エルドラ―ドなヒーローアカデミア!!   作:捻くれたハグルマ

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心操戦はちゃんと書きたかった。

そういう欲望。


第十七話! 『洗脳』と『OFA』

 

 まさか、戦いたい相手である緑谷と心操がしょっぱなからぶつかるとはな……。

 これはとても残念だ。

 くじ引きがかくも残酷なものだったとはな……。

 

 「勇雅さんは、レクリエーションに参加なさるのですか……?」

 

 そう遠慮がちに聞いてきたのは八百万さんだった。

 もう邪な気持ちに気が付いてしまったので直視できなかったが、ポンポンと上目遣いは反則だ。

 くそ、もう二度と峰田と上鳴には優しくしない。

 課題のノートとか二度と見せるものか。

 どこか感謝の気持ちが湧いているのは気のせいだったら気のせいなのだ。

 

 「あ、いや、その、ちょっとエルドラのメンテをね。

 轟に凍らされたり、大ジャンプしたりで関節部にちょっと不安があるから……。」

 

 目を合わせるのがなんだか難しくって、どぎまぎして話してしまうが、言ってることは全部事実だ。

 あとはソフトウェアの最適化もしなくちゃならない。

 まだまだエルドラは試作機的な要素が目立っていて、全然完成とは言えないのである。

 

 「へぇ、勇雅でないんだ。

 残念だね。」

 

 今度は耳郎さんも来てくれる。

 けどまって、その腰に手を当てて立つのはちょっとへそ出しルックが強調されるのでやめてくださいお願いします。

 というか誰か助けてくれ、そして俺をぶん殴って邪なこの心を罰してくれ。

 

 「デクくんは?!

 デクくんはどうするん?!」

 

 「僕はノートの確認しなきゃ…!

 って近いィィ………。」

 

 緑谷もグイグイ迫ってくる麗日さんにたじたじである。

 飯田、君の役目だぞ、空気を引き締めるのは。

 頼むよ飯田、助けてくれ。

 

 「そうか、二人は不参加なのか!

 女性陣は参加するのかい?

 チアリーダーの恰好をしているということは参加意欲が高そうだが!」

 

 飯田!飯田!

 君は俺のヒーローだ!

 

 「私は一応参加しようと思ってますわ。

 副委員長ですし。」

 

 「百だけに頑張らせるのもあれだから。

 ウチもやるよ。」

 

 「私も頑張る!こういうのやったことないから、ちょっと楽しみなんよ!」

 

 女性陣三人は参加する気満々のようだ。

 せっかくだから見ておきたいな……。

 

 「後で時間空いたら見に行くよ、緑谷もそれでいいだろ?」

 

 「へあっ?!

 ウン、ソレガイイトオモイマス。」

 

 ガチガチだな緑谷……。

 まぁ、俺もひとのこと言えないけど!

 

 こうして、準備にいそしむものと、心を落ち着かせるものとで、一時分かれたのである。

 

 

―――

 

 一応、破壊工作等の不正がないようにとのことで、俺は審判席にエルドラの簡易ハンガーを設置させてもらっていた。

 そこで、エルドラのデータ片手に関節部やほかに不安のある所をいじる。

 

 ある程度調整が進み、俺は今日のとあるデータをチェックしていた。

 それは、俺の神経電気の値である。

 今日一日を通して、俺の神経電気は常人の1.2倍程度で、USJ事件の時のように計器を振り切ったりはしていなかった。

 

 実は俺は、パーツごとの遠隔操作を習得することは出来たが、俺とエルドラの合体、すなわち人機一体の感覚を掴めずにいた。

 あの日の一撃は俺の中で史上最高の一撃だった。

 アレさえ俺のものにできればより戦えるようになる確信があったのだが、習得できなかったのは無念でならない。

 

 ブッチ博士ともいろいろ相談したんだが、出た仮説は二つだった。

 

 「自分の肉体を破壊しないためにセーブされている説」と、「闘争のための力であるため、死闘を経ねば覚醒しない説」である。

 

 前者は分かりやすい。

 俺はあの時全力を超えた一撃を打った結果腕を壊してしまった。

 機体の改造や、俺が頑丈になるといった変化がない限りは、また同じ力を使えば確実に身を亡ぼす。

 それを、避けるためなのではないか、ということだ。

 

 もう一方はむしろ逆で、もっと追い込まれないといけないというものだ。

 あの感覚は耳郎さんの言うようなゾーンに近いものがあって、意識の集中の果てにあるのではないか、という仮定から始まった。

 そして最終的には、その独特のゾーンは戦うために意識を集中させることが必要で、それこそ命の危機の時ほどの集中力を必要とするのではないかというところに至った。

 

 ただ、俺としては色々考えるのがダメなのかもしれないという漠然とした予想がある。

 俺がエルドラになるのだ。

 それ以外の事を考えてしまうとダメなのではないだろうか……。

 

 ぶつくさ言いながら考えていると、後ろから肩をたたかれた。

 

 「うおっ、誰だっ?!」

 

 大げさに振り返ると緑谷がいた。

 

 「ご、ごめん驚かせちゃって……。」

 

 「いや、謝ることはないぞ?

 むしろ驚きすぎてごめんな。」

 

 「そんな、謝らないでよ!

 えっと、じゃあ、ここはお互いさまってことでどうかな?」

 

 はにかみながら、緑谷は落としどころを見つけてくれた。

 このままだと謝罪合戦になっていたところだったから、いい提案だった。

 

 「わかったぜ、緑谷。

 それで、なんでここに?

 分析は終わったのか?」

 

 「大体ね!

 心操くんの『個性』も分析してみたんだ!

 予想通りならきっとすごい『個性』だ。

 それに、君がチームメイトに選んだってことは心操くん本人も凄いんだろうな……。」

 

 緑谷、すごいすごいっていう割には目には頑張るぞって感じに光がともってるぞ。

 今日は珍しく本当にやる気みたいだ。

 あまり正義の絡まない戦いを好まない性格だと思っていたが、誰かと競い合えること自体はそこまで嫌いじゃないみたいだ。

 

 「答え合わせに来たってんなら教えないぜ?

 ただ、お前も心操も、本当に戦いたいと思った相手だ。

 ナイスファイトに期待してる。」

 

 「君に誇れるように、僕は勝ちたい。

 いや、ちがうかな。

 君っぽくいうなら勝つぞ!かな?」

 

 「正解だ。

 有言実行を楽しみにしてるよ。」

 

 緑谷も言うようになったなぁ、と感慨にふける。

 この男に自信を持たせたら、きっと手が付けられないほど一気に伸びていくだろう。

 おいていかれないようにしなくっちゃな。

 

 「それでね、もうそろそろレクリエーションも終盤だし、もしよかったら一緒に戻らない?

 正直僕一人でチア姿の麗日さんに耐えられる気がしないんだよ……。」

 

 「奇遇だな、俺もだよ緑谷……。

 ちょうどほとんど調整は終わってたんだ。

 行こうか、スタジアム!」

 

 俺たち冴えない男子高校生は、腹をくくってスタジアムに向かい、健闘むなしくどぎまぎしてしまったのであった。

 

 

―――緑谷side

 

試合直前に、オールマイトが僕を待っていてくれたのには驚いた。

 

 「HEY、緑谷少年。

 OFA掴んできたんじゃないかい?」

 

 オールマイトに『個性』の話を振られる。

 やっぱり夢みたいだと思ってしまう。

 だってとても素晴らしい友達だけじゃなくて、僕のあこがれのヒーローに『個性』を授かっただなんていまだに信じられない話だもの。

 

 「いまだに不安定で、綱渡り状態。

 ギリギリ使えてるってだけで、まだまだちょっと力が強くなったくらいですし……。」

 

 「う~ん、ゼロか百かでいえば、君は今5ぐらいを引き出せてるね。」

 

 5かぁ……。

 5でも凄い力だってのは重々承知してるんだけど、まだまだ先は長いなぁ……。

 

 「僕はまだ5%しか引き出せなくて、みんなに助けてもらってばかりですけど……。

 みんなに追いつけるように、僕頑張ります、オールマイト!」

 

 そう、僕は追いつきたいんだ。

 先を駆け抜けていく飯田くんや、壁を浮かして無視しちゃう麗日さん、機転を生かして常に前へ進んでる八百万さん、自分の音を信じて突っ走る耳郎さん。

 それに、どんな壁も、僕も苦しくて諦めていた『無個性』という障害も、勇気と闘志で壊していく鐵くんに。

 だからこんなところでくよくよしてちゃ、僕はダメなんだ。

 

 

 「緑谷少年……。

 ナンセンスプリンスだと思ってたけど、ちょっとずつ変わってきてるね。」

 

 「そうですか?

 僕なんてずっとクソナードのままで出来ることも増えてないんですけど……。」

 

 「訂正、やっぱり根っこはナンセンスプリンスだよ、緑谷少年!」

 

 オールマイトにバシッとチョップされて一度否定されたナンセンスプリンス認定を受けてしまう。

 

 「けどね、緑谷少年。

 君は雄英にきて多くの仲間を得つつある!

 いい影響になっているのは間違いないさ!

 さぁ、緑谷少年、君の目指すヒーロー像は自信なさげでしみったれた顔なんかしてたかい?

 怖いとき、不安な時こそ、自らも、仲間も安心させられるように!

 笑っちまって臨むんだ!」

 

 オールマイトのマッスルフォームの笑顔が僕の不安を吹き飛ばしてくれる。

 

 「ここまで来たのは君の実力だ!

 ぐっと胸張っていきな!

 私が見込んだってことを忘れるな!」

 

 オールマイト、あなただけじゃないよ。

 僕、たくさんの人に期待されてここまでこれたよ。

 だから、思いっきりほほを上げて、こう!

 

 「はい!行ってきます!」

 

 第一試合!まずは打倒心操くんだ!!

 

 

 

 『オーディエンス共ぉ!

 待ちに待った最終種目がついに始まるぜェ!

 第一回戦!選手の入場だぁ!』

 

 うわわ、凄い歓声だ!

 あ、あそこで大きく手を振ってるのは鐵くんと飯田くんだ!

 よ、よし、頑張るぞ……!

 笑って胸を張る、簡単さ!

 

 『第一種目第二種目ともに一位通過!

 成績の割になんだその顔はぁ!

 ヒーロー科、緑谷出久ゥ!』

 

 ひ、酷いや、プレゼントマイク……。

 今度ハガキ送るときに苦情入れたくなっちゃうよ。

 

 『ごめん、まだ目立つ活躍なし!

 普通科、心操 人使ィ!』

 

 実は、心操くんの『個性』は目の前で八百万さんに使ってくれたおかげで大分絞り込めてる。

 おそらく意識を奪うたぐいの『個性』で、発動条件は多分だけど、対話すること……。

 わざわざ八百万さんが反応せざるを得ないようなことを言っていたから、注意しなくちゃ。

 一対一のこの状況なら、まず間違いなく最強格の『個性』……。

 けど負けるわけにはいかないんだ!

 

 『相手を場外に落とすか、行動不能にする。

 ちょーシンプルなルールだぜ!

 ちなみに参ったとか言わせてもオッケーだぁ!』

 

 行動にまで影響してくるのかまだわかってない『個性』だけど、かなり厄介だな……。

 先制攻撃で何もさせないのが正解なのかも……。

 

 『ケガ上等でガチでやりな!

 こちとら、我らリカバリーガールが待機してっから!

 道徳倫理はいったん捨て置け!

 だが、命を奪うようなクソはダメだぜ!OUT!

 ヒーローとはヴィランを捕まえるために拳を振るうのだ!』

 

 そうだね、分かってるよプレゼントマイク。

 最後にリラックスするために思いっきり息をする。

 目の前には心操くん。

 けど、なんでだろう。

 とっても苦しそうだけど……。

 

 「これは、心の強さが問われる戦い……。

 強く思う将来のためなら、なりふりかまってちゃダメなんだ……!」

 

 自分に言い聞かせているのか?

 どうして?

 

 『READY!!!START!』

 

 『あのガラクタは『無個性』でヒーロー目指すらしいけど、夢見すぎだと思わないか?』

 

 なんだって?

 夢見すぎ?

 鐵くんと一緒に戦ったのに……!

 彼の勇気と努力の結晶を間近で見ていたはずなのに!

  

 「僕の友達に、なんてこと言うんだッ!」

 

 しまった、そう思った時には遅かった。

 怒りに身を任せ、何も考えずに飛び出して怒鳴ってしまった。

 対話を成立させてしまった。

 

 「申し訳ないが……俺の勝ちだ。」

 

 最初っから気が付いておくべきだったんだ!

 どうして苦しい顔してた? 

 決まってる!

 傷つけることを覚悟であんなこと言ったんだ!

 勝ちたいから、ヒーローになりたいから泥をすすってまで、嫌なことまでして勝ちに来てたんだ!

 

 『おいおいどーしたぁ!初戦だぞぉ!盛り上げてくれよぉ!

 緑谷、開始早々完全停止!

 心操の『個性』かぁ?

 目立たなかったけどやばいやつだったのかぁ?!』

 

 動け、動け、動け!

 いくら念じても、頭にもやがかかっているようで、何もできない。

 あぁ、意識が薄れる。

 相澤先生が入試のことをぼやいてるのが遠くに聞こえるようになってきた。

 

 「緑谷出久、お前が羨ましかったよ。

 人にも『個性』にも恵まれて。

 さて、場外まで歩いていけ。」

 

 心操くんの声だけがはっきりと聞こえて、僕は言う通りに動いてしまう。

 分析以上だ……!

 意識を奪うだけでなく、行動すらも縛れるなんて……!

 

 ダメだ、体の制御を取り返さなくっちゃ…!

 畜生、止まれェ!

 せっかくみんなが期待してくれたのに…!

 

 こうなったら賭けだ。

 八百万さんの動きを取り戻したのは、僕の腕の一振りだった…!

 なら、どうにかしてインパクトを生み出せば……。

 ダメだ、指一本動かせない!

 

 敗北の二文字が脳裏をよぎった瞬間、僕の中で何かがはじけるような力が湧いた。

 OFAじゃない。

 借り物じゃない、僕のものが力強く鼓動を始めたように感じた。

 

 電子レンジではなく、もっと強い火花。

 雷のように僕の中を駆け巡っていくような衝動。

 

 それを呼び水にして、僕の意識が急速に引っ張られていく。

 なんだ?何が起きているんだ?

 

 不思議な現象の中で、僕は八対の煌々と輝く光を幻視していた。

 僕を見てる、そう錯覚した。

 

 それに気づいたとたんに、僕の中を駆け巡っていく衝動は方向性を得て、一点に向かっていく。

 指の先、その一点に。

 

 僕は無意識のうちに、指に力を込めて、スマッシュをはなっていた。

 

 痛いッ!

 思わず指をかばってしまう。

 

 かばえた!動けたんだ!

 たたらを踏んで白線を超えないように耐える。

 

 『緑谷、踏みとどまったぁ!』

 

 耐えたはいいけど、痛みは尋常じゃなくて、呼吸が乱れてしまう。

 

 「体の自由は効かないはずだ!

 何をしたんだ緑谷出久!」

 

 答えちゃだめだ!

 その意識を忘れないように口を手で抑える。

 

 よくわからないままだったけど、指を暴発させれたんだ。

 それに、あの光は…目だ。

 もしかして、OFAの継承者なのか?!

 助けてくれたっていうのか?!

 

 いや、今は重要なことじゃない!

 今やるべきは勝つことなんだ!

 

 「くそっ、話が違うぞ、スパコンどころか核弾頭じゃないか…!」

 

 何を言ってるのかわからない、けどここは殴り勝つしかない!

 前に出ろ、緑谷出久!

 

 「羨ましいぜ、指だけで暴風起こせちまうなんてな!」

 

 僕も昔はずっと憧れてたよ。

 

 「俺はこんな『個性』のおかげでスタートから遅れちまったよ!

 恵まれた人間にはわからないだろ…!

 あつらえ向きの『個性』で臨む場所に行ける奴等にはよォ!!」

 

 そうだよ、僕は恵まれすぎてる。

 出会うべき人に、僕は出会えたんだ。

 

 だからこそ、負けられない!

 押し出して勝つ!

 勝たなきゃいけないんだ!

 

 僕は全身の力を込めて心操くんを場外へと追い込んでいく。

 

 「なんかいってみろよッ!」

 

 殴られる。モロに食らった。

 けどね、心操くん。

 こんなんじゃ止まれないんだ。

 僕の背中を押してくれる力は、痛みなんかじゃ抑えられないんだよ。

 

 心操くんは少し身をかわして、僕を逆に場外側へと誘導した。

 

 「お前が出ろよッ!」

 

 つかんで押される。

 出るわけにはいかない、勝たなきゃいけない。

 

 だから、彼が褒めてくれたこの投げ技で、君に勝つよ!

 痛む指なんて今は忘れろ!

 思いっきり掴んで、投げ飛ばすッ!

 

 僕は、心操くんをコンクリートの舞台に思い切りたたきつけた。

 洗脳が解けてからの数十秒程度の攻防を、僕は制した。

 

 「心操くん場外!緑谷くん二回戦進出!」

 

 倒れ伏す心操くんが悔し気に拳を握りしめているのが見えた。

 話がしたい。

 そう思った。

 

 試合が終わり、舞台中央で審判のセメントスの前で互いに礼をして、後は退場するだけ。

 このタイミングしかない。

 

 「心操くんは、何でヒーローに……?」

 

 心操くんはとても悔しそうな顔で一言答えてくれた。

 

 「憧れちまったモンは仕方ないだろ。」

 

 僕と一緒だ。

 力を受け継ぐまでの燻ったままの僕と。

 

 「し、心操くん。」

 

 思わず声をかけた、かけてしまった。

 心に届くかどうかもわからないのに、僕はこの言葉を送りたくなった。

 

 「僕は、君の言う通り人に恵まれて、かなり遅咲きだったけど『個性』にも恵まれた。

 こんな僕が君にしてあげられることなんてないのかもしれない。

 けど、君にこそ、僕のあこがれる人が悩んでた僕にくれた言葉を送りたい……!

 

 心操くん、君はヒーローになれるよ。」

 

 心操くんが僕の言葉にピクリと反応して、そのあとに今度は観客席から声が上がる。

 

 「心操!凄かったぞ!」

 

 「普通科の星だ!」

 

 「俺たちだけじゃない、ほら!」

 

 普通科の人たちが、心操くんに指示した人たちはプロヒーローで。

 

 「あの『個性』対ヴィランでは猛威を振るうな。」

 

 「あぁ、もったいないな。」

 

 プロヒーローにも心操くんは評価されていた。

 きっと僕の言葉がなくたって、君はヒーローになれたんだろうね。

 だって君にもさ、背中を押してくれる人たちがいるんだもの。

 

 『なぁ、緑谷。

 結果によっちゃヒーロー科編入も検討してもらえる。

 覚えとけよ、俺は絶対諦めない。

 そんで、お前たちより立派にヒーローやってやる!』

 

 「うん!」

 

 しまった、また『個性』かけられた……。

 試合終わってるのに…!

 驚いていると、すぐに意識が自由になった。

 

 『普通警戒するんだけどな、俺と話す人は……。

 ヒーロー科の奴等ってのはみんなアイツやお前みたいな奴なのかね……。

 そんなんじゃすぐに足をすくわれるぞ?

 せめてみっともない負け方はしないでくれ。

 それと、アイツにも謝っといてくれ。』

 

 心操くん、君はやっぱりヒーローになれるよ!

 

 「うん!」

 

 しまった、またかけてくるなんて思ってなかった…!

 

 

―――鐵side

 

  凄い試合だった。

 心操も緑谷も全力だった。

 しかしまぁ、緑谷よ……。

 

 「どうしてお前は誰かの望む言葉を、してほしいことを、すぐに気づけちまうんだよ。

 ホント、ヒーローらしいよ、お前は……!」

 

 「鐵くん、どうかしたのかい?

 そういえば、心操くんは君のことを侮辱していたように思えるが、いいのか?」

 

 「アイツはヒーロー志望だ。

 本音なわけないってのは俺が一番よく分かってる。

 だからいいのさ。」

 

 飯田が俺のつぶやきに反応して、俺のことを気遣ってくれたけど、そいつはいらぬお世話だぜ。

 心操が緑谷の口を割らせるにはああするしかなかったのは気づいてた。

 それに、緑谷が俺のために怒ってくれたからな。

 それだけでどれだけ俺が嬉しいか。

 

 第一試合、盛り上がれたよ。

 サイコーだった。

 約束守ってくれたな、緑谷。

 今はゆっくり休んで英気を養えよ。

 そんで、勝ち上がって来い。

 やろうぜ、ガチバトルをさ!!




いかがだったでしょうか?
ダチのおかげで出久くんがナンセンスを卒業しつつありますね。


それと、そろそろUAが一万になりそうです。 
皆さんありがとうございます。
これからもよろしくお願いします!
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