!!記念すべき眷属一人目だぁ!!」

 

 私が彼女のファミリアに入ることを決意し、それを彼女に表明すると同時に彼女は飛んで喜んでいた。先程の慈愛に満ちた女神の姿とは別人のようであり、マスコットキャラクターのような可愛さすら感じられる。というか眷属一人目はこの私だったようだ。つまり、地上では新参者の女神なのであろう。

 

 「言質取ったからね?君は今から僕のファミリアの一員だからね!!」

 

 私が彼女のファミリアの一員になることで、私に何か不都合でもあるのだろうか。もし不都合があったとしても私は彼女のファミリアの一員であり続けるであろう。

 

 「心配しなくても私はあなたのファミリアの一員ですよ女神様。」

 

 どうやら私は彼女にひどく心酔してしまっているようだ。前世でも今世でも信じている宗教はなかったが、彼女を奉る宗教があったとすれば間違いなく信者になっているだろう。

 

 「本当だね!?君のその一言に二言はないね!?」

 

 「えぇ、ありませんよ。」

 

 彼女からすればまだ私が抜ける不安の種があるようだ。

 

 「そういえばまだ名乗っていなかったね。改めて名乗らせてもらうよ!僕の名前はヘスティアだ。君の名前を教えてくれるかい?」

 

 「私をファミリアに入れてくださりありがとうございます、ヘスティア様。私の名前はウミ。ウミ=キオーグルです。」

 

 私の主人の名前はヘスティアというらしい。ヘスティア、前世におけるギリシャ神話の中では、ゼウスやヘラ、ハデスといった神々と比べたらややマイナーな神様と言えるだろう。アテナやアルテミスと共に三大処女神と言われ、ギリシャ神話の神の中では神徳があった神と言われている。最も、それを裏付ける情報があてになるかどうかは定かではないのだが。

 

 「ウミ=キオーグル君というんだね!じゃあウミ君と呼ばせてもらうよ!早速で悪いけど、僕たちの本拠地、ヘスティアファミリアのホームに向かおうか!」

 

 性格的にもとても善良で親しみやすい神様と言えるだろう。ファミリアに入会させてもらえるだけでもありがたいことであるのに、どうやら私は素晴らしい神様と巡り会えたらしい。

 

 「わかりました。道案内よろしくお願いします、ヘスティア様。」

 

 

 

 数分後、見えてきたのは荒廃した教会、廃教会と呼んでも差し支えないほど荒んだ本拠地であった。どうやらここがヘスティアファミリア、私たちのホームらしい。

 

 

 

 

 

 

 




ダンまちに関しては、アニメの一期と二次創作しか経験がないのでそのうち原作崩壊する恐れがありますね。早めにライトノベル買って勉強します。
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