というわけで誕生日記念の楽京デレ甘√エピローグくらいのイメージ。ラスボス(國綱さん)戦後ED前のあの空気を目指して。
髪が伸びかけの京極が好きだし、イベントをこなして√進めるたびに髪の伸びていく京極ってよくないですか????
ちく……たく……。
静かな部屋の中、時計の秒針はとてもゆっくりとリズムを刻む。
開いた木窓から吹いた風は、俺の頬を優しく撫ぜる。
さっきまでせわしなく聞こえてきた虫の鳴き声さえも、もう聞こえなくなっていた。
「はぁ……」
窓から顔をのぞかせて一つついた溜息は誰に聞かれるでもなく夜空に吸い込まれていく。この誰に見られるでもない空間はとても落ち着くようでどこか落ち着かない。
そのまま視線を下ろす。
この3階の部屋からは龍宮院家自慢の庭が一望できる。いつか風雲齋賀城で見た庭ほど広くはないものの、それでも一般(?)家庭にある庭ではこの国でも最高級のものだろう。
……
分かってはいたつもりではあったが、あらためて思い知らされた気分だ。
「……つつぅ」
昼に痛めた足がまだ痛む。
今日は京極との交際、そして、その先に見据えた結婚への
そのまま促されるように泊ることになり、京極と同じ部屋が宛がわれ、付近から完全に人払いをされてしまった俺と京極。完全に
……極度の緊張と混乱に目を回した京極に逃げられ、今に至る。
「この状況を國綱さんに見られたら情けないって言われちまうのかなぁ」
……ん?
何となく庭を眺めながら考え事をしていたら、視界の端に白い人影らしきものが映った。
真っ白のパジャマに身を包んだ
ーーー京極?
何してんだアイツ。そのまま観察を続けてみれば、ぶんぶんと頭を振ってみたり、今度はわしゃわしゃと頭を掻いてみたり。何かを誤魔化すように、何かを紛らわすように。でも、何かと向き合おうとしているみたいに。
落ち着きもなく、一通り奇怪な行動の数々を俺に覗かれているとも知らずに繰り返した京極は、ばたん、とそのまま後ろに倒れた。俺と付き合い始めてから少しばかり伸びた髪が扇のように円を描いた。
『………ーーー!?!!?』
何を言っているかまでは聞こえないが、何かを言っているらしいことはわかる。
声にならない声をあげながら顔を覆った指の間から微かに覗いた瞳には、満月の陰が挿していた。
そんな京極の姿に、ついつい目を奪われる。
寝そべって。
転がって。
悶えて。
今度はぱたりと動かなくなって。
かと思えばいきなり立ち上がって頭を抱えて。
そのまま
その動き一つ一つを目で追ってしまう。その表情一つ一つから目が離せなくなる。
池には月明かりに照らされた白いパジャマが月よりも明るく映っている。水面に桜の花びらが落ちてきて、波打った水面が京極の陰を揺らした。
大きく息を吐いて座り込んだ京極は、今度は天を仰ぐ。
つられて空を見上げてみれば、大きな月。
周りの星よりもずっと大きくて、ずっと明るい。それでも月は他の星を差し置いて俺の視界でもっともっと輝こうとする。
……それが
視線を下ろせば、今度は京極の瞳越しに月が見える。
ぐるっと回りながら周囲の星空を見上げていた京極。
そのまま、視線が巡って。
…………目が、合った。
ぱちくり。
瞬きが一回。
数秒置いて、もう二回。
ずっと見られていたということに気が付いたのだろう。
驚きに見開いた眼。
へにゃっと間抜けに歪んだ口元。
完全に固まってしまった京極がどうにも可笑しくて。
「ばーか」
果たしてこの小さな呟きが届いたのだろうか。京極の顔が一気に赤く染め上げられ、キッと睨みつけられる。
地団を踏みしめるその足から伝わってくる感情は怒り半分、恥ずかしさ半分。
今まで馬鹿みたいに素直に感情をぶつけ合ってきた俺達だ。もうアイツの考えてることなんて手に取るようにわかる。
お互い目は離さない。
離したら負けだから。
ビシッと俺に向けて指が伸ばされる。それの意味するところは、
戦意マシマシなその不敵な笑みに、それに俺も剝き出しの戦意で返した。
『覚えててよね、
このあとED流れて花畑白ワンピロング髪の京極の一枚絵が拝めます(多分)
楽郎のif√の中でも京極√って気持ち開け透けにぶつけ合って進む感じ、いいよね。