白銀の精霊使い   作:紅凛

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閑話にてお伝えしたとおり今回は龍夜君視点です。
ここから少しずつ物語は動き始めていきます。うまく書けるといいなぁ
では、第14話をどうぞ!


第14話  「勇者の仕事」

 「申し訳ありません、リョウヤ様。本日予定していた魔術訓練とベネト団長による剣術・体術訓練は中止させていただくことになりました」

 「はぁ…」

 

 朝、いつものように迎えに来たと思ったフェリアさんは開口一番そういった。

 

 「えっと…理由を尋ねても大丈夫ですか?」

 「もちろんです。これはリョウヤ様にも関係することですので」

 「僕にも?」

 「その通りです。先ほど伝令鳥で魔人族が大軍を率いてこのアルフィナ王国へ侵攻し始めたとの報せが届きました」

 「魔人族が…」

 

 魔人族。その言葉が出た瞬間、フェリアさんが僕に関係があると言っていた理由がわかる。

 

 「もしかして、その侵攻してきている魔人族達を倒しに行くんですか?」

 「お察しが早く助かります。とはいえすべて倒す必要はおそらくありません。陛下は今攻めてきている魔人族達は魔王の指示によるものではなく、独断で動いていると推察しています。それゆえにリーダーとなる魔人族さえ倒すことができれば追い返すことが可能でしょう」

 「もし、魔王の指示によるものだった場合は…?」

 「正直言ってかなり苦戦を強いられるかと思います。リョウヤ様はまだ召喚されてからひと月も経っておらず、戦闘能力もまだ魔王に届きうるとは言えない状況です。ですので、彼らが独断で動いていると願うしかないのですが…」

 

 ここで僕の素の身体能力の低さが問題となるわけか。確かに、人並みにしか運動はしておらず、決して運動神経がいいわけでも無い。加えて習い事もこれといったことはしてこなかったからはっきり言って戦闘…というか荒事に関しては全くの素人だ。

 おそらく、それでも多少の魔人族なら僕でも相手ができるとフェリアさんやベネトさんには判断されたらしい。だったらすこしでも犠牲を減らし、自分の技術を高めるためにも魔人族達を迎え撃つべきだろう。だから僕は迷わず…

 

 「わかりました。行きます」

 

 そう答えた。正直言えば怖い。だってまだまともに戦闘なんてしたことが無いんだから。いや、正確には殺意を持って襲ってくるモンスターや人と戦闘をしたことがない。

 だけど、行かなきゃいけないんだ。だって僕は―ー勇者なのだから。

 

 「助かります。事態は急を要しますので準備を終え次第馬車にて向かいましょう」

 「ちなみに…どこまで向かうんですか?」

 「ラルゴ王国の王都、ウェルフェンです。ラルゴ国王へ助力を頼むよう陛下からも言われていますので」

 「わかりました。すぐに準備します」

 「はい。それではまた後程」

 

 そういってフェリアさんはあわただしく部屋から出て行く。そのほかにもどたどたと足音がするあたりかなりの人数の兵士が同行するのだろう。

 僕はすぐに装備を身に着け馬車へと向かった。

 

 ~side 碧~

 

 王都ウェルフェンへ向かう旅の途中、ちょうどいい川辺を見つけた私達は現在フィーアちゃんの料理をのんびりと食べていた

 

 「わ、これ美味しいですね」

 「ふふ、お気に召していただけたようで何よりです。家で作るのが一番ではありますが、アイテムボックスで多少の調理器具は運べるので大体の料理は作れますよ」

 「ほんと便利ですよね。アイテムボックス」

 「だよね~。おかげで私達、ほとんど荷物はないし」

 「こうして美味しい料理が食べられるわけですしね」

 「碧ちゃんに料理をさせるとロクなことにならないからね~…」

 「あのとき謝ったじゃないですか…まさか私の料理がそこまで美味しくないなんて思わなかったんです」

 「いったい何があったんですか…」

 「いろいろとあったんです…いろいろと…」

 「は、はぁ…」

 

 と、そんな会話をしながら私はステータスに表記された【精霊魔法Ⅱ】に触れる。これはヴェノム達を討伐したことで上がったようで、効フラメアの話を信じるなら契約できる精霊の数が増えるらしいが…

 

 

 【精霊魔法Ⅱ】

 精霊を使役するために必要なスキル。スキルレベルによって使役できる精霊の数は違い、Ⅰは一人、Ⅱは二人と一人ずつ増えていく。最大で7人。また、人間が魔法を行使するためには不可欠であり、このスキルが無ければ魔法を行使することは不可能。使用可能属性は使役している精霊の属性によって変化する。

 なお、使役した精霊は魔力をはじめとしたさまざまな能力が向上し、スキルレベルによってその度合いは変わる。

 

 

 まあ、大方フラメアの話通りで安心した。そして、スキルレベルがⅡになったということは追加で一人、他の精霊と契約することができる。となれば旅の仲間であるフィーアちゃんと契約するのが普通だろう。

 そう思った私は食事後、フィーアちゃんに声をかけた。

 

 「フィーアちゃん、ちょっといいですか?」

 「はい?なんでしょうか」

 「唐突なんですが…私と契約しませんか?」

 「契約…あ、ということはもしかして」

 「はい。精霊魔法のスキルレベルが上がったのでフィーアちゃんさえよければ…どうですか?」

 「それはもちろん、こちらからもお願いします!精霊使いは精霊を使役してこそですし、何より契約することで私達精霊も力が向上しますので」

 「では、やらせてもらいますね」

 

 私はアダノスさんから教えてもらった方法に沿って契約魔法を発動させる。

 淡い紫色の燐光が私とフィーアちゃんを包み込み、その光はゆっくりと私の中へ吸い込まれていく。これで契約は完了だ。

 

 「改めてよろしくお願いしますね。フィーアちゃん」

 「はい。こちらこそ」

 「これで仲間だね。フィーアちゃん」

 「アオイさんに仕える精霊の先輩としてどうぞよろしくお願いますね。フラメアさん」

 

 こうして無事、2人目の精霊と契約することができた碧だった―ー




フィーア「闇の精霊ですけど性格自体は普通ですよ?」
碧「どちらかと言えば光属性向きな性格ですよね」
フラメア「確かに…」

今回は戦いへ向かう龍夜視点とフィーアと契約を交わす碧視点をお送りしました。
次回からはまた碧視点のみになりますが多分そんな遠くないうちに龍夜君は再登場します。ではまた次回もお楽しみに!
次話投稿は連休明けになるかも…?
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