嘘つき探偵と幻想郷   作:kohet(旧名コヘヘ)

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我が名はオオス!極々普通の里人である!

後に春雪異変と呼ばれる異変の二日後。

その日、霊夢は茶の間で炬燵に入りだらけきっていた。

先ほど魔理沙が博麗神社に押しかけて来たが茶等は自分淹れる様に言う物臭さだ。

 

「あー。疲れたわ」

霊夢はそう言って炬燵に足を延ばして机に突っ伏していた。

寝巻着に羽織を被っただけの恰好であり、とても客のいる状況とは思えない。

 

「流石にだらしな過ぎるぜ。霊夢」

そういう魔理沙は黒のコートを羽織って来ていたが衣紋掛けに掛けて、いつものように黒系の服に白いエプロンというような出で立ちだった。

 

「あれもこれもあの男のせいよ」

霊夢は愚痴った。最後の最後によくわからないことをされた。

死ぬ覚悟をして西行妖を止めようとしたらいつのまにか収まった。

 

めでたしめでたし。…で終わるわけがない。

 

異変は解決したが人里にいる謎の人物の、未知の脅威をどうとらえれば良いのか霊夢は悩んでいた。

 

「あー…解決したし良いんじゃないか?」

そう言う魔理沙だが、人里をいきなり春にするというオオスに絡んだ新しい騒ぎを聞いていた。

霊夢に報告しようとわざわざ来たのだが霊夢の様子にどうしたものかと悩んでいた。

 

魔理沙はオオスのことを良く知っているわけではない。

だが、紙芝居で人々を楽しませるために努力する姿や紅魔館でパチュリーと親し気に話している姿は知っていた。後、何故か妖精とも仲が良い。

里内でも長屋に住む易者の先生の門人が道に外れる前に止めたり、長引く冬を越せそうにない貧乏人に無利子で金を貸したりと善行を重ねているのも知っていた。

魔理沙はオオスが少なくとも悪人ではない、寧ろ善人だと思っていた。

 

「そもそも人間なのか怪しいわ。妖怪が人間として偽装しているならまだいいわ。でも…」

霊夢が一番悩んでいることは『幻想郷では里の人間が妖怪になることが大罪』ということだ。

オオスが人外なら話は早かった。紅魔館でも冥界でもいたのはそれで大体説明がつく。

だが、調べた限りは人間であるが、人里に来るまでの足跡がなかった。

そして、異変で見せたのは理を超越した人外級の異能であった。

 

一応、とはいえオオスは霊夢達を助ける為に異能を行使したわけである。

恩を仇で返すような結果になれば博麗の巫女としてはともかく霊夢としては悩んだ。

 

魔理沙も霊夢も黙り、静まり返る。

 

 

その雰囲気を全部台無しにする声が響き渡った。

 

「フハハハハ!辛気臭い神社に春を届けに来たぞ!!」

二人の悩みである張本人がそう叫んだかと思うと突如、暖かな光が博麗神社を包み込んだ。

 

 

 

「烏天狗が言う幻想郷一美しい桜。それに春を届けてやったわ!!」

オオスは桜の木の上から春の剣『春季光星』を持って神社へ向けて叫んだ。

オオスは霊夢達の内心を慮り、全部纏めて吹き飛ばすことを決めていた。

否、これがオオスのやり方であることを博麗の巫女に見せつけてやりに来たのだ。

 

「な、何よこれ!!」

人里の件をまだ知らない霊夢が目の前の光景に思わず叫んだ。

一面の銀景色だった神社がいつの間にか春真っ盛り。神社の桜まで満開だった。

 

「台無しだぜ!台無しだぜ!!お前は少しは悩むことを知らないのか!?」

魔理沙はオオスに配慮して人里の桜の件を一時とはいえ黙っていた自分が馬鹿らしくなった。

 

「いいか、よく聞け博麗霊夢!そしてついでに霧雨魔理沙!」

オオスは霊夢とついでに魔理沙に向けて宣言する。

 

「我が名はオオス!極々普通の里人である!…それをよく覚えておくが良い!!」

オオスはそう叫んだかと思うと桜の樹から飛び降りた。

そして、いつの間にか姿を消していた。

 

「あんたのような普通の里人がいるか!!」

霊夢はオオスに叫び返した。

だが、その顔には先ほど悩んでいた様子はなく寧ろ晴れ晴れとした怒りがあった。

 

「ついでって何だ、ついでって!!」

魔理沙もオオスに叫び返した。

だが、その顔には先ほど悩んでいた様子はなく寧ろ晴れ晴れとした怒りがあった。

 

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