嘘つき探偵と幻想郷   作:kohet(旧名コヘヘ)

29 / 235
正直者から嘘つきへの影響

博麗神社で宴会が延々と続く異変と呼ぶべきかどうかもわからない事件。

それは宴会の終了という形で幕を閉じた。

誰がどうなったのかオオスは敢えて知らない。

勝ち負けは兎も角、少なくとも鬼は満足したようだ。

それならば真実等どうでも良いとオオスは思った。

 

…ただ結局、異変についてパチュリー等の面々には相談されなかった。

自分が頼られないのは弱いからだろうかと等変に拗らせて悩んでいた。

そんな折、紅魔館の季節外れの豆まきに誘われた。

 

…オオスは『アレ』を持っていくことにした。

 

 

 

紅魔館の応接間に来たオオスはレミリア達に挨拶をしていた。

側には咲夜が控えており、パチュリーも豆まきの陣頭指揮を執るようだ。

咲夜は兎も角、パチュリーが出てくるのは珍しいとオオスは思った。

 

「お招きいただき恐悦至極。実は今回、既に用意してあります」

オオスはそう言いレミリアに礼をする。

 

今回は鬼、萃香に使わなかった鬼対策用の物を持ってきていた。

 

「あら、そうなの。でも、私に豆ぶつけるのは駄目よ。どうも火傷しちゃうみたいで」

レミリアはオオスに豆まきでの注意事項を予め伝える。

 

「そうですか残念です」

オオスはそう言ってガッカリしたように肩をすくめた。

結局、使えそうにない。…まぁ、威嚇射撃に使うだけのつもりだったが。

 

「凄く嫌な予感がするのだけど…一体何を用意していたのかしら?」

レミリアの紅茶を持つ手が振るえていた。明らかに紅茶を溢している。

 

「良くぞ聞いてくれました!これは自動入豆重機関砲!!

 一分間に600発の炒り豆を発射可能で厚さ三㎝の鉄板すら貫通する…」

オオスは一気にまくし立てるように話をし出した。

 

自らの持つ外の技術の粋と永遠亭で学んだ技術で、不可能を可能とした豆まき機の説明をし始めた。

 

「何よそれ!豆関係なく危ないじゃない!!」

レミリアは恐怖した。最初に注意して良かった。下手したら私、死んじゃうと思った。

 

「そうなんですよ。レミリアさんを想定して作ったんですけど。

 これ効かないって言われまして…。嘘つかないから産廃ですよ、これ」

オオスは言外に鬼相手に作った兵器であると言い出した。

 

 

…そして、レミリア達は悟った。

 

 

「…アレにあったのかしら?」

レミリアは先ほどとは打って変わり、真面目な顔になりオオスに尋ねた。

 

「…会いましたけど?」

オオスはレミリアの変貌に疑問符を浮かべながらも鬼に会ったと肯定した。

 

「…パチェ。こいつは動かないとか言ってなかったかしら?」

レミリアはパチュリーに話しかけた。

何か駄目な子どもに呆れているような声色だった。

 

「そうね。レミィ。ごめんなさい」

パチュリーはレミリアに謝る。

自らの予想を斜め上に超えて来たオオスの行動に対して、だ。

 

「咲夜。アレを没収して貰って良いかしら?」

パチュリーは咲夜にオオス作成の危険物を取り上げるように言った。

 

「はい。畏まりました」

咲夜は呆れたようにため息をついてオオスへと近づいていく。

 

「待って!何か怖い!何で時止めないでにじり寄って来るんですか!?

 今回、何も悪いことしていませんよ!?いや、そもそもしないけど!」

オオスは身に覚えのない恐怖に駆られた。

それは狂気に完全な耐性はあっても防げない恐怖だった。

 

 

 

オオスとレミリアは紅魔館の総出で豆まきをしているのを遠巻きに眺めながら二人して太巻きを食べていた。

 

「話し合いするために改造しただけですよ。前々からコツコツ改造して作ったのに…」

オオスは男のロマンを集めた兵器を没収されたのにガッカリしていた。

 

「話し合いするためにあんな危険物持っていく馬鹿がどこにいるのよ」

レミリアがオオスに正論を述べた。

 

「何か最初の方、戦いに来たと思われましたね。そういえば」

オオスは萃香と会った時のことを思い出しながらレミリアに言った。

 

「ほらみなさい。爆弾持って話し合いましょうとか言って…」

レミリアは呆れたように言いつつ言葉を止めた。

 

「レミリアさん?」

オオスはいつもとは違うレミリアに翻弄されっぱなしだった。

 

「…アンタ死にたいのかしら?」

レミリアはオオスに問いかけた。その表情は真剣だ。

 

「…死ぬまでに時間稼いで話すつもりはあってもわざと死ぬつもりはなかったです」

オオスは死ぬつもりはなかったが、最悪死んだかもと正直に話した。

 

いつものオオスならここまでで誤魔化していただろう。

だが、萃香に影響されたのか正直に答えていた。

…萃香と会っていなければ豆まき機も持ってきていなかったとオオスは気が付いた。

 

オオスは正直者の鬼に影響され過ぎていた。

 

「いいかしら?面倒だけど言ってあげるわ」

レミリアはオオスの目を見て真剣な声色を崩さない。

 

「アンタがあんまり危険なことをすると…」

レミリアはオオスに対して…

 

 

「ああ、何で私が言わなきゃならないのよ!!」

レミリアはシリアスに耐えきれなかった。

 

オオスはホッとした。

レミリアとこれまで培ってきた関係性を今更変えたくなかった。

 

「よくわかりませんが…次するときは誰かに相談してからにしたいと思います」

オオスはレミリアの言いたいことがわからないながらも『正直』に述べた。

 

「ならば良し!どうせコイツを止めるの無理だもの。私、頑張ったわ!!」

レミリアは自分の健闘を自画自賛し始めた。

 

「大変なんですね。レミリアさんも」

オオスはレミリアに同情した。紅魔館の主も大変そうである。

 

「お前が言うな!」

レミリアはオオスを怒鳴りつけた。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. よみあげ
  11. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。