BLDTroiaSの日常 アライさん編第三話   作:アライさん

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BLDTroiaSの日常 アライさん編

サイコガンダム。Zガンダムに登場する全長40mの強化人間専用MA。デカイ図体故多少動きは鈍く細かな動作は苦手だがガンダリウム合金とIフィールドを備え頭部ビーム砲、指の一本一本がビーム砲、腹部には三連装拡散メガ粒子砲を装備し圧倒的な火力を誇る。そして並のMSなら踏み潰せる重さと引き千切る怪力。まさに破壊神である

アライさんは機体に乗り込み相手の出方を窺うと、サイコガンダムはいきなり両手を前に突き出し合計十本のビーム砲を撃ってきた。厄介だなぁと思いつつスラスターを思い切り踏み込み機体を急上昇させる。背部に増設された多数のスラスターは青白い炎を噴き出しビームが着弾する前に機体を宙に舞わせる。サイコガンダムの頭上を飛び回りながら弱点を探す。しかし敵も馬鹿では無いらしい…指のビーム砲、頭部ビーム砲が対空砲火の如く絶え間無く撃たれる。躱しつつ牽制にライフルを撃つが致命傷には至らない…『どうする…ジリ貧じゃねぇーの…か…?ん…アレって…』違和感に今回は直ぐ気付いた…『コイツも作り込み甘いじゃんかよ…なら合わせ目に集中すれば良い。そうと決まれば…』機体を急旋回させヘッドアップディスプレイ(HUD)を展開した。本来なら多数の標的をロックし撃つが一つの目標に対し集中砲火をする事も出来る。

狙いは右腕。脚を潰して動きを止める選択肢もあったがまず厄介な一本一本動くビーム砲をどうにかしたかった。ロック完了を知らせるアラームが鳴り右腕の嵌め込みが甘い箇所を狙い一斉射した。全弾命中。予想通り吹き飛ばすまではいかないが右腕は完全に活動停止している。しかしまだまだ厄介な敵である。同じ様に左も狙うが一応は学習能力も有るらしい…狙われたら直ぐに身を守り始める。しかし一箇所しか守らない為他にスキが現れる。無駄弾を使わず直ぐにロックを右脚の関節に移す。一斉射。巨体を支える脚に全弾命中を受け堪らず膝を着くサイコガンダム。『思ったよりは此方の攻撃は効いている!あとは頭を潰す!』頭部を潰す為に一気に加速し照準を合わせた…瞬間…禍禍しいオーラに全身を包まれたサイコガンダム。半ば機能を停止していた筈の腕と脚が動き出しボロボロになった部分も再生し出した。『まさか…コレがブレイクデカールって奴かよ…!?』以前アダムの林檎で聞いた不正ツールの話と特徴が全て一致していた。そしてブレイクデカールならDランクダイバーのアライさんでは勝ち目など全く無い…『ブレイクデカールの敵とはマトモに戦っちゃダメよ?緊急救難信号を直ぐに出しなさい。そして救援が来るまでなんとか持ち堪えて…最悪逃げても良いの。正規データじゃ無いから逃走は付かないし。良い?絶対戦っちゃうダメよ?』マギーさんの言付け通り緊急救難信号を出すアライさん。一応GBN運営にも戦闘ログや動画を手早く纏め送信する。しかしそんな間にも先程より極太のビームが襲い掛かる。流れ弾は地面や森、山などにあたり処理出来ない予定外の威力に映像は乱れノイズ化している。躱すのも精一杯になり機体はどんどん被弾していく。両手はビームにより吹き飛ばされ右脚も無い。メインカメラもヒビが入ってるのか映像の殆どが不明瞭でノイズが有る…突如物凄い衝撃に襲われる。サイコガンダムの手に捕らえられたのだ。接触回路越しにモヒカンの声が聞こえる。『よくも散々舐めた口ぃきいてくれたなぁガキがよぉ…嬲り殺してやるぜ?』ビームで頭部を吹き飛ばし残った左脚を引き千切り、バックパックを粉砕する。残されたのは胴体コクピットブロックのみ…『万事休す…だな…』この後の展開は容易に想像出来る。思いっきり叩き付けて、踏み潰すかビームで焼くか、若しくはその両方か…諦めかけたその時…『まだ諦める局面では無いぞ!?少年!だがしかし、良く耐えた!』通信機器も故障し映像が映らないがこのダンディな声には聞き覚えがあった。『貴方は…!ロンメル大佐ですか!?』ロンメル大佐言わずと知れた古参フォース第七機甲師団のリーダーであり智将ロンメルの名でも知られる名実共に優れたダイバーが救援に駆け付けてくれたのだ。やり取りを聞くに第七機甲師団の副官も居る様だ。状況把握の為コクピットを開くと三機のガードフレームがカスタム-Rを取り囲み守ってくれていた

『何故ガードフレームまでここに…?』戸惑うアライさんに大佐が答える『君が運営に報告してくれたおかげでバグとなり得るブレイクデカールの場所を教えてくれた。プレーヤーを護るのも運営の仕事だからね。ガードフレームの性能なら君を護りきれると運営が判断したのさ。指揮権は特別に私に有る。君が戦う気が有るならば…迷わずガードフレームに乗れ!』『そんなこと出来るんですか!?』『私には有るのだよ…指揮権がね』会話しながらでも芸術的連携でサイコガンダムを抑える第七機甲師団。この洗練された動きは長い時間を掛け訓練された事が分かる。意を決してガードフレームに乗り込むアライさん。操縦はAIが演算した最適な行動を行う為操縦権は無いが映像を通して大佐に弱点を伝えることは出来た。大佐も真意を直ぐに汲み取り副官と随伴のガードフレームに指示を出す。幾ら再生能力があろうとも作り込まれた精鋭の連携には勝てずとうとうサイコガンダムは完全沈黙し頭部コクピットにトドメを刺された大爆発を起こした。運営と第七機甲師団の共同戦線。表現としては適切では無いが【美しい】その一言であった

サイコガンダム撃破後ガードフレームは周囲のデータを取り運営の下へ帰還した。第七機甲師団の副官も戦闘ログの報告の為一足先に帰還する事になりアライさんは感謝の意を伝え損なってしまう。残された大佐とアライさん。今更ながら有名人が目の前に居ると緊張してしまう。『助けていただき本当にありがとうございました』と頭を下げるのが精一杯だった。下げた頭の下から白いふさふさの毛で覆われた手が伸びて来て思わず顔を上げると『良く耐えた。そして君のおかげで突破口を見つけ出せた。こちらこそありがとう』と握手を求めて来た。少し戸惑ったが素直に握手するアライさん。肉球フニフニ気持ちが良い…フニフニフニフニ

『さて君を送り届けねばな。さぁ乗りたまえ。遠慮は無しだ。私達は共に戦場で戦った戦友だ』

フォースネストに着く間アライさんはBLDTroiaSのメンバーの話をした。『自由なスタイル故既存の枠に囚われない。好きを追求するフォースか…興味深い…』と大佐はBLDTroiaSに興味がある様だ

程なくしてBLDTroiaSのフォースネストに着く。運営から連絡があったのかログインしていたメンバーがフォースネストから出て帰還を待っていた。『あのモフモフ狸がタヌベロス君か、いいセンスだ…で銀髪眼鏡がユート君、チンピラジャージがイツワ君、茶と白の二色ニャンコがアキシアル君、本登録だけどクリーム色のハロがマヘル君か…他にもメンバーが居る様だが今日は不在みたいだね』特徴的過ぎて覚え易いのかスラスラと名前を呼ぶ大佐。モフモフ狸と猫を見て大佐の尻尾が小刻みに動いている…もしかしてこの人…動物が好きなのか?と思うアライさん

大佐の機体グリモアレッドベレーから降りる二人。タヌベロスは『ウチのバカが御迷惑お掛けして大変申し訳ありません…』と頭を下げまくる。『いやいや気にしないで、彼のおかげでブレイクデカールのデータも手に入ったからね。彼は育ててみたいと思う反面ここの空気が合っている様だ。偶に第七機甲師団に遊びに来るといい。彼とはフレンド登録してあるからね』と笑いながら言う大佐にタヌベロスは硬直する。なんでこんなバカが智将ロンメルに育ててみたい人材だと評価されるんだ?え?あのバカ大佐とフレンドなの?第七機甲師団に遊びに来いって?ランク二位の古参フォースに?アライアンス?あのバカ何やってんの?たった数秒で色んな思考が渦巻きやっと出した言葉は『ありがとうございます』が精一杯だった…

ロンメル大佐はBLDTroiaS一同に別れを告げレッドベレーに乗り込んだ。自機を飛び立たせモニターを観ると両手で大きく手を振るアライさんが見える。銀髪眼鏡に制止されるが止める気配は無い。思わず笑顔になったロンメルだが直ぐ顔を引き締め『こんなに純粋にGBNを楽しんでいるユーザーがいるのにルールを守らず好き勝手する輩が増えつつある…やはりGBNの秩序を守る正義のヒーローが必要だな…』と何かを決心した様に呟くのだった

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