白銀の精霊使い   作:紅凛

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1週間以上待たせてしまって申し訳ねぇ…
では、第15話どうぞ!


第15話  「ウェルフェンへ」

 「そういえば…アオイさん達の旅の目的は何かあるんですか?」

 

 ウェルフェンへ向かう道中で休憩をとっている際、突然フィーアちゃんは私にそう尋ねてきた。

 

 「旅の目的ですか?…実はそんなに決まっていないんですよね。ヴェリアに行った理由も万が一のことを避けるためでしたし…」

 「万が一…ですか?」

 「あ、そういえばフィーアちゃんには説明してなかったね。碧ちゃんの事」

 「確かにそうですね」

 

 私達の会話にフィーアちゃんは理解が追い付いていないのか首を傾げる

 

 「アオイさんの事…ですか?」

 「はい。実は私、この世界ではない場所から来たんです。…とはいえ、勇者の召喚に巻き込まれて来ただけなんですけどね」

 「巻き込まれてこの世界へ…それは災難でしたね。…ということは元の世界へ帰る方法を見つけたらアオイさんは帰ってしまうんですか?」

 「どうでしょう…私にはもう心配する家族はいませんし…そもそも帰れるかもわかりませんから」

 「そうですね…でも、碧さんがどっちの選択をするにしても私はついていきます」

 「ふふ、そうですか。…フラメアにも同じようなことを言われましたよ。もし帰るときが来たら私も連れて行ってと」

 「当たり前だよ。私も碧ちゃんと契約した精霊なんだから」

 「もし、そのときが来たら何としてでもみんなで帰りましょう。誰も欠けることなく、全員で」

 「うんっ!」

 「はい、もちろんです」

 「さて、そろそろ休憩も終わりにしてウェルフェンへ向かいましょう」

 「ちなみにフィーアちゃん、あとどのくらいで着くの?」

 「そうですね…この調子ですとあと半日といったところですね」

 「結構近くまで来たんですね」

 「あとは森を抜けて道沿いに歩いて行けば着くので運が良ければ馬車が見つかるかもしれません」

 「そうなったら時間も短縮できますしありがたいですね」

 「見つかるといいね~」

 

 と、言った会話をしていたのがほんの数時間前だ。

 そして今はというと…

 

 「まさかちょうどよく馬車に乗れるとは思いませんでしたね…」

 「本当に偶然でしたね」

 「女の子3人で旅なんて危ないことをするもんだなぁ。男の護衛くらい付けたほうがいいぜ?」

 

 私達はウェルフェンに向かう途中だった獣人の商人…ガルグさんの馬車に乗せてもらっていた

 

 「まあ、少し事情がありまして。ご心配ありがとうございます」

 「そうかい。まあ、必要なら声をかけてくれや。俺はウェルフェンでウェラッド商店って店を経営してるからそこに来てくれれば多少の優遇はしてやるよ」」

 「本当ですか?では、もし必要になったら頼らせていただきますね」

 「おうよ」

 

 と、そんな会話をしていると大きな壁と門が見えてくる。多くの馬車や人が並んでいる辺りここがウェルフェンなのだろう

 

 「あれがウェルフェンですか?」

 「そうさ。あれがこのラルゴ王国が誇る最大の都市、ウェルフェンだ」

 「すごい大きさの壁だね~…ラヴィニアよりあるんじゃない?」

 「そうだな。一応これより大きな壁を建ててる街もあるらしいがそれでもここは2番目に大きいぞ」

 「そんなに大きいんですね」

 「ああ。だからここが攻め落とされることなんて滅多にないのさ。偶に大量のモンスターの襲撃があったりするんだが、一度も街に大きな被害が出てことなんてないんだ」

 「頑丈でもあるんですね」

 「そういうこった」

 

 会話しているうちに並んでいた列はどんどん消化されて行き、私達の番になる。いつもならここで水晶に触ったりするのだが…

 

 「ここにいる嬢ちゃん達は俺の連れだ」

 「わかりました」

 

 と、今回はその会話だけで通ることができた

 

 「あれだけで良いんですか?」

 「俺はああいった門を素通りできる許可証を持っていてな。その俺が連れって言えば数人くらいなら通れるのさ」

 「信用されてるんですね」

 「商人は信用されなきゃ始まらねぇからな。んじゃ、あとは気を付けて旅をしろよ」

 

 門を潜り抜けて開けた場所まで来るとガルグさんは私達にそう言い残して去っていった

 

 「さて…まずはここに来た目的を果たしましょうか。確か…召喚獣のスキルを覚えたいんでしたよね」

 「そうですね。召喚獣がいれば戦闘、もしくは索敵が楽になるでしょうし」

 「ではまずそこに行きましょうか。こっちです」

 

 フィーアちゃんは私達の前を歩いて案内をし始める。…思ったより人通りが少ないのが救いだけどこれ、多かったら確実に見失ってると思う。

 

 「そういえば…他人からスキルを教えてもらうってどんな感じなんですか?」

 「そうですね。召喚獣の場合だと…召喚陣の書き方、魔力の込め方、契約のやり方の3つを教えてもらうことでスキルが習得できます。まあ、わかりやすく言えばそのスキルにとって重要なものが覚えられれば習得できますよ」

 「なるほど…となると本を読んでもスキルを覚えられる場合もあるんですね」

 「そうなります。と、着きましたね」

 

 数分ほど歩いたフィーアちゃんは一つの建物の前で立ち止まる。そこはどうやらお店のようで、看板には【白狼雑貨店】と書かれていた。

 

 「雑貨店…ですか?」

 「なんで雑貨店?」

 「ここの店長さんが商品として召喚獣のスキルを売ってくれるんですよ。しかも結構安く」

 「ちなみにいくらなの?」

 「確か…銀貨50枚ですね」

 「ごじゅっ…いえ、そのくらいしますよね…流石に」

 「まあ、スキルだもんね…」

 「ちなみにお金はありますか…?」

 「あ、お金はありますよ」

 

 一応しばらくはお金に困らないくらいの金額はもっている。ただ、あまり無駄遣いはしたくないのだ。

 

 「それなら良かったです。では…」

 

 フィーアちゃんがゆっくりと店の扉を開けるとカランコロンと入店を告げる音が響き、店の奥から一人の女性がやってきた

 

 「ようこそ白狼雑貨店へ。何をお探しかな?」

 「あ、リアナさん。こんにちは」

 「ん?おお、フィーアじゃないか。今日は一人じゃないんだね」

 「はい。今はこのお二人と旅をしています」

 「そうかいそうかい。で、この店に来たのは道具類を求めてかい?それともスキル?」

 「今日もスキルです。こっちにいるアオイさんが召喚獣のスキルを覚えたいみたいで」

 「なるほど…よし、わかった。フィーアちゃんが旅立つんだ。お祝いとして本来銀貨50枚のところを25枚にしようじゃないか」

 「え~っと…良いんですか?」

 「もちろんさ。商人に二言は無いよ」

 「リアナさんがそんなことを言うなんて…」

 「なんだ、意外かい?これでもヴェリアの街の人達と同じくらいフィーアの事を大切に思ってるのさ。その仲間にサービスくらいしてあげたいと思うのは当然だろう?」

 「リアナさん…」

 「ま、サービスするのはこれが最初で最後さ。頑張んなよ?フィーア」

 「…はいっ!」

 「大切にされてるんだね~」

 「そうですね。ヴェリアの人達以外にもこうして大切にしてくれる人が居るというのは素晴らしいです」

 「じゃ、代金を頂こうかね」

 

 そういってリアナさんは手を差し出してくる

 

 「はい。銀貨25枚、丁度です」

 「確かに受け取ったよ。さて、それじゃ召喚獣のスキルを教えるとしようか」

 

 それから十数分ほどかけてリアナさんから召喚獣の呼び方などを教えてもらい、私のスキル欄には【召喚獣】が追加されたのだった―――




フラメア「フィーアちゃんラルゴ王国の人に愛されすぎじゃない?」
碧「確かにそうですね…まさか王様もわかってて見過ごしてたりして…」
フィーア「ここまで来るとありそうで怖いです…」

次回、召喚獣を呼び出すよ!何が出てくるのか…お楽しみに!
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