ウルトラマンジード×ラブライブ!サンシャイン‼︎ 輝らすぜ!群青‼︎ 作:ラブライダーMEG
淡島の海岸線に2人の少女の姿があった。果南と鞠莉だ。
「こうして鞠莉と釣りをするのも久しぶりだね」
「まったく、誰かさんが素直にならないせいでね〜」
「それはお互い様でしょ?」
2人は笑い合う。長いすれ違いを経てようやく仲直りをした果南と鞠莉はその幸せな時間を噛み締めているのだ。
「鞠莉!引いてる引いてる!」
鞠莉の竿が強く引っ張られる。2人がかりで竿を引くが、なかなか釣り上げることはできない。
ザッパァーン!
しぶきをあげ、魚が釣りあげられた。
「小さいね」
「小さいデース」
が、苦労して釣った割にはその魚は小さかった。
「っていうか何これ?こんな魚、初めて見るよ」
果南が不思議に思う。その生き物はツノの生えたナマズやウミウシのようにも見える。果南の家はダイビングショップを営んでおり、彼女自身もダイビングを趣味としている。その海に詳しい果南が見たことない生き物である。かなり怪しいが……
「ワーオ、もしかして新種かしら?すごいもの釣っちゃったわネ!連れて帰って飼っちゃおうかしら!」
なんと、鞠莉はコイツを飼うと言い出した。
「え、鞠莉……コレ、飼うの……?」
さすがの果南も引いている。
「よろしくね!マイコォ!」
「名前までつけちゃってるし……」
その翌日、Aqoursはいつものように学校の屋上で練習に励んでいた。
「ワン、ツー、スリー、フォー」
果南のカウントに合わせて踊るメンバー。
「鞠莉、どうしたの?なんだか今日は動きが鈍いよ?」
いつもと違って、動きにキレがない鞠莉を果南は心配した。
「大丈夫……なんともないから……」
「そう……」
俯きがちに、大丈夫、と答えた鞠莉を果南はジッと見つめるのであった。
その夜、果南は鞠莉をいつもの海岸に呼び出した。
「前にここに呼び出した時はまだ喧嘩してたっけ」
その時を思い出しながら、果南は鞠莉を待っていた。しかし、その夜、鞠莉が現れることはなかった。
そして鞠莉は、学校に来なくなった。
数日学校に来ていない鞠莉を心配したリクは果南やダイヤなら何か知ってると思い、3年生の教室を訪ねた。
「鞠莉さん、いったいどうしたの?ここ数日学校に来てないみたいだけど?」
「それが……分からないのですわ……メッセージアプリの返信もないみたいですし……」
ダイヤが不安そうに答えた。
「最近、鞠莉さんに変わったことなかった?」
「そういえばこの間の練習の時、様子がおかしかったですわね……」
リクの問いに先日の練習の様子を思い出すダイヤ。
「そうだ……あの時、変な魚を釣ってからだ……」
果南は鞠莉の異変について心当たりがあるようだ。
「変な……魚……?」
リクが聞き返す。
「そう。私も初めて見る不思議な魚だった。今思えば、鞠莉がおかしくなったのもアレからかも……!」
「調べてみよう!まずは鞠莉さんのところに行かなきゃ!」
「私も行く!」
果南が同行を申し出る。
「すみません……わたくしは今日習い事が……リクさん、果南さん、どうか鞠莉さんをよろしくお願いします」
ダイヤが深々と頭を下げた。
こうして、リクと果南が鞠莉を訪ねることになった。
その日の放課後、リクはAqoursの練習を早めに切り上げた果南と一緒に鞠莉の家を訪ねた。
「うわっ、大きいなぁ……もしかしてコレ全部が鞠莉さんの家?」
鞠莉の家、ホテルオハラの大きさにリクは圧倒されている。
「鞠莉の家、すごいでしょ?さぁ、行こう」
こうして2人は鞠莉の部屋の前にやってきた。リクはドアをノックした。しかし、返事はない。
「鞠莉ぃ!いるんでしょ?出てきて!」
「鞠莉さん!みんな心配してるよ。何があったの?」
2人が呼びかけると、ドアがゆっくりと開いた。
「あら、どうしたの2人とも?」
うつろな目をした鞠莉が出てきた。心なしか顔色も悪いように見える。
「どうしたの!?鞠莉!?具合悪そうだよ?」
「うるさいわね……ほっといてよ……私はマイコォの世話で忙しいの」
心配する果南をよそに、鞠莉は勢いよくドアを閉め、鍵をかけてしまった。
「鞠莉……」
悲しそうに立ち尽くす果南。
「ごめん、ちょっとトイレ!」
そう言ってリクは席を外した。
「どう思う?レム?」
リクは腰につけたジードライザーのナックルを握り、呼びかける。こうすることで星雲荘と通信することができるのだ。
『なんらかの地球外生命体に寄生されている恐れがあります。どうか気をつけて、リク』
レムが分析結果を伝える。
「地球外生命体か……」
リクが呟くと、突然辺りが暗くなった。どうやら停電したようだ。
それから数秒と経たないうちに地割れのような音が響き渡った。リクが近くの窓から外を見ると、そこには月明かりに照らされた放電竜エレキングの姿があった。
「ジーッとしてても、ドーにもならねぇ!」
辺りを見渡し、誰もいないことを確認すると、リクはそのまま窓から飛び降りた。
<フュージョンライズ!!>
「決めるぜ!覚悟!」
「ジィィィィド!!!」
<ウルトラマン> <ウルトラマンベリアル>
<ウルトラマンジード プリミティブ!>
リクの身体が戦うための姿に変わる。
「鞠莉!鞠莉!!」
怪獣が現れた。このままだと鞠莉が逃げ遅れてしまう。そう思った果南は必死でドアを叩く。しかし、返事はない。
「こうなったら……」
果南は覚悟を決めた。数歩下がり、ドアに向かって思いっきり体当たりする。1回、2回。何回か体当たりをし、扉を壊すことに成功した果南。そこには割れた水槽と倒れた鞠莉の姿があった。
「鞠莉!!!」
果南が鞠莉に駆け寄る。辺りを見渡すと、水槽の中にいるはずの奇妙な魚はどこにも見当たらない。そのことから1つの仮説を立てた果南。
「割れた水槽……まさかあの魚が怪獣だったの?いや……そんなことより早くここを離れなくちゃ……!」
気を失った鞠莉を抱きかかえ、果南は走り出した。
ジードがエレキングに後ろから組みつく。このままではホテルオハラに大きな被害が出てしまう。それに中には果南と鞠莉がいる。絶対にここで戦うわけにはいかない。そう思ったジードはエレキングを海へと投げ飛ばした。投げ飛ばされたエレキングは反撃に出た。口から三日月状の光線を数発繰り出すエレキング。それを受け止めるジード。避けてしまえば鞠莉たちに被害が及んでしまう。こうして生まれた隙をエレキングは見逃さなかった。怯んだジードに向けてすかさずその長い尻尾を巻きつける。そしてその尻尾に強力な電流を流し込んだ。その電圧は50万Vにも及ぶ。苦悶の声を漏らし、膝をつくジード。その胸の輝きは活動時間の限界が近いことを示していた。
「融合!」
「アイ、ゴー!」
「ヒアウィーゴ-!」
<フュージョンライズ!!>
「燃やすぜ!勇気!」
「ジィィィィド!!!」
<ウルトラセブン> <ウルトラマンレオ>
<ウルトラマンジード ソリッドバーニング!>
ジードの姿が赤い鎧を纏ったような姿に変わると、全身から蒸気を吹き出した。その蒸気にエレキングは耐えきれず、思わず尻尾を緩めた。
【ウルトラマンジード ソリッドバーニング】
誰よりも地球を愛した真紅のファイター、ウルトラセブン。そして、セブンを師とする宇宙拳法の達人ウルトラマンレオ。この2人のウルトラマンの力を宿したメカニカルなボディの格闘形態である。
その頭部に装着された宇宙ブーメラン、ジードスラッガーを握り、飛びかかるジード。そのまま大きくなぎ払い、エレキングの角を1本折る。悲鳴をあげるエレキング。
『ブーストスラッガーキック!!』
ジードスラッガーを右脚に装着し回し蹴り。その一撃でもう1本の角もへし折った。
『トドメだ!』
ジードの右腕のアーマーが展開する。
『ストライクブースト!!』
そして右腕から必殺光線、『ストライクブースト』を放った。その一撃でエレキングは木っ端微塵に砕けちった。
鞠莉が目を覚ました。
「あれ……果南……?ここは……アレ……?」
どうやら記憶がハッキリとしないようだ。
「変な魚を釣ったのは覚えてる?」
「うん、それから家に連れて帰って……」
「そう。その魚が実は怪獣で、鞠莉をおかしくしてたんだよ」
「ソーリー、心配かけたわね。ということは、私たち、怪獣一本釣りしちゃったわけ!?」
「ぷっ、なにそれ!」
2人の笑い声が夜空に響く。
「ねぇ果南?一つお願いがあるんだけど」
「なぁに?鞠莉?」
「ハグ、しましょ!!」