付き合ってる楽京です。
書いてるうちに京極ちゃんの脳内美化ブースターがぎゅおんぎゅおん回ってたのでそこそこ、いや、かなりキャラ崩壊してます。注意です。
「らーくろっ、今日デートしよー」
背中に突然襲いかかる人の感触。
誰かが背中から抱き着いてきたようだが、そんなことをする奴はこの教室に一人しかいない。振り返って確認すると、そこにあったのは予想通り、
「んぁ?別にいいけど」
「じゃ、
「おーけー」
俺のクラスに龍宮院京極という転校生が現れて早や数か月。
転校してきてからは眉目秀麗で文武両道な才色兼備の美少女として京極はもてはやされ続けてきた。学校では俺の知るポンコツな一面や汚染され切った幕末思考を片鱗すら見せず完璧な優等生を演じていた。そんなある日だった。
『あ"ーーー学校本当に疲れる』
『ならもっと素で過ごせばいいのに』
『今更できるわけないでしょそんな事。何馬鹿なこと言ってんの。天誅するよ』
『お?できるもんならやってみろや』
『……今日幕末にインしろよ絶対』
その日はたまたま俺と京極が教室で二人きりになって、久々に素の京極と話をした気がした。
『疲れるんだろ?その優等生面』
『そりゃそうだよ。毎日こんなの続けてたら』
『じゃ、俺がいてよかったな。少なくとも俺と二人の時は素を出せる』
今思い返してると、この時の京極の普段は見せないどこかぽかんとした顔、そしてこの直後の微笑みには本当にドキッとさせられたっけ。
『じゃあ……もっと僕と一緒に居てくれる?』
こうして密会の増えていった俺たちは見事に囃し立てられ、祭り上げられ、まんざらでもなくなり、めでたく付き合うようになった。
俺達も最初こそ恥じらっていたものの、今となってはもう慣れた身。この程度の会話をしてクラスメイトから「またかこいつら」といったような眼をされるのも日常茶飯事だ。
俺たちは今日も生暖かいようなよくわからない視線を受けながら帰路についた。
そんな俺達の鉄板デートプラン。俺と(特に)京極のお気に入りの
「天誅ゥーー!!!」
「…………」
我ながらこの世界だとデートも糞もないと思うんだよ。まぁ、そうは言っても俺達だしな。そういう事もあるだろうさ。
幕末の世界にログインした俺はログイン天誅狙いのやけに威勢のいい幕末志士を切り捨て、とりあえず京極と合流するべく殺意あふれる街へと繰り出した。
………俺だって普通の男子高校生なんだ。こんなデートが普通でないことはじゅーーぶん分かってる。
まぁ、でも京極が楽しそうだし。
そう言いながら今日までこんなデートを続けてきている。実際俺も楽しいことは楽しいからな。
あと、この世界では本当に何も取り繕わない京極と一緒にいられるからな。学校でなくても外にいるだけで京極はある程度外面を取り繕う。まぁ言ってしまえば当然の事なんだが、それでも、やっぱりそういうの全部取っ払って京極と遊んでいたいだろう?
「おーい、サンラク!!」
声のする方に振り替えば、そこには心底楽しいのか、子供のように無邪気な笑顔をした京極がいた。
…この笑顔も、
「よう京ティメット。さっきぶりだな」
「うん。さっきぶり」
「今日はどうする?」
「とりあえず、適当にぶらぶらしながら天誅」
「了解」
目的もなしに街を練り歩いて目についた奴を天誅するだけ。これが楽しい。京極との他愛ない時間っていうのも楽しいのだが、とにかく勝てるのだ。基本的に仲間なんて作ろうものなら3秒で裏切られる、ソロが前提のこの世界で2人行動っていうのが既に強い。強いから勝てる。勝てるから楽しい。楽しい時間の恋人との共有、なんて素晴らしい時間なんだ。
「………サンラク、アイツ行こう」
「了解。京ティメットは背後から。俺は
「わかった」
早速見つけた今日の獲物第一号を仕留めるため、俺は素早く建物を登り始め、京極は後ろに回り込んで物陰に身を潜める。
そして目配せを交わし………
「「天誅!!!!!」」
「…はぁ!?」
相手に認識されて戦闘態勢に入る頃には既に京極は奴の腹を貫き、俺は首を刎ね飛ばした。数の有利は不意をついたタイミングにこそ最も効果的に発揮されるんだよ!
まさに一瞬の出来事。この瞬間がたまらなく気持ちいいんだよな。
「よし、次行こう!」
「おう!」
ドロップ武器をインベントリにしまい込み、再び街の散策を続ける。楽しい時間はまだ始まったばかりだぜ!!!
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜
「ふぅ〜〜大漁大漁!!」
「本当に絶好調だったね!」
「だな!」
散歩天誅をすること数時間。一通り狩り終えた俺達はドロップ武器で
まぁ、この武器たちはたった今全部質屋に流してきたから今はそこまで潤ってもないんだけどな。二人で組んで狩った武器を蓄えこんでると、流石に大人数でのチーミング天誅の標的になりかねないからな。流石の幕末志士でもそれくらいの協調性はある。俺たちを天誅したあとは即殺し合いになるだろうが。そんな訳で戦利品は全て質屋に流さざるを得ないのだ。
「ふぅ…じゃあ、最後に…」
「そうだな…最後に……」
ピリッとした緊張感。
さぁ、いただこうか!
「「天誅!!!!」」
例え相手が愛しの彼女であろうと全力で刀を振るう。だってこんなにも全力で楽しそうな京極にこんなにも全力をぶつけられるのは今ぐらいなもんだからな!!!
「今日こそ僕の刀の錆にしてくれるッ!!」
「そう言って3連敗中の京極先輩!!今日は頑張ってねぇ!!」
「ぐぬぅ…」
そう煽り合い、刀を交わす。
今こそ京極相手に3連勝中であるが、これだけたくさん天誅し合っていれば、京極も俺のテンポやテンションに慣れつつある。更に京極は龍宮院流への理解もあるから富嶽スタイルも下手に切れない。最近は本当に戦いづらくなって来た。
「僕だって負けてばっかじゃいられないからね!!」
「ほぅ??じゃあ、策でもあるのか??」
「とっておきが……あるよっ!!」
刀を払って蹴りで牽制。俺や京極のような銃を使わない近接専門の幕末志士が相手なら、大事なのは間合い管理とタイミング。この2つに気を払っていれば不意打ちは喰らわない。
そしてもう一つ思い出してみろ。
お前が俺の相手に慣れ始めてるってことは、俺もお前の考えがだいぶ分かるようになってきたことだよ!!
「はぁっ!!」
よっしゃ!予想的中!この間合いなら正面から突っ込んでくると思ってたぜ!!
「……ふふ」
「どうした?余裕そうだな」
鍔迫り合いのさなか京極が意味有りげに微笑む。
「言ったろ?
鍔迫り合いに更に力が込められる。どちらかが引けばそのまま体制を崩してしまう。そんな力の拮抗。
……京極の両手は?
……刀でふさがっている。
……じゃあ足は?
……踏ん張るのでいっぱいになってる。
……じゃあこの余裕は、
「ねぇ…サンラク」
お互い前のめりに力を加えあって気がつけば目の前まで近づいていた京極の顔。
「なんだ?とっておきとやらを早く見s………
ちゅっ。
……はぇ??
気がついたら京極の刀が俺を貫き、俺は倒れ伏していた。
「ははは!!!油断したなサンラク!!!あれだけ大口叩いておきにゃがら無様だなぁ!!!」
何が起こったかかわからないまま声のする方に目を向けると、赤面した京極の渾身のドヤ顔がそこにあった。
……なるほど、それはしてやられた。
しょうがねぇ。それには勝てない。俺の負けだよ。
……だけど。
「最後噛まなければ、あと、その決め顔が赤面じゃなかったら、締まってたのになぁ…」
「んなっ……うるさい!!!」
俺の意識は、闇に落ちていった。
「………」
「………」
リスポン直後の長屋。京極の
天誅された俺が長屋から出てくるのは分かる。でもなんでコイツまでいまリスポン部屋から出てきた??
………ってまさか!!!
「お前あの直後余韻天誅されたな!?」
「……うっ!!」
あ!図星って顔だこれ!!
「ていうか待て!じゃあ余韻天誅狙いで潜んでたやつにお前の
「〜〜〜ッ!!!」
京極の顔が一瞬で真っ赤に染まった。俺せっかく冷やした頭がまた沸騰し始めたかのように熱い。
……人の目のあるところであれをしたとなると流石に恥ずかしいものが!!
「あ〜〜〜もう!!!天誅!!!天誅!!!!」
「うわっ!危ねっ!」
「天誅!!天誅〜!!君を殺して僕も死ぬんだぁ〜!!!」
「いやそれまたリスポンして同じ状況になるだけだから!!!」
「うるさい!!!!天誅ぅ!!!!!」
翌日、今までにない空気を醸し出してた俺達のことがやけに噂になったとかならなかったとか。弁解しようとしてテンパった挙げ句、初めて学校でポンコツな一面を見せた京極がいたとかいなかったとか。そんな事があったそうだ。
京極誕の時に書きたいと言ってたネタですね。断念したやつ。覚えてる人いたかな。
やっぱり個人的に思いついたシチュの中でもすごい好きな奴だったので結局書いてしまいました。
感想お待ちしています!!!
……やっぱりサンラクさんくそむずかったですわ。