ウルトラマンジード×ラブライブ!サンシャイン‼︎ 輝らすぜ!群青‼︎ 作:ラブライダーMEG
浦の星女学院の体育館で、全校朝会が開かれていた。
「次は理事長のお話です」
生徒会長のダイヤのアナウンスで、理事長でもある鞠莉が登壇する。
「今日は皆さんに紹介したい人がいマース」
そう言って鞠莉が指差した先には……
「今日から、この学校の警備員として働く、朝倉リクさんデース!」
そう、朝倉リクの姿があった。
どうしてこんなことになったのか。話はベムゼードとの戦いの後まで遡る。
***
「見つけたわよ朝倉リクさん。やっぱりここにいたのね!」
小原鞠莉が戦いを終えたリクに話しかける。
「あ、君はこの間の!え〜〜と……」
「小原鞠莉よ。よろしくね!実はあなたにお願いがあって探していたの!」
「僕に、お願い……?」
「そう、実は私、浦の星女学院の理事長をしているんだけど、あなたをそこの警備員として雇いたいの〜!」
「浦の星ってこの間の学校のこと?でも、どうして僕なんかに??」
リクが疑問を口にする。
「私には学校を守る義務があるの!でももし、この間や今日みたいなことが起こったら、私には守ることができない!だから、貴方にお願いしたいの!!」
鞠莉は強く訴える。
「でも、か、怪獣なんて僕にはどうにも……」
なんとか誤魔化そうとするリク。
「あら〜誤魔化さないでいいのよ〜」
とリクに近づきながら言う鞠莉。そしてリクの耳元で
「あなたなんでしょ、ウルトラマン」
とささやいた。
「え、そ、そ、そんな!ぼ、僕がウルトラマンなわけないじゃないか!!何言ってるんだよ、もう〜〜」
「その慌てっぷり。やっぱりあなたがウルトラマンだったのね」
「あれ、もしかして、カマかけた??」
呆気に取られるリク。
「それじゃ、引き受けてくれるわよね!チャオ〜〜!」
そう言い残して鞠莉は立ち去った。
これがリクと鞠莉のセカンド・コンタクトである。
***
放課後、リクは今後の打ち合わせのため、理事長室を訪れた。
「来たわねリクさん、待っていたわ。まず、あなたが知っていることを教えてもらっていいかしら?」
鞠莉が尋ねると、リクは語り始める。
「僕はウルトラマンジード。デビルスプリンターを悪用しようとしている宇宙人を追って、こことは違う宇宙から来たんだ」
「ワーオ……違う宇宙……つまりパラレルワールドってことね。ところで、デビルスプリンターって??」
「光の国の反逆者、ウルトラマンベリアルが宇宙のあちこちで暴れ回ったときに……落としていった破片……いや、細胞の一部かな?」
「ウルトラマン、ベリアル……?」
「うん、僕が決着をつけなきゃならない相手……」
父、ベリアルのことを聞かれてリクは複雑な表情で答えた。
「オッケー、難しいことは良く分からないケド、あなたが正義の味方だってことはよーく分かったわ。改めてこの学校をよろしく頼むわ」
鞠莉は手を差し出した。
「任せて!この学校も、この世界も!あいつらの好きな様にはさせない。」
その手を固く握るリク。
「ところで、そんな本物のスーパーヒーローにもう一つ頼みたいことがあるんだけど、いいかしら〜?」
「も、もしダメって言ったら……?」
急な頼み事に、何かを感じたのか恐る恐る尋ねるリク。
「ん〜〜、私の口がウッカリ色々喋っちゃうかも!」
それを聞いて苦々しく笑うリク。そんなウッカリで正体をバラされたら大変だ。
「それで、頼み事って?」
「実は今新曲のPVを作ってるんだけど、ヒーローソングなの。」
聞くところによると、先日のベムストラとの戦いを見ていた千歌が閃いたのだという。
「それで、せっかくなら本物のウルトラマンにアドバイスを貰いたいの。ダメかしら?」
「そういうことなら僕に任せて!だけど、ちょっと時間をもらってもいいかな?」
「あら頼もしいわね。頼りにしてるわ。それじゃあ私は練習があるからこれで。チャオ〜!」
そう言って鞠莉は理事長室を後にした。残されたリクは自身の影に語りかける。
「なぁ、ペガ、ちょっと相談があるんだけど」
『おかえりなさい。リク、ペガ』
サポートAI、レムがリクを出迎える。ここは星雲荘。リクたちの秘密基地である。
「ただいま、レム」
リクが答える。
「ただいま〜」
さらにリクの影が答えたかと思うと
「よっと」
リクの影から何かが現れた。それは地球人とは似つかない姿をしていた。
彼はペガッサ星人のペガ。リクの親友である。彼らペガッサ星人はダーク・ゾーンと呼ばれる異空間を作り、その中に隠れることができる。その能力を使い、ペガはリクの影に潜み、行動を共にしている。彼ら2人が出会った時から、リクの影はペガの特等席なのである。
「それで、相談って何、リク??」
「実はペガに頼みたいことがあるんだ」
そう言ってリクはペガに耳打ちする。
「えぇ!?僕が!!?」
「いいだろ?ペガ、頼む!」
「そこまで言うなら……やってみる!ジーッとしててもドーにもならないもんね!」
ペガは小さくガッツポーズをして気合を入れた。
次の日の放課後、リクはAqoursの部室を訪ねた。
「こ、こんにちは〜」
「「あ〜、リクさん!!」」
思い掛けない来客に千歌と梨子が驚く。
「「あの時はありがとうございました!!」」
2人が声を揃えて礼を言う。
「あれ?千歌ちゃんたち、リクさんと知り合いなの?」
「この間、怪獣が出てきたときに助けてもらったんだって」
疑問に思ったルビィに曜が答えた。
「それで、警備員さんが私たちに何の用事ですの?」
ダイヤが疑問をぶつける。
「もしかして……事件!?まさか、地獄の門が開いてしまったとでも言うの!?」
「そんなわけないずら善子ちゃん」
大袈裟にポーズを決めて騒ぐ善子を冷たくあしらう花丸。
「だからヨハネだってば!」
と、いつもの光景が繰り広げられる。
「私が呼んだのよ。ヒーローソングなら男性目線のアドバイスも必要でしょ?」
と鞠莉がウインクをして経緯を説明した。
「そういうこと。それで今日はみんなにヒーローのことを良く知ってもらおうと思ってコレを持ってきたんだ。」
すると、リクはバッグからたくさんのDVDを取り出した。『爆裂戦記ドンシャイン』。リクの敬愛する特撮ヒーロー番組であり、彼のルーツとも言える作品である。
「特撮ヒーローかぁ、昔、千歌たちとよくごっこ遊びしてたっけ」
果南が昔を懐かしむ。
「さぁっ、ジーッとしてないで、ドンシャイン見ようぜ!」
リク主催によるドンシャイン観賞会は連日行われた。
ドンシャインをひと通り視聴し終え、いよいよ新曲PV撮影の日となった。部室に集まるAqoursのメンバーとリク。
「さぁ、張り切って撮影するぞ〜!!」
千歌が気合いを入れて叫んだ。
「その前に……実は今日の撮影に向けて、僕の他にもう1人助っ人を呼んであるんだ」
と、気合いの入った千歌をリクが遮る。
「お〜い、ペガ〜!ジーッとしてたらドーにもならないだろ?入ってこいよ」
リクが扉に向かって叫ぶと、扉がゆっくりと開いた。
「こ、こんにちは……」
ペガが恐る恐る部室に入って挨拶をする。
「わぁ〜、すごい!コレって着ぐるみ??」
曜が興味深そうにペガをまじまじと見る。
「ほんと不思議ね。どうなってるのかしら?まるで本物みたい」
梨子も驚きを隠せない。そもそも本物みたいではなく本物なのだが。
「ヒーローには悪役が必要だろ?そこで準備しておいたんだ。さぁ、ジーッとしてないで撮影しに行こうぜ!」
あまりジロジロとペガを見られたらまずい。そう思ったのか、リクが話題を撮影の話へと戻す。
「おっと、そうだった。それじゃあ撮影に、レッツゴー!!」
『おーっ!!』
千歌の掛け声にその場にいた全員が答えた。
一行は順調に撮影を進めていった。いよいよ、ラストシーン。曲のクライマックスの撮影である。
「う〜ん、せっかくだから、思いっきりドーンってしたいよね」
千歌が突拍子もないことを言い出した。
「いくらなんでもそれは無理でしょ」
果南は呆れ顔で突っ込んだ。
「この堕天使ヨハネにかかれば爆発のひとつやふたつ……」
「それじゃ、善子ちゃんにお願いするずら」
「善子ちゃん、がんばルビィ!」
「ちょっとぉ!……っていうか、ヨハネ!」
善子、花丸、ルビィの1年生によるコントは相変わらずである。
「あはは、やっぱり無理だよね……」
千歌が照れ笑いを浮かべながら言った。
「もう……千歌ちゃんったら」
そんな千歌を微笑ましく見ながら梨子が独り言を言う。
その刹那、耳をつんざくような音が響いた。
全員が音のした方を振り向く。なんと空が割れているではないか。割れた空の向こうには恐るべき怪獣、否、超獣の姿があった。奴の名は一角超獣バキシム。怪獣よりも強い、恐るべき生物兵器だ。
リクは、ペガと鞠莉に目配せをする。2人が大きくうなずく。
「う、うわぁー、か、怪獣だー。早く逃げないとー!」
リクが大根演技でその場を離れる。それを見たペガと鞠莉は他のメンバーを別の方に誘導した。
「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」
他のメンバーがうまく逃げたことを確認したリクはジードライザーを構える。
「融合!」
「アイ、ゴー!」
「ヒアウィーゴー!」
<フュージョンライズ!!>
「決めるぜ!覚悟!」
「ジィィィィド!!!」
<ウルトラマン> <ウルトラマンベリアル>
<ウルトラマンジード プリミティブ!>
バキシムと相対するジード。ジードを認識したバキシムは鼻先からミサイルを発射する。
『レッキングロアー!!』
そのミサイルを口から音波を繰り出し相殺するジード。そしてそのまま一気に距離を詰めようとする。しかし、バキシムの繰り出した火炎に阻まれてしまう。
『だったらコレで……ジードクロォォォ!!!』
体勢を整え、ジードクローを呼び出すジード。
『コークスクリュージャミング!』
そして全身をドリルのように回転させ、バキシムへと突っ込む。バキシムは再び火炎を繰り出し応戦するが、ジードは怯むことなくバキシムへと突っ込んだ。たまらず倒れるバキシム。
『今だ!』
その隙を逃さず、ジードはエネルギーを溜める。大地が轟き、黒き稲妻が迸る。
『レッキングバーストォォォ!!!』
クロスした両腕から光子エネルギーが放射され、激しい爆発と共にバキシムは塵となった。
数日後、リクはAqoursの部室を訪ねた。鞠莉に呼ばれたからだ。
「こんにちは〜。この間の撮影の日はゴメン。あんなことになっちゃって……」
リクが謝罪をした。
「どうしてリクさんが謝るんですか?おかげで、すっごくいいPVが撮れたんですよ!!」
千歌が太陽のように明るい笑顔で言った。
「え、そうなの?」
キョトンとするリク。
「千歌ちゃんったら、怪獣が出てきても『カメラを止めるな!』って大騒ぎだったんですよ」
と梨子。
「ま、そういうところが千歌らしいよね」
「そうそう、でもそのおかげで大迫力のPVになったんだよね、善子ちゃん!」
と、果南と曜が続く。
「まったく、編集大変だったんだから……あとヨハネ」
編集の苦労を思い返す善子。
「善子ちゃん頑張ってたもんね。ありがとう」
「だからヨハネ!」
善子をルビィがねぎらうが、やはりヨハネとは呼んでもらえず、いつものように善子が訂正をする。
「カンペキなPVが出来上がりましたわ」
「Aqoursの注目度アップ間違いなしデース!」
ダイヤと鞠莉がPVの出来に太鼓判を押す。
「それじゃあ、聴いてください。せーの……」
千歌の合図で9人が声を揃える。
『シャゼリア☆キッス☆ダダンダーン』