もしCCAアムロが一年戦争にタイムスリップしたら 作:BLAUFALK
北米を脱し、太平洋を横断して数日_
乗組員が海の景色に飽きてきた頃、島が見える。
北マリアナ諸島…
開戦前は旧時代から続くリゾートとして、特に地球連邦の高官から人気を博したこの島は、今やコロニー落としの二次被害により東側の海岸線沿いは壊滅、復興により更地となっていた。
沖に逃げきれず、流され、陸地に乗り上げたヒマラヤ級空母が高々度を行くWBからも見える。
「ブライト艦長、これがかつて…いえ、これがグアムなんですか?」
「そうです、間違いなく。ん、シェリー中尉は士官学校の教科書で読まなかったんです?」
「…77年、宇宙軍の士官学校でしたので。それで。」
「戦前でいらしたんですね。自分は士官学校始まって以来の短期教育で3月の卒業です。あれは詰め込みもいいところで今もまだ教科未修の部分さえあります。」
「それでもこの部分を優先したのは…」
シェリーが言っているのは語学・指揮・戦術等とはあまり関わりのない、あとで読み返させれば済むこの現在の状況_コロニー落としの惨状について必修させたのはどうしてだろうか。そう問おうとしたとき通信席から電文が発行される音が鳴る。
戦闘も敵影もなく半舷休息でクルーが二直シフトを組んで交代する今、通信席の担当はシェリーとセイラである。
「あのヒマラヤ級、艦機能が生きていたようです。暗号解読………完了、読みます。
『我、ジャブローより貴艦へ水先案内の任なり。WBはカリマンタン島へ南進し、試作モビルスーツ実験部隊との合同作戦へ参加せし。武運を祈る。』
とのことです。」
「我々以外に試作機を抱えている部隊がいたとは。オスカー、距離はどのくらいか?」
「ええっと…ああ。ここのことですね、おそらく。2日と半日もあれば到着するでしょう。」
ブリッジのモニターにてカリマンタン島の中央下部が表示される。そこは第三次地球降下作戦の折、真っ先に落ちた補給基地の一つである。
「こう言っては何だが…小さいな、我々が出る幕はないんじゃないか?」
「その油断が敵を呼びますよ、ブライト "君"」
「失礼しました!気を引き締めます。」
過信気味のブライトをやんわり叱るシェリー。
流石に直ぐに気づきブライトは襟を正す。
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≪姉上、申し訳ありません。北米方面軍は木馬を取り逃しました…詳細なレポートは先んじて送った通りです。≫
≪うむ読んだ…いや、信じたくないのでな。こうして通信で呼びつけたがその様子では_言うまでもなさそうだな。手酷いものだ…どうしたその頬は≫
頭に包帯と、士官服を半脱ぎで片腕がギブス、もう片腕をイセリナに支えられ…左頬に何故かビンタがくっきり残るガルマの姿があった。
話を遡ると横転し炎上したダブデの中で打ち付けられ、煙にまかれ、病室に運ばれた時にイセリナが起きないガルマを動転するあまり何度もひっぱたいたという経緯がある_が隣のベットで目撃していたゲラート少佐は勿論何も見ていない。
≪いえ何でも。気合いです≫
≪ほぅ……まそれはよい。ビンタで済まない大損害だ、公国始まって以来のな。さて、こちらはこちらでV作戦の探りは進んだ。単なる高性能モビルスーツ、で終わる話ではなかったわ…ぬかった。≫
≪なんと。何か分かったのですか≫
≪…その前に人払いを。本当は直接話したいが≫
イセリナと秘書官に目で合図し、退室を促す。
≪いいかな、ガルマ≫
≪どうぞ≫
≪兄上にまんまと嵌められたのだ、我々は≫
≪なっ…な…それは…どういう、こと、ですか!?ギレン兄さんとの政争は流石に私だって知ってますよ。ですが!連邦のV作戦をダシに何を仰って…!?≫
≪落ち着け!順を追って話す________≫