それでは瑠美&紅音Side、行ってみましょう!
「「トリック・オア・トリート!!!」」
鳴り響いたチャイム。
「ぅぁっ!!!」
一人は露出多めの衣装をマントで隠した
もう一人はこちらも露出のある衣装にマントという永遠様と一見おそろいにも見える衣装を身にまとった
「瑠美ちゃん!!」
「ぅわっぷ」
目が合うなり紅音が抱きついてくる。……もぅ、しょうがないなぁこの子は。
「ねぇ見て!かわいい?」
「うん。本当にかわいい!」
「やった!……えへへ」
別に犬の仮装をしてるわけじゃないけど、紅音がお尻のあたりで尻尾をブンブン降ってるような幻覚が見えてきた。かわいい。
「あれ、瑠美ちゃん、楽郎くんのお出迎えはないの?」
ギクッ!って擬音が体内のどこかから聞こえてきた気がした。あのクソ兄貴、永遠様がせっかく来てくださったのに準備遅れるなんてほんと万死に値するよ……
「あー、あのバカはもうちょっと待てば来ると思うんですけど……」
「あぁ、もしかして寝てた?」
「え゛、わかるんですか?」
「まぁ、昨日夜遅くまでゲームにつき合わせてたのは私だからね」
ここで意外な情報が出てくる。てことは、もしかして永遠様も睡眠不足だったりするのかな。二人分のこんな衣装を用意しなきゃいけなかったし、前日に遅くまでゲームしてたらあまり寝れてないんじゃ……それをこんな頑張ってくれているのにお兄ちゃんときたら……ほんと馬鹿!!
「すみません永遠様……あのゴミクズが……」
「ダメだよ瑠美ちゃん、仮にも自分のお兄ちゃんをゴミクズなんて言っちゃ。一応、あれでも私の認める素敵な人なんだからね?……あ、私が今言ったことは楽郎くんには内緒ね?」
うぅぅ……お兄ちゃんこんなに想われてるなんて幸せ者め!
なんて複雑な心境を整理していると、ちょうど話題の中のお兄ちゃんがようやく部屋から出てきた。永遠様が私にウィンクを一つ。きっと、さっきのお兄ちゃんは内緒ってやつの念押しだろう。うぅ……美し……
「……」
……お兄ちゃん、やっと出てきたと思ったら何口明けて黙りこくってんの?まず謝れよ。今すぐに永遠様にひれ伏せ。
「あれぇ?どうしたの楽郎くん。ひょっとしておねーさんの色気に声も出なくなっちゃったのかな?」
まぁ、この気合の入った永遠様を見れば言葉を失う美しさというのもわからなくはないので一応許す……はぁ、眼福。
「……ほんとに言葉を失ってるって顔だね!これぞサプライズ!いい刺激になったでしょ?」
「……まぁな」
「ふふん!」
「おにーさんおにーさん、私はどうです?」
さっきまでぶんぶん振っていた尻尾を何かに反応したレーダーのようにピンッとたたせて(幻覚)、お兄ちゃんに衣装の感想を求める紅音。さっきまで胸に抱えていた紅音の温もりが離れるのが若干名残惜しいが、お兄ちゃんの登場に紅音も楽しそうなのでまぁ良しとしよう。
「いいんじゃないか?」
「えへへ、ありがとうございます!」
だけどお兄ちゃん?紅音が何故か心を開いてるからってなんで私の紅音とそんなに気安い空気を出してるの?
「……お兄ちゃん、紅音を口説こうとするのやめてくれる?」
「……楽郎くん、イエローカードだよ」
「だからちげぇっつの!……とりあえず二人とも家上がんな。いつまでも玄関にいてもしょうがないだろ」
「うん。そうさせてもらおうかな。じゃ、紅音ちゃんと瑠美ちゃんもグッドラック!君らのお兄ちゃん借りてくよ!」
「はい!永遠様も頑張ってください!」
「よし、部屋行くよ楽郎くん!」
「わかった」
永遠様がお兄ちゃんを回収して部屋に消えていく。永遠様のあのオリジナル衣装を同じ部屋で堪能できるのは羨ましい限りだが、私には……
「じゃ、私達も行こっか」
「うん!!」
私には、紅音がいるからいいもんね。
この永遠様プロデュースの最高に可愛い紅音を堪能できるのは、
「ふぅぁあ〜〜〜。ん〜〜〜!!瑠美ちゃんの匂い!!」
私の部屋に入るなりベッドに紅音がベッドにダイブした。……私の匂いってなに?やめて恥ずかしい。
「んなぁ〜〜…………んっ」
ごろごろとベッドの上を転がりまわる紅音の体には当然マントが巻き付く。邪魔そうだなぁ……って思ってたらやっぱり紅音がマントを脱ぎだしたのだけれど。
「……えっ」
紅音がマントを脱いで放り出すと現れたのは、ちょっと過激なキャミかってくらい開けた背中。前も胸より上にほぼ布地がなく、紅音の実は大きな胸が嫌でも目に飛び込んでくる。
いや、いいんだよ全然!女の子同士ならちょっと薄い格好なんて夏場じゃあるあるだし!
……でも、
「……瑠美ちゃん?」
まぁ私は自制のできる子ですから。全く問題ないのだけれど。紅音にそんなつもりがないことも分かってるしね?
でもやっぱりきれいだなぁ紅音の肌。毎日必死に手入れしてる私に全く引けを取らない。なんていうか、健康的な肌色。やっぱり運動習慣なのかな……
「……ねぇ、瑠美ちゃん……??」
ていうかその胸だよ紅音。ひょっとして永遠様と同じくらいあるんじゃないの?しかもこの服だと余計に強調されてるし……
あっ、まさか永遠様!私にこれを見せるのを狙ってこの衣装を!?うくぅ……どちらにしてもこの格好の紅音はちょっと刺激が……
「瑠美ちゃん!!」
「っ!……なに?」
いけない、ちょっと没入してしまった。
「すごいじっと見てるけど……なにかおかしいかな?」
「おかしくないよ。すっごいかわいい」
「へぅぁっ!!」
「んでめっちゃエロい」
「瑠美ちゃん!?!?」
かぁぁって顔を朱に染める紅音。……やば、変なこと口走った。でもこう恥ずかしがる紅音の姿は普段勢いもなくて「いつもとは違う」雰囲気がさらに漂い始める。
「「…………」」
二人で目を合わせたり、逸らしたり。私が変なこと言った手前なんとかフォローしなきゃとは思うけど、正直、それどころじゃない。
「ぅぇぇ……」
少しずつ、視線が合わなくなってくる。二人の距離はこんなにも近いのに。どうしても目を逸らす力が働いているみたいで。
……こんな雰囲気、もうわたしどうしていいかわからない!
ドガン!!!!
「「ふぇっ!!」」
突如として破られた沈黙に二人して肩を跳ねさせた。
大きな音を鳴らしたのはただの変哲もない部屋の壁。二人でその音源の壁を見つめる。
「ねぇ瑠美ちゃん、この壁の向こうって……」
「えっと、お兄ちゃんの部屋」
「今すっごい音したよね」
「……お兄ちゃん永遠様に何したんだろ」
「天音さんいつもかっこいいけど、おにーさんといるとたまにかわいい所見せるもんね!」
「あっわかるわかる!!!」
気が付けばちょっと気まずいような雰囲気もどこかに消えていて。またすぐに会話も弾んだ。
やっぱり紅音との空気はこれくらいの方が落ち着く。
「紅音!!」
「なに?」
「その衣装に合わせたい服とかアクセとか……30個くらい持ってくるからとりあえず全部合わせてみよっか!!!」
「えっ!?」
……でも、さっきの雰囲気の紅音も可愛かったな。また今度思い切り恥ずかしがらせてみるのもいいかもね。
「「ふぅ〜……」」
「堪能した!!!」
「楽しかった!!!」
そんなこんなで私の私による私のための紅音ファッションショーは終わりを告げた。
永遠様の用意した衣装が実は見た目のイメージ以上にシンプルなデザインで、思ったよりもどんなコーディネートできてしまう。だからこそ、2時間もずっといろんな組み合わせを飽きずに試せたわけで。
「やっぱり永遠様は凄いね!こんなにも紅音の素材を活かした衣装を作ってなおかつ私が手を入れる余裕をこれだけ残してくれるなんて」
思えばマントを脱いだ下があんなにも布が少なかったのもそこを私がコーディネートする前提だったのだろう。
「うん!…………でも、瑠美ちゃん」
「ん?」
「天音さんがすごいのもわかるけど、
「ッ!?!?」
「確かに天音さんの用意した服も可愛いけど、私は瑠美ちゃんのコーディネートしてくれた今私が着てる服のほうが好きだなぁ……なんて……」
っ~~~~!!!!!
そう言って控えめにスカートを持ち上げる紅音の姿が訴えてくる。
『今は天音さんじゃなくて私だけのことを考えて』って。
紅音が私だけに見せる傲慢な嫉妬心のその感情の一端を垣間見て。
そんな紅音がどうしても愛おしかった。
「よし、紅音!写真撮ろう!」
「あれ?このコーディネートの写真はさっき撮ったよね?」
「違う違う!2人で撮るの!ほらほら、こっち入って!」
すぐにスマホを内カメラにして紅音を抱き寄せ、そのまま紅音が準備を終える前にシャッターを切った。
「えっ!?」
そこに映る写真はさっきまで撮りまくっていたモデルの宣材写真のようなものとは程遠い、今この空気をありのままに写した写真。
「えへへ……紅音へんなかおー」
「だって瑠美ちゃんがいきなり撮っちゃうから……って瑠美ちゃんもカメラ目線してないじゃん!自分でシャッター押したのに!」
「ふふ……しってる」
写真の中の私たちは決してカメラなんて見てはいなかったけど、ちゃんとお互いには目を向けていて。
ただそこに私達だけがいたこと。
それだけが紡がれていた。
瑠美は永遠に心酔していて、紅音は楽郎に心を開ききっている。
そんなお互いを許容しながらもやっぱりもっと自分だけを見てと嫉妬心独占欲を見せる二人がいたらいいなぁと思いまして。
あとやっぱり紅音の照れは至高。
久々にシャンフロキャラの百合が書けてとても楽しかったですわ!!
感想お待ちしています!!!