アンケートの結果、碧の話が見たいと言う回答が多かったので今回は碧ちゃん回です。
では、閑話をお楽しみください
まだラヴィニアに滞在していた頃のとある1日、私は市場で買い物をしていた。
目的はアクセサリー類などでは無く、食材だ。
昨日、フラメアに私の居た世界…つまりは地球の話をしたところ、その中で話した料理に興味を持ったらしく、食べたいから作ってほしいと頼まれたのだ。
「……結構地球に似た食材が多くて助かりますね」
異世界に来てからというもの、見覚えのない果物ばかり食べていたせいでてっきり地球と同じ食材はないと思っていたのだが、どうやらそうでもないらしい。
人参やジャガイモはしっかりとあったし、スパイスの類も結構しっかり揃っていた。
「これならカレーを作ることが出来そうですね。……まあ、お米が見当たらないのが残念ではありますけど」
そう、元々フラメアが食べたがっていたのはカレーライスだったのだが、悲しいことにこの国では米は見当たらなかった。だが、何故かナンらしきものはあったのでそれを使って食べることにしたのだ。
「さて、確か材料はこんなものですよね」
人参、じゃがいも、玉ねぎ、お肉、スパイスに隠し味を少々……うん、特に忘れたものはなさそうだ。
肉は何肉かって?……正直、ただの豚や牛が居るとは思ってなかったけどあんな肉しかないとは思ってませんでした。……味は美味しいんですけどね?
そうして一通り買い物を終えた私は宿へと戻る。
それにしても、流石王都にある宿というべきか、他と比べれば安い宿ではあるのだが、それでも簡易的に料理ができるだけの設備は整っていた。
「おかえり〜、ちゃんと材料は買えた?」
「買えましたよ。……まあ、肉に関しては少し抵抗が残りますが…」
「あはは……まあ、私は気にしないから作って作って〜」
「わかりました。では少し待っていてくださいね」
私は台所に立ち、カレーライスを作り始める。
そんな私にフラメアが後ろから声をかけてくる。
「そういえば、碧ちゃんって料理できるの?待ちに来るまでずっと果物とかしか食べてなかったけど…」
「一通りできますよ。それに、調理実習では皆さん美味しい美味しいと言って食べていたくらいですから」
調理実習、と言うものがどういうものかわからないが少なくとも碧は料理ができるのだろうと言うことは私にはわかった。
「ふんふ〜ん……♪」
可愛らしい鼻歌を歌いながら碧ちゃんは作り始める。
その手付きはテキパキとしていて不安になる要素は何処にもない。どうやら心配する必要性は無さそうだ。なので私は碧ちゃんに出来たら心話で呼ぶように伝え、適当に王都を散歩し始める。
それから1時間程経った頃だろうか、心話で完成したことを伝えられた私は宿へと戻る。そして、目の前にあるそれに驚愕した。
「えっと……碧ちゃん、これって何かな?」
私は碧ちゃんに目の前に盛り付けられた
すると碧ちゃんは当たり前といった表情で
「え、フラメアの要望どおりカレーですけど……」
「えっ?」
「えっ?」
これがカレーと言うものなのだろうか。確かに匂いは食欲を刺激してくるようないい匂いだ。しかし、目の前にあるものとその匂いは全く比例していないと言っていい。
なぜか?それは目の前にあるカレーらしきものが謎の色をしているからだ。
碧ちゃんから聞いた限りでは茶色っぽい食べ物だと私は覚えていた。だが、目の前にあるこれは何か?ほぼ紫と言っていい色をしていて、しかも何故か蠢いている。いや、怖いよっ!!
食べ物のはずの
これ、食べ物だよね?と言うか碧ちゃんが特に何も言わないって事はこれが地球にあるカレーって食べ物なの?いや、違うよね?流石に……無いよね?でも碧ちゃんの料理は皆美味しいって食べてたって話だし……
そう、美味しいと言われていた事は事実なのだ。ただ、
「フラメア、どうかしましたか?早く食べないと冷めてしまいますよ?」
「あ、うん。ソウダネ」
「何でカタコトに…?」
「い、いや。なんでもないよ、うん。それじゃあ…いただきます……」
フラメアは覚悟を決め、その何かを口に運ぶ。瞬間、私の意識はぶつりと途切れた。
その後、フラメアは決めたことが1つある。それは…
「碧ちゃんに料理をさせちゃだめだね……」
もう2度と彼女を台所には立たせまい。そう思ったフラメアであった。
ちなみにその後、ヴェリアにてフィーアに頼み、改めて作ってもらったカレーはとても美味しく、フラメアが感動したのは言うまでもない――
碧「一体何がいけなかったんでしょう…」
フラメア「最初は手際よく料理してたのに……」
碧「隠し味がいけなかったんでしょうか…」
フラメア「全部じゃないかな…」
凶悪的なまでに料理が下手な碧ちゃん回でした。いや、ほぼフラメア視点だった気もするけどキニシナイキニシナイ。
次回は少し龍夜視点になります。
では次回もお楽しみに!