白銀の精霊使い   作:紅凛

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気づけばもう12月…遅れてすみません。
では第18話をどうぞ!


第18話  「迷宮探索」

 ダンジョン攻略を始めてから約4時間。私達は崩壊していない道を進み、少し遠回りをしながらも順調に下層へと進んでいた。間違っていなければ現在は第10層程だろうか。

 徐々に崩壊具合が酷くなっていくダンジョン内を私達は今も歩いていた。

 

 『もうほとんど歩ける場所が無いな。かろうじて歩けるだけの場所が残っているのが奇跡だ』

 「モンスターでさえ通りづらそうにしてたからね~」

 

 歩いている間にも迷宮内に住まうゴブリンやらスケルトンは私達を攻撃しようと近づいてくる。が、床が崩壊して通れなかったり壁が崩壊し道がふさがれていたりするせいで下層…つまり上層のモンスターより強いはずの彼らはその力を私達に見せることなく威力を抑えられた魔法によって尽く燃やされ、溶かされていた。フィーアちゃん…闇魔法ってそんな風に使えるんだ…

 

 そうして私達は狭い道を歩きつつ、時折襲い掛かってくるモンスターを魔法で迎え撃ち階段を見つけさらに下層へと進む。そんな事を数回ほど繰り返した頃だろうか、階段を降りた私達の目の前には数メートルはあろうかという大扉だけ静かに存在していた。

 

 「おっきいね〜」

 『おそらくダンジョンの最奥部に着いたのだろう。確実にそうとは言わんが大体最奥にはコアを守るために出現するモンスター……つまりダンジョンボスが居るのがほとんどだ』

 「ダンジョンボス……」 

 「ちなみにフェンリルさんはこのダンジョンのボスが何かまではわかったりしないんですか?」

 『そこまではわからん。そもそも、我の知るダンジョンは数刻前までいたあの階層までだ。だが、本来のこのダンジョンのボスということであれば確か…』

 

 と、フェンリルさんが言い切るより先に閉じられていた扉がゆっくりと開き始める。それはまるで私達を歓迎しているようだった。

 

 「…どうやら向こうが私達をお呼びみたいですね…」

 『どうやらそのようだな。…どうする、すぐに進むか?』

 「…そうですね、進みましょう。フィーアちゃんにフラメアもそれでいいですか?」

 「もちろん!私は構わないよ」

 「私もフラメアさんと同意見です。碧さんの意見に従いますよ」

 「わかりました。では進みましょう」

 

 私達はそのまま扉の奥へと進む。

 

 最奥と思われる部屋に碧達が入ると闇に包まれた部屋の壁の蝋燭に火が灯る。壁や床はほとんど崩落しておらず、今まで通ってきたどこよりも原型を保っているといっていいだろう。だが、そんな部屋の中に1つ、いや1()()というべきか、異質な生物がそこに存在していた。

 筋肉質で細長く、数メートル以上はあるであろう身体、真っ黒な鱗、そして私達をジッと見つめる4つの瞳。それはまさしくこのダンジョンのボスと言ってもいい巨大な黒蛇だった。

 しかし、それは私達を見つめるだけで何もしてこない。それはまるで攻撃さえしなければここで引き返してもいいと語っているかのようだった。が、私達の隣にいたフェンリルさんが視界に入ると黒蛇は目を見開き、大人びた女性の声が響き渡る。

 

 『あら、フェンリルじゃない。こんな場所へよく来たわね。何か用?』

 『なぜお主がここにいるのだ。お主の住処はここではないだろう』

 

 どうやらこの黒蛇さんはフェンリルさんの知り合いらしい。モンスター間でもそういったことはあるようだ。

 

 『実は住処の森にドラゴンが住み着いちゃったのよ。さすがに生物の頂点たるドラゴンに喧嘩を売るなんてことはしたくはないし、かといって下手に遠くへ移動するとそれだけで他のモンスターを怯えさせちゃうのよ』

 『それで偶々近くにあったダンジョンに入り込み、その最奥に住み着いたと』

 『ほんとダンジョンってモンスターに優しくないわよね。おかげで床は崩れるし壁も崩れるしで大変だったわ…』

 

 どうやら原因は彼女だったらしい、とはいえドラゴンに住処を奪われてしまったのであれば仕方ない…のかもしれない。

 

 『ところで、そこの娘たちは?かなり特殊な波長を放っているけれど…』

 『こやつら…もといそこの娘は我を召喚した主だ。それで我を使役するに値するかを確かめるべくこのダンジョンに来たのだが…』

 『私が破壊しちゃったわけね…しかも私が下層に降りるためにいろんなところを這いずり回ったせいでダンジョンのモンスター生成機能もほとんど壊れて…』

 『おかげで確認らしい確認ができなかったではないか』

 「それじゃあ…」

 

 やはり失敗だろうか。まあ、仕方ないと言えば仕方ないのだが…

 

 『そんな悲しい顔をするでない。確認らしい確認はできなかったが、崩壊しているとはいえこのダンジョンの最奥に来るためにはそれ相応の力が必要になる。確かに道中我は手助けをしたが、それが無くても十分に攻略ができると判断できる程度の実力は見せてもらった』

 「ということは…!」

 『うむ、この神獣フェンリル、召喚の儀に今より碧の召喚獣となろう。必要になった時にいつでも呼ぶがいい』

 「はい、よろしくお願いしますね。フェンリルさん」

 『早速で悪いが…名を付けてはくれぬか?』

 「フェンリルさん…は種族名ですもんね。えっと…それじゃあ…『シロ』ですかね」

 『ずいぶんと安直だな…まあ、良かろう。これより我はシロだ。改めてよろしく頼むぞ、我が主、そして精霊たちよ』

 「はいっ!」

 「うん、よろしくね~」

 「こちらこそよろしくお願いします」

 

 こうして初めてのダンジョン探索は終わりを迎え、私達は黒蛇さんに別れを告げてウェルフェンへと再び向かうのだった―――




皆さんお待たせして本当に申し訳ないです。まさかアルヴィラ大迷宮編を終わらせるのにこんなに時間がかかるとは思っていませんでした。
今回のちょこっと会話もお休みさせていただきちょっとした告知を…
まだ確定ではありませんが現在並行して新作を書こうかと考えております。もし新しく投稿したらお知らせしますので良ければそっちも見ていただけると嬉しいなぁ…なんて、次回の投稿は未定ですがおそらく次回は閑話になるかと思います。
ではまた次回もお楽しみに!
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