私と13   作:遠い空

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あらすじ

ISAFはついに動き出した。とあるパイロットの手によって、エイギル艦隊は撃沈され、戦闘機はたくさん墜とされ、黄色中隊も打撃を食らった。だが黄色の13は脅威を感じるどころか、笑みを浮かべていた。


第4章 狂い出した歯車

年が明けて2005年1月24日、ついにISAFは大陸に上陸した。

このことはエルジア軍に大きな影響を及ぼし、上陸したISAF地上部隊を壊滅させようと全戦力を集中させた。ストーンヘンジもフルに活用した。

だが、ISAFのとんでもないパイロットがストーンヘンジの攻撃をかいくぐって地上部隊を支援した為、ISAFはどんどん奥地へと進行していった。

黄色中隊の出番も頻繁になった。黄色の13に会える日も少なくなってきた。

会える日がやってきても、ISAFのとんでもないパイロットの話しかしなかった。

コモナロケット発射施設の空爆以来、そのパイロットと交戦してはいないらしいがどうも気になっているらしい。

 

 

しばらくすると、とんでもないパイロットのコールサインがわかったと言った。

そのコールサインは【メビウス1】、別名【リボン付きの死神】と言うらしい。

黄色の13はメビウス1を倒すことを目的としておらず、逆に自分を倒すことができる実力があるか実戦で再び確かめようとしていた。

むしろメビウス1との勝負を楽しみにしていたのだ。彼にとっては喜ぶべき最高の好敵手だったのだ。

 

 

そんな中私はこんな質問をした。

 

 

この戦争をどう思っているのかを…。

 

 

そしたら彼はこういった。

 

 

「別に戦争自体に興味は無い。国の為にも必死に戦おうとも思ってない。俺は俺を倒せる可能性があるヤツとの勝負を存分に楽しみたい。いつもくだらん訓練や任務をやるより強いヤツと戦う方が倍楽しみだ。」

 

 

かなりの問題発言をしたが、幸いにも私以外誰もいない湖のほとりで話していたので刑罰ものにはならないだろう。

 

 

私はあの日について質問した。

 

 

それは家族を失った日である。

 

 

その時どんな気持ちで敵機を撃墜したのかを…。

 

 

彼は私の家族を殺したことを知らないはずだ。

 

 

そのため、私の家族が黄色の13に殺されたことを伏せて質問した。

 

 

「あの時の陽動作戦のことか。あれは敵機がたくさんいた。中に手強い敵機がいたが、以外にあっさり墜としてしまった。つまらん空戦だった。丁度この湖の上だったな。幸いにもパイロットはみんな脱出に成功していたようだし、なにより誰も死ななかったことが救いだったな。敵機を落とすのはいいが、人殺しまではしたくはない。」

 

 

だが、この男は私の家族を殺したのだ。

 

 

もちろん知るよしもない。

 

 

そこまで悪い軍人ではないことはわかるが、何か違和感はあった。

 

 

復讐を果たそうにも今の私にはできそうにない。

 

 

今の私にとって新しい家族のようなかけがいのない存在だからだ。

 

 

これが当時の私の悩みだった…。

 

 

 

 

2005年4月2日、黄色中隊の野戦滑走路で爆発が起きた。

爆発の原因は時限式爆弾によるものだった。

レジスタンスの仕業ではないかとエルジア軍が市民を徹底的に調べた。

私には誰か犯人か何と無く検討がつくのだが…。

結局犯人は見つからず、このことはお蔵入りとなった。

黄色中隊では黄色の4が負傷したが、幸いにも死者はいなかった。

しかし、戦闘機の整備部品がやられてしまった。

口髭の特徴的な整備兵長は頭を抱えていた。

爆発が起きたのが黄色中隊が任務を終え、帰還した直後だったからだ。

整備部品がやられてしまったのでまともに整備できなかった。整備兵長は可能な限り整備兵と一緒に機体の整備をした。

「全くレジスタンスめ!余計な事をしてくれる!整備部品がやられちゃあまともに整備できねぇってんだ!あぁ!もう!畜生!」

整備兵長はかなり怒りに満ちていた。

黄色の13もこのことに対し怒りを感じていた。

「飛んでからやられるのは恨みっこなしだが、飛ぶ前にやられるのは腹が立つ。」

私にも彼の気持ちがよくわかった。

 

 

そんなさなか突然警報がなる。

それはストーンヘンジ奇襲の警報だった。

ついにISAFはストーンヘンジ攻撃作戦にでたのだ。

黄色中隊隊員は急いでパイロットスーツに着替えた。

応急処置を終えた黄色の4も着替えていた。

傷は大きくないらしく、戦闘機に乗る分には問題ないらしい。

問題があったのは彼らの戦闘機だ。整備が整っていないままだったのだ。

黄色の13は整備不良なんざ体したことはないと言って飛び立って行った…。

 

 

だが数時間後、エースと呼ばれた黄色中隊はあるものを失って帰還した…。

 

 

 

 

彼らが帰ってきた。だが4機しかいない。

 

 

彼らは黄色の4を失った…。

 

 

ISAFによるストーンヘンジ奇襲を阻止することができず、エルジア軍はストーンヘンジを放棄。

黄色中隊がストーンヘンジに到着したのはストーンヘンジが破壊された直後だった。

破壊したのはもちろんISAFのエース、メビウス1だった。

 

 

黄色中隊はメビウス1と交戦。

始めは5機で戦っていたものの、途中で黄色の13がメビウス1に1対1の勝負を仕掛けた。

恐らく彼の騎士道的精神がそうさせたのだろう。

熱い空戦を繰り広げていた2人だが、整備不良が原因なのか黄色の13の機体制御システムが動かなくなり、操縦不能となってしまった。

このことにより、何もできなくなってしまった黄色の13は負けを認めてしまう。

黄色の13はメビウス1に

「俺の負けだ。撃て。」

と言った。

メビウス1は黄色の13にめがけてミサイルを撃った。

だが、ミサイルは黄色の4に命中した。こうなってしまったのも無理はない。

 

 

なぜなら黄色の4は黄色の13をかばったのだから…。

 

 

被弾した黄色の4には脱出する余裕があったはずだが、イジェクションシートに誤作動が発生したため脱出できなかった。

このことを起こした原因はあの爆発事故だろう。

爆発事故がなければ、ストーンヘンジが破壊されたとしても、黄色中隊の隊員を失うことはなかったはずだ。

もう一つ考えられるのは黄色の13のとった行動だ。

仲間意識の強い黄色の13だが、メビウス1という強敵が彼を狂わせたのかもしれない。

彼が戦うことをずっと楽しみにしていた相手とやっと戦うことができたのだから…。

メビウス1と戦うことがなければ、黄色の4を失わずに済んだ。

 

 

だが、今更こんなことを考えていても過ぎ去ったことはどうしようもない。

そもそもなぜ私はこんなことを考えていたのだろうか。

 

 

相手は私の敵、中には私の家族を殺した張本人がいる。

 

 

いつの間に私は黄色中隊を家族のような存在だと思いこんでいたのだ。

 

 

今回の事故を機に私は再び黄色の13に対する見方を改めることになった…。

 

 




今回も読んでいただきありがとうございます。次回にも続きますので楽しみにしてください。
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