しのぶちゃんの第二の人生   作:みっきーやんかーい

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1話目アンケート(9月1日での結果)
ヒソカとやりあったオモカゲ、採用 16
ハンターに捕まった別キャラとして採用 12
不採用 22

採用だけで見れば 28
ですが、3つに分けてでの投稿でしたので不採用の方向で4話目を考えて行こうと思います。







2話

一次試験開始から約6時間経過。

 

 

 他の方は、一歩ごと規則正しく踏みしめながら地下を走る中、私は30m単位でタタッン!っと、両足を着いたら前方に向かって跳躍して体力温存です。私の歩幅ですと歩数が多くなりますからね。身軽ゆえに走り幅跳びの要領で移動すれば疲れません。それにしても、妙な視線を向けられつつも試験官のサトツさんのお隣を走っています。暇なので話し相手になってもらっていますが‥この粘つくような視線はどうにかして欲しいものですね。

 

「階段ですか‥何段ほどあるのでしょうか?」

 

「詳しくは、存じませんが5万段はあるかと‥‥まぁここまで多いと数えるのも手間ですので」※実際は知りません。

 

「なぜ、このような場所にこれほどの階段を作ったのか些か気になりますが‥‥言えてますね。階段を作る能力者でもいたのでしょうか?」

 

 目の前に現れたのは先が見えない階段。かなりの勾配があり、段差も決して低くありませんね。後ろの方々が恐ろしい(笑)表情をしています。それにしても果てしない‥‥

 

「さて、ちょっとペースを上げますよ」

 

 サトツさんは歩くような感じのまま2段飛ばしで登っていく‥‥その脚の長さ羨ましいですね。かく言う私は100段飛ばしで登らせてもらいます。後の受験者の方たちが必死に食らいついて行くさまは‥‥やはり怖いですね。まさしく鬼気迫る思い‥ですかね?おや?後ろからゴン君、キルア君が並びながら登り、徐々に先頭に近づいてきましたね。

※3mで約15段くらいが平均の階段の段数です。

 

「やっと、しのぶさんに追いついた‥‥」

 

「前がトロくてなかなか進まなかったもんな‥‥」

 

「あらあら。でしたら、壁の走り方でも教えてあげましょうか?(笑)」

 

「ほんと?!」

 

「てか、あんたどんな脚力してるんだよ!」

 

 一坂100段くらいありそうな階段を隣でひとっ飛びで飛び越える私を見て眉間を釣り上げて面白い表情ですね(笑)。足にオーラを集めて普段の脚力を何倍にも上げているだけなのですがね。

 

「俺にもできるかなぁ?」

 

「練習とかだりぃだろ」

 

「練習したら出来ます。ですがやらないのであられば出来ませんね。簡単なので練習する気概のあるゴン君ならできるようになるでしょうが‥やる気のないキルア君には、出来ないでしょう。」

 

「なっ?!」 

 

「簡単ですが仕方なありません。簡単なことに取り組めるゴン君と違って、やる気のないキルア君に出来ないのは仕方ないです。簡単な事なので気になさらないでください。ゴン君にできる事ができないだけですから‥‥‥」

 

「くがぁぁぁあ!!!! やりゃぁいいんだろう!!くそがぁ!!!!」

 

 

 ちょろいですね。まぁ『念』はともかく壁を足場にする特殊な歩行術なら、この2人なら試験中にでも会得できるでしょう。まぁもうじきトンネルとも、おさらばですのでまたの機会になりますね。

 

「もうじきトンネルも終わりですし、この後の試験の合間に教えられる場面が有れば、教えてあげますよ。」

 

「ほんと?よろしく!しのぶさん!」

 

「っちぇ‥しゃぁなしだぜ?」

 

「はいはい」

 

  さてさて、ようやく明るい青空のものに出られますかね?

 その時、

 

「外だ!」

 

 ゴン君が先を指差す。

 ようやく太陽の明かりを目にして、まだ走り続けている受験生達は流石にホッとした表情ですね。

 

「ふぅ。ようやく薄暗い地下からおさらばだぜ」

 

 坊主頭の忍び君が大きめの反応をしていますが‥本当に忍びなんでしょうか?気配丸わかりですよ?

 

「お~」

 

「うわ~」

 

「湿原ですか‥‥」

 

 ゴン君もキルア君も、目の前の光景に素直に感嘆してますね。

 後に続いて出てきた者達も、その光景を見て絶句してますね。

 これからここを走るのでしょうか?跳ねた泥が羽衣に付かないように注意しなくてはいけませんね。神経を研ぎ澄まさなければ‥

 

 

「【ヌメーレ湿原】通称『詐欺師の塒』。二次試験会場はここを通って行かねばなりません」

 

「ここを走るのですね。根気の作業になりますね。」

 

 万が一‥というのも有りますからね。畳んで腕の中に仕舞い込んでしまいましょうか。

 

「この湿原にしかいない珍奇な動物達。その多くが人間をも欺いて食料にしようとする狡猾で貪欲な生き物です。十分注意して付いてきてください。騙されると死にますよ」

 

 サトツさんの言葉が言い終わると同時に、背後の出口が閉じていった。

 

「ああ……ま、待ってくれ……!」

 

 出口前で気を抜いてしまったのか、倒れていた男が手を伸ばすがもちろん誰も助けないし、シャッターも止まらない。ざんねんざんねん。

 

「それでは参ります。騙されることのないように、しっかりと付いてきてください」

 

「はん! 騙されるのが分かってて騙されるわけねぇだろ」

 

 レオリオ君、強気ですね。大丈夫でしょうか?

 

「嘘だ! そいつは嘘をついている!」

 

『!?』

 

 出口の陰から突如、ボロボロの男が何かを引きずりながらご登場‥野生の生物ですね。言葉を喋れるあたり、魔獣の類でしょうか?

 

「そいつは偽物だ!! 試験官じゃない! 俺が本物の試験官だ!」

 

 男の言葉に受験生達はサトツさんと男を交互に見て困惑の表情を浮かべてますね。騙されそうになってますよレオリオ君。

 

「偽物!? どういうことだ!?」

 

「じゃあ、こいつは一体……!?」

 

 レオリオ君と忍君は、完全に惑わされてますね。ここでお別れでしょうか?

 クラピカ君は冷静に真偽を見極めようとしていますね。関心、関心。

 

「これを見ろ!」

 

 男が引きずって‥あらあらそっくりなお顔な事で(笑) 猿の顔を見た受験者達は衝撃を受けて、サトツさんと見比べてますね。擬態の一種でしょうか? お上手ですね。

 

「こいつはヌメーレ湿原にいる人面猿! こいつは新鮮な人肉を好む。しかし、手足が細く非常に力が弱い。そこで自ら人に扮し、言葉巧みに人間を湿原に連れ込み、他の生き物と連携して獲物を生け捕りにするんだ!」

 

 非力なら10時間以上も走られないでしょうに‥間違う要素が見当たりませんね。

 

「小休止の中の茶番と思えば、なかなかの見せ物ですね(笑)」

 

「しのぶさんはどっちが本物か分かったの?」

 

 クラピカ君とレオリオ君もこちらに気がついて寄ってきてますね。私は集合地点か何かですか? 背が低いから目立ちにくいと思いますが‥まぁいいでしょう。

 ゴン君に至っては、野生の勘で気がつきそうなものですが‥‥

 

「獣臭の有無もありますが、何より実力がかけ離れていますからね。‥‥‥堪え性のない奇術師ですね。戦闘狂でしょうか?」

 

 走っている時から妙な殺気と視線が有りましたが、茶番をきっかけにトランプが空を切り、男の顔にサクっと‥‥『周』の威力と持続時間から『強化系』か『変化系』でしょうか? 取り外し可能なオーラを繰り出していたことから、おそらく後者ですね。

 

『!!』

 

 サトツさんは、『凝』で受け止めていますね。全体45・指先55くらいでしょうか? 『流』の速度と精度もなかなか‥‥両手指でトランプを受け止めたのですね。

 

「くっく♦ なるほどなるほど♣‥‥(僕の殺気に意を紛れ込ませて、気付くのが遅れちゃった♣︎ おそらく腰に下げている刀で猿の額に一突き‥‥猿と彼女の距離は目測で10m。より早く‥速く正確な突き♥) 」

 

 奇術師さんはトランプを弄りながら、楽しそうですね。こちらとサトツさんを交互に視線を送ってきてますね。変態ですね。

 

「……化けたお猿さんは、気の毒ですね」

 

 どうやらお三方には、バレているようですね。手段までは察していないでしょうが、私が人面猿さんに一撃入れた事はバレバレのようで、上手く殺気を消したつもりでしたが、まだまだ未熟ですね。

 

「‥(野生の獣が相手でしたから遠慮なく試運転を試みたものの‥まだまだ本調子とは言えませんね。)ざんねんざんねん。」

 

 死んだ男の傍で死んだふりをしていた人面猿の額から血栓が噴き出す。気がついていない者たちは、奇術師の仕業だと思うでしょうね。計画的、責任転嫁です。

 

「君いいねぇ♠ 今度、食事でもどうだい♥」

 

「あらあら 奇術師さんからのナンパと言うやつでしょうか?」

 

「君の可憐な腰付きと足捌きに見惚れちゃってね♦︎ 」

 

「お褒めのお言葉とお断りのお言葉を奇術師さんに送りますね。」

 

「僕の名前はヒソカ♠︎ 君のこと褒めてるんだよ♥ ‥‥残念♣ けど、これで決定♦ そっちが本物だね♠」

 

「その通りです。これから通る場所には更に巧妙な罠を仕掛ける動物もいます。故に私から離れてしまうと、彼等の餌食になってしまいますよ?‥‥(44番がトランプを投げる瞬間!350番、彼女の影が一瞬ブレ気を取られてしまい危うくトランプを掴み損ねるところでした。あの速度、『念』を纏っていたら視認する事すら難しいでしょうね)」

 

「……なるほど……」

 

 さてさて、妙な人に目をつけられてしまいましたね。

 

「そして、もう1つ。次からはいかなる理由でも私への攻撃は試験官への反逆とみなし、即失格とします。よろしいですね?」

 

「はいはい♦」

 

 ヒソカさんは、反省していないのでしょうね。私も警戒を強めておきましょう。サトツさんのオーラも警戒を強めているようですね。

 

「それでは参りましょうか。二次試験会場へ」

 

 休憩もお終い。その言葉で受験生達の顔が再び引き締ま立てるようですね。

 なるべく泥の跳ねにくい足場を確保しなくては‥‥ハンター試験、難関ですね(笑)

 

「ちっ! またマラソンの始まりかよ!」

 

「くっ! 下がかなりぬかるんでやがる!」

 

 湿原とあって、地面はかなりぬかるんでいますね。木の根や幹、石ころを足場にしていますが、トンネルの時と違って、霧も濃いですしルートが読み取れませんね。こまめに跳躍するしかありませんかね。

 ヒソカさんの殺気がどんどん大きくなってますね。戦いたい衝動を受験生で晴らすつもりですかね?

 

「離れておきましょうか‥」 

 

 

 おそらく霧に乗じて試験官ごっこでもするのでしょうね。

 

「レオリオー! クラピカー! キルアが前に来た方がいいってさー!!」

 

「ドアホー! 行けるならとっくに行っとるわい!!」

 

「そこをなんとかー!!」

 

「ムリだっちゅうのー!!」

 

 おそらくキルア君の助言をゴン君が後方にいるクラピカ君とレオリオ君に呼びかけているのでしょうね。 ですが、こればかりは本人たちの努力次第ですね。

 

『ぎゃあああ!!』

 

 始まりましたか‥身を守るためならともかく戦いの何が楽しいのでしょうか?

 

「なんで、あんなところから悲鳴が!?」

 

「騙されたんだろ」

 

「おい、いつのまにか俺達の後ろにいた連中が消えたぜ」

 

「マジか。確か100人はいたはずだぜ」

 

 ゴン君、キルア君はいますが、クラピカ君、レオリオ君が見当たりませんね。『円』で確認した限り釣られてしまったのでしょう。

 

 

「んん〜・・・(後、何キロで目的地に着くのか分からないので2人を援護するのにもリスクが有りますね。数言ですが話した仲です。助ける義理も有りませんが、後味も悪そうですね。)

 

『ってぇーーー!!』

 

 レオリオ君の声ですね。ヒソカのトランプに当たってしまったようですね。

 

「ゴン!!」

 

 キルア君が呼び止めますが、ゴン君は止まることなく霧の中に姿を消してしまいましたね。致し方ありません。カナヲの時とは状況も違いますが、見捨てられるような薄情な性格でもありません。それに‥姉さんでも同じようにしたことでしょう。

 

「やれやれ‥‥手のかかる人達なことで…」

 

 『円』を1方向に「楕円」のように伸ばせば2kmは行けるはず‥時間との勝負ですね。

 

「私が最速で連れ戻してきますので、キルア君は二次試験会場を目指してください。」

 

 キルア君の声がしますが、振り返る時間がもったいないですね。急ぎましょう。

 

 

 

 ◇◇◇

 

 

 

 時はちょっと戻る。

 

 レオリオとクラピカは濃い霧の中を走っていたが、突如周囲から悲鳴がひっきりなしに上がり始めていた。

 

「ちぃ! 知らないうちにパニックに巻き込まれちまったぜ……!」

 

「どうやら後方集団が途中から別の方向に誘導されてしまったようだな」

 

 レオリオとクラピカは動くに動けない状況だった。

 もはや先頭集団がどの方向にいるのかも分からず、動こうにもあっちこっちから悲鳴や人間のものではない声が響き渡っている。

 下手に動けば、その中の仲間入りになってしまうだろうことは容易に想像できる。

 

 更にレオリオは武器をゴンが担いでいるトランクの中に入れたままだった。

 今のレオリオには自衛手段がないに等しい状況だった。

 

 その時、霧の中から何かが飛んで来た。

 

「ぎゃあ!?」

 

「がっ!」

 

「ぐっ!」

 

 2人の近くにいた受験者達から悲鳴が上がり、血が噴き出す。

 クラピカはギリギリで気づいて、木刀を抜いて叩き落とす。しかし、レオリオは避けることも防ぐことも出来ず、左腕に鋭い痛みが走る。

 

「ってぇーーー!!」

 

 叫びながら目を向けると、刺さっていたのはなんとトランプだった。

 レオリオはそのような攻撃手段を取る者は1人しか思い浮かばなかった。

 

 トランプが飛んで来た方向に目を向けると、霧の中に人影が浮かび上がる。

 それは2人の想像通り、トランプを弄りながら不気味に笑っているヒソカだった。

 

「てめぇ……なにしやがる!!」

 

「くくく♥ 試験官ごっこ♠」

 

「なんだと……」

 

「二次試験くらいまでは大人しくしておこうかと思ってたけど、一次試験があまりにも退屈でさぁ♦ 選考作業を手伝おうかと思ってね♣ 僕が君達を判定してあげるよ♠」

 

 ヒソカは周囲にいる受験者達を見渡しながら宣う。

 

「判定ぇ? はっ。馬鹿め! この霧だぜ? 一度試験官からはぐれたら最後、どこに向かったか分からない本隊を見つけ出すなんて不可能だぜ!」

 

 受験者の1人がやけになったのか、ヒソカを小馬鹿にしたように笑って嘲る。

 

「つまりお前も取り残された不合格者なんだ―きょ!?」

 

 小馬鹿にした男は額にトランプが突き刺さって言い切る前に息絶える。

 

「失礼だなぁ♠ 君と一緒にするなよ♦ 奇術師に不可能はないのさ♥」

 

 ヒソカは余裕を保ったまま自信たっぷりに言う。

 すると、受験者達は武器を構えてヒソカを囲む。

 

「殺人狂め! 貴様などハンターになる資格はねーぜ!」

 

「二度と試験を受けれないようにしてやる……!」

 

 20人近くに囲まれたヒソカだが、表情は全く変わらない。

 それどころか、

 

「そうだなぁ~……君達相手なら、この1枚で十分かな♣」

 

 と、1枚のトランプを出して自信たっぷりに言い切った。

 

「ほざけぇ!!」

 

 それを挑発と受け取った受験者達は一斉に攻撃を仕掛ける。

 しかし、ヒソカは涼しい顔で躱し、さらに本当にトランプ1枚で急所を斬り裂いて殺していく。恐ろしいのが、ヒソカは全て喉か顔への一撃で受験者達を殺していくことだった。

 

「くっくっく……あっはっはっはぁーー♥!!」

 

 高らかに笑いながら、また命を奪う。

 ようやく現実を理解した受験者達は逃げ出そうとするが誰一人逃げきれず、10分と経たずにクラピカ、レオリオ、角刈り頭の男の3人を残して全滅した。

 

「君達全員不合格だね♠」

 

 トランプに付いた血を振り払って、クラピカ達に向く。

 

「残りは君達3人だけ♦」

 

「お取り込み中失礼します。」

 

「「「!!」」」

 

 ヒソカの背後に人影が現れて、ヒソカの手に持っていたトランプをヒソカに気付かれることなく、3人の元に歩み寄る背中に『滅』の字と蝶の髪飾りが特徴的な小柄な女性。

 彼女の接近に気づかなかったばかりか、彼女の早技を視認できなかったことに薄く笑みを浮かべるヒソカ。

 何食わぬ顔でヒソカの隙を突いた彼女に追撃するそぶりもなく、クラピカ達の前に移動する。

 

「貴女は!」

 

「こんにちわ。ここは空気そのものは、綺麗ですね。」

 

 どうにも気の抜ける空気を塗り替えるような雰囲気の彼女の登場にクラピカ、レオリオは毒気を抜かれ、もう1人の受験者はこの場を立ち去っていた。

 ヒソカは、彼女の登場により登るような高鳴りに身を焦がしていた。

 

「これはこれは♣ もしかして、君が相手をしてくれるのかい?」

 

「……連れ戻しに、ですかね?」

 

「おやおや♠︎ それはどういう意味だい♦︎」

 

「ほんの少し、関わっただけではありますが‥見捨てるには私の良心に差し支えあります。故の助太刀です。

 

「それは嬉しいねぇ♥」

 

「言っておきますが、私の『日輪刀』には『毒』が仕込まれていますので……」

  

「それは怖いね♠」

 

 ヒソカは半身を除けそらせ、彼女の突きを躱す。躱した体勢のまま、トランプを取り出し、彼女に斬り付け用と右手を振る。 しかし、振るった時にはトランプが刀に弾かれ未遂に終わる。

 

「‥(目にも留まらぬ突きの速さも素晴らしい♣︎ 更に突きからの切り返しの繋ぎも無いに等しく、僕の腕を振る速度より遥かに速い速攻‥いいねぇ♥︎)」

 

「もしも〜し」

 

 振り抜いた腕の力をそのままに、足を振り上げる。手応えもなく、空を切ったと思いきや、空高高く上げた足の上にて、突きの構えをとる彼女。胸辺りの衣服を横に一文字切られるも、後ろの岩に付けたバンジーガムによる回避が間に合い無傷。意識を彼女に戻すと、俄然に刀の切っ先‥後3cmの所で刀の下に潜り込むかようにバンジーガムを縮め緊急回避。避けた刀の突きは、2mほどの岩を軽々と突き抜け風穴を開けることにより、彼女の突きの威力を肌まで実感し興奮を高める。

 

「‥‥(岩を突き破る破壊力、念は使えるだろうが‥そぶりも無い。興奮してイっちゃいそうだよ♥︎)」

 

「もしも〜し」

 

 ヒソカの下腹部は見るに耐えない変貌を遂げている。彼女が医学に精通していなければ、叫び声の1つでもしていたであろう。それでも彼女には、理解し難い現象で有る。 そう言った行為の際になら、まだ理解も出来たであろうが、戦闘中にも関わらず‥‥要するに童磨の時と同じく『とっととくたばれ糞野郎』の気分で有る。

 

「……やっぱ我慢出来ねぇ」

 

「レオリオ!」

 

 レオリオはクラピカの声を無視をして、近くに転がっていた武器を手にしめ、戦っているヒソカに向けて、武器を構えて一気に迫る。

 

「うおりゃあああ!!」

 

「おや?」

 

「あらあら?」

 

「こちとらやられっぱなしで、だまって見てるほど気ぃ長くねぇんだよーー!!」

 

 レオリオは叫びながら武器を構えて、ヒソカに攻めかかる。

 

「ん~、いい顔だ♦」

 

「蟲の呼吸・蜂牙の舞 真靡き(ほうがのまい まなびき)・無刀」

 

「ぐべぇ!」

 

 無謀にも単身でヒソカに突撃してきたレオリオの頬目掛けて、彼女の前方に飛ぶ突き技。刀で付いていたのだあれば、先ほどのように岩をも貫く一撃。それを拳ではなてばどうなるか‥レオリオを追って走って来たクラピカの元にエスケイプの如く飛んで行ったレオリオであった。

 

 

「何も考えず彼に挑むのは、自殺と大差有りませんよ。」

 

 彼女に殴り飛ばされたレオリオは、クラピカの足元にゴロゴロと豪快に転げ回りピクピクと痙攣しつつも動きが無い。

 

 

「ああ失礼しました。気絶しているから聞こえませんね。うっかりです」

 

 『ってへ』の効果音でも付くかような、しでかした雰囲気の笑みを浮かべる彼女。

 その時、霧の中から黒い玉が飛んできて、ヒソカの額に直撃する。

 

「「!!?」」

 

 クラピカは目を見開いて、玉が飛んで来た方向に目を向ける。

 そこには釣竿を振り被ったゴンの姿があった。

 

「ゴン!?」

 

 ゴンは当たると思っていなかったのか、呆然と固まっている。

 ヒソカは平然とゴンに顔を向ける。

 

「やるね、ボウヤ♣」

 

 ゴンはビクッとして後退る。

 本能的にヒソカの危険さを感じ取ったようだ。

 

「釣り竿? 面白い武器だね♥ ちょっと見せてよ♣」

 

「その辺にしておきませんか? それにゴン君は美味しい所を掻っ攫いちゃいましたね。残念 残念」

 

「くく♦ そうだね♣ 君の気の抜けたセリフにも毒気抜けちゃったし♠︎ それに君達は合格だよ♥」

 

 ヒソカは満足げに笑みを浮かべて頷く。

 そして、すぐ近くにいたゴンに目を向けて、屈んで顔を近づける。

 

「ん~~……君も面白そうな子だ♠ いいハンターになりなよ♥」

 

 ヒソカは立ち上りレオリオを担いで歩き出す。

 

 「じゃあ、二次試験会場で♣」

 

 ヒソカが消えていくのを見届けて、ゴンの元に歩み寄る。

 クラピカも駆け寄ってきて、ゴンに声を掛ける。

 

「ゴン! 無事か!?」

 

「……うん。何もされてないよ。レオリオは?」

 

「無謀なことをされそうでしたので気絶させました。」

 

「そ、そう、なんだ……」

 

「まぁ‥自業自得だな」

 

「では二次試験会場に向かいますよ。」

 

「うん!」

 

「道は分かるのか?」

 

「付いて来てください」

 

 

 ゴン達も後に続き、2人は全速力で彼女に付いて行き二次試験会場を目指すのだった。

 

 

 

今後の方針で、しのぶちゃんvs幻影旅団を書こうと考えます。 原作では、蜘の鬼の人とやり合ってましたので、誰とやり合わせるかをアンケート取らせてもらいます。

  • ヒソカ
  • マチ
  • ノブナカ
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