白銀の精霊使い   作:紅凛

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第0話を見てくださった皆様、お待たせしました。第1話です。


第1話  「歩いた先で出会ったのは」

 目が覚めると私は雲一つない青空を見上げていた。どうやら寝転がっていたらしい。

 起き上がり辺りを見渡すとそこは何もない草原、街や村は一つも見えなかった。

 

 「……何もなさすぎじゃないですかね…」

 

 ここまで何もないとむしろ清々しいくらいだ。神様、もう少し人里に近いところに転移させてくれてもよかったんですよ?

 

 「でも、いろいろ確認するにはもってこいですね。人目に付くと大変かもしれませんし」

 

 もう一度辺りを見渡す。うん、誰もいない。人どころか動物すらいない。

 

 「えっと…確か神様の話だとステータスとアイテムボックスは誰でも持ってるって言ってましたね。とりあえず…【ステータス】」

 

 私がそうつぶやくと、突然目の前にウィンドウが現れる。おお、ファンタジーっぽい。

 ステータス画面には様々な項目があり、名前や年齢、所持スキルが表示されていた。

 

 【名前】 白峰 碧(しらみね あおい) 17歳

 

 所持スキル

 【精霊魔法Ⅰ】

 

 私が選んだスキルは【精霊魔法】だ。なぜこれなのかって?…だって精霊って可愛くないですか?

 それはそうと、ステータスを確認し終えた私はウィンドウを閉じ、もう一つ確認をする。

 

 「【アイテムボックス】」

 

 今度はアイテムボックスだ。こちらはどうやらウィンドウが現れるのではなく、今持っているアイテムが脳内に浮かび上がるらしい。中身はもちろん無い…と言いたかったがどうやら神様は優しかったらしい。アイテムボックスの中には【簡単!テント設営キット】【世界地図】が入っていた。

 

 【簡単!テント設営キット】

 コンパクトにまとめられたテント。

 地面に放り投げるだけで簡単に設営することができる。中はそこまで広くない。

 

 【世界地図】

 レガリアの大陸全てが記された地図。自分の位置が常に地図上に表示される。

 

 「これは…なかなか便利ですね」

 

 地図はもちろん、テントは何より助かる。いくら何もない草原とはいえ何も起こらないとは言えませんし。

 

 「さて、ステータスとアイテムの確認もしたところで…いい加減出発しましょうか。えっと、一番近い街は…というかそもそも私は今どこにいるんでしょう」

 

 早速アイテムボックスから世界地図を取り出し、自分の位置を確認する。どうやら私は今アルフィナ王国という国のど真ん中にいるらしい。細かい地名まではわからないが王都らしきものは乗っているのでまずはそこを目指すことにする。

 

 「いざ、王都ラヴィニアへ!」

 

 ――と、言って歩き出してから3日ほど。碧は未だに草原を歩いていた。

 

 「いやいや、広すぎませんか?この国…」

 

 地図を見ながら歩いているものの、3日経過した現在地図での位置は最初にいた場所からおよそ3㎝ほどだった。ちなみに王都ラヴィニアまではそこからさらにおよそ7㎝。つまりこのままのペースでいけばさらに7日経過するということであった。

 

 「一応、道は整備されてるみたいですしおそらく商人とかが通るんでしょうけど…未だそんな人には出会っていませんし…」

 

 そう、この3日間碧はひたすらに歩き続けていたが、悲しいことに人との出会いはゼロであった。

 

 「まあ、日本とは違ってこっちの世界だと馬車とかそういう世界観でしょうから仕方ないといえば仕方ない気もするんですけど」

 

 だとしても、だとしてもだ。歩いても歩いても草原、草原、草原と代り映えしない景色が続いていればいい加減人肌が恋しくなるというものだ。正直言えば神に祈るレベルだった。

 

 「お願いします神様、頼みますから誰か出会いを…」

 

 そんな願いを神は聞き届けたのか、歩き続ける碧の視線の先に人影が一つ見えてくる。

 

 「あ、あんなところに人が!」

 

 誰かなど確認もせず、碧は人影のもとに走っていく。距離はそう遠くなく、碧はすぐに人影の元へたどり着くことができた。しかし、そこにいたのは…

 

 「……………」

 

 グギュルルルルルと大きな腹の音を立てながら倒れる一人の女性であった。

 

 「…大丈夫ですか?」

 

 倒れる女性の目の前にしゃがみ込み、私は声をかける。

 

 「大丈夫ではないかな~…私は今絶賛空腹で死にそうなんです…」

 

 意識があったのか、女性は死にそうな声をしながらも返事をしてくれた。どうやらギリギリ会話するだけの力はあるらしい。

 

 「えっと…ここの途中に生ってた果物で良ければありますけど…」

 「……!ください!」

 

 死にかけているとは思えない大きな声で返事をされた。まあ、それもそうか、今まさに目の前に餌が差し出されているようなものなのだから。

 

 「それじゃあ…どうぞ」

 

 私はアイテムボックスから果物を2つ取り出し女性へ差し出す。彼女はそれを受け取ると瞬く間に平らげ、姿勢を正した。

 

 「いやぁ、助かったよ~。人化したは良いものの食事を摂るのも忘れて歩き回ってたら空腹で倒れちゃって」

 「それは大変でしたね…って、人化?」

 

 聞きなれない単語に私は首をかしげる

 

 「あれ?知らない?あなたから精霊の匂いがてっきり精霊使いかと思ったんだけど…」

 「えっと…精霊使いっていうのは精霊魔法の事ですか?」

 「う~ん、正確には精霊を使役している人間のことだね~。精霊魔法を持ってても契約している精霊がいないと精霊使いとは言わないんだ~」

 「なるほど…」

 「そう聞くってことはもしかして君、どの精霊とも契約してないの?」

 「実は…」

 

 私はここに至るまでの経緯を彼女に説明する。この3日間のことを説明している間、その女性は相槌を返しながらも最後までしっかりと聞いてくれた。

 

 「なるほど~、碧ちゃんは異世界からやってきた人だったんだね。それなら精霊魔法や精霊使いについて知らないのも納得だよ」

 「はい…ところで、あなたは?」

 「あ、そういえば助けてもらったのに自己紹介をしてなかったね。私はフラメア。精霊だよ」

 

 なんとなく予想はしていたが本当に精霊だった

 

 「やっぱり精霊だったんですね。さっき人化とか言っていたのでもしかしたらとは思っていましたが…」

 「まあ、私みたいに人化している精霊は少ないけどね。そうだ!碧ちゃん、精霊の森に来ない?精霊魔法の持ち主ならきっと長老様も入れてくれるだろうし、それにきっと碧ちゃんにぴったりな精霊も見つかるよ」

 「精霊の森?」

 

 ピンとこない地名が出てきた。世界地図は一応全体的に見たはずだが精霊の森なんて物はなかったはずだ。

 

 「あ、精霊の森っていうのは普段は隠されてる精霊たちの住処でね。どの国も場所を知らないの」

 「それを私に教えていいんですか?」

 「恩人だからね。それに、碧ちゃんはみだりに場所をばらすような人じゃないでしょ?」

 「それはもちろんです。私は平和に旅をしたいだけですから」

 「うん、それなら安心だよ。さ、出発しようか。こっちだよ」

 

 フラメアは立ち上がると歩き出す。

 

 「あ、ちょっと待ってくださいフラメアさん!」

 

 私はそれに置いて行かれないようついていくのだった―――




フラメア「あと一日遅かったら死んでたよ…」
碧「いや、食事を忘れてたフラメアさんが悪いですよ、それは…」
フラメア「みんなは気をつけようね!」
碧「そんなことあるとは思えませんけどね…」
次回も見てね!

UA500突破記念は誰の話がいいですか?

  • やっぱり主人公の碧でしょ!
  • 精霊のフラメアかな
  • 龍夜の話をもっと見たい!
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