読者の皆さん、本当にありがとうございます!
それでは第3話、どうぞ!
※9/2 属性表記の水・氷を水・雷へ変更しました
龍夜が訓練に勤しんでいる頃、碧はフラメアの案内され、平原を歩いていた。
「フラメアさん、本当にこんな平原に森があるんですか?地図だと本当に何もないんですけど…」
「長老様の精霊魔法で人が近づけないようにしてる上に見つからない為に結界も貼ってるからね。多分地図とか目視だと絶対気づけないと思うよ。あと、フラメアさんじゃなくてフラメアで良いよ。さん付けは慣れてないんだ」
「そんなしっかりと隠蔽してるんですね。でも、なんでそこまで?」
「今のレガリアで唯一魔法を使えるのが精霊族だからだよ。もちろん、精霊魔法を持ってる碧ちゃんも練習すれば使えるようになるけど、そもそも精霊魔法のスキルを持ってる人が少なすぎるから魔法を使える人を探すなら精霊族を見つけるのが一番なんだ」
「魔法は私達以外は使えないんですね」
「そうだよ。まあ、その代わり魔術っていうものが一般的になってるけどね」
「何か違うんですか?」
「もちろん。まあ、単純に言えば威力の違いかな。しかも魔力の消費は魔術より少ない」
「それは…すごいですね」
「もちろん、欠点はあるよ?例えば私達精霊なら自分を構成する属性以外の魔法は使えないし、精霊魔法を持つ人間なら使役している精霊の属性しか魔法は使えないの」
「まあ、どんな属性でも使えちゃったら大変ですもんね」
「ただ、人間の場合は精霊魔法にレベルがあって、上げれば上げるほど契約できる精霊の数は増えるの。最初は一人だけなんだけど確か最大まで上げると全属性が使用できるくらいには契約ができたはずだよ。まあ、そこまで上げるのも大変なんだけどね」
「ちなみに何属性あるんですか?」
「えっとね~、炎、水、雷、風、地、光、闇の7属性だよ」
「ちなみにフラメアは何で構成された精霊なんですか?」
「私?私はね、炎の精霊だよ。ほら」
フラメアは立ち止まると軽く手を握りぱっと開く。するとそこには小さな火球がふわふわと浮かんでいた。
「わぁ…これが魔法…すごいですね」
「私はそこまで強い精霊じゃないから大きな火球とかはまだ出せないんだ」
「それでも私はすごいと思いますよ。それに、とっても綺麗な炎でした」
「ふふ、そういってくれると嬉しいな。…さて、着いたよ」
しばらく歩いていたフラメアは平原の途中で立ち止まるとこちらに振り向く。何かあるのかと周りを見渡すけど特に何も無い、フラメアの言うことが本当ならその長老様がしっかりと隠蔽をしているんだろう。
「ここで良いの?」
「そう、ここで良いの。見てて」
フラメアは軽く手を握ると、先ほど見せてくれた火球とは違い、炎の鍵を作り出す。そしてそれを空中へと差し出しゆっくりと回した。
次の瞬間、周囲の景色が揺らぎ始め、平原ではなく色とりどりの木々が生える森へと変化した。
「これは…」
「ようこそ碧ちゃん。精霊の森へ!」
彼女は軽く両手を広げ歓迎する意思を表現する。周囲を見ると木々に交じって様々な色の球体がふわふわと漂っていた。
「フラメア、あの球体は何?」
「ああ、あれは幼精だよ。人間でいうところの赤ちゃんとか子供に近いかな」
「なるほど…」
「さ、まずは長老様のところに行かなきゃ。こっちこっち」
フラメアは私の手を握るとスイスイと奥へ進んでいく。周りの幼精達が私の周囲をふわふわと漂う。少し暖かい。
「ふふ、精霊の森に来る人間なんて滅多にいないから珍しがってるんだね。はいはいみんな、長老様のところへ行くから道を開けてね~」
その言葉が通じているのか、私の周囲に集まっていた幼精達はゆっくりと離れていく。そして、フラメアに連れられて私はついに大きな樹の前まで来ていた。
目の前でしっかりと根を張り、鎮座する大樹。まるで桜のような薄ピンク色の花びらが舞い散るこの場所はとても幻想的だった。
「長老様、フラメア、ただいま戻りました」
フラメアが大樹に向かって声をかける。するとそれに反応するかのように大樹から優しいおじいちゃんのような声が響いてきた。
「おお、よく帰ってきた我が娘フラメアよ。外を見てくると言って出て行ったきり帰ってこないから心配したぞ」
「すみません長老様。つい食事を忘れて歩いていたら空腹で倒れちゃって…」
「よいよい、お主が無事ならそれでいい。して、フラメアよ、そこの人の子をここへ連れてきたのは一体何故だ?よもや精霊の森の掟、忘れたわけではあるまい?」
「もちろんです。碧ちゃんを連れてきたのは私のことを助けてくれた恩人だというのと、精霊魔法を持つ人間だからです」
「ほう…精霊魔法のスキルを持つ人の子とな。これは随分と珍しい者が来たな。加えてフラメアを助けたとあっては邪険に扱うのも無礼というもの。人の子よ、其方の名前を聞かせてはくれぬか?」
「私は碧…白峰碧です。えっと…アオイ・シラミネって言ったほうがいいんでしょうか…異世界からやってきました」
「どちらでも構わぬ。そのような名乗り方をするものを儂は知っておるからの。儂の名はアダノス、この精霊の森で長老をしておる」
「異世界からやってきたこと、驚かないんですね」
「数百年前、同じように異界の地からやってきたという男が居ってな。さすがにその時は驚いたものだが2度目ともなればそう驚きはせぬよ」
「そうですか」
「して、アオイよ。お主は何を望む?我が娘を助けたのだ。礼くらいはしようではないか」
「望み…ですか」
急に何を望むかと聞かれてもいまいちピンとこない。精霊と契約したいのはあるがそれを礼として要求するのもどうかと思ってしまう。
「ふむ、なるほど…精霊との契約か」
私の心を読んだかのようにアダノスさんはそれを口にする。
「なんで私が考えていたことを?」
「なに、精霊魔法を所有している割にはお主から精霊の気配は感じぬ上、どこか言いづらそうにしておったからの。おそらく精霊に精霊との契約を頼むのはどうかと考えてしまったと予測したまでよ」
「長老様はすごく観察眼が優れていてまるで心を読んだかのように考えていることを当てちゃうんだよね」
「お主の考えは単純故わかりやすいがな…」
「えぇ~…そんなぁ」
「さて、精霊との契約ついてだがアオイ、お主はどの精霊と契約したいというものはあるか?」
「いえ…さすがにそういうのはありませんけど…」
私の返答にアダノスさんは少し考えこむように黙る。そして数秒ほど立つと驚きの一言を発した。
「ならばフラメアと契約するのはどうだ?」
「えっ、私?」
「フラメアと…ですか?」
「ああ。見たところフラメアとアオイ、お主らの相性はよさそうに見える。加えて、フラメアもそろそろ外の世界をもっと広く知るべきだと儂は思った。故にお主らが契約を行うことが最適だと判断したのだ。異論はあるか?」
「私はありません。フラメアはありますか?」
「あるわけないよ、碧ちゃんとなら契約してもいいと思ってるし何より楽しそうだからね」
「決まりだな。アオイよ、フラメアを頼んだぞ」
「はい、わかりました」
「そんな心配しなくても大丈夫だよ長老様」
「倒れていた奴の言うことではなかろう。次は食事を忘れるでないぞ」
「は~い…」
こうして、私の旅にフラメアという仲間が加わり、ついに私は精霊使いとしての一歩を歩み始めたのだった―――
碧「流石にもう倒れないでくださいね?」
フラメア「大丈夫大丈夫!」
碧(不安だなぁ…)
今回ちょっと長くなってしまった…
次回もお楽しみに!
UA500突破記念は誰の話がいいですか?
-
やっぱり主人公の碧でしょ!
-
精霊のフラメアかな
-
龍夜の話をもっと見たい!