嘘つき探偵と幻想郷   作:kohet(旧名コヘヘ)

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冥界ジョーク

オオスは永琳と共に白玉楼にお邪魔していた。

 

以前、輝夜歓迎会という名の小宴会に誘った際、妖夢の具合が悪いので宴会に参加できないと幽々子に断られていた。

まだ妖夢の具合が悪いとのことだったので、オオスは永琳を連れて冥界の白玉楼まで来ていた。

 

「妖夢さん。完全に月の狂気に当てられていますね、これは」

オオスは妖夢の様子、とりわけ赤い目を見て言う。

 

「生霊も見える様になったみたいなのよ」

幽々子が妖夢の様子をオオスに言う。

…そんなに妖夢を心配していないようにも見える。

 

「目を閉じていても見える。これが心眼か…」

妖夢が普段なら言わない戯言を言う。

妖夢が狂気に当てられている何よりの証拠だった。

 

「幽々子さん、永琳さんへ冶葛なんてだしても効きませんよ」

オオスは幽々子が永琳に持ってきた茶を見て言った。

オオスは幽々子の持ってきたお茶を岡目八目でたまたま気が付いた。

 

「冶葛…ゲルセミウム・エレガンス。致死量0.05mgね。

 私は耐性持っているけど客に出すお茶じゃないわ」

永琳は飲む前にオオスに指摘されて気づき、慌てて飲むのを止めた。

驚き過ぎて永琳は自身の知識を並べ立てているようだ。

 

「青酸カリでも4.4mgですからね。殺意高い」

オオスは幽々子の殺意の高さに賞賛の言葉を述べた。

 

「仕方がないわね。妖夢に斬ってもらいましょうか」

幽々子は何が何でも永琳を殺す気のようだ。

狂気の状態の妖夢に永琳を斬らせようと真面目に考えていた。

 

「何故、こんなに殺意高いのかしら?」

永琳はオオスに幽々子の行動の理由を尋ねる。

暗にオオスが幽々子に何か嗾けたのかと聞いてもいた。

 

「多分、医者に通わせるのは面倒だからですよ。

 ここで死んで亡霊になれば早い的な」

オオスは白玉楼に泊まった記憶から幽々子の行動を予測して答えた。

オオスも似たような理由で殺されそうになったものだ。

 

軽い挨拶のようなものである。冥界ジョークとオオスは笑う。

 

「いやいやいや。そんなことで人を殺そうとするなんて…」

永琳は意味が分からなくて動揺している。

オオスの態度に翻弄されていた。

 

「ここはどこかしら?」

幽々子が扇で口を隠して永琳に尋ねた。

 

「冥界ね。…本気だったわ」

永琳はオオスの言うことが本気と書いてマジだったので絶句した。

 

「私は守らなければならない方がいる。何なら訪問医療でもするから。

 それに生きてここに来る輩なんてもう沢山いるじゃない」

永琳は疲れた様子でそう述べた。

 

実際宴会事件のときには咲夜や霊夢、魔理沙、アリスまでもがここを尋ねていたようだ。

 

オオスも良く冥界には来ているが、他の人里の人間も死前の下見ツアーでやって来ている。

オオスは自分が善良なる一般里人という理由の一つでもある。

 

「一度死ねば不老不死よ。体も軽いし良いことづくめなのに」

幽々子はそう永琳に言う。実に残念そうである。

 

「小間使いの様子を見るから貴方は黙っていて頂戴な」

永琳は幽々子に黙るように言った。

 

 

 

「…目が赤いわね。感受性が高い者がまともに月を見るとこうなってしまうの。

 放置すると元に戻らなくなるわ」

永琳の診断結果はおおよそオオスが思っていたものと同じものだった。

 

「戻らなくても良いけど妖夢が狂うとお庭掃除する者がいなくなるの」

幽々子が妖夢の様子を見て言った。何気に酷い扱いである。

 

「私が掃除しましょうか?」

オオスが幽々子に提案する。困っているならお互い様と言うようだ。

 

「あら、良いの?」

幽々子は前向きに検討し始めた。

 

「そこ余計なこと言わない。薬を作るからしばらく月を見ないようにして頂戴」

永琳はオオスを注意して、妖夢に薬を作ろうとした。

 

「このお茶勿体ないので貰って良いですか?」

オオスは冶葛のお茶に興味深々だ。是非、研究資料として持ち帰りたい。

永琳の目を一瞬とはいえ誤魔化せる程度の偽装技術は流石幽々子であるとオオスは思った。

 

「毒物持って行かないの!何に使う気かしら?」

永琳はオオスに毒物をどうする気か尋ねる。

 

「処分してきます」

最終的には処分するので嘘ではない。オオスは堂々と宣言した。

 

「持って行かないの!そのお茶は私が処分するから。

 姫様もよりにもよってこんな危険人物を…」

永琳はオオスの言葉の裏を看破し、そこに置けと命じる。

そして、輝夜の将来を不安に思った。

 

「ああ、これでもう何も怖くない」

妖夢はテロでフィナーレするようなことを言い出した。

 

「ああ、もう薬作るまで誰か助けてくれないかしら!」

永琳は普段と違い終始翻弄されっぱなしで思わず叫んだ。

 

 

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