黄色の13は一人ファーバンティへと向かった。
このまま見過ごすわけにはいかない!最期の勝負を見届けよう!
私はそう思い、酒場の娘、ジョン・ハーバードとともにプロペラ機に乗ってファーバンティに向かうため、空に飛翔した。
私たちはプロペラ機でファーバンティへと飛んでいた。
時々、遠雷のように爆発音が聞こえる。
ファーバンティからはまだ距離はあるが…。
相当激しい戦いを繰り広げているのだろう。
「ボウズたちは飛行機は初めてか?気持ち悪くなったら教えてくれ。」
ジョン・ハーバードが私たちを気遣ってくれた。
私たちが再び黄色の13に会いにいけるのは彼のおかげだ。私は彼に感謝していた。酒場の娘も何か申し訳なさそうな顔をしていた。
プロペラ機の周囲にはジョン・ハーバード率いる隊員たちが戦闘機で護衛していた。
「【MiG-29】でしっかりボウズたちを護衛してくれよぉ!これよりレーダーをできるだけ避けるため低空飛行する。」
「了解です隊長!任せといてください!」
プロペラ機の高度がどんどん下がっていく。
レーダーを避けるのは混戦しているため、誤射されるのを避けるためだろう。今やファーバンティは堅牢な対空兵器で守られている。
突然、アラートがなった。
「クソ!ミサイルだ!混戦してやがる!」
「任せといてください隊長!」
護衛機の一機がミサイルに体当たりした。
パイロットはギリギリで脱出していた。
突然の出来事に私と酒場の娘は驚きを隠せなかった。
「大丈夫だ。ヤツはISAFのイジェクトマスター並みの強運を持つ男だ。そう簡単には死なない。」
そう言って進路を南に向けて進んでいった。
なんとかファーバンティ空軍基地に着いた。
到着するや否や戦闘機が5機飛び立っていった。
私たちは黄色の13に会いたいという一心で機体からすぐに飛び降り、施設内に入った。
私たちは黄色の13を見つけた!
黄色の13は驚いた顔をしていた。
「お前たち…、なんでこんなところに?」
「隊長、ボウズたちがどーしてもあなたに会いたいと言っていたんです。」
ジョン・ハーバードが私たちがやってきた理由をすべて話した。
「俺の最期を見届けに来たわけだな…。」
やはり彼は死を覚悟していた。
「そんなこと言わないで!」
酒場の娘が叫ぶ。
「あなたは私にとって憎い敵兵の一人だったけど、本当はあなたのことが好きだったの!だからそんなこと言わないで!」
酒場の娘は黄色の13に抱きつきながら泣いていた。彼は彼女の頭をなでていた。
「娘は昔の黄色の4そっくりだ。俺もお前のことが好きだ。だが俺は行かなければならない。」
そう言って酒場の娘を体からそっと離した。
「少年、娘を任せた。俺が少年の人生を台無しにしたことを許してくれとは言わない。だが、この出来事があったからお前は俺に勝負を挑む強さを持つことができた。一人の人間として強くなって娘を守ってやってくれ。」
私は涙をこらえながら大きく頷いた。
すでにジャン・ルイ率いる新生黄色中隊はメビウス1がやってきたため、エルジア軍の最新鋭機に乗って出撃していた。
黄色の13がやって来た時、ジャン・ルイと黄色の13は半分喧嘩状態になっていた。だんだん喧嘩は大きくなっていき、ジャン・ルイがサバイバルナイフで攻撃する直前にメビウス1がやって来たため、なんとか大事にはならなかった。
無線からメビウス1がエルジア軍総司令部を陥落したとの情報が入る。
私はこの情報が入った直後、無線に釘づいていた。
《こちら【空中管制機スカイアイ】。敵総司令部の陥落を確認!やったぞメビウス1!これで終戦記念日確定だ!》
《メビウス1よりスカイアイへ。誕生日プレゼントをちゃんと届けたぜ。俺に感謝しろよ。》
《ありがとよ、と言いたいところだがレーダーに敵影を捉えた。黄色中隊だ!どうやらやつらは国の最期を見届けに来たようだ。しかも見たことのない機体に乗ってやがる。諜報部から聞いてはいたがX-02のことは本当だったようだ。メビウス1、やつらを落として終戦記念日を俺にプレゼントしてくれ!》
《メビウス1了解。黄色の13か?お前との勝負を楽しみにしてたぞ!》
《残念だったなリボン付きの死神!黄色の13はこの空にはいないぜ!》
《なに!》
《黄色の13の代わりに我らが隊長、ジャン・ルイが貴様を蜂の巣にしてくれるぜ!感謝しな!》
《全然嬉しくないな…。雑魚には用はない!》
私は無線を聞いて窓から夕焼けに染まる空を眺めた。
姿は見えないがさまざまな轟音が聴こえた。
黄色の13はすでに戦闘機に乗っており、滑走路で待機していた。
《ああ‼︎ジャン・ルイがやられた‼︎》
《落ち着けジーン!指揮を引き継げ!》
《バカな、X-02の性能を持っても歯が立たないだと!クソ、ミサイル!うわぁぁぁ‼︎》
《大切なのは機体性能よりもパイロットの技量だ、ってあんたたちの元隊長が教えてくれたぜ。》
メビウス1は実は黄色の13からさまざまなことを教えてもらっていた。
メビウス1が死神と呼ばれるようになったのは黄色の13の教えがあったからかもしれない。
《ちょ、ちょっと!みんな!いないのか!まさか俺だけ!》
《そのまさかだよ。》
《なぁ、リボン付き。俺を見逃してくれないか?あとであんたのいうこといくらでも聞くからよ。なぁ、頼む!俺は死にたくない!》
《ならばベイルアウトすればいいだろ!メビウス1、FOX2!》
《ちょっ、うわぁぁぁ‼︎》
《黄色の13の黄色中隊を汚しやがって!いくら俺でも許さない‼︎》 》
誇り高き黄色中隊がルーキー達によって変貌してしまったことはメビウス1や黄色の13にとっては許せないことだった。
メビウス1が容赦しないのも、黄色の13がルーキー達を嫌っていたのは無理もない。
《メビウス1、俺の声が聞こえるか?》
《その声は、黄色の13‼︎》
《まだ勝負は終わっていない。さっきまでの戦いでミサイルや燃料を消費しただろう。一旦補給しろ。それまで待ってやる。》
《わかった。あんたの勝負楽しみにしてるぜ。すべてのISAF軍に告ぐ。なにがあっても黄色の13を攻撃するな!スカイアイ、あとは任せた。》
《了解だメビウス1。すべてのISAF軍に告ぐ。黄色の13との交戦は不許可。繰り返す。黄色の13との交戦は不許可。》
いよいよ2人の決闘の時間が近づいてきた。
メビウス1が燃料補給するまでまだ時間がある。
私はどうにかしてファーバンティ市内に行こうと考えていた。
ひとまず酒場の娘を連れてジョン・ハーバードに頼んだ。
彼は私の考えを受け入れてくれたが、市内へ向かう交通手段がない。飛行機で行けば勝負の邪魔になるし、基地には車両すべてが航空整備用しかなく、その他は無線機のない一般車両だらけだった。無線機がなければ2人の様子がわからない。
その時だった。
1台の軍用車両が猛スピードで入ってきた。
しかもそれはISAF陸軍のエンブレムがついていた。
メビウス1の命令を無視して基地を占拠しに来たのかと思った。
だが予想はいい意味ではずれた。
中から黒焦げたパイロットスーツを着た男が出てきた。
「流石だな。強運だけはピカイチのようだ。」
「強運だけってなんですか‼︎もっといいとこあるでしょう、隊長!」
ファーバンティ空軍基地移動の時、戦闘機から脱出した男だった。
彼はISAFで有名な、よく戦闘機から脱出する男に似ていた。
そのため必ず生きて帰るというポリシーを持っており、ISAFから車両を盗み目的地へとやってきたのだ。
「交通手段はどうにかなるな。無線機もあることだし、ファーバンティ市内に向かおう。」
私たちは車両に乗りファーバンティ市内へと向かった。
この先に待っている勝負でなにが起きるのか。
私は期待と不安を感じていた…。
今回も読んでいただきありがとうございます。たまたまGWがあったため投稿できましたが、次はいつになるかはわかりません。二人の勝負をどうするかまだいろいろと悩んでいるためかなり時間を使うと思いますが、次回もよろしくお願いします!あと、用語集も時間があれば随時更新したいと思います!