エルドラ―ドなヒーローアカデミア!!   作:捻くれたハグルマ

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体育祭編!
楽しんで書いていきますよ!


第十二話! 迫る!雄英体育祭!!

 「おっはよー!俺が、徹夜の鐵です!!」

 

 結局眠れんかったぁ……。

 これ、飯田に怒られる奴…!

 八百万さんにも叱られる奴…!

 まぁ、寝ないようにすれば、大丈夫だろ!

 

 「おはよー!その割には元気だねー!」

 

 「おうよ!葉隠さんも元気そうだぜ!」

 

 「そうだ、昨日のニュースみた?」

 

 昨日の?

 あぁ、USJ事件のやつか!

 

 「見たぞ?それがどうかしたのか?」

 

 「私、ぼかし入ってたおかげで、全然目立ってなかった!

 ただでさえ目立たないのに!」

 

 「大丈夫!俺映ってないから!ハッハッハ!!」

 

 「みんなー!朝のホームルームの時間だぞ!!

 私語を謹んで席に着きたまえ!!」

 

 「座ってねぇのお前だけだよ、飯田。」

 

 くう~っ!辛辣!切島!辛辣だよ!!

 

 「飯田、トランキーロ、だぜ!焦らずいこう!」

 

 「う、うむ…!そうだな!」

 

 カクカクしたまま席に着く飯田。

 しっかし、みんな揃ってるのが奇跡だよな~、ぶっちゃけ。

 本当によかったよ、みんなでまた学校来れて……。

 

 「ねえねえ、梅雨ちゃん!ホームルーム、誰が来るかな?」

 

 「そうね、三奈ちゃん。相澤先生はケガで入院してるし……。」

 

 「おいらはミッドナイトがいいな……!ハァハァ…!」

 

 お前ホントいい加減にしろよ、峰田……。

 そんな話をしていると、ガラッとドアが開く。

 

 「おはよう。」

 

 あ、レアカードのイレイザーヘッドだ。

 ………?!

 いや、なんで来れてんの?!

 

 「「「「「「相澤先生復帰はえぇ!!!!」」」」」」

 

 なんだか、クラスのみんなと一体になったような気がした。

 

 「先生!無事だったのですね!」

 

 「飯田、あんな包帯ぐるぐる巻きで無事だなんて、ウチ認めないかんね。」

 

 まったくだ。あんなの無事でも何でもないぞ。

 

 「俺の安否なんざどうでもいい……。何よりまだ戦いが残ってる…!」

 

 「戦い……?」

 

 自然と疑問の声が漏れちまう。

 あんだけ必死に死ぬ気で戦ったのにまだあるの?

 嘘だろ?

 まあ悪党がいるってんならぶっ飛ばすけどさ。

 

 「雄英体育祭が迫ってる!」

 

 「「「「「「「クソ学校っぽいの来たァァァァ!」」」」」」」

 

 またクラスが一つになった。

 俺たち、仲いいな!

 

 「ヴィランに侵入されたばかりで大規模なイベントを行ってよろしいのでしょうか?」

 

 「悪には屈しない!超然主義をとるってことじゃねぇかな?」

 

 八百万さんに対して俺が答えてしまう。

 やべっ、怒られる?

 

 「まぁ、そういうことだ。例年の五倍の警備態勢でやるつもりだそうだ。

 何より、ウチの体育祭は最大のチャンス。

 あんな馬鹿共に振り回されるわけにはいかん。」

 

 チャンス…!

 いい響きだ!

 

 「かつてのオリンピックのように、ウチの体育祭は今じゃ日本の目玉イベントだ。」

 

 「当然!スカウトのために多くのプロヒーローが訪れる!

 俺もお眼鏡にかなうよう活躍したいところだ!」

 

 「そんで、資格を取ったらどっかのプロヒーロー事務所にサイドキック入りがセオリーだもんな!」

 

 「あんたはアホだから、一生独立できなさそ。」

 

 興奮する飯田や上鳴が話を進める中、耳郎さんから鋭い一言が刺さる。

 し、辛辣だよぉ、耳郎さん…!

 

 「いいか?

 名のあるヒーロー事務所にはいったほうが、もちろん経験値も話題性も上がる。

 プロに認められればその場で将来の道が開かれる…。

 年に一回。計三回しかないチャンス。

 ヒーロー志すなら絶対に逃せないイベントだ。

 掴みたければ準備を怠るな!」

 

 「「「「はい!!」」」」

 

 気が引き締まる。俺は『無個性』。

 マイナスのスタートなんだ。

 だから確実に、つかんで見せるぜ!!

 

 

 

―――

 

 昼休みになると、みんなが体育祭に対する思いの丈を語り合う。

 

 「みんな、すっごいノリノリだ……!」

 

 「ヒーローを目指すなら、燃えないはずがないだろう!!」

 

 なんか、すっごいみょうちくりんな動きしてるな、飯田…。

 

 「飯田ちゃん、変よ。燃え方が。」

 

 わざわざ倒置でいうことないんじゃない?

 

 「緑谷くんに、鐵くんは、燃えないのかい?」

 

 「俺はちょっとな。考えてることがあってさ。」

 

 「ほう、それは…」

 

 「みんなァ!!頑張ろうね体育祭ィィィ!!」

 

 ん?麗日…うららかじゃないな?!

 なんかこう、やり遂げるって感じの顔だ!

 凄いぞ!

 

 「私!!頑張るゥゥウ!!」

 

 「「お、お~…」」

 

 「お茶子、なんかハイになってない?」

 

 「お茶子さん、いったい何があったんでしょうか…?」

 

 耳郎さんと八百万さんも心配している。

 なんか、すっごい気合入ってるねぇ。

 

 

 六人で食堂に向かっている時に、ふと緑谷が聞いた。

 

 「麗日さんは、どうしてプロヒーローを目指したの?」

 

 「き、究極的に言えば……お金……。」

 

 ほう、お金か。金は天下の回り物だ。それを稼ぐのは立派なことだ。

 カルヴァンだってそういってたはず。

 

 「ご、ごめんね!不純で!」

 

 「謝ることはないぞ?

 人を助けて金を稼ぐ。いいじゃないか。

 誰かを傷つけない方法でお金を稼ごうってのは立派だぞ。」

 

 「お茶子の貧乏性となんか関係でもあんの?」

 

 「うん…。うちの実家、建設業やっててさ。

 けど全然仕事来なくってさ。素寒貧なんよ……。」

 

 「お茶子さんの個性なら、建設現場で大活躍ですわね!」

 

 「そうだね、麗日さんの『個性』なら建築資材を浮かせれば!」

 

 「重機いらずでコストを抑えられる!」

 

 八百万さん、緑谷、飯田の考察コンボが決まる。

 たしかにそうだ。

 建設やなんやらで一番金がかかるのは重機だろう。

 それを削れたら大幅コストカット。

 それに無重力で作業できるから能率も上がるだろう。

 

 「でっしょぉ!それ昔父に言ったんだよぉ!でも…。

 私が好きなことしていいって。

 夢追いかけていいって…。

 ヒーローになってお金稼いでハワイ連れてってもらうって……。」

 

 「だからさ、私は絶対ヒーローになって、お金稼いで……。

 父ちゃん母ちゃんに楽させたげるんだ!!」

 

 おぉ、なんという孝行娘か!

 おぉ、美しい親子愛!

 

 「ブラーボーォ!麗日くん!ブラーボー!!」

 

 「素敵ですわ!!!」

 

 真面目組が思いっきり拍手している。

 俺も涙が止まらん……!

 

 「HA-HAHAHAHA!!!」

 

 ん?この笑い方。

 来るっ!

 

 「緑谷少年がァァァァ、いたァ!!

 ごはん……。一緒に食べよ?」

 

 「乙女や!!!」

 

 いっきにコミカルな雰囲気になっちまったよこんチクショウ!

 まァ、いいタイミングではあったかもな。

 

 「あの、僕…。」

 

 「行ってきなよ、緑谷。」

 

 耳郎さんが緑谷の背中をぽんっと押してやる。

 いい人だ!

 

 「ぜひ!またあとでね!!」

 

 タッタッタ、とオールマイトの後を追いかけて走る緑谷。

 さて、そろそろ俺も行きますか…!

 

 「ほいじゃ、俺も職員室寄っていくわ!

 またあとでな!」

 

 「あら、勇雅さんも何かご用事が?」

 

 「ちょっとな!」

 

 そう、この話をしないとアンフェアになっちまうからな!

 

 

―――

 

 「失礼します!

 相澤先生はいらっしゃいますか?」

 

 「どうした、鐵。

 あぁ、そうだ、どうせ来たなら話しておくか。

 手間が省けて合理的でいい。」

 

 ん?話をしに来た俺に対して話があると??

 

 「あ、分かりました。で、どんな無茶難題をクリアすれば除籍回避できるんですか?」

 

 「お前、除籍されたいのか?」

 

 「いえ、俺は『無個性』だから人一倍やれって言われるのかと…。」

 

 違う違う、といった感じで首を横に振られる。

 

 「お前ら一年はひよっこですらない卵だ。

 『個性』があろうがなかろうが、人一倍努力しなきゃならんのは当たり前だ。

 それで、本題はそれじゃない。

 

 お前、入試主席だから選手宣誓しろ。」

 

 「あ、ハイ。」

 

 良かった~!!

 普通だった~!

 驚きすぎてそっけない返事をしちまったことが申し訳ない。

 

 「長さは適度なものにしてくれりゃそれでいい。

 一応言っとくが、全国放送されても問題ないようにしろよ。

 俺からの話は以上だ。

 で、お前の用件はなんだ?」

 

 「あ~、主審と話させてもらうってできますか?

 俺、フェアな戦いしたいんで、ちょっと自分に制限かけてもらおうかと。」

 

 そう、みんなと俺の決定的な違い。

 

 『個性』という「身体能力」で戦うみんな。

 『科学技術の結晶』を「パワードスーツ」という形で操る俺。

 

 まだエルドラ使っていいと決まったわけじゃない。

 だけど、やっぱり、これはフェアじゃない。

 

 「何?青春?!

 話してみなさい!」

 

 いつのまにかそばにはミッドナイトがたっている。

 

 「ミッドナイト……。

 あんた私情が混じるんですよ、こういうイベント。」

 

 「別にいいじゃない!

 素敵なことでしょ、青春!」

 

 相澤先生が愚痴をこぼしてる。

 どうやら、ミッドナイトは青春ジャンキーらしい。

 天職だな、高校教師。

 

 「で、なにかしら、鐵くん!」

 

 「まず大前提なんですけど。

 俺、『無個性』なんで、サシでやりあうにはエルドラがないときついんですけど、使っていいんですか?」

 

 「う~ん。

 前例がないからいいんじゃないかしら。

 本来ヒーロー科にはハンデを背負ってもらうために『個性』一本で戦ってもらうのよ。

 けど、エルドラはあなたが生み出し、勝ち取った。いわばあなたの『個性』よ。

 存分に使いまくったらいいと思うわ!」

 

 あっ……!

 すごくうれしいことを言ってくれた。

 気が舞い上がってしまう。

 もうこの人と結婚してもいいかもって思うぐらい嬉しい。

 俺が勝ち取ったもの、か。

 ふふ、いい言葉だな!

 

 「けど、俺のエルドラはパワードスーツです。身体機能じゃない。

 だからもう一つハンデを追加させてください。

 やるならフェアにやりたい。」

 

 「なになに?!

 青臭いわね!!

 いいわよ、言っちゃって!!」

 

 「俺が使う体育祭当日、使えるバッテリーの本数に制限をかけてもらいたいんです。」

 

 そう、たぶんこれがちょうどフェアでやれる条件だろう。

 自慢じゃないが、無敵のボディに勇者のパワーを持つエルドラVは最強だ。

 致命的に悪い燃費を除けばな!

 

 それで、体育祭は雄英高校で行われるわけだから、補給の心配はない。

 無尽蔵に補給し続けられるなら、チート野郎だ。

 みんなは疲れていくのにそれは嫌だ。

 

 だからエルドラVの燃料切れが俺の勝ち取った『個性』の疲弊ってことにする。

 これで、お互いに勝ち筋の探り合いができてフェアにやれる。

 より実戦的だしな。

 正直どんな奴が相手でも粘られたらすぐガス欠する自信がある。

 動きに無駄が多すぎるんだよ、俺!!!

 

 「いいね、青臭いわ!私好み!

 許可します!

 ナイスファイトを期待してるわよ!!」

 

 「なぁ、イレイザー、好みで決めてるけどいいのかぁ?あれ……。」

 

 「なに、山田。あたしになんか文句でも??」

 

 しゅ、修羅……!

 さっきまでの青春大好きビューティーレディーどこ行った?!

 というか、キバタン……、また間違えた。

 マイク先生は山田さんなのね。なんか所々地味よな!

 

 「いえ、ゴザイマセン……。」

 

 「それで、何本使うの??」

 

 「まぁ、10本ぐらいですかね!

 たぶんちょうどよくガス欠すると思います。」

 

 「分かったわ。

 当日は審判の詰め所があるから、そこに必要な本数置いときなさいな!」

 

 「わっかりました!ありがとうございました!!」

 

 俺はババっとお辞儀をして、手を振ってくれるミッドナイトにお別れをした。

 厳しい戦いになるだろうが……!

 頑張ろう!!

 勇者は常に困難を乗り越えるものだもの!!

 

 「あの子、いい生徒ね。ね、イレイザー!」

 

 「合理的じゃないが……。見込みはありますよ。」

 

 

―――

 

 とにかく、どうやってもナンバーワンを勝ち取りたい。

 そうすれば、爺さんたちに俺は頑張ってるんだぞってところを伝えられると思う。

 

 そうして色々と考え事してると、授業にあんまり集中できなくて、飯田に注意されたこともあった。

 正直上鳴とかの方が集中してなかったと思う。不服だ。

 

 それで今日という一日はすぎていったんだけど……。

 

 「なんじゃこりゃぁ!!!」

 

 放課後、教室から出ようってときに麗日さんが某刑事ばりの声を上げる。

 

 「おお、人がいっぱいだ。誰かのフォロワーか?」

 

 「君たち、A組になにか用件だろうか!」

 

 「なんだよぉ、出れねぇじゃん!」

 

 俺、飯田、峰田が声をあげるものの、どれも的を外していたわけで。

 

 「敵情視察だろ、雑魚。」

 

 いやいや、クラスメイトのこと雑魚っていうのやめなよ、爆豪!

 なんか峰田も無言で緑谷に説明求めてるし、震えてるし……。

 

 「か、かっちゃんはあれがデフォだから……。」

 

 あれデフォなの?!

 どんだけ性格ねじ曲がっとるんだ……。

 かくなる上は勇者式鉄拳制裁を…!

 

 「おおかた、ヴィランの襲撃たえぬいたから、体育祭の前に見ときたいんだろうが……。

 意味ねェから、どけ。モブ共。」

 

 「まぁ、見ただけで実力も『個性』もわからんし、こればっかりは爆豪が正しいかもしれんな!」

 

 「いや、けど言い方ってもんがあるでしょ。

 ウチ、こういう言い方はロックじゃないと思うんだけど。」

 

 耳郎さんは不服なようだ。

 けど、実際見に来たところで何も変わらん。

 偵察目的ならこのあと個人訓練している時がいいだろう。

 

 ま、俺も言い方はよくないと思うよ。

 せめて、教室から出たいので、道開けてくださいとかにしよう!

 

 「見知らぬ方々をモブだなんて、失礼ですわよ!」

 

 「そうだぞ爆豪くん!謝るんだ!!」

 

 真面目組のお叱りが飛ぶ。

 そりゃ怒るよ、当然だ。

 

 「噂のA組……。どんなもんかと見に来たが、随分と偉そうだ…。

 ヒーロー科に在籍する奴はみんなこんななのか?」

 

 「違う違う!コレと一緒にするな!」

 

 周りのみんなも一斉にに首を横に振る。

 これと同類はさすがに失礼だぞ。

 

 あ、人のことこれっていうの爆豪みたいだからやめよう。

 

 「そう?

 まぁ、こういう奴がいると幻滅しちゃうなぁ……。

 普通科とか他の科にいったやつって、ヒーロー科に落ちて入ったってこと多いんだ。

 知ってた?」

 

 わかるぞ。

 俺もサポート科にしないかって打診されたしな。突っぱねたけど。

 

 「けど、まだチャンスは残されてる。

 体育祭のリザルトによっちゃぁ、ヒーロー科編入もあるらしい。

 逆もまたしかり、だ。

 少なくとも、俺は敵情視察なんかじゃなくて…。

 ちょっと調子に乗ってるなら足、掬っちゃうぞって『宣戦布告』に来たつもり。」

 

 こいつ、いい目をしてるぜ……!

 あきらめきれないって感じで、ぎらついてる。

 まだ俺はやれるんだって、叫んでる。

 『本気の人間』の目だ。

 

 「君!名前は?!

 知っておきたい!

 君はたぶん勝ち上がる!」

 

 あ、おもわず声かけちまった。

 

 「なんだよ、お前。余裕だっていうアピールか?」

 

 「ちがうさ。むしろ俺は大ピンチ!!

 君、マジに狙ってるだろ、ヒーロー科!

 

 俺だってヒーローになりたい。負けるわけにはいかない。

 けどな!

 いいヒーローを目指す奴は多い方がいいだろ!」

 

 そう、俺たちは「次世代のヒーロー」として世の中の安寧を背負って立つことになる。

 一人よりも二人。

 本当の勇者じゃなくてもいい。

 人を助けたいって体を動かしてくれるなら、そういう奴は多い方がいい。

 

 「普通科 心操 人使 だよ。」

 

 「俺は鐵 勇雅!

 体育祭、頑張ろうぜ!!」

 

 うん、心操くんか!

 覚えておこう!!

 

 「ふんっ、上に上がれば誰だろうと関係ねぇ……。

 おいメカ野郎!

 なれ合いじゃねぇぞゴラぁ!!」

 

 爆豪、お前ってたまに真理を突くよな。

 もう少し態度が良くなれば、お前と仲良くしたいな。

 あと、腰パンでオラつきながら帰っていくのもやめてほしいところだ。

 

 「おうおうおうおう!!

 隣のB組のもんだけどよぉ!

 ヴィランの襲撃の話聞きに来たんだけどよぉ!

 

 調子づいてるやつがいると思えばよぉ!!

 熱くていいやつもいるじゃねェかよぉ!」

 

 またなんか来た。元気な人だけど……。

 う~ん……。さっきから、なんか調子狂うんだよな。

 

 「あのさ、ヴィラン襲撃を乗り越えたからって調子に乗れると思うか?」

 

 そう、どうして俺たちのことを「調子に乗ってる」と思うんだろう。

 オールマイト殺害計画を目の前で見たんだぞ。

 むしろ逆だ。

 俺はアイツの、死柄木の発言がすごく気になってる。

 『今回は』って言ったんだ、アイツは。

 またあのレベルが来たとしたら、死んでもおかしくない。

 

 「そりゃあ、ヴィラン退治したんなら、調子乗るじゃねェかよ。

 違うってのか?」

 

 「おう。むしろ逆だよ。本気で死ぬかと思った。

 どれだけ俺たちの実力が足りなかったか思い知らされたよ。

 

 俺は両腕粉砕骨折させてギリギリヴィランと相打ちできた。

 それも一体のヴィランだ。

 いろんな要素がうまくハマってラッキーパンチで勝てたんだ。

 

 それに、両腕壊して動けなくなった俺を助けようとした緑谷、こいつな。」

 

 緑谷を前面に押し出す。

 めっちゃ震えてんじゃん。

 思い出してビビってんのかな。

 いや、大勢の人の前だからビビってんのか。

 

 「こいつなんか、指はぐちゃぐちゃ、両足もバキバキっつう重症状態になりながら助けに来てくれたらしい。

 そうやって命がけで、プライドかなぐり捨てて、泥だらけになって……。

 それでも『何とか生き延びました』ってだけだったんだよ。

 俺たちクラスメイトが全員五体満足で集まれてるのは奇跡なんだ。」

 

 クラスの出入り口を固めていた生徒たちも、B組の子もシーンと静かになる。

 不味った。

 しゃべりすぎたね、これ!

 

 「すまんかったぁ!!!!」

 

 ガチン!という音が廊下に鳴り響く。

 どうやら思いっきり頭を下げて床にぶつけたらしい。

 

 「えぇぇ?!だ、大丈夫?!

 結構頭激しくぶつかったよ?!」

 

 さっきまでガクブル震えてたのに、心配して駆け寄っていく緑谷。

 お前ってホント聖人かなにかか?

 

 「治療用キットを出しますわ!すぐに手当てを!」

 

 あ、ダメだ。これおさまりが効かん奴だわ。

 この二人におとなしく救助されてくれ、B組の人。

 

「いや、俺は『個性』で硬いから大丈夫だ!!」

 

 頭を上げた彼の顔には金属光沢があった。

 ほぅ、なんか、メタル化!反射装甲!!って感じだな!

 

 「すごい!金属にまつわる『個性』なのかな?!体の表面だけ?!

 どこまで硬化できるの?!耐火性はどれくらい?!

 酸には弱いんだろうかブツブツブツ……。」

 

 「デクく~ん。帰ってきてー!おーい!」

 

 「緑谷くんのこれはなかなか収まらないからな……。」

 

 俺たちがマイペース過ぎてみんな困ってるよ。

 心操くんもちょっと引いてるし。

 なんなら出入り口の包囲網が壊れて普通に脱出できるし!

 

 「じゃあ!お前らも頑張れよぉ!!」

 

 あ、彼もマイペースだった。

 なんだか締まらない空気だ……。

 ま、いいか。

 

 「よし、みんな帰るか!」

 

 「「「「マイペース過ぎるぞヒーロー科!!」」」」

 

 あれ?

 

 

―――

 

 家に帰ると、電話を掛ける。

 雄英体育祭までの二週間、俺のやるべきことはエルドラを少しでも改修して最適化をはかること!

 

 「ブッチ博士!ちょっとこの二週間通い詰めてもいいですか?!」

 

 「待ってたよ。君には聞きたいことが山ほどある。試したいこともね。」

 

 ほう……。楽しみだね!




次回!
修行兼研究回にします!!
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