もしCCAアムロが一年戦争にタイムスリップしたら   作:BLAUFALK

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幕間 -割れる連邦とジオン-


CCAアムロがタイムスリップ第27話

「そうか…ふむ、ふむ、分かった。連邦政府としては呑む意向なのだな。しかしだね、ワシとしては一抹では済まない不安があるのだよ。政府連中と話し合いの場を持ちたい。その調整を頼んだ。ではな。」

 

連邦軍参謀本部 ジャブロー

年中エアコンによる空調の効いた快適なオフィスで、“ジャブローのもぐら”と揶揄されていそうなn段腹と顎肉がチャーミングな巨漢の姿はそこにあった。

目下将官の多くは戦場に出払っており、連邦政府の首都ワシントンD.C.をここに機能移転した政府を護るための提督として、また後方兵站を支える者として残っているのである。

 

「やれやれ、若者の逸る気持ちというのはこの歳ではむしろ暖かい目で見守ってやりたいというもの…だが彼らがやろうとしているのはしょせん一発芸よ。交渉を持ち掛けてくるとは片腹痛い。」

 

電話を置き、デスクの上におかれた地球儀をいじりながら思案する。唐突に出現した第3の勢力。その規模は不鮮明であるが戦略の要地であるオデッサ陥落を時間の問題とした敵国が2つに割れるならば好都合。一石二鳥の要領で倒してしまえばよい。それが軍人としての見解である。

 

しかしながら、協調路線を取りたい方向で舵を切る第3の勢力に対し、軽くあしらってしまってよいのであろうかと迷う。電話における口ぶりとしては結論は出ているが腐っても連邦軍人の立場であり自身を納得させるに至っていなかった。

 

「地球連邦政府との無条件和睦。ジオン公国に対する宣戦布告。ニューヤーク含むアメリカ東部海岸からの全面撤退。コロニー落とし被災地である太平洋沿岸地域に対する復興支援のための駐留容認。元々自主独立の機運の高い中東とキャリフォルニアベースを含む西海岸の割譲…ふむ、政府としては厄介事が減るばかりか、腹が傷まぬよい話だ。しかしながら地球に降り立って一年にも満たない者どもがそんなに上手いこといくとはにわかに信じられんよワシには。」

 

地球儀は回る、考えを巡らせる早さを現すかのように回す指は早くなっていく。

 

「だいいち、連邦軍人の中には政府の意向はどうあれ快く思わない者はかなり多く出るだろう…地球出身者は特にな。若人の気に当てられて年甲斐もなく『間違い』を起こすなどと、そんな馬鹿な話になれば目も当てられん。レビルにはV作戦の根回しの貸しで首輪をつけられるが、コリニーには懐柔策がない。穏便に済ませたいが、せっかくの申し出を無碍にするのも惜しいというものだ。さてどうしてくれようか?」

 

自分の鼻息ひとつで守るべき地球連邦市民の運命も変わってしまう、などとそこまでの傲りはないが、あくまで打倒ジオンかスペースノイドとの協調融和かの二者択一を迫られた感がある。そして答え如何では新時代の幕開けになってしまう_ゴップ大将にそんな予感が疾る。

 

「………うまく乗せられている感も否めないが、政府が腹を決めているならば連邦軍人の端くれとして従うまで。ならばやるからには支援を惜しまぬ。連邦傘下の企業にも支援を打診し、おそらくイギリスあたりからこの話を繋いできたであろう欧州派閥にも汗を流して貰うとしよう。なぁに、古今東西問わずワシら人間はエラーを犯す生き物よ。それを糺そうという若人の支えに先達の威容を見せてやろう!」

 

 

 

連邦政府と第3の勢力これ即ち『新生ネオ・ジオン』との秘密会談が後日持たれることとなったのであった。

 

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