ウルトラマンジード×ラブライブ!サンシャイン‼︎ 輝らすぜ!群青‼︎ 作:ラブライダーMEG
マルには大事な友達がたくさんいる。まずはルビィちゃん。彼女との出会いは中学校の図書室だった。次に善子ちゃん。善子ちゃんとは幼稚園が一緒で、入学式の日に再会した。そして、スクールアイドルAqoursのみんな。
実はもう1人、大事な友達がいる。これはマルと彼女とのお話だ。
ある朝、
いつものランニングコースを走っていると、物陰で誰か倒れているのに気がついた。恐る恐る近づいて声をかける。
「あの〜、だいじょ……!?」
しかし、倒れている人物の顔を見て花丸は言葉を失った。いや、正確にはヒトではない。倒れていたのは変身宇宙人、ピット星人だったのだ。
ピット星人が目を覚ますと、そこは見知らぬ天井だった。
「ここは……?」
「目が覚めたずらか?ここはマルの家ずら」
花丸がピット星人に問いかける。
「ち、地球人……!?」
ピット星人は困惑を隠せない。
「いや〜、ビックリしたよ〜。ランニングしてたら傷だらけで倒れてたんだもん」
花丸のその言葉を聴いて、ピット星人は自分の怪我に処置が施されていることに気づく。
「あ、自己紹介がまだだったね。オラは国木田花丸。よろしくずら!」
そう言って花丸は手を差し出す。
「なぜ私を助けた」
しかし、差し伸べられた手には目もくれずピット星人が冷たく返す。
「生きとし生けるもの、みんな大切な命ずら。あなたが一体何者でも、関係ないずらよ」
と、お茶を飲みながら花丸は返す。
「さ、お腹空いてるでしょ?食べるずら!」
そう言って花丸はお茶とパンを差し出す。
「これは?」
「のっぽパンずら!美味しいずらよ〜〜」
ピット星人は恐る恐る、のっぽパンを口に運んだ。
「……美味しい」
「でしょ〜〜!静岡以外ではなかなか手に入らないんだよ〜!」
花丸が嬉しそうに言うと、ピット星人がポツリと呟いた。
「マーガレット……」
「え……?」
「私の名前、マーガレット……」
それを聞いて、花丸の表情がパァッと明るくなった。
「すまない、もう少しだけ眠っていいか……?」
「いいずらよ、おやすみなさん」
花丸の言葉を最後まで聞くことなく、マーガレットは深い眠りに落ちた。
マーガレットが目を覚ますと、花丸が何かを熱心に見ていた。
「ハナマル……?何をしているの?」
「本を読んでいるずら。マーガレットちゃんも読んでみる??」
そう言って花丸は一冊の本を差し出すが、
「地球の言葉は難しい……私には読めない……本とはそんなに面白いものなのか?」
その言葉を聞いた花丸は、何かのスイッチが入ったかのように捲し立てる。
「本はね、自分の知らない、行けない世界を見せてくれるんだよ。それに、学校や塾とは違う事を教えてくれるずら。評論や百科事典だけじゃない……小説だって。……それにね、表現力とか想像力とか、幅広い年代の本でその時代の言葉が分かって語彙も豊かになるずら。マルにとって本は1番身近な先生ずら! 」
早口で話す花丸にポカンとしているマーガレット。
「ご、ごめんずら。つ、つい熱くなっちゃって……」
「ハナマルがそんなに好きなら、私も読んでみたいな……」
「ホント!?それじゃあまずは日本語のお勉強ずら!!今から沼津に行って、参考書を買いに行くずら!!……あっ、でも」
そこまで言って花丸はあることに気づいた。宇宙人であるマーガレットが街を歩けば大騒ぎになってしまう。
「大丈夫、私……」
マーガレットの姿はたちまち地球人の少女へと変わる。
「……変身できるから」
「み、未来ずら〜〜!!」
マーガレットの早変わりに花丸が目を輝やかせて驚いた。
「……すごい、本がこんなにたくさん……」
「マルはね、いつもここで本を買ってるんだよ!」
2人は商店街の本屋を訪れていた。その本の多さに、マーガレットは言葉を失っている。
「さぁさぁ、まずは日本語をお勉強するための本を選ぶずら。どれがいいかな??」
そう言って花丸は参考書コーナーを覗く。
「これがいいかな……あっ、あれも良さそうずら!」」
花丸はあっちへこっちへ目移りしている。
「よし、これずら!」
どうやら決めたようだ。
「ねぇ、マーガレットちゃん!」
「えっ」
マーガレットは急に呼びかけられて驚く。
「マーガレットちゃんは、どんなお話が好き??」
「私の星には……そういうの無かったから……」
「それじゃあ、この本をオススメするずら!」
そう言って花丸は一冊の本を棚から取る。沼津に所縁のある作家の作品だった。
「この本はね、日本で有名な作家さんが書いた本なんだけど、なんとこの沼津で書かれた本なんだよ!!」
花丸が差し出した本をまじまじと眺めるマーガレット。
「もしかして、嫌だったずら?」
「いや、こうした経験が初めてなもので困惑していたんだ。なんだか、胸がポカポカするな」
マーガレットの言葉を聞いて、花丸の顔は満点の笑顔になった。
本屋で買い物を終えた2人はおやつの時間を楽しんでいた。
「ん〜、美味しいずら〜」
満面の笑みでたい焼きを頬張る花丸。それとは対照的にたい焼きをジッと持って見つめるマーガレット。
「あれ?食べないずらか?」
「いや、その……どこから食べればいいのか……」
「マルはね、尻尾から食べるんだよ。だって頭から食べたら、なんだか可哀想ずら!」
と言いながら次のたい焼きへと手を伸ばす花丸。
「ふふっ、そうか」
マーガレットはそんな花丸を優しい目で見つめると、たい焼きを尻尾からかぶりつく。
「んっ、美味しい……!」
たい焼きに舌鼓を打つマーガレットであった。
「いや〜、今日はとっても楽しかったずら」
「私もだ。こんなに楽しかったのは初めてだ。ありがとうハナマル」
お腹も満たされ、楽しげに歩く花丸とマーガレット。
「こうしてマーガレットちゃんと友達になれてよかったずら!!」
「と、友達……」
花丸の言葉に頬を赤らめるマーガレット。
しかし、邪悪な声が2人の幸せな時間を引き裂く。
「やっと見つけましたよ、ピット星人!」
声の主はメフィラス星人。彼はまだ生きていたのだ。そしてメフィラスが続ける。
「ピット星人さん、あなたは何しにこの星へ来たのですか?まさかその地球人と友達になったなんて甘ったれたことを言い出すんじゃないでしょうねぇ……?」
メフィラスの言葉に動揺するマーガレット。
「マ、マーガレットちゃん……」
マーガレットの隣で恐怖に震える花丸。
その様子を見て、マーガレットは真っ直ぐな目でメフィラスに言い返す。
「そうだ!ハナマルは私の友達だ!この星はこんなにも美しい!そしてハナマルのように心優しい人がいる。こんな素晴らしい星を踏みにじる権利なんて誰にも有りやしない!!」
「そうですか。残念ですよ……どうやら優秀な人材を1人失うことになりそうだ」
そう言ってメフィラス星人は腕を水平に伸ばす。そしてその腕先から放たれた閃光がマーガレットを貫いた。マーガレットの身体が宙を舞う。
「マーガレットちゃん!!!!」
ドサッと倒れたマーガレットに駆け寄る花丸。
「裏切り者にはふさわしい末路です。では、ピット星人に代わってあなたを踏み潰して差し上げましょう、地球人!!」
そう言ってメフィラスはライザーを取り出した。
「さぁ、ゲームを始めましょう!!」
<ベムスター> <ゼットン>
<ウルトラマンベリアル ベムゼード>
メフィラスの身体は、ベリアル融合獣、ベムゼードへと変貌した。
目の前に巨大な怪獣が現れ、恐怖の表情を浮かべる花丸。悲鳴をあげることすら忘れるほどの恐怖だった。ベムゼードの巨大な足が花丸の頭上へと迫る。
しかし、その足が花丸を押しつぶすことはなかった。ウルトラマンジードが現れ、ベムゼードに膝蹴りを喰らわせていたのだ。
『メフィラス、やはりまだ生きていたか!』
『ふっふっふ、我が目的を達成するまでは死ねませんよ!!』
ベムゼードは火球をいくつも繰り出し、ジードを攻撃する。辺りが爆炎に包まれる。
『あのベリアルを倒したジードといえど、こんなものですか。案外大したことないのですね』
メフィラスがベムゼードの中で高らかに笑う。
『大したことないのはお前だ!メフィラス!!』
爆炎が晴れるとそこにはすでにエネルギーを貯めたジードの姿が!
『レッキングバーストォォ!!』
ジード渾身の光線が放たれる。
しかし、その光線はベムゼードの手に吸い込まれていった。
『一体、誰が大したことないのですか?』
ベムゼードは吸い込んだ光線をそのままジードに放った。意表を突かれたジードは自分の光線をモロに喰らい、吹き飛ばされる。
ヨロヨロと起き上がるジード。その胸からは警告音が鳴り響いている。
『解析が完了しました。あれはベムゼード。ベムスターとゼットンが融合したべリアル融合獣です。いずれも光線技に対して、とても強い耐性を持っている怪獣です』
ジードの脳内に女性の声が響く。声の主はレム。リクをサポートする優秀なAIだ。
『リク、あの怪獣に対抗するにはカプセルの交換を』
『ああ!』
レムのアドバイスを聞き、ジードの中でリクがジードライザーを構える。
「融合!」
「アイ、ゴー!」
「ヒアウィーゴ-!」
<フュージョンライズ!!>
「魅せるぜ!衝撃!」
「ジィィィィド!!!」
<ウルトラマンヒカリ> <ウルトラマンコスモス>
<ウルトラマンジード アクロスマッシャー!>
ジードが、姿を変える。
【ウルトラマンジード アクロスマッシャー】
光の国の優秀な科学者であり剣の達人、ウルトラマンヒカリ。そして、優しさと強さを併せ持つ慈愛の勇者、ウルトラマンコスモス。この2人のウルトラマンの力を宿したスタイリッシュなスピード形態である。
『スマッシュビームブレード!!』
青き姿へと変わったジードの右腕に光の剣が形成される。そして真っ直ぐにベムゼードへ突っ込む。ベムゼードも火球を繰り出し応戦する。1発、2発、3発、何発も何発も火球を撃ち込む。しかし、ジードはその全てを斬り落としていく。そしてベムゼードとのすれ違いざまに一閃。その一撃でベムゼードの両手を切断する。悶えるベムゼード。
『これでもう光線は吸収できないな!!』
しかし、まだ攻撃の手は緩めない。
『ジードクロォォォ!!』
ジードが叫ぶとその右腕に二又の鉤爪が現れた。
『これでトドメだ!!』
<シフトイントゥマキシマム!!>
『ディフュージョンシャワー!!』
ジードクローから上空へと放たれた光が雨のようにベムゼードへと降り注ぐ。吸収能力を失ったベムゼードはなす術なく爆発した。
「マーガレットちゃん!!マーガレットちゃん!!」
マーガレットの前で花丸が叫ぶ。今、マーガレットの命の灯火が消えようとしている。ふと、花丸の視界が暗くなる。花丸が視線を上げてみると、ウルトラマンが花丸とマーガレットを見つめていた。ウルトラマンは優しくゆっくりとうなずくと、両手から暖かな優しい光を放出した。その光がマーガレットを包むと、彼女の傷はみるみるうちに塞がっていく。
「ありがとう!ウルトラマン!!」
ウルトラマンにお礼を言う花丸。
「う、う〜ん」
「マーガレットちゃん!!」
マーガレットが目を覚ますと花丸は嬉しそうに彼女の名前を呼ぶ。
「ハナマル、本当に申し訳ない。私のせいで危険な目に合わせてしまって……」
「マーガレットちゃんが悪いわけじゃないずら。気にしないで」
「だけど、これ以上一緒にいたらまたハナマルを巻き込むことになる……」
「……え?」
「……だから私は旅に出ようと思う」
「そんな!マーガレットちゃんは何も悪くないずら!!せっかく仲良くなれたんだよ!?こんなの寂しいずら……」
「ハナマル……」
マーガレットは伏し目がちに佇んでいる。
「……また、会えるよね?」
花丸が泣きながら尋ねる。
「きっとまた会えるさ、だって地球は丸いんだから」
「……待ってるから……!だってまだ、本の感想、聞いてないずら!!だから……だから絶対……絶対また会おうね!!!」
「あぁ、約束だ!」
2人は硬く誓い合った。
「ありがとう……遥かなる友人よ……」
その言葉と共に、マーガレットは夕焼けへと消えていった。