白銀の精霊使い   作:紅凛

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今回は青年視点もお見せしたいと思います。
では、第2話をお楽しみください。


第2話  「召喚された勇者」

 僕、櫻庭 龍夜(さくらば りょうや)は平凡な生活を送る男子高校生だった。これといって秀でたことはなく、成績は上位を保っているもののトップというわけではなかった。

 代り映えのない日々、今日もいつものようにそんな生活が続くと―――僕はそう思っていた。

 突如、リィン…リィン…と鈴の音色が聞こえたかと思うと周囲の景色が白く染まっていったのだ。

 あまりにも突然のことで呆然とする。

 次の瞬間、僕は激しい落下感に襲われる。そして、それが数秒続くと今度は激しい鈍痛が背中を襲った。

 

 「いっ……たぁ…!」

 

 思わず声を上げる僕。突然の痛みや落下感に戸惑いながらも辺りを見渡す。そこで僕は気づいた。

 

 「あれ…?ここってどこ?」

 

 石で出来た壁、白い床、そして…いかにも怪しげな大きな魔法陣。唯一の趣味と言っていいものがライトノベルだった僕はすぐに予想がついた。

 

 「え、もしかして僕…召喚された?」

 

 一度は召喚されて異世界に行ってみたい、なんてことは思春期の男子ならだれもが思うだろう。しかし、あくまで「行ってみたい」だ。妄想と現実は全く違う。

 

 「…夢ではない…よね」

 

 先ほど自分が感じた痛みを思い出す。あれは夢ではなく、ここが現実だと思い知らせるには十分なものだった。

 

 「嘘でしょ…僕に異世界で何しろっていうのさ。まさか魔王を倒せなんて言われない…よね?」

 

 もしそんなことを言われたら全力で断るしか…いや、でもこういう場合って基本王様とかが頼んでくる流れだし、断ったら死刑とかありそう…あれ、もしかして僕、逃げ道がない?

 と、そんなことを考えていると足音が聞こえる。それも1人ではなく2~3人のだ。

 

 「もしかして、僕のことを召喚した人かな…」

 

 キィィと音を立てて目の前の扉が開かれる。そして入ってきたのはいかにも魔術師ですと言いたげなローブを着た少女と護衛らしき兵士だった。

 

 「よかった、ちゃんと召喚には成功していたようですね」

 

 少女は安堵の息を吐く。僕としては成功してほしくなかったんだけどね。

 そして、僕の視線に気づいたのか少女はこちらの目をしっかりと見て丁寧な礼をする。

 

 「初めまして、勇者様。私はフェリア=ベルガモット、このアルフィナ王国で王宮魔術師を務めています。以後お見知りおきを」

 「あ、僕は櫻庭龍夜と言います。あ、こっちだとリョウヤ・サクラバなのかな。えっとベルガモットさん…で良いですか?」

 「どちらでも構いませんよ。フェリアでもベルガモットでも、お好きなようにお呼びください」

 「じゃあ…フェリアさんで。それで、僕はなぜここにいるんでしょうか?」

 

 一応、予想はできているんだけど違うことを祈りたいのであえてフェリアさんに尋ねてみる。

 

 「それに関しては国王陛下より直接説明されるそうなので、私からはまだ何とも。…リョウヤ様さえよろしければ今すぐにでも案内しますが、どうしますか?」

 

 まさかの王様直々の説明だった。いよいよ逃げ道がなくなってきたなぁ…逃げ出そうにも外への道なんて知るわけがないし…

 

 「わかりました。すぐ行きます。案内をお願いできますか?」

 

 結果、諦めるのが一番と判断したので大人しくフェリアさんについていくことにした。

 

 「では、こちらです」

 

 そういって彼女は踵を返して部屋から出ていく、僕はそのあとを渋々追いかけていった。

 それから数分ほどお城らしき建物の中を歩くとついに大きな扉の前にたどり着いた。おお、いかにも謁見の間の扉って感じがする。

 

 「国王陛下。フェリア=ベルガモット、勇者様をお連れしました」

 「うむ、入るがよい」

 

 王様の許可が出ると大扉に一瞬だけ魔法陣が浮かび上がり、ゴゴゴゴゴ…と重々しい音を立ててゆっくりと開いていく。

 

 「これが…魔法」

 「魔法ではなく、魔術ですよ。魔法はもう廃れてしまっていますから」

 

 魔法と魔術は別物らしかった。だとしてもこういうのは少し興奮する。夢だよね、こういうの。

 中へ入ると一人の男性が玉座に座って待っていた。あの人が王様かな。優しい人だといいけど…

 

 「よくぞ異界の地より来てくれた、勇者よ。我が名はアウス=ドラグニア、このアルフィナ王国を治める王だ。其方の名前を聞こう」

 

 フェリアさんに倣って王様の前で跪いている僕は顔を下げたまま名前を名乗る。

 

 「リョウヤ・サクラバと申します」

 「ふむ。では、勇者リョウヤよ、其方を召喚した理由を説明するとしよう。二人とも、面を上げるがよい」

 

 王様の許しが出たので僕は顔を上げる。そこでやっと、王様の姿を見ることができた。

 見た目は20~30代ほどだろうか。金髪青眼、体格は細身の優しそうな人だ。

 

 「まず、この世界レガリアには大きく分けて4つの種族に分かれている。一つは我ら人族、一つは亜人族、もう一つは魔人族、そしてもう一つは精霊族だ。まあ、細かく分類すればもっと種族はいるが…まあ、基本的にこの4つの種族が存在すると覚えておけばよかろう」

 「わかりました」

 「そして、其方が召喚された理由だが。其方には魔人族の長、魔王ヴェルグを討伐してほしいのだ。もちろん、今すぐにというわけではない。しばらくの間、我が王宮騎士団の団長ベネトに鍛えてもらうがよい」

 

 え、マジですか。体力とか僕全くないのに騎士団長さんに鍛えられるんですか。拒否権は…はい、無いですよねしってました。

 

 「国王陛下、魔術に関しては僭越ながら私が勇者様にお教えしてもよろしいでしょうか」

 「うむ、其方なら安心して任せられる。では、魔術に関してはフェリア、其方がしっかりと勇者リョウヤに教えるがよい」

 「はっ…」

 

 ああ、知らないところで話がどんどん進んでいく…

 

 「では、リョウヤ様早速訓練に…と言いたいところですが何分急な出来事です。整理する時間も必要でしょう、今日はゆっくりと休んで明日に備えてください」

 

 王様との会話が終わり、謁見の間から出てくるとフェリアさんは僕を部屋へ案内してくれた。どうやらここが僕の部屋になるらしい。豪華なベッド、大きな机、広い部屋。さすが王城と言える広さだった。

 

 「それでは明日、早朝にお迎えに上がります。食事に関しては近くの者に行っていただければ運ばせますので何かあればお声がけを」

 「わかりました。何から何まですみません」

 「いえ、リョウヤ様は私たち人族の希望ですから、このくらいの待遇が当たり前です」

 「そ、そうですか…」

 「はい。それではまた」

 

 そういってフェリアさんは部屋から出て行ってしまった。…とりあえず明日から訓練が始まるそうだし早いところ休むのが一番だろう。もし夢ならきっと覚めてくれるはず…

 僕はそう思いながらベッドで眠りについた。

 次の日、早朝に現れたフェリアさんを見てここが現実だと思い知らされた。…夢であってほしかったなぁ…そう思う僕であった。




龍夜「平凡な一般人だったはずなのに…(´・ω・`)」
フェリア「さ、魔術の訓練を始めますよ!」
龍夜「いやだぁぁぁぁ!」

その頃の碧
碧「誰とも出会わない…悲しい…」
そんな感じでお互いに3日が経過します。
次回は再び碧視点、お楽しみに!

UA500突破記念は誰の話がいいですか?

  • やっぱり主人公の碧でしょ!
  • 精霊のフラメアかな
  • 龍夜の話をもっと見たい!
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