白銀の精霊使い   作:紅凛

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300UA突破!皆様本当にありがとうございます!
今回ついに勇者と精霊使い、召喚された二人が出会います。
では第8話、どうぞ!


第8話  「勇者、精霊使いと出会う」

 「魔術には適性があり、適性の無い属性の魔術はⅠしか使用することができない。適性は大体が1属性、現在確認されている最多の適性は4属性である…ですか」

 

 私は記述された内容を小さく声に出して読む。

 ここは王都ラヴィニアの中にある図書館。フラメアとは別行動で私はこの世界に関する情報を集められる範囲で集めていた。

 

 「これは知っておいて正解でしたね。…属性判別機…魔法は今は炎しか使えませんが…魔術の適性が同じかはわかりませんからね…」

 

 もし違った場合私のステータスと実際使える属性が合わないことになり怪しまれてしまう。これは早めに対策しておかないといけないだろう。

 

 「っと…こっちは世界の歴史ですか」

 

 私は手あたり次第興味が惹かれる本に目を通していく。

 そうしていると時間は過ぎていくもので…

 

 「あの~……」

 「え?はい、何でしょうか?」

 

 私は眺めていた本から目を離し、話しかけてきた女性に目を向ける。軽く窓を見ると明るかった外が段々と暗くなり始めていた。どうやら閉館時間になるまでずっと本を読んでいたらしい。

 

 「すみません、すぐに出ますので」

 「わかりました、お気をつけてお帰りくださいね」

 「はい」

 

 私は読んでいた本を棚へ片付けると黒の獣亭へと戻っていった。

 黒の獣亭に帰ってくると1階にある食事処でフラメアが既に食事を始めていた。どうやら待ちきれなかったらしい。

 

 「お待たせしました、フラメア」

 「あ、碧ちゃん。遅かったね、何かあった?」

 「閉館時間になるまで図書館でこの世界について調べ物をしていたら遅くなってしまいました」

 「ああ…なるほど。それで、何か分かった?」

 「はい、いろいろな発見がありました。と、その前にすみません、今日のおすすめ一つください」

 「は~い!」

 

 とりあえず腹ごしらえだ。何を言うにしても私はおなかが減った。それもそうだ、私は読書に集中していてお昼を食べていないのだから。

 しばらくするとステーキらしき料理とパンが運ばれてきた。

 

 「それで、わかったことはあったの?」

 「ん…そうですね、とりあえずわかったことは…」

 

 私は食事をしつつ、図書館で調べた成功をフラメアと共有する。

 

 「属性判別機…そういえばそんなものがあったね。基本的に教会かお城にしかないものだから気にしなかったけど…偽装を使っててもその判別機だけは誤魔化せるかわからないから何か対策を考えないといけないね」

 「そうなんですよね…どうしましょう…」

 「まあ、大体の人は幼少期に属性判別を済ませてるらしいから異世界から来た勇者だとか思われない限り調べられることはないよ。だからそこまで気にする必要性はないんじゃない?」

 「そうでしょうか…」

 「うん。まあ、そうなったらダメもとでも偽装を使ってみるしかないね」

 「やはりそれが一番ですよね…」

 

 と、そんなことを話していると入口から少女の声が聞こえてくる。

 

 「ここの料理、とても美味しいんですよ。王城の食事ばかりでは飽きも来てしまいますし、偶にはこういったところで食事をするのもいいかと思いまして」

 「フェリアさんがそういうならきっと美味しいんでしょうね。でも、何も言わず抜け出してきてよかったんですか?」

 「リョウヤ様は自由に行動する権利がありますから。訓練の時以外はこうして王城の外に出ても構いません」

 「そうですか」

 「何名様ですか?」

 「2名です」

 「すみません…今空いてる席が無く、相席でよろしければご案内できますが…」

 「リョウヤ様、構いませんか?」

 「はい、僕は構いませんよ」

 「では確認を取ってきますので相席許可が出ましたらご案内します」

 「わかりました」

 

 そんな会話が聞こえると、店員さんは私達の方へ歩いてくる。

 

 「申し訳ありません、ただいま空いてる席が無く、相席をお願いしたいのですがよろしいでしょうか?」

 

 聞こえてきた感じ、片方は明らかに日本人だ。リョウヤ、なんて名前まずこの世界では聞くはずがない。もちろん、日本の名前が使われる国が存在していれば別だが調べた感じそんな名前を付ける国は存在していなかった。

 つまりそのリョウヤ、という人がこの世界に召喚された勇者なんだ。しかし、私も髪色は黒ではないとはいえ名前は日本名だ。名前を聞かれてしまえば私もまたその勇者と同じ世界から来たとばれてしまう可能性が高いだろう。

 しかし、私のそんな気持ちで折角来た人を断るわけにもいかない。…うん、名前に関して聞かれたときは偶然、ということにしておこう。きっとそんな名前を付ける人が一人くらいはいるはずだから、多分…

 

 「はい、構いませんよ」

 「ありがとうございます」

 

 店員は頭を下げると入口の方へ向かっていく、そして少しすると真っ白なローブを着た少女と黒髪の青年が私たちのテーブルにやってきた。

 

 「相席の許可、ありがとうございます。まさかここまで混んでいるとは思わず…」

 「いつもはここまで混んではいないんですけど今日は偶々そういう日だったみたいですね」

 

 私は青年と極力目を合わせないようにして会話を繋げる。それはなぜか?その青年がジッとこちらを見つめているからだ。一体どうしたというのだろう。別に名前を名乗っていないし、ましてや髪色は黒ではなく銀だ。

 母親譲りのこの髪色はこの世界では多くはないが珍しい髪色ではないはずだし、目の色にいたっては黒目なんてどこにでもいる。ではなぜ?

 そう彼女が疑問を持っている頃、対面にいる龍夜は目の前にいる少女を見つめていた。別に一目惚れしたわけでも怪しい人物だからでもない。理由は一つ、彼はその見た目に見覚えがあったからだ。

 それは彼の通う光明学園の2年生の中で唯一綺麗な()()()()()一人の女生徒。特段関りがあったわけでも無いがその珍しい髪色から一時期噂になっていたことがあった。確か彼女の名前は…

 

 「白峰…碧…」

 

 ふとそんな名前が口に出る。しかしそんなわけがないと僕はすぐにその考えを止めた。ここは異世界、しかも僕は召喚された身だ。仮に巻き込まれていたとして同じ場所にいなかったのだから同時に召喚された、という説はあり得ない。仮に巻き込まれて別の場所に召喚されたとしても僕はそんな彼女と近くにいるほど仲がいいわけでも無いのだ。だからあり得ない、目の前にいる少女はただ知合いに似ているだけの他人だと、僕はそう思うことにした。

 

 「……さて、私達は食事が済みましたので失礼しますね」

 

 そう言って少女は立ち上がると代金を店員に支払い去っていく。普段ならもう二度と会うことはないと思ってしまう出会いではあったが、僕はあの少女達とまた何処か出会うような気がしてならなかった。




龍夜「(きっと違う人だよね)」
フェリア「どうされましたか?リョウヤ様」
龍夜「何でもないですよ」
さて、ついに出会った二人の転移者。碧は相手が日本人だと確信を持っていますが龍夜はまだ似ている赤の他人だと思ってる様子。はたして龍夜は碧が自分と同じ日本人と気づくのは何時になるのか…
次回もお楽しみに!

UA500突破記念は誰の話がいいですか?

  • やっぱり主人公の碧でしょ!
  • 精霊のフラメアかな
  • 龍夜の話をもっと見たい!
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