嘘つき探偵と幻想郷   作:kohet(旧名コヘヘ)

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教師の大変さ

オオスは三が日中の挨拶回りを諦めた。

 

オオスは嫌々だが、必要なことを先に済ませることにした。…自らの信仰についてである。

 

取り敢えず自らの信仰について、正確には経典等について知りたかった。

オオスは物凄く嫌だが自分のことである。今は神化について気にしなくて良い。

オオスは自らの信者の人数は聞かない。なお、オオスは教団にほぼ関わらないと宣言した。

…自分を信仰しているところとか見たくない。

最終的な責任は取るが、本当に慎重に行動してくれと鈴瑚達へ懇願した。

 

 

鈴瑚達はオオスの余りの必死さに自らの経典を見せるのを躊躇った。

霊夢と騒動になったことがオオスにとって本当に辛かったのだと悟った。

同志集めは辞めないが、他の宗教と衝突のないようにしようと鈴瑚達は目線で誓い合った。

 

 

オオスは鈴瑚達から恐る恐る、自らの教え等と言うものを受け取り読んだ。

余計なことを言い過ぎたかとオオスは反省した。オオスは意思を重んじるのだ。

 

だが、鈴瑚達から経典を受け取り、オオスのその思いは一瞬で消し飛んだ。

オオスから見てもガチの新興宗教ができていた。…月の都の出身だけある。

本当に自らのことでなければ良かったとオオスは心の底から思った。

…霊夢のいる博麗神社でオオスは自らへの信仰を認めると宣言した以上、オオスは鈴瑚達へ怒りたくとも怒れない。

 

 

全く今まで知らなかった自らの経典という物を読み終わったオオスはその経典を一部訂正することにした。

 

既存の枠組みに物申す反社会的存在。オオスは新興宗教をそう考えていた。

とはいえ、オオス的には幻想郷を破壊するようなことをしてはならない。

 

…オオスは他の神を否定してはいけないのだ。特に守矢。

オオスは本心からの叫びを無理やり抑え込んだ。

 

正直、オオスにとってあの地獄の最下層よりキツかった。

 

オオス本人が素で言いたいことだけ言えば神への罵詈雑言。

…悪魔の経典に早変わりである。里人としてアウトである。

なので、嫌々ながらもオオスは幻想郷に合わせ、訂正することにした。

 

このオオスの心は悪魔であるレミリア達しか理解して貰えないとオオスは思った。

後日、愚痴を纏めて愚痴りに行きたいと思った。正月早々それはないが、オオスは本気でそう思った。

 

 

オオスは自宅地下にある寺子屋を再現した部屋に鈴瑚達を招いていた。

…オオスは真面目に慧音の授業に関してどうにかしたいと思っていた。

 

この地下室はオオスしか知らない無数の部屋の一つであった。

 

慧音が自らの授業についてオオスを頼った時の為だけに用意していた。

しかし、慧音は生徒たちの反応についてオオスへ愚痴るが、それでも現状維持に甘んじている。

正直、オオスは慧音はもうわざとやっているのではないかと思っている。

…この地下室は本来の用途としては不要な箱物と化していた。

 

だが、放置は勿体なかった。

…オオスが慧音の為に用意した部屋は設備が充実し過ぎていたのだ。

オオスは自らの風情を思い出させてくれた慧音に恩を感じていた。

…オオスは気が付けばやり過ぎていたのだった。

魔改造した果ての外の、現代の学校よりも充実していた。

月から掠め取って来た技術によりIT教育は勿論、多言語教育にも対応している。

 

この地下室は今の幻想郷、人里からすればオーバーテクノロジーだらけであった。

月に行く以前から香霖堂で買ったパソコンやビデオカメラを連動させ、録画機能を搭載していた。

香霖堂で購入した物はギリギリセーフなので慧音が来た時にはこれのみを使用するつもりである。

オオスは何だかんだ言っても未だに慧音が自らを頼ってくれることを諦めていなかった。

…勝手に学んだ月の技術や品々までわざわざ使っている辺りオオスは本気であった。

 

そして、普段この部屋を使用するときは、オオスの紙芝居という名の演説の練習部屋である。

オオスは自らの身振り手振りを観客からどう見えるのかを計算していた。

本来の用途は慧音の授業が如何にわかりにくいか録画して本人へ見せようとしていた。

…慧音はオオスへ愚痴るために愚痴っているので本来の用途として機能することはない。

 

 

オオスは思考を戻して、自分の経典についての諸注意を述べた。

 

オオスはまず紙芝居が自らの啓蒙書なので、副読本として読むように勧めた。

…オオスは本当に軽い気持ちで言った。オオスはこれは宗教とは関係ないと思っていた。

 

そして、オオスは鈴瑚達へ本当に少しだけ訂正した。

正直、あんまり関わりたくないし、訂正が不要な程完成していた。

オオスは玉兎達の経典をほぼ弄らないでかつ自分の主張を乗せることにした。

 

「人は、みな持ち味が違う。枠に嵌めたらその人の持ち味は消える」

オオスは人の意思を尊重している。それを玉兎達もわかっていた。

だが、個性を重んじるゆとり教育の実践者オオスとして少し補足した。

 

「忍耐と時間は、力と暴力よりも多くのものを完成する」

オオスは破壊よりも創造を重んじる。玉兎達はオオスのことをわかっていた。

だが、ここは幻想郷である妖怪を含め暴力を完全に否定するのは行きすぎと考えた。

鈴瑚達は経典で自己防衛は認めていた。そして、日々の鍛錬を説いていた。

オオスはヲロシアの鍛錬はこれが原因かと思った。

 

だが、力を見せねばヲロシアは不要な争いに巻き込まれるだろうと善意で改変した。

オオスは力を誇示することも方便で、余計な争いを無くせるとも思っていた。

ましてやオオス本人は力を求めている。

 

オオスは自身の経典の解釈に余裕を持たせた。オオス的には詐術である。

…宗教なんて騙してなんぼだとオオスは思っている。問題ないとオオスは開き直った。

 

なお、オオスは意図していないがこの補足により、権能と神徳を増すことになった。

オオスは自らを祈ることの恩恵をほとんど知らない。

オオスの妖怪達への神徳は妖怪としての個性の強化だ。

そして、人間への神徳は安全に偏っていた。

なお、鈴瑚達も知らないが人間が力を求めるのならばまた別の発展があったりする。

 

個性を重んじること、暴力を完全否定していないことでオオスの神徳が上がった。

 

更にオオスは副読本として自ら執筆した紙芝居を上げた。

もう既に膨大な量の教訓等が含まれた冬の間に書き溜めた大量の本であった。

…オオスの本はかなり売れており、過去の本を重版しても気が付かれない。

しかも基本的に子供向けである。信者に合った教えを簡単に学べるものとなっていた。

オオスへの信仰を取っ掛かりにも、悩む信者への注釈書にも使えた。

 

…オオスは宗教として、初心者から上級者まで学べるような体系化に成功していた。

そして、宣教師、否、玉兎達はオオス直々に今後の方針を学んでいた。

 

オオスとしては気になるところを訂正しただけである。…客観視が足りなかった。

 

「私が神を嫌う以上、余程信仰心が高くないと恩恵を預かれることはないと思います」

オオスは自らを信仰されること自体が嫌なので、予め警告した。

 

玉兎達もオオスに迷惑をかけるような存在に布教しようとは思わない。

飽くまで自主的に隠せない信仰者を見つける方針は前と変わらなかった。

 

オオスが無視していたのもあるが、自らへの信仰に気が付けなかった要素であった。

 

オオスは祈らない上に客観視が足りていない。

…その否定がオオスへの信仰を増すことに気が付けていない。

 

「他の神の信仰を私は否定しません。同時に他の宗教を信仰することも構いません」

オオスは信仰の自由を改めて保証した。

オオスはぶっちゃけ他の宗教を敵にまわしたくなかった。今朝の霊夢のようにである。

 

そして何より、

「そして、信仰を辞めることも…それもまた人の意思なのです」

オオスはそう締めくくった。

 

オオスは本心から、自らから離れることも許容すると言い切った。

 

オオスは信仰自体を辞めて欲しいのだが、不思議なことにオオスは一抹の寂寥を感じた。

だが、寺子屋という環境に合わせて教師のようにオオスは言い切った。

 

「…」

鈴瑚達は黙ってオオスの言うことを聞いていた。

オオスから恩恵を感じられれば、信仰を辞めることはないと思ったが口にしない。

 

鈴瑚達はオオスの教えに聞き入っていた。

自分の脳内でオオスの言葉を何度も繰り返していた。

 

…後に鈴瑚達がオオスの説法の録画を同志達と共に見直して自ら恥じる程の醜態であった。

 

 

「…私への信仰は理解できませんが、信仰する際は神ではなく人間と言い換えてくださいね?真面目に」

オオスは真面目に質問とか反応がないので再度、鈴瑚達へ一番大事なことを言った。

 

オオスは神でなければギリギリ許容できるが、神として扱われるようならキレる。

これだけは譲れない一線なので沈黙したままの鈴瑚達へ繰り返し言った。

 

オオスは、慧音の、教師の大変さを理解した。…紙芝居と違い反応がないと困った。

 

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