或る開発者の日常   作:瀧音静

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え!? いや、だって……。
リクエストされたら書かなきゃってなるのが物書きじゃないですか……。
だから……その……ね?

というわけでアークナイツに手を出して、ある程度知識を蓄えたので書いてみた次第。
ここ違うよ! とか、この設定どうなってんだ!? なんてのは誤字報告なり感想なりで投げてくださると、修正や返答出来ますのでありがたいです。


私はどんなものだって開発出来ちゃうのだ!

「も~……普通にあり得なくない?」

「いや、俺に同意を求められても……」

 

 現在ライン生命と提携しているロドスアイランドという製薬会社。

 そこの基地内宿舎にて、コーヒーフロートを味わいながら思い通りにならないと、隣にいるドクターにとりあえず愚痴ってみる。

 

「研究や開発には資材も、お金も、時間も、場所も、全部が膨大に必要だって何度も何度も何度も言ってるじゃん!」

「だから、ある程度は部屋の拡張は許可したし、何なら『ミーボ』を置くための部屋は用意してるだろ」

「それじゃ全然足りないんだってば!! どうしてドクターは私のいう事を聞いてくれないかな。……私の事嫌い?」

「メイヤーだけを特別扱いできないんだよ。今現在は研究開発の為って名目で隠し通せてるが、いつ支援部の目について取り上げられるか分かんないんだぞ? 下手に部屋を増やせば、見つかる可能性だって高まるし」

 

 研究と開発。ライン生命のラボ・ルトラ。

 そこを一人で運用している私にとって、人手代わりとも言える『ミーボ』は重要な存在で。

 結果的に数は増え、数が増えれば置く場所が必要になる。

 ドクターの言うように、部屋の広さや置くためのスペースは確保して貰ってはいるが、今現状研究スペースが足りない。

 だからこそ嫌というほど部屋の拡張申請を出したのだが、そのことごとくを却下された。

 しかし、何もそんな日常の事で愚痴っているわけではない。

 

「頼まれてたものが開発出来たから、サイレンスに渡そうとしたら、ドクターが作戦に出しちゃってるし」

「いや、作戦の方が大事だろ。それに、うちの基地が万年龍門幣不足だってのは知ってるだろ?」

 

 そう、せっかく開発していたものが完成したのに。

 依頼をしたサイレンスが作戦に駆り出され、基地内にいなかったのだ。

 彼女の頼みで、新たな医療用ドローンの試作機を、彼女の意見を多数取り入れ生みだしたのに。

 評価や改良点を指摘してくれる存在が、不在だったのだ。

 おかげで一気にやることが無くなってしまった、と、『ミーボ』で埋め尽くされた自分の宿舎ではなく、基地内の宿舎で。

 そこへ向かう途中で捕まえたドクターを愚痴相手に、サイレンスが戻ってくるまでの間暇つぶしをしていたのだ。

 

「ドクターが後先考えずに昇進課程に送り出すからでしょ?」

「うっ! ……まぁ、そうなんだがな」

「まぁいいや。……ねぇドクター? 新しいドローンの実け――初めての体験者になってみない?」

「今実験台って言おうとしなかったか?」

「気のせいだって。ドクターも肩凝りとかあるんじゃない? あるいは腰が痛いとか」

「そりゃあ多少はあるが……何? それが解消されたりするのか?」

「超音波と振動による血行の改善と凝りの解消を目的としたドローンだからね。作業の合間やリラックスしているとき、あらゆるタイミングで患部を問わずに使用できるよう作ってみたんだよ」

 

 どうせ断られまい、とドクターの前にドローンを展開していく。

 乗せて両肩に振動を与える大型タイプから、腰や背中の一部など、局所的に使用できる小型タイプまで。

 痒いところに手が届く用設計されたそれは、きっと彼女の要望に応えられたものだと思う。

 じゃあ試してみるか、というドクターに対し。レポートを取り出し、釣れたと内心舌なめずりした私は、サイレンスが帰還するまでの間、ドクター相手に新作ドローンのプレゼンを、実際に使用しながら行うのだった。

 

 

 サイレンスが帰還したとの連絡を受け。

 ドローンの評価をしてもらうために彼女の宿舎を尋ねる。

 周りとは睡眠の周期が違うサイレンスは、それが他のオペレーターの迷惑にならないように、と宿舎が割と離れたところにある。

 この辺りの気配りは上手いとドクターを思うが、もっと別の場所にも気を使ってほしいものである。

 

(おっと。……やっぱりか)

 

 サイレンスの宿舎に続く曲がり角。

 その曲がり角を曲がらず、顔だけ出して宿舎の方をのぞき込んでみると。

 作戦から帰ってきたばかりであるのに、サリアに抱きしめられキスをされているサイレンスの姿を視認。

 汚れているのもお構いなく、汗をかいているだろうにそれすら無視し。

 ひたすらにお互いを求めあう二人の姿は、恐らく当人達と私だけの秘密。

 二人きりでないときは、彼女たちはお互いにあまり干渉しないように振舞っているからだ。

 長い事唇を重ねていたが、高さを合わせるために背伸びしていたサイレンスの足がプルプルと震えると、それが唇を離す合図になる。

 僅かに潤んだ瞳と、熱っぽい吐息。

 唇同士を繋ぐ唾液の糸は、見ている私としてはごちそう様でした、という感想しか浮かんでこない。

 早く結婚すればいいのに、と最近思い始めてきた。

 先にサリアを部屋に入れ、サイレンス自身は報告の為に一度ドクターの所を訪れる。

 私は曲がり角から離れて一定の距離を取ると、そちらへ向かって走り出し。

 

「うわっ!?」

「!!?」

 

 あたかも今急いでここに来た様子を醸し出しつつ、ツッコまれる前に畳みかける。

 

「あ、居た居た!! サイレンスが作戦に行ってる間に頼まれてた医療用ドローンの試作機が出来たの! 発案者として実際に使用したデータを提出してほしいんだけど!?」

「分かった。報告の後、ラボに寄る」

「よろしくねー!」

 

 それだけ言えば十分である。

 私はまた走ってその場を去り、ラボへと戻るが……。

 

(流石に紅潮した頬ぐらいは戻して行きなよー? いくらドクターがその辺鈍いとはいえ、他のオペレーターに感付かれちゃうぞー?)

 

 蕩けた表情も、紅潮した頬も、潤んだ瞳も、何一つ隠し通せて無いサイレンスに、らしくないと思わず笑ってしまう。

 いけないいけない。ドローンの用意をしなくては。

 それにしても、サイレンスは本当に肩凝りや血行の改善が目的で、このドローンの開発を私に頼んだのだろうか?

 

 

 その日の夜。

 サイレンスの宿舎にほど近いメイヤーの宿舎には、艶のあるサイレンスの声が微かにだが届いたそうである。

 ……そして翌日。

 振動の強弱の幅をさらに細かく設定できるようにしてほしい。

 手で持たずとも固定化出来るようにしてほしい。

 という改善要望が、サイレンスからメイヤーに提出された。




どう考えても電〇です本当にありがとうございました。

本当にまだアークナイツは勉強し始めたばかりなので、どこか違う点がございましたら何なりとお願いいたします。



P.Sサリアもサイレンスも来てくれない深刻なバグが発生中なので、運営はこのバグを早急に修正すべき。
というかもうサリアとサイレンスはカップルで配布すべき。
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