嘘つき探偵と幻想郷   作:kohet(旧名コヘヘ)

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二人の非常識

オオスは夜中にまたしても知っている気配を感じた。

オオスは慣れた様子で自宅の屋根に転移した。

…部下達に心配させないようにオオスは警報等を作動させないようにした。

オオスは本当に面倒な招かれざる客人を持て成すことにした。

 

オオスは何もない空間から椅子とテーブル、茶菓子等を取り出した。

…これは仙術の応用である。

オオスは前から使用できたが、何だかんだで客人のお陰で練度が増していた。

オオスは客人から口八丁手八丁で教わった仙術を使用することで自身の手札を隠していた。

 

オオスは礼をもって茨木華扇を出迎えた。…オオスは華扇が何故来るのか理解不能だった。

毎回、自分の行動についてのお叱りなのでオオスとしては本当に招かれざる客人であった。

 

 

 

茨木華扇はオオスの用意した茶と茶菓子を食していた。

オオスの用意する菓子は美味しいので華扇は毎回楽しみにしていた。

…そして、華扇は以前、その菓子に夢中になってオオスに煙に巻かれたことを思い出した。

今度はそうはさせないとして、華扇は菓子を振り切りオオスへ本題を切り出すことにした。

 

「紙芝居屋が教師の真似事をしているのは何故かしら?」

華扇は今日、人里で聞いたオオスの不審な行動について尋ねた。

 

華扇は妖怪の山に住む仙人であり、人里にはあまり来ることはなかった。

霊夢を気にかけて博麗神社に行くようになり、人里にも前より来る頻度が増えていた。

そこで、オオスが教職をしているという話を聞いたのだ。それもしばらく前からだ。

…華扇はオオスからそのようなことを一度も聞いていなかった。

 

華扇からみればオオスは危なっかしい混沌とした思考の持ち主である。

そのような人物に教職等させて良いのかと不安で仕方がない。

…華扇はオオス本人に問いただしに来ていた。

 

「…仙人がそれを聞きますか、普通」

オオスは華扇に説明する前にどこまで知っているのかと暗に尋ねた。

…一応、華扇は格上の仙人でかつ記憶を弄ることができる存在である。

 

オオスとしては生徒の教育を今は辞めるわけにはいかないのだ。

慧音の為にも、生徒の為にも狂気の妹フランドールの家庭教師の為にも。

…ついでに認めたくはないが幻想郷の為にも、だ。

 

「何かおかしなことを聞いた?」

華扇はオオスが何を教えているのかまでは知らなかった。

その為、オオスの問の意味がわからず素直に聞き返していた。

 

「…私は今現在、宗教がしないことを先にしているだけですよ」

オオスは下手に隠しても面倒なのである程度の自分の真意を華扇に話すことにした。

 

…それはオオス的には面倒なことであった。認めたくはないが、華扇には話しても構わない。

オオスとしても教えるのは楽しいし、良い。

だが、オオスの真意、最終的な目的に関しては別だった。

 

守矢神社の方針とオオスの方針が合わない為に必要性を感じたことがあった。

オオスの行いは幻想郷、特に人里の為の荒療治とも言えた。

それはすぐには結果がでない、数十年単位の長期的な視野を見据えた授業であった。

…オオスは丁度良かったので慧音に色々理由をつけて冬の授業を毎年やるつもりでいた。

オオスとしては授業内容が幻想郷にとって多少危ないが必要だと断じた。

オオスは限りなくギリギリのラインを攻めていた。

 

「…仙人との繋がりがないと思うのだけれども」

華扇は宗教という言葉と仙人が結びつかないのでオオスに問い返した。

 

「仙人…というか道教も宗教でしょうに」

オオスは華扇が鎌をかけているのかと思いつつ、それに付き合うことにした。

 

だが、

「えっ…仙人になることって宗教だったの!?」

華扇は素で驚いていた。…華扇にとって仙人とは手段であった。

道教、ひいては仙人になることが宗教という意識が華扇にはなかった。

 

「…私からすれば微妙なんですが。普通の人から見ればそうですよ」

オオスは華扇に裏がないと確信した。華扇は素で驚いている。

となると必然的に今回に関しては何かやましいことがない。オオスはホッとした。

 

「貴方が人からどうこう言われると、どうも嘘か本当か怪しいわ」

華扇はオオスに言い切った。オオスが言うだけで嘘か本当か怪しい。

 

本当のように嘘をつき、嘘のように本当のことを言う。

オオスはそういう存在であると華扇はもう知っていた。

 

「…流石に酷くないですか」

オオスは華扇の率直な物言いに傷ついたように言った。

オオスは特に気にしてはいないが、あんまりな認識だと思った。

 

「…偶には自分を振り返りなさい」

華扇は思わず出てしまった本音を誤魔化すようにして言った。

 

「そうですか、ああそうですか」

オオスは華扇のそういう純真なところを評価していた。

華扇は自らが悪いと思えば表情に出るのだ。

…反面、冷徹な思考もあるのでオオスとしては気が抜けないのだが。

 

「…」

華扇は流石に言い過ぎたかと思った。

なお、オオスの内心、華扇で遊んでいるような考えを知ればぶん殴る可能性が高い。

 

「まぁ、私が教えているのは考えること。所謂、哲学ですよ」

オオスは本当に知らないで来た華扇に対して生徒達に教えている学問について言った。

オオスは哲学を生徒達に教えていた。…宗教と哲学は類する部分がある。

オオスは『かね論ずからといって、混同して論じてはならぬ』と自らに戒めている。

 

「…哲学というと最近外で流行りの、外来の学問だったかしら?」

華扇は明治の始め頃にそういった書籍や言論があったのを思い出して言った。

…華扇的にはつい最近のことであった。

 

「最近って…まあ外来ですし、貴方からすればそうでしょうけども」

オオスは哲学という言葉を作った西周の生没年を思い出して言った。

…千年以上も生きている妖怪からすれば最近だろうが、酷い感覚の差である。

 

「哲学というのは考えること、宗教というのは帰依すること」

オオスは端的に哲学と宗教の違いを説明した。

 

そして、

「宗教に帰依するというのは心の拠り所を得る。…これは人にも妖怪にも有益です」

オオスは非常に忌々しい事実を述べた。

客観的に考えて宗教は幻想郷にとって有益であった。

…守矢神社の方針のせいで困ったことにもなったが。

それについてはオオスの自業自得であるし、オオス自身もそれを後悔していない。

 

「貴方がよく構っている霊夢さんも宗教の本義が心の安寧だと理解していますよ」

オオスは華扇といると子どものように無邪気な霊夢を思い出して言った。

オオスとは偉い違いであると思うが、オオスは神を唾棄する存在なので仕方がない。

 

華扇は霊夢を甘く見ている節があるが、本能で自分の在り方を心得ていた。

 

「まぁ、霊夢さんの場合、妖怪虐めがそれになると思っている節がありますが…」

オオスは、それはそれとして霊夢の目に余る行動について口に出した。

 

朱鷺子を背後から襲い掛かり本を強奪し、盗品を売ったことの裏をオオスは把握していた。

それが博麗霊夢であった。…霊夢には悪意がないのでオオスとしては性質が悪かった。

妖怪に味方するのかと言われると善良なる里人たるオオスとしても面倒臭い。

オオスは朱鷺子が霊夢から本を奪われないように修行を共に無理やりしていた。

 

「…貴方、神が嫌いだと思っていたのだけど」

華扇は霊夢を評価し、宗教の必要性を認めるオオスの態度に驚き呟いた。

 

「神は嫌いですよ。どちらかと言えば宗教も嫌いです」

オオスはきっぱりと断言した。オオスは神も宗教も嫌いである。

人に強要する気がないのと、自分以外でやる分には構わないというスタンスであった。

 

「ええ…」

華扇はオオスの内心を知らないので、両極端な反応を示すオオスに困惑した。

 

「私が宗教を嫌うのは多数の心の支えになりますが、考えることを辞めてしまうからです」

オオスは過去については触れずに神や宗教が嫌いな理由を言った。

 

「…貴方は宗教、いや宗教家が世に厭世観でも撒き散らすと言いたいのかしら?」

華扇は信者を煽る宗教家に対して懸念しているのかとオオスに尋ねた。

それは確かに危険ではあった。華扇としてもそれが理由ならば多少は納得がいった。

 

だが、

「外ではそういうのもいましたが、ここの宗教家は違います」

オオスは華扇の問を否定した。

 

オオスはそういう授業もしているが、そういう組織が現れたらオオスが潰すつもりである。

なので、問題ないといえば問題ない。

 

そういう組織は完全に潰すのではなく息の根のギリギリで残すのがコツである。

全部潰そうとすると万が一取りこぼしが出た場合、厄介というか面倒臭い。

手間がかかるのでオオスとしてもそういったことはあまりしない。

オオスがこの間会いに行った深きものどももそうした種族の一つである。

 

ちなみに幻想郷では人の手で幻想郷を取り戻すと主張している秘密結社が存在している。

オオスは組織の全容を把握し、その会員を定期的に磔にしているが基本的に放置している。

 

「…ある意味、純粋な心が外では失われつつあるからでしょう」

オオスはそういった内面を億尾も出さずに外の思想界隈を端的に総括した。

 

「ここ幻想郷は自然を、妖怪を許容する」

オオスは外では精々オカルトとして消え去っていく心に敬意を隠さずに言う。

オオスは幻想郷が全てを受け入れると言い切った八雲紫の在り方を尊敬していた。

 

「ある意味、幻想郷の成り立ちが妖怪の為だからこそ、宗教、信仰の在り方を失っていない」

オオスは魑魅魍魎が跋扈する幻想郷を残酷と評したのを理解しながらも受け入れていた。

 

「なによりも、人々は生きるということに対して真摯に向き合っている」

オオスはそうした幻想郷の在り方を深く心から愛していた。

…故に、オオスも自説を曲げる気はない。

 

「良くも悪くも妖怪という自然を畏怖し、肌で感じているからこそだと思います」

オオスは華扇にそう締めくくった。…それはオオスの心からの本心であった。

 

「…人々は兎も角、霊夢が妖怪を畏怖しているようには見えないけれども」

華扇はオオスに対して邪推にも似た考えから質問していた。

だが、余りにも純粋に心からの賛辞を贈るオオスの姿に気をされていた。

 

「貴方は宗教が嫌いという割にはやけに褒めるわね」

華扇は神嫌いのオオスに対して思わずそう言った。

 

だが、

「褒めていません。私情を抜きにして事実を言っているだけです」

オオスは華扇の言葉を聞いて、真顔になり断言した。オオスはガチで神は嫌いである。

華扇に勘違いされては困るとオオスは即拒絶した。

 

「…まぁ、いいわ。話を続けて」

華扇はオオスに話を続けるように振った。

…華扇はその在り方に思わず見惚れそうになった自分を恥じた。

 

「…自然という美意識は知性と相反するところがあります」

オオスは科学が、知性が光となり、陰である妖怪を人々から消した外の世界を述べた。

 

「…」

華扇はオオスの言葉に沈黙を持って返す。オオスの言う美意識とはつまり自然、妖怪である。

幻想郷の成り立ちは人々が妖怪を恐れなくなり、迷信と断じるようになったからだ。

 

華扇はオオスの言わんとしていることが幻想郷の脅威であると感じた。

華扇は場合によってはオオスの危険思想を止める必要性を考え始めた。

 

「…美意識が知性を憎むのは、自分にできないことを知性が要求するからです」

オオスは華扇の冷徹な思考を手に取るように把握しながらも言葉を続けた。

オオスはこのまま幻想郷が進めば、外の世界に巻き込まれると確信していた。

 

オオスはそれが良い方向なら良いが悪く働くことを恐れていた。

だからこそ、オオスは幻想郷に即した哲学の確立を目論んでいた。

 

「…貴方は考えることを重きに置いていると言っていたわね」

華扇はオオスが危険思想と認識しながらもする理由があると把握した。

それを納得できるかどうかを見極める為にオオスに言葉の続きを促した。

 

「考えることと学問は車の両輪です」

オオスは学問とは学び、考え定着させるものであると華扇に説いた。

 

「そうね。…道教もそういう意味ならば変わらないわ」

華扇はオオスという思想家に問いただしていた。

現状のままであることとオオスの思想を取り入れることの意味の差を尋ねていた。

 

「私が心配なのは大半の人々がそれをわかっていないということです」

オオスは幻想郷が全てを受け入れることを理解した。

だからこそ、オオスは幻想郷が今後、混沌としていくことを確信していた。

 

「…先程も言いましたが、人が宗教に帰依するのは心の拠り所を得ることと同義です」

オオスは言葉を続ける。…ある意味、迷信が迷信を頼るのならば問題なかった。

だが、幻想郷は全てを受け入れるのだ。

…オオスはそれを素晴らしく思うからこそ危うんでいた。

 

「安寧と平穏。それは素晴らしいと思う反面、力なき美意識だと私は思うのです」

オオスは外の世界の侵略者が幻想郷そのものを壊してしまう恐れがあると華扇に説いた。

 

少しの間、オオスと華扇の間に時間が経過した。数秒かそれとも数分かわからない。

だが、一つ確かなことがあった。…オオスは自分の分の茶菓子は食べ切っていた。

 

「…それは暴論ではないかしら?」

華扇はオオスの空気の読めない行動に呆れつつ、指摘した。

…華扇がオオスの言葉を受け止めている間、この男は自分だけ菓子を食い切ったのだ。

 

「そうかも知れません」

オオスは華扇の言葉に納得しつつ、何事もなかったかのように話を続けることにした。

 

「ですが、人は否定的なものを直視した時に精神の持つ力が発揮されます」

オオスは過去の経験を思い出しつつ、幻想郷の思考…精神の力を想定していた。

オオスは現実離れした怪物を見て発狂する者、冷静に対応する者等を思い出して言った。

 

「今の幻想郷の人々は悪く言えば受動的です。ただそこにあるものを認識しています」

オオスは幻想郷の住民の欠点を指摘した。…流されやすいのだ。

全てを受け入れるからこそ、それが壊れないように独自のルールの上に成り立っている。

だが、それだけでは足りない、そして何より危ない。

オオスの、否、一人の深淵の探索者としての経験がそれを警告していた。

 

「精神が…厳密にいえば思想が動かざるを得ない時に考える力が足りない」

オオスは華扇に人々の精神的支柱が弱いことを指摘した。

守矢神社の信仰を広げるやり方ではオオスとしては表面的であると言わざるを得ない。

 

オオスは神を嫌悪する者だ。物理的な距離的問題もあるが、根本的に彼女達に相容れない。

オオスは感情を動かす妖怪等が意図せず悪気無く暴走してしまった場合を恐れていた。

…そうなった場合、基礎的な思想が弱い幻想郷の人里は壊滅しかねない。

オオスは悪意なき幼子の存在を憂いていた。

メディスン・メランコリーの思想版とも言うべき能力を持つ者の存在を危うんでいた。

オオスが安全な方向に導けるとは限らない。

…人々の精神が能力に感化されてしまうことがあれば、オオスとしても強引な手段を用いなければならない。

オオスは全てを受け入れるはずの幻想郷でそのような真似はしたくはなかった。

 

「純粋な精神の運動が学問というものの本性だと私は思います」

オオスはそもそも自分という異物を受け入れた時点で危うんでいた。

その為にも考える力を育成し、許容範囲内で精神力を鍛える段階だと認識していた。

 

「…つまり変な宗教が流行るような事態になる前に対策をしているということかしら?」

華扇は堂々巡りで自分が最初に聞いた問がオオスの懸念だったと悟った。

 

華扇が言った宗教家が世に厭世観でも撒き散らすのとはまた違うが。

違う点は、オオスは外からの異端者もしくは別な何かを想定している。

少なくとも華扇はオオスの行動の真意についてそう感じた。

 

「…信仰するもしないも個人の自由ですが」

オオスは華扇の問に対して答えたくないので肯定も否定もしない。

 

「偶々聞きかじった生半可な知識から真理を得た…というのは最悪です」

オオスは思いつきの哲学とでも言うべき思想を恐れていた。

 

だからこそ、オオスは生徒達に厳しく何度も推考をさせていた。

哲学的な思考を、幻想を受け入れた上で育むのだ。

これは数年で出来る物ではない。…一生をかけて無意識に行ってもらうのだ。

これが幻想郷の環境を壊さずにできるオオスの最大限の譲歩だった。

 

「それって…」

華扇はオオスの真意を漸く理解した。…華扇からしてオオスは非常に面倒臭かった。

 

「ただ人々に怪しい、変な宗教に引っかからないように教育しているということよね?」

華扇はオオスの行為をざっくばらんに言い切った。

華扇はオオスの実情を加味して言ってもいた。…オオスは本当に宗教も神も嫌いらしい。

 

「だけど、貴方は神が嫌いだから直接的にはできない」

華扇はオオスの言葉を遮るように言葉を続けた。

 

そして、

「私には貴方が言い訳しているように聞こえるのだけど」

華扇はオオスに苦笑というか呆れたお人好しに直言した。

 

…この目の前の危険思想の危険人物が危険を顧みずに捻くれた言い訳をしてまでやりたいこと。

それは里人と幻想郷を心配してのことであった。

華扇はオオスの過去は知らないがもっと他にやり方があるだろうと思った。

…それこそ神頼みになってしまうが。

華扇からすれば、オオスのような危ない橋を渡るよりもずっと良かった。

 

「…繋がりを拡大しつつ有機的な全体を形成するのが学問ならば」

オオスは華扇の直言を無視して言葉を続けた。

人と人との繋がりは有機的であり、個を尊ぶ妖怪とはまた違うのだと力説する。

 

「宗教もまた学問であることに対して私に異論はありません」

オオスはそう言って華扇の言う言い訳を全力で否定しつつも肯定した。

 

華扇は奇妙奇天烈ながらも全て計算づくでありながら不器用な才能の持ち主を見た。

 

「…はぁ」

華扇はオオスに呆れてため息をついた。華扇はオオスが寺子屋での授業の真意を理解した。

そして、オオスの授業を受け、子ども達が道を逸れることはまずないであろうとも思った。

 

…危険なのでオオスをまた見に来る必要があると華扇は確信した。

混沌とした目の前の男は自分で自分を正せないでいる。…華扇としては放ってはおけない。

 

「…また今度来るわ」

華扇はオオスにそういって茶菓子を食べ切り、お茶を飲み切ってから言った。

 

「来ないでください」

オオスは本心から華扇にそう言った。…夜中に華扇と二人きり等オオスにとって嫌だった。

 

「来ます!!」

華扇はオオスにそう叫んでペットの大鷲、竿打の背に乗って帰って行った。

 

 

オオスは華扇が見えなくなるくらいまで遠くに行ったことを確認した。

 

「来るなら夜中でなく、昼の正面から来てもらえないだろうか…」

オオスは非常識な訪問者への愚痴を溢した。それならばオオスも歓迎できるのだが。

 

…なお、オオスは当然、このことを華扇本人には言っていない。

お互い何となく人払いをした夜中に華扇が押しかけるのが二人の常識になっていた。

 

 

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