ウルトラマンジード×ラブライブ!サンシャイン‼︎ 輝らすぜ!群青‼︎   作:ラブライダーMEG

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第10話 この宇宙は誰のモノ?(後編)

『おりゃあああぁぁぁっ!!』

千歌(ゼロ)の跳び蹴りがチブロイドの一体に炸裂。大きく吹き飛び、木に叩き付けられた。千歌(ゼロ)の背後から他のチブロイドが右フックを仕掛ける。

 

 しかし、その拳が目標を捉えることはなかった。千歌(ゼロ)がしゃがんで回避したからだ。そのまま右手を地面に着き倒立。その勢いに乗せた左脚がチブロイドの顔面に激しくぶつかる。チブロイドはフラつき、そのまま膝から崩れ落ちた。

 だが、チブロイド軍団の猛攻は終わらない。千歌(ゼロ)の着地の隙を狙ってもう一体のチブロイドが右足を大きく振り上げる。回避が間に合わないっ……!

 

『ウルトラ念力!!』

チブロイドは空中で1回転。そのまま地面に叩き付けられる。千歌(ゼロ)の念動力によって投げ飛ばされたのだ。

『チッ、キリがないぜ……』

今度は3、4体のチブロイドに囲まれる千歌(ゼロ)。そのうち一体のチブロイドが回し蹴りを放つ。

 

 それを上体を反らし避けるとそのまま両手を地面につく。

『シェアァァァァァ!!!!』

まるでブレイクダンスのように身体を回転させ次々と蹴りを浴びせる。最後に残ったチブロイドが千歌(ゼロ)に殴りかかる。

 

 しかし、千歌(ゼロ)はその腕を左腕と脇腹で挟み込む。もがくチブロイドだが、逃げられない。右腕をブンブンと回し、大きく振りかぶる千歌(ゼロ)

『これで、フィニィィィッシュ!!』

強烈な拳がチブロイドを捉えた。たくさんいたチブロイドもコレで全てスクラップと化した。

『さぁ、これで残るはお前だけだぜ、チブル星人!!』

千歌(ゼロ)がチブル星人を指差すが、

「油断しましたね、ウルトラマンゼロ!!」

『ヤベッ!』

チブローダーから放たれた無数のミサイルが千歌(ゼロ)の目前に迫っていた。

 

 

 

 ダイヤ、ルビィ、善子、曜の4人が森の中を走る。

「早く祠を見つけてこの刀で心臓を貫かないと……ウルトラマンが……リクさんが危険ですわ」

ダイヤが言った。

「そうね、それに千歌とゼロも……」

善子も心配そうに続けた。

「みんなならきっと大丈夫だよ!だから私たちも、私たちに出来ることをがんばルビィするだけだよ!」

「ルビィ……!」

みんなを励ます妹の姿にダイヤは胸を熱くした。どうやらダイヤの知らない間にルビィは随分とたくましくなっていたようだ。

 

「善子ちゃん、危ない!!!」

「……えっ!?」

突然、曜が叫ぶ。物陰から1体のチブロイドが善子めがけて襲い掛かったのだ。間一髪、その凶刃が善子を襲うことはなかった。曜がチブロイドに組み付き、死に物狂いで阻止したのだ。

「みんな!私のことはいいから先に行って!!」

曜が必死に叫ぶ。

「ですが……」

「そうだよ、曜ちゃんを置いて行けないよ!!」

躊躇うダイヤとルビィ。その様子を見た曜は決意を固める。

 

「ごめんみんな、後はお願い……!」

 

曜はチブロイドに組み付いたまま、付近の斜面を勢いよく転がり落ちてしまった。

 

「よーーーーーーう!!!!!」

善子はただ、曜の名前を叫ぶことしかできなかった。

 

 

 

ズドォォォォン!!

 

 チブローダーから放たれたミサイルが千歌(ゼロ)へと着弾した。辺りを煙が包み込む。

「さすがのウルトラマンゼロも、人間のままでは脆いものですね……」

チブル星人が呟く。勝利を確信し、下品な笑みを漏らしていた。

 

 その時、煙の中から声がした。

『俺のビッグバンは……』

「何だと!?」

『もう止められないぜぇぇぇぇっ!!!!!』

叫びと共に煙が一気に晴れる。現れた人影は高海千歌ではなく、そこには赤と青のツートンカラーが特徴的な戦士が立っていた。頭には2本の宇宙ブーメラン。そう、光の国の若き最強戦士、ウルトラマンゼロだ。

「小癪なぁぁぁ!!!!」

再びチブローダーから無数のミサイルが放たれる。

 

『エメリウムスラッシュ!!!』

額のビームランプから次々と光線を放ち迎撃するゼロ。しかし、数発のミサイルを撃ち漏らしてしまう。だが、それらがゼロに当たることはなかった。高く飛び上がって回避したのだ。

『ワイドゼロショット!!!』

ゼロは両腕をL字に組み父親譲りの光線を放った。光子エネルギーがチブル星人へと一直線に向かう。

「喰らいなさい!!」

チブローダーの右肩に搭載されたビームレーザーポッドからレーザーが放たれる。2本の光線がぶつかり合い、大爆発を起こした。

 

 

 

「あと少しだっていうのに……」

善子が悔しげに言った。それらしき祠はもう見えている。しかし、チブロイドの軍団が彼女たちを囲んでいた。その時、どこからか声が聞こえた。

『拙者の力が必要なようだな……』

「善子さん!こんな時にふざけている場合ですか!?」

「いや、私じゃないわよ?」

「ルビィでもないよ?」

ダイヤが善子をたしなめるが、すぐさま否定されてしまう。確かにそうだ。いくら善子でもこんな時にふざけることはしない。ましてやルビィもそんなことはしない。

「すみません善子さん。それでは一体誰が……?」

『ここだ、お嬢さん方』

「「「ん???」」」

3人が顔を見合わせる。そしてその目線をゆっくりとダイヤが持っている刀に向ける。

「「「え~~~~~~~!!!??」」」

なんと、刀が喋っているのだ。

『拙者は錦田小十郎景竜(にしきだこじゅうろうかげたつ)。かつて宿那鬼(すくなおに)を封印した侍だ。さぁお嬢さん、刀を抜きなさい』

「え、えぇ……」

戸惑いながらも言われるがまま刀を抜くダイヤ。すると、

「え!?ちょっと!?」

意に反して走り出すダイヤ。驚きの声を上げながらチブロイドへ向かっていく。

 

一閃。

 

一体のチブロイドの上体が切り離された。

 

「お、お姉ちゃん……すごい……!」

ダイヤの身のこなしにルビィは驚きの声を漏らした。

『拙者がついているのだ。当然であろう。来るぞ!お嬢さん!!』

四方八方からチブロイドがダイヤに向かってくる。そのうちの一体が回し蹴り。

 

身をかがめて回避するダイヤ。そのまま左逆袈裟斬(ひだりぎゃくけさぎ)り。斜めに斬りあげる。

 

『お嬢さん!後ろだ!!』

背後からもう一体のチブロイドが斬りかかる。

 

が、背中に刀を回し、それを受け止める。振り返ってチブロイドの刀を弾き返すと、縦に一閃。チブロイドを撃破する。

 

残ったチブロイドが周囲から襲い掛かった。腰を落としダイヤは力を溜める。そしてその場で一回転。刀が風を斬る音が聞こえたときには、周囲のチブロイドたちはあっという間にバラバラになっていた。

「ハァハァ……疲れ、ましたわ……」

ダイヤは力を使い果たし、その場にへたり込んでしまった。

『当然だ。拙者がお嬢さんの身体を無理矢理動かしたのだ。しばらくはまともに動けんだろうな』

「ちょ、ちょっと!?さっきからあなた一体なんなのよ!?」

善子が突っ込む。

『先ほども申した通り、拙者は錦田小十郎景竜(にしきだこじゅうろうかげたつ)。かつて宿那鬼(すくなおに)と戦い、彼奴を封印したのだ。だが、後の世で彼奴が復活するかもしれんのでな。こうして魂を我が刀に宿しておいたのだ』

「なんかそれっぽいこと言ってるけど、あなたがちゃんとトドメをさしておけばよかったじゃない!!」

『いやぁ、面目ない……』

善子に責められ小さくなってしまう景竜(かげたつ)

「そんなことより早く祠に行かないと!」

ルビィが一行を急かす。

「そうですわね。曜さんのことも心配ですし……ルビィ、こちらに来てください」

ダイヤがルビィを呼ぶ。

「ルビィ、あなたがこの刀で鬼の心臓を貫くのです。黒澤家の一員として!」

ダイヤはルビィに刀を差しだす。

「お姉ちゃん……ルビィに、出来るかな?」

ルビィの声は震えていた。

「そんな顔しないで、ルビィ。あなたならできるわ。私の自慢の妹ですもの」

ルビィの髪を撫でながらダイヤは優しく語りかけた。

景竜(かげたつ)様、ルビィをお願いしますわね」

『まことに申し訳ないのだが、拙者にもう先ほどのような力はござらぬ。彼奴を封じ込めるために力を温存せねばならぬのでな』

「ほんと無責任な侍ね!!コラ、なんとか言いなさいよぉ~!!」

善子の叫び声が森の中にただ虚しく響き渡った。

 

 

 

 大きく刀を振り上げ、宿那鬼(すくなおに)がジードめがけて走り出す。そして勢いよくその刀が振り下ろされた。

 

しかし、ジードは左足を一歩引き、最小限の動きでそれを避ける。ジードの反撃。光の刀で真一文字に一閃。

 

だが、宿那鬼(すくなおに)はまるで猿のようにジャンプして避ける。

『しまった!』

隙だらけのジードに宿那鬼(すくなおに)はそのままドロップキックを繰り出した。

 

『ぐわぁぁぁ!!!』

仰け反り、そのまま尻餅をついてしまうジード。だが、足を大きく振り上げ、バネのように起き上がる。そして、目にも止まらぬスピードで宿那鬼(すくなおに)に接近。ウルトラマンヒカリ由来の光速の剣撃を次々と繰り出していく。

 

しかし、宿那鬼(すくなおに)もアクロスマッシャーとなったジードと互角かそれ以上の剣の達人であった。ジードの剣撃をすべて刀で受け止めていたのだ。

 

キィィィン!!

 

両者の刀がぶつかり、動きを止める。つばぜり合いだ。2人とも一歩も引かない。しかし、ここでジードは意表を突いた。ほんの一瞬、体の力を抜いたのだ。途端によろける宿那鬼(すくなおに)。ジードは連続バク転で距離を取ると、体勢を崩した宿那鬼(すくなおに)の背中に回り込む。

『今だ!!ジードクロォォォォォ!!!』

ジードクローを右手に装備し、宿那鬼(すくなおに)を狙う。

 

 

 

 ルビィを送り出したダイヤと善子はその場で待機し、遠くからルビィの様子を見守っていた。しかし、ダイヤはそわそわしてどこか落ち着きがない。

「どうしたのよダイヤ?妙に落ち着きがないわね?」

「いや、その、あの……」

「ルビィが心配なんでしょ?」

「そ、そんなことありませんわ!!」

ダイヤは右頬のホクロを掻きながら必死に否定する。しかし、その顔は彼女のイメージカラーである赤色で染まっていた。

「顔真っ赤よ、ダイヤ。いいわ、私が代わりに様子見に行ってあげるから安心しなさい」

善子は祠の方へゆっくりと歩き出した。

「すみません善子さん、本当は私が行かねばならないのですが……」

ダイヤが善子の後ろ姿に向かって言った。善子はダイヤに背を向けたまま答える。

「いいのよ、もう身体を動かすのもつらいんでしょ?あとそれと……」

そしてダイヤの方へ振り返ると

「善子じゃなくてヨハネよ!!」

と、言い残して祠の方へ走っていった。

 

 

 

 祠にたどり着いたルビィはその扉をゆっくりと開いた。

「これに、この刀を突きさせばいいんだよね」

中には宿那鬼(すくなおに)のものと思われる心臓があった。サッカーボールほどの大きさをしたそれは不気味に脈打っている。ルビィは刀を逆手に持ち、大きく振り上げた。

「ルビィ!!!危ない!!!」

後ろから善子の叫び声が聞こえた。

「……えっ?」

その声にハッとしてルビィは振り向いた。なんと、背後にチブロイドが迫っていたのだ。周りの光景がスローモーションになったように感じられる。しかし、恐怖にすくみ身体が動かない。ルビィはギュッと目をつぶった。

 

 

 

『今だ!!ジードクロォォォォォ!!!』

宿那鬼(すくなおに)の背後を取ったジードは、右手に持ったその得物を大きく振りかぶった。その瞬間、宿那鬼(すくなおに)の白髪が勢いよく逆立ち、後頭部があらわになる。()()()()()()はずのジードは宿那鬼(すくなおに)と目が合った。二面鬼宿那鬼(すくなおに)、こいつには後頭部にもうひとつの顔があるのだ。

『うわっ!!』

宿那鬼(すくなおに)の後頭部にある口から白い煙が勢いよく噴き出す。ジードはとっさに顔を両腕で覆った。宿那鬼(すくなおに)はその隙を突き、次々と斬撃を繰り出す。

『ぐわぁぁぁぁ!!!』

大きく吹き飛ばされたジードはプリミティブの姿に戻ってしまう。その胸の青い輝きは失われ、赤く点滅していた。

 

 

 

 

 ゼロとチブローダーの光線がぶつかり合い、相殺される。地面に着地するゼロ。しかし、チブル星人は攻撃の手を緩めなかった。

「ほらほらほらぁっ!!!避けないと死にますよぉっ!!!」

チブローダーからミサイルが矢継ぎ早に放たれる。ゼロは連続バク転でそれを華麗に回避する。

「避けてばかりじゃ私には勝てませんよ!!」

『舐めんじゃねぇぇぇぇ!!』

両手を勢いよく頭の高さに挙げ、2本のゼロスラッガーを勢いよく飛ばす。2本のスラッガーは風を切り裂きながらチブローダーめがけて飛んでいく。

「甘い甘い甘い!!そんな攻撃、チョコレートよりも甘いですよ!!」

しかし、チブローダーが高く飛び上がったことで、2本のスラッガーは無情にも虚空へと飛び去ってしまった。

 

 

 

「堕天奥義!堕天龍鳳凰縛(だてんりゅうほうおうばく)!!」

善子の声を聞き、ルビィは恐る恐る目を開く。

「善子ちゃん!!」

ルビィの目に、チブロイドにコブラツイストを仕掛ける善子の姿が飛び込んだ。しかし、

「何コイツ……力強すぎ……!!」

アンドロイドであるチブロイドに関節技は効果が薄いようだった。まさに人間離れした力で善子の拘束を振りほどこうとする。振りほどかれるのは時間の問題だ。

「ルビィ!善子さん!!」

その様子を遠くで見ていたダイヤがたまらず叫んだ。その時、

 

ガキィィン!!

 

ダイヤの背後で何かが地面に突き刺さる音がした。音がした方向を振り向く。

「これは……ゼロさんの……!」

そこにはゼロスラッガーが合体した武器、ゼロツインソードが突き刺さっていた。

「ゼロさん……ゼロさんの力、お借りします!!」

ゼロツインソードを手に取りダイヤは駆け出した。身体のあちこちが悲鳴をあげる。とうに限界は超えていた。

「はぁぁぁぁぁぁぁっっっ!!!!!!」

しかし、大切な仲間のために、そして愛する妹のために、ダイヤは全身全霊で走る。

「善子さん!!離れていてください!!!」

「だからぁ……ヨォハァネェ、だってば!!!」

ダイヤの声を聞き、善子はチブロイドからパッと離れる。そしてダイヤがゼロツインソードを真一文字に大きく振るった。鋭い音が辺りに響く。

「私の妹に手を出そうなんて、2万年早いですわ!!!」

チブロイドの上半身が地面に転がった。その鋼鉄の身体が真っ二つに斬り裂かれたのだ。

「ゼロさん、ありがとうございます……!」

ダイヤが感謝を述べる。するとゼロツインソードは元の宇宙ブーメランに戻り、持ち主の元へと飛び去っていった。

「ルビィ……あとは頼みましたわよ……」

力を使い果たしたダイヤは、膝から崩れ落ち、倒れ込んでしまった。

「お姉ちゃんっ!!」

それを見たルビィは刀を投げ出し、慌てて駆け寄ろうとした。しかし、

「来てはいけません!!」

ダイヤはルビィを拒んだ。

「ルビィ!あなたが今するべきことはなんですか!?」

「で、でも……」

「行きなさい!ルビィ!!」

ダイヤが必死に声をあげる。ルビィは踵を返し、走り出した。彼女の瞳には涙が浮かんでいた。

「それでいいのです……ルビィ……!」

ルビィの背中を見届け、安堵したダイヤは意識を手放したのだった。そしてルビィは再び刀を手に取る。

「うわあぁぁぁぁっ!!!!!」

ルビィは己を奮い立たせ、勢いよく宿那鬼(すくなおに)の心臓に刀を突き刺した。

 

 

 

「グオオオォォォォ!!!!!」

宿那鬼(すくなおに)が胸を押さえ苦しみだした。

『よし、今だ!!!!』

<ウルトラマンジード ロイヤルメガマスター!>

上空へと高く飛び上がったジードが光に包まれ、マントをはためかせながらゆっくりと降下してきた。ウルトラマンジード、ロイヤルメガマスターの降臨だ。リクはインナースペース内で、ウルトラマンエースのウルトラカプセルを起動。キングソードに装填する。

『バーチカルスパーク!!』

ジードは左腰にキングソードを納め、抜刀するように右上へ振り上げる。すると、キングソードから半月状の光の刃が勢いよく飛んで行く。

 ウルトラ兄弟の五男であるエースは切断系の技を得意とするウルトラマンである。そんなエースの力を使って放つ切れ味抜群の必殺技が「バーチカルスパーク」だ。

 宿那鬼(すくなおに)はジードの放った光の刃を刀で受け止めた。火花が激しく飛び散る。だが、宿那鬼(すくなおに)にそれを撥ねかえす力は残っていなかった。宿那鬼(すくなおに)の刀は哀れにも彼方へと弾き飛ばされてしまった。

 

 

 

「おのれおのれおのれぇぇぇぇ!!!!あと少しでこの宇宙は我が主のモノになっていたのにぃぃぃ!!!」

チブル星人が激昂して怒鳴り散らす。

『ふざけんな!!宇宙は誰のモノでもねぇ……この宇宙に生きるみんなのモノだ!!!』

ゼロの両手にダイヤの元から戻ってきたゼロスラッガーが握られる。それをカラータイマーにセット。胸のタイマーとスラッガーが青白く光り輝く。

『ゼロツインシュゥゥゥゥゥト!!!!!』

ゼロの胸部から強力な破壊光線が放たれた。ゼロの大技、「ゼロツインシュート」だ。その反動でゼロの両脚が地面にめり込む。

「ぐわぁぁぁぁぁっっ!!!!!」

閃光に包まれ、大爆発と共にチブローダーは木っ端みじんに砕け散った。

 

 

 

『これでトドメだ!!!』

ジードは右手に持ったキングソードを逆手に持ち替え、高く掲げる。キングソードに光のエネルギーが充填されていく。

『ロイヤルエェェェンド!!!!』

キングソードと左手で十字を組む。するとロイヤルメガマスターの身体に宿った宇宙最強の力が一気に解き放たれる。ロイヤルメガマスター最強の必殺技、「ロイヤルエンド」だ。

「ギイィィィイヤァァアァァッッ!!!!!」

強烈なエネルギーを浴びた宿那鬼(すくなおに)の身体は大爆発を起こした。伝説との闘いに、終止符が打たれたのだ。

 

 

 

 戦いが終わり、リク、千歌、ルビィ、ダイヤ、善子は祠の前に集まっていた。

「ふう、なんとか倒せたね、みんなのおかげだよ。ありがとう」

リクがみんなにお礼を言った。その隣で千歌がキョロキョロしている。

「ねぇ!ちょっと待って、曜ちゃんは!?」

「それが……」

ルビィが曜の身に起こった出来事を説明した。

「ごめんなさい……私のせいよ……私、探してくる!!」

責任を感じていたのか、善子が勢いよく駆け出していった。

「あ、善子ちゃん!!」

千歌が呼び止めるも、善子の姿はあっという間に見えなくなった。

「みんなで手分けして探そう。僕はこっちを探すから、千歌ちゃんはあっちをお願い」

とリクが指示を出した。

「ルビィはお姉ちゃんとここにいるね。お姉ちゃん、もう動けないみたいだから」

「不甲斐ないですわ……みなさん、頼みましたわよ」

ダイヤは悔しそうにうつむいていた。

 

 

 

「はぁはぁ……まだです……まだ終わりませんよ……!!」

森を徘徊する異形の姿があった。その正体は先刻の闘いを辛うじて生き延びたボロボロのチブル星人だった。その様子を物陰から窺っている人物がいた。善子だ。

「アレは……?あの宇宙人、まだ生きていたのね……」

森の中で曜を探し回っていた善子は幸か不幸か、曜ではなくチブル星人を見つけてしまったのだ。

「リクさんたちにこのことを伝えなきゃ……」

善子は目の前で起こっていることを伝えるためにスマホを取り出した。

「チブルよ、ご苦労であった」

チブル星人の背後から人影が歩み寄り言った。

「陛下!申し訳ございません!!この次は必ずや成功させて見せましょう」

「もうよい、お前には失望した」

陛下と呼ばれたその人影がゆっくりと手をかざす。すると、チブル星人の身体が突然、漆黒の炎に包まれた。

「へ、陛下!?お止めください!!ギィヤャァァァァ!!!!」

もがき苦しみのたうち回るチブル星人。彼の絶叫が森の中にこだまする。声にならない叫びをあげながら転がりまわっていたチブル星人はやがて、物言わぬ灰となってしまった。森が静けさを取り戻す。しかし、その静寂が返って不気味であった。

(ウ、ウソでしょ……!?どうして……どうしてあなたが……!!)

善子は目の前で繰り広げられた惨劇に激しく動揺してしまい、指一本すら動かすことができずにいた。とにかくこのことをリクたちに知らせなければならない。震える手でスマホを操作しようとする。しかし、

(あっ……!!)

スマホは無情にも善子の手から滑り落ちてしまった。

「誰だ!?」

考えるよりも早く、善子は振り向き足を一歩踏み出した。だが、前に進むことは叶わなかった。目の前には先程まで背後にいたはずの人影の姿があった。

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