そしてUA900突破大変ありがとうございます!UA1000突破したらまた閑話を書こうかと考えています。
では、第17話をどうぞ!
「フェンリルさん、これは一体…」
『知らん。我がここへ来た時にはこうなっていた』
フェンリルさんを召喚してから7日後、フィーアちゃんの案内で約束通りアルヴィラ大迷宮と呼ばれるダンジョンへ来た私達は眼前に広がる光景に驚きを隠せずにいた。
「ボロボロだね~…」
「かろうじて中には入れそうですがこの調子だと…」
そう、試練を行う予定だったアルヴィラ大迷宮はまるで何かに破壊されたかのように床や壁が崩れ落ち、入口がほとんど塞がれている状態になっていた。
「一応、中に入ってみましょう。もしかしたら崩壊しているのはこの入口だけかもしれません」
仮に中も崩落していた場合、ここを破壊できるだけの力を持った何かがここに居たということにもなる。どちらにせよ、中へ入って確かめければいけない。そう思い私はフラメア達にそう提案する。
『ふ、そういう考えか。我は賛成だ』
私の考えていることが分かったのかフェンリルさんは私を見て軽くにやりと笑う。どうやらそれを知ってなお賛成してくれるらしい。
「私達は碧さんと契約している精霊ですから主が行くと決めたなら私達は従いますよ。…それに、いくら崩壊したダンジョンとはいえいくらかはモンスターは残っているでしょうから」
「そうそう。私達は仲間だからもちろん碧についていくよ~」
『決まりだな。入口の瓦礫は我が退かす。加えて、本来であれば影に潜んで手出ししないつもりだったが…こうなっては何があるかわからん。故に我も手伝おう』
「フェンリルさん…ありがとうございます」
『構わん。これは予想していなかった事態だ。そんな中何もせず影の中で傍観するなど我が許せん』
そういってフェンリルさんは入口を塞ぐ瓦礫に向け吠える。その瞬間、雲一つない空から雷が落ち、数メートルはあろうかという巨大な瓦礫を一瞬で粉々にした。
『これで中に入れるだろう。…入口から見える範囲で判断するならほとんど床も崩壊していると見ていい』
フェンリルさんは現れた入口から軽く迷宮内を見てそう言葉にする。一応私も確認をしたが、彼の言う通り歩ける場所などほとんど無いほど床は崩壊し、階下が見えてしまっていた。
「ダンジョン自体が残っている以上一応コアは無事みたいですね」
ダンジョンコア…名前の通りダンジョンの核となる魔石だ。ダンジョンの最奥に存在しており破壊、もしくはダンジョンの外へ持ち出すとコアに紐づけられたダンジョンは力を失い消え去るようになっている。
そして、このアルヴィラ大迷宮も壁や床は崩壊しているものの、ダンジョン自体は消えていない。これはダンジョンコアがまだ生きている証拠だった。
『まあ、コアの強度は他の魔石よりはるかに上だ。破壊されてダンジョンが崩壊することなどはほとんどないと言っていいだろう』
「そんなに固いんですね…」
『ああ。だからこそダンジョンコアというのは価値がある。売れば良い値が付くはずだ』
「ならこのダンジョンの奥まで行けたらダンジョンコアもしっかり回収しないとね~」
『そうするといい。…無事に持って帰れば…だが』
なんだか含みのある言い方をするフェンリルさん。私は首を傾げつつフラメア達と共に崩壊したアルヴィラ大迷宮へと足を踏み入れた。
中へ入ると予想通り一切崩壊していない箇所を探すのが困難なほど床や壁は崩れ落ちていた。しかし、崩壊してもダンジョンとしての機能は生きているのか迷宮内へと足を踏み入れた私達を歓迎するかのようにダンジョン内に存在する灯りのすべてに火が灯り、薄暗いこの空間は一気に明るくなった。
「こういう機能はちゃんと残ってるんですね」
『こういったことを制御しているのはダンジョンコアだ。それが生きている限りダンジョン内の機能のほとんどは問題なく発動するだろう』
「モンスターの発生はダンジョンの機能じゃないの?ここ、モンスターの気配一切しないけど…」
一切モンスターの気配がないことに疑問を覚えたフラメアがフェンリルへ尋ねる。
『機能ではあるが…どうやらそういった部分は崩落したせいかほとんど効果が及んでいないようだ。この階にはいないが…ほら、2階ほど下れば多少は居るだろう』
どうやら私達とは違いフェンリルさんはかなり広範囲の敵の気配を感じることができるらしい。便利なものだ。
『どうした?こっちをジッと見て』
「いえ、なんでもありません。先へ進みましょう」
首を傾げるフェンリルさんをよそに迷宮内の探索を進める私だった―――
今回はちょっと短めにしました。
次回はもうちょっと長くなる…はず(多分)
あとがき恒例キャラ同士の掛け合いも今回はお休みです。
次回はいつになるかはわかりませんが早めに出します。はい。
ではまた次回!