もしCCAアムロが一年戦争にタイムスリップしたら 作:BLAUFALK
(核爆発回避ルート)
≪ブライトさん、あのザクは絶対に確保します。出撃させて下さい≫
≪…分かった、こうなったらやむを得んな…まとめて撃退して構わん、わざわざ追われてまで持ってきた情報だ、おそらく何かある。罠かもしれんがそのときはそのときだ≫
≪聞こえるかね、アムロ君。その1号機は処置後のテストがまだなんだ。くれぐれも壊さんでくれ≫
≪了解!行きまーす!!≫
外観上では2号機と同色に塗装されており、また、2号機と3号機には追加されたシールド固定用の腕のスリットと腰のライフル/バズーカ選択式アタッチメントがない点と、左肩部に『WB-G01』とマーキングし差別化がされている点である。
カタパルトから発艦し、着地と同時にジャンプする。
この一連の動作だけでも機体の応答が非常に速くなったことが分かる。
ガンキャノン2機のビームライフルを寸分違わずにハイパービームライフルで撃ち抜き、キャノン砲先端をサーベルで流れるように斬り落とす。砲身が歪んだり破損したりすればもう撃てない。
≪エイガーさん、やめましょう!中尉も!ここは僕が引き受けます。先にザクをWBへ連れていって下さい!ケン少尉も彼を離して下さい≫
≪味方をやっておいてか、このクソガキ!≫
逆上したエイガーがガンダム相手にマシンガンは不利を悟り、ビームサーベルを抜いて距離を詰める。
ガンダム同士がサーベルで鍔迫り合いをし、しかし_斬り結ぶことは敵わず、2号機の持つサーベルが弾かれ、荒野に落ちる。
もう1本を取り出そうとしたがその前にコックピットの前に刀身の発生をカットした1号機のサーベルの筒が当たる。
≪ここで終わりにするか続けるか、エイガーさん≫
≪ちぃ…このガンダムじゃ勝てないのか!分かったよ、連れてきゃいいんだろっ キャノン隊もいいな!≫
エイガーらを無力化したことでザクがカイ機を離し、シェリー機に先導される形でアムロ機を除いた全機がWBへ引き上げる。
≪そこの機体!みすみすジオンを逃がすのか!軍法会議では生ぬるい、ここで処刑する。やれ!≫
陸戦用ジム1機とジム2機、ホバートラックと例の灰色のドム3機がケンのザクを襲ったレールキャノンとジャイアントバズで立ち塞がる1号機へ攻撃を加える。
≪ふざけるな、そっちこそ!≫
100mmマシンガンとレールキャノンが全速で向かう1号機へ火を噴くが予測不可の動きで掠めすらしない。
ライフルを使うまでもなく隊長機と思しき陸戦用ジムの懐にコックピットへ蹴りをかまし、シールドで頭を弾き飛ばす。
続けざまにまだ撃ってくるジムを左手で頭を掴んでもう1機めがけて投げつける。
ホバートラックが健気に機銃で眼前の1号機を撃つが、その1号機の足元めがけて飛んできたジャイアントバズの砲弾がジャマイカン・ダニンガンが見た最期のものとなった。
ザクではなく白いヤツを優先し排除を試みたものの、それはますます燃え上がる怒りに油を注ぐ結果となった。
ガンダムのツインアイが次はお前だとばかりにドムへ振り向き、容赦なくライフルで1機目の胴体へ直撃、爆散する。
地上では高速で移動ができるものの、その巨体と比例するように方向転換時にロスができるドムはガンダムの素早さに追いつけない。
足をサーベルで切り落とされ、2機目が転がり、背中を串刺しにされて爆散。
3機目が背中を狙うものの後ろ向きに撃ったライフルがコックピットを捉え、光になる。
鬼神の如く、そして無理無駄のないその戦闘は周辺で様相を窺う連邦ジオン双方に焼きつき、これ以上の手出しをする者は今のところ現れなかった。
オデッサ作戦の1日目、硝煙黒煙が煙る戦場に昼夜などどれほどの意味もないものの、夜を迎え、進軍が控えめとなる。
結局ザク騒ぎの件でトーチカとダブデ攻略は終わらず、察したワイアット中将がビッグトレーと部隊を率いて突撃し叩き潰した。
エイガー隊は付き合いきれないと言い捨て、ガンキャノン修理の後送のため、WBから出ていった。
MSデッキにはブライトほかパイロット達がケン・ビーダーシュタットとメイ・カーウィン両名を囲んでいた。
「俺たちは…ダグラス・ローデン大佐から連邦に情報を渡すよう頼まれたんだ。先に見たんだが、このままでは大量破壊兵器による終わりなき応酬になる。それを避けるために伝えに来たと先に断っておく」
彼らがザクで持ち込んだジュラルミンケース_
その中には3枚のデータディスクと、証拠ファイルがあった。
証拠ファイルとデータディスクの1枚目はエルラン中将の内通を示し、また、オデッサに隠匿された水爆の型とサイロ構造図、サイロ4箇所のうちのどれが本物であるかを示すものであった。
データディスクの2枚目と3枚目。2枚目がマスターであり、3枚目がコピーである。
その2枚目_ちょうど今主力部隊の足元、その地中に戦術核兵器が間隔を空けて5つ、右翼と左翼の部隊の足元にもそれぞれ1つ。合計7発の核がタイマー式で動いていることが判明した。
「でもね、これ続きがあるの。さて問題、これなーんだ?」
メイがどこから取り出したのか、何かの物体を持ち上げる。
「お、おい…メイ…今はそんな場合じゃ」
「ケン!そんなにピリピリしちゃ怒るよ!お、反応いいね~はい、そこのパーマの人!」
パーマの人とは言わずもがなアムロ・レイのことである。
「解析ソフトかな?」
「正解!実はこの2枚目のマスターは改竄されてるんだよね、コピー取ったときに分かっちゃったんだ。そこで3枚目で本物を見…」
≪ブライト、至急ブリッジへ!何か浮遊した新兵器がオープンチャンネルで言ってるわ!…その、どうも彼らの仲間なんじゃないかしら…?≫
「何だって?まさか、ユウキ…あるいは大佐が捕まったのか!?」
「ケン少尉…どうやら事情があるようだ、ブリッジへついてきてくれませんか」
「勿論だ」
オープンチャンネルではしきりに同じことが繰り返されていた。
外人部隊が重要機密を盗んだ、午前0時までに返さなければ仲間の女の命はない。直ちに戻れ、との内容である。
「あれはアッザムだ、長射程ビームと特殊兵器を装備したモビルアーマー…屍食部隊が俺の仲間を盾にしている…ブライト中尉!」
「あのケン少尉、お気持ちは分かりま…」
「俺は、俺の仲間を助ける!そうさせてもらわない限り本物のデータは見せられない!」
「ああっ!ま、待て!誰か止めろ!!」
血相をかいてブリッジから出ていき、MSデッキに戻る。
「あれ?早かったねケン……どうしたの?」
「メイ、話は後だ!俺が戻るまで本物のデータは見せるな!!」
「ええ?!ちょっとケン!何やってんの!?」
武器を失い、ロクに戦えそうにない自分の乗機を横目に_連邦の白いヤツに目星をつけ、乗り込む。
≪この機体借りるぞ!ハッチ開けろ、ブチ壊してでも行くぞ!≫
「ブライト!どうするの!?2号機が!!」
「誰でもいい!誰か2号機を止めろ!!」
≪待って下さいケンさん、僕も手伝いますよ!≫
≪アムロ!どうする気だ!?≫
≪本物のデータが条件で、しかも仲間を助けたら戻ってくるんでしょう?いいんじゃないですかブライトさん≫
≪やむを得んか…!他の部隊にこれが勘づかれるわけにはいかん、直ぐに何とかしろ!≫
≪ケンさん、ビームライフルは右のそれです、左にあるのがシールド。それも持って行きましょう≫
≪頼りになるな!もしかして君が…?≫
≪はい、ガンダムのパイロットです≫
≪ガンダム。それがこの白いヤツ、そして君が鬼神とはな≫
≪仲間を助けるんでしょう?僕も手伝います≫