十一話
学校が球技大会のおかげで午前中で終わった。
俺と凪は一度家に帰って準備をする。
「あ、母さん 今日武の家行ってくる。ちょっと帰り遅くなるかも」
「あら、そうなの?」
昼食を食べながら母さんにそう言うと母さんは頰にてを当てた。
「残念だな。今日はお前の兄弟子がくるんだが」
リボーンはそう言った
兄弟子?
「俺がここに来るまで教えてた生徒のことだぞ」
・・・兄弟子って、どんな人だろ?ちょっと気になるな・・・
そんなことを考えながら俺は今日の勉強会で必要な物を用意した。
「いやぁ〜野球の試合が近いんで勉強のことすっかり忘れてたわ〜サンキュ ツナ」
「テメェ 十代目に馴れ馴れしいんだよ!」
「そう硬いこと言うなって」
武は俺と隼人の間に入って肩を組んだ。
相変わらずだなぁ・・・
「ツナくんいつも悪りぃな、勉強見てもらって。今日もやってくんだろ?」
「はい、でも気にしないでください師範。いつも使わせてもらってるお礼ですから」
「そうかい。おっ、今日は沢山いるねぇ 今は客がいないからくつろいでくれ」
そう言われて座ったのは竹寿司の客席。
皆んなは数学の教科書とノートを出して勉強会の準備をする。
ただ、凪は教科書を持ってなくて笹川さんと一緒に使うことになった。
席は男子と女子に完全に別れた感じだ。
「そういえば隼人は教科書持ってるの?」
隼人は教科書も広げずに黙々とノートに数式を書いて行った。
「俺、教科書は持ち歩かないんです。教科書は全部“こっち“に入ってるんで。」
そう言って隼人は頭を指した。
「ツナ ここの問題ってどの公式使えば良いんだ?」
武は教科書の問題を突きながら俺に聞いた。
「あぁ、この問題はこの公式使うんだよ。そうすれば解けるはずだよ。」
「おっ!本当だ さすがだなツナ」
「別に、予習してきただけだから」
「ツナくん、ここの問題なんだけど・・・」
目の前に座る凪がノートの数式を見せて聞いてくる。
あぁ、あの問題か・・・
「ごめん、その問題はわかんなくてさ・・・隼人はわかる?」
何気なく隼人の方を向くと眼鏡を掛けて、後ろの長い髪をゴムで束ねて、真剣な形相だった。
「ん?あぁ、その問題でしたら・・・一回数式を展開して、まとめてから考えると、方程式が使えますよ」
・・・理論指導?・・・
俺の頭にはそんな単語が浮かんでいた。
「お役に立ちましたか?十代目 姐さん」
「うん、ありがとう隼人」
「ありがと」
すると、皆んなが顔を合わせて不思議そうにこちらを見てきた。
「獄寺が言ってる「十代目」とか「姐さん」とか、何なんだ?」
武は首を傾げて問うた。
「それはだな、俺は十代目の「右腕」としてファミリーに入ったからな。当然、十代目のご家族にはそれなりの礼儀を通さなきゃいけねぇからな。だから姐さんと呼ばせてもらってる。」
隼人はどこか誇らしげに語って聞かせた。
「それって、昨日リボーンくんが言ってたやつ?」
笹川さんも気になったのか聞いてくる。
「・・・十代目 リボーンさんがこいつらを勧誘したんですか?」
隼人は武の方を向きながら俺に聞いてくる。
「そうだけど」
そう言うと隼人は眼鏡とヘアゴムを外して武を指差して言った。
「おい!俺はお前を認めねぇ!勝負だ!」
どうしてだ。どうしてこうなった。俺は、武との打ち合いを見せて凪と隼人の機嫌をよくしたかっただけなのに。どうしてこうなったぁ!
そこに広がるのは広い空き地。
武は木刀を持ち、隼人はタバコを咥え臨戦態勢だ。
俺は両者の中間地点に立ち、どうしようもない気持ちで胸が一杯だった。
「さぁ!十代目 始めましょう!」
「ツナ いつでも良いぜ!」
隼人も武も試合が始まるのを今か今かと待っている。
「えー・・・じゃぁ、試合 開始!」
そう言った瞬間、武はすごい速さで突進しに行った。
しかし、隼人は焦った様子はなく武が目の前に来た瞬間に小さい何かを弾いた。
すると
「うわっ!?!?」
目の前を閃光が走る。
「これでも食らえ!果てろ!」
隼人は一つ、爆弾を投げた。
・・・はずなのに、爆発しない。
「何!?どう言うことだ!」
隼人も驚き、未だ閃光の中にいる武に問う。
「いやぁ、びっくりしたけど 殺気さへわかればさっきさこっちのもんだぜ!」
武は木刀を軽く弄んでもう一度隼人に突進する。
「くそっ!果てろ!」
隼人は次々に新しい爆弾を武に投げた。
しかし、武は木刀で爆弾を一刀両断して行った。
その技はまさに神業だった。
・・・まぁ、勝負ありか・・・
そう思った時、隼人がニヤリと笑った。
次の瞬間、武の周辺で爆弾が矢継ぎ早に起爆する。
「見たか!」
すごい、たった一日で戦い方ががらりと変わった。・・・まずい!?
爆風に耐えられなかったのか武の手から木刀が離れてしまった。
木刀は回転しながら凪や笹川さんがいる方へ向かって落ちていく。
まだ気付いていないのか、目の前で起きていることに、
「わぁ、すごい花火だね〜」
「う、うん!そうだね・・・」
「ちょっと!これまずいんじゃない!?」
と、黒川以外が変だと思っていない。(凪は、爆弾だと気付いているのでフォローに回っている)
「危ない!」
俺がそう叫ぶと、空中の木刀は何者かによって鞭で取られた。
俺は木刀の落下地点を見ると、そこには黒服を着た集団と、金髪でいかにも「外国人」と言う風体の青年が佇んでいた。
「・・・全く、日本のガキはすげぇな。こんな「お遊び」を堂々とできるんだからよ」
その言葉はよく響いた。おかげで、隼人も武も金髪の青年を見た。
「!あれは、跳ね馬のディーノ!?何で奴がここに!?」
隼人は驚き、咥えていたタバコを落とした。
「隼人 知ってるの?」
俺は隼人に問いかける。
「十代目・・・はい。奴は跳ね馬のディーノ。キャバッローネファミリーの「十代目ボス」で、リボーンさんの元教え子です」
その回答は俺を焦りを感じた。