ウルトラマンジード×ラブライブ!サンシャイン‼︎ 輝らすぜ!群青‼︎ 作:ラブライダーMEG
「レッキングバースト!!」
真っ暗な宇宙空間に一筋の閃光が迸った。だが、ウルトラマンジードの放ったそれが標的を捉えることはなかった。
かつて全宇宙で暴れ回っていた悪のウルトラマン、ウルトラマンベリアル。ジードの父親でもある彼の細胞はデビルスプリンターと呼ばれている。デビルスプリンターは怪獣を凶暴化させる力を持っており、宇宙各地で混乱を招いている。
そして、それを悪用しようとしているメフィラス星人を追って、ジードは戦闘を繰り広げていた。
「ベリアルの……父さんの細胞を使って何をするつもりだ!メフィラス星人!!」
「ふっふっふっふ……あなたが知る必要はありませんよ……行きなさい!ダークロプスゼロ!!」
突如、先程まで何も無かった空間にウルトラマンゼロを模したロボット兵器、ダークロプスゼロが現れた。
「ダークロプスゼロ……!?まさか、怪獣カプセル?」
かつて、ジードと激しい戦いを繰り広げた
「ダークロプスゼロ、ジードの相手をよろしく頼みますよ。それではごきげんよう、ウルトラマンジード」
そう言い残して、彼は暗闇に溶けるように消え去った。
「待て!!」
後を追うジード。だが、ダークロプスゼロがその行手を阻む。
「くっ、やっぱり素直には通してくれないか……」
この瞬間、ジードは戦いの覚悟を決めたのだった。
「あ〜〜、どうしよう〜〜!!!!」
「せっかく9人になったんだし、新しいことには挑戦したいよね……」
ため息混じりに発言したのは千歌の幼なじみ、
「でも、新しいことって何をすればいいのかな……?」
幼さを残した赤髪の少女、ルビィが疑問を口にする。
「もう堕天使アイドルは懲り懲りよ?」
「ふっふっふ、堕天使の魅力が分からないとは……まだリトルデーモンになるには早いようね……ギラン!」
Aqoursの作曲担当の
「善子ちゃんの感性は善子ちゃん以外には分からないずら」
「善子じゃなくて、ヨハネ!!」
善子の幼なじみで文学少女の
「「「うーーーん……」」」
結局考えはまとまらず、部室に沈黙が訪れた。
「ハローエブリバディ〜!!捗ってるかしら〜!!?」
ドアを開ける大きな音と同時に発せられた
「全然捗ってないみたいだね……」
「これは重症ですわね……」
鞠莉の幼なじみ、
生徒会長であるダイヤの仕事を手伝っていた3年生も合流し、話し合いを続けたが、一向にいい意見が出る気配はなかった。結局この日はこれといったものが決まらず、解散となってしまった。
帰りのバスで梨子が問いかけた。
「千歌ちゃん。しいたけちゃん、ちゃんと繋いでおいてよ?」
しいたけとは千歌の家で飼っている犬のことだ。彼女たちは家が隣同士。そこで、解散した後も千歌の家で話し合いの続きをしようとしているのだ。
「あははは。この間みたいに私の家のベランダからジャンプしてお家に帰っちゃわないようにしないとね!」
「もう千歌ちゃん!!」
顔を真っ赤にして梨子が突っ込む。そう、彼女は犬が大の苦手なのだ。
先日、しいたけに追いかけ回された梨子は、千歌の部屋の窓のベランダからジャンプし、そのまま自室へとダイナミックに飛び込んでしまっていた。
「それはそうと、新曲はどうするの??」
恥ずかしさからか、梨子が話題を変えた。
「そうなんだよ〜。Aqoursの知名度は上がったけど、入学希望者はゼロのままだもん!もっと新しい切り口でアピールしたい!!……だけど……」
彼女たちが通っている浦の星女学院は統廃合の危機。それを阻止するために、スクールアイドル活動を通して学校の知名度を上げ、入学希望者を増やそうというのだ。
「「う〜〜ん」」
やはり、これといった意見は出ないまま、2人を乗せたバスは海岸線を走っていく。
薄暗い森の中、不気味な影がうごいめいていた。
「さて、時間稼ぎはできましたが、彼が追ってくるのも時間の問題でしょうね」
影の正体は言うまでもない。悪質宇宙人、メフィラス星人だ。
「彼に邪魔される前にひと仕事しておきましょう」
そう言うとメフィラスは、ベムラーとアーストロンの怪獣カプセルを起動し、ナックルに装填。ライザーで読み込む。
<フュージョンライズ!!>
「さぁ!ゲームを始めましょう!!」
<ベムラー> <アーストロン>
<ウルトラマンベリアル バーニング・ベムストラ!>
音声と共に闇に包まれ、メフィラスの身体はベリアル融合獣、バーニング・ベムストラへと変貌を遂げた。
沼津が地獄へと変わる。
「梨子ちゃ〜ん!しいたけ繋いだよ〜!!」
旅館でもある千歌の自宅、
「ほんとに大丈夫……?逃げ出したりしないよね……?」
梨子が不安そうに呟いた。
その時、今まで聞いたことのない重苦しい音が響き渡った。
「「な、なに!?」」
2人が同時に音の方へと視線を向ける。視線の先には類を見ないほどの巨大な生物がいた。
「う……嘘……??怪獣……??」
震えた声で梨子が言った。
「梨子ちゃん!逃げよう!!」
千歌はそう言って駆け出すが、すぐに立ち止まって
「あの方向……学校がある!!」
そう口走るや否や、学校の方へと走り出した。
「ちょっと!千歌ちゃん!!」
慌てて追いかけようとする梨子だが、脚がすくんで動けない。
「大丈夫、彼女のことは僕に任せて!!」
精悍な声が梨子の背後から聞こえた。
「あ、あなたは一体……??」
「僕は……
青年は力強く答えると、千歌を追いかけて走り去っていった。
「千歌ちゃんを……千歌ちゃんを助けてください!!」
走り去る背中に、梨子は呼びかけた。
その頃、浦の星女学院ではこの学校の理事長でもある鞠莉が仕事をしていた。
「ワーオ……アメイジング……」
普段はおどけた態度を取ることの多い鞠莉だが、怪獣を目の当たりにして驚きを隠せない。
「ここにロングステイは出来なさそうね……」
鞠莉はポツリと言うと奥歯を噛みしめ、避難するべく理事長室を後にした。
鞠莉が校門に辿り着くと向こうから人影が近づいてくる。
「ホワッツ!?千歌っち!?どうしてここに??」
「だってこのままじゃ私たちの学校が!!」
「だからってここに来てどうするの!!??死んじゃうわよ!!」
「じゃあ鞠莉ちゃんは学校が壊されていいの!!?」
「良いわけないじゃない!!!」
一瞬、沈黙が訪れた。
「私だって学校が壊されるのなんて見たくないわよ!!でも……でも……!」
「鞠莉ちゃん……」
怪獣が辺りを蹂躙する音だけがこの空間を支配していた。
「やっと見つけた!ここにいたんだね」
背後から聞こえた男性の声に千歌と鞠莉はハッとして振り向いた。
「あなたは……?」
千歌が尋ねる。
「僕は朝倉リク。君を探しにきたんだ。君の友達も心配している。ここは危ない。早く離れよう」
「でも、あなたはどうするつもりなの?」
鞠莉が問いかける。
「……僕には、やることがある」
一瞬の間の後、リクは力強く答える。
「分かったわ。行きましょう。千歌っち」
リクの真っ直ぐな目に何かを感じたのか、2人はリクの返答をすんなり受け入れ、学校を後にした。
走り去る2人を見届けたリクは、怪獣に正対する。
「大丈夫……君たちの学校は、僕が守る!!ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!!!」
「融合!」
「アイ、ゴー!」
「ヒアウィーゴ-!」
掛け声と共にウルトラマンとベリアルのウルトラカプセルを起動し、ナックルに装填。ジードライザーで読み込む。
<フュージョンライズ!!>
「決めるぜ!覚悟!」
「ジィィィィド!!!」
<ウルトラマン> <ウルトラマンベリアル>
<ウルトラマンジード プリミティブ!>
音声と共にジードライザーから出た光に包まれ、リクの身体は初期形態へと変身。そして、カプセルのエネルギーと融合し、リクはウルトラマンジードへと姿を変える。
【ウルトラマンジード プリミティブ】
怪獣退治の専門家、栄光の初代ウルトラマン。そして、リクの父親でもあり悪の道に堕ちたウルトラマン、ベリアル。この2人のウルトラマンの力を宿したジードの基本形態である。
沼津の地に、勇者立つ。勇者の名はウルトラマンジード。
「ビッグなボディ……まさに、『ウルトラマン』ね……!」
その禍々しくも神々しい姿に思わず感嘆の声が漏れる鞠莉。
ジードは沼津を蹂躙し続ける怪獣、バーニング・ベムストラと向き合い構えたと同時に飛びかかり、膝蹴りをお見舞いする。仰反るベムストラ。そのままジードはマウントを取る。1発、2発、3発とベムストラを攻撃する。しかし、ベムストラも黙ってやられているだけではない。口から必殺の青い光線、ペイルサイクロンをジードへ放った。至近距離から光線を受けたジードはたまらず吹き飛ばされてしまう。
ピコン。ピコン。ピコン。
起き上がったジードの胸のカラータイマーが警告を発していた。活動限界が迫っている。早く決着をつけなければ!!
『じゃあ鞠莉ちゃんは学校が壊されていいの!!?』
『良いわけないじゃない!!!』
『私だって学校が壊されるのなんて見たくないわよ!!でも……でも……!』
先刻の2人の少女の会話が思い出される。ここで負けるわけにはいかない!!
強く決意したジードの青い目が輝きを増す。大地が轟く。赤と黒、2色のエネルギーが全身を迸り両腕に集まる。
『レッキングバースト!!』
掛け声と共に両腕をクロスし、充填したエネルギーをスパークさせる。すると光子エネルギーが激しく放射されるのだ。
ジードの放った必殺光線がベムストラを捉える。重々しい音と閃光が走ると同時に、その身体は飛散した。
「イェーーーース!!!!」
鞠莉が両手をあげて喜んだ。沼津に平和が戻った。
「コレだ……コレだよ!!!!」
一方千歌は、飛び去るジードを見ながら何かを閃いたのであった。