灰色の大空に落ちる色   作:Minadukiyuuka

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目標No.6 簡単な勝負と天然なクラスメイト

六話

 

次の日のことだった。

その日も同じ日の繰り返しだと思った。

変わらなくて、つまらなくて、どうでもいい。そんな日だと思っていた。

なら、何でだろうな?

何で俺は竹刀を持ってここに立っているのだろ?

「沢田!京子をよくも誑かしてくれたな!その行、万死に値する!!」

 目の前にいる完全防備の剣道部主将の・・・モチ何とかさん

「俺は持田だ!!」

 考えていることにツッコミを入れるとは、凄い人だな。

「この俺と勝負して、勝った方が京子をもらい受ける。それでいいな?」

 持田先輩は竹刀を構えその剣先を俺に定めた。

「・・・いざ、勝負!!」

 

その日の朝のことだった。

 凪が起こしてくれたおかげで余裕を持って学校に行けた俺を一番最初に待ち受けていたのは、クラスメイトからの尋問だった。

 具体的には、俺と「写真の子」の関係。についてだった。

「お前!いつの間にあんな可愛い子とお近づきになったんだよ!」

「?何のこと?」

 俺がそう聞くと周りの連中は半ギレ状態になってしまった。

「お前!しらばっくれたってそうはいかないぞ!」

 そう言って俺に携帯の写メを見せて来た。

 そこに映るのは俺と凪だった。昨日、俺達が行ったデパートで見ていた奴がいたらしい。

「で、この子は誰なんだよ!?」

「まぁまぁその辺にしとけって、ツナも困ってるだろ?」

ナイス武!

「ツナだっていつか話してくれるだろ?」

おのれ武!

「ま、まぁ・・・そのうち・・・そうだ早く授業の準備をしなきゃ〜」

その日の一時間目は体育で、俺は話をうやむやにして授業へと向かった。

 今日の体育は普通に楽しかった。体は軽かったし、勘も冴えてたし、何でもできる気に

なってしまいそうだった。

まぁ、そんなわけはないんだけど・・・

 体育が終わって自分の席に戻ると机の中に一通の手紙が入っていた。

差出人不明だが、昼休みに校舎裏に来て欲しい。と書かれていた。

 

 指示通り、昼休みに校舎裏に行くとそこには「笹川 京子」がいた。

「・・・これって笹川さんの?」

 俺は笹川さんに手紙を見せるとコクっと頷いた。

「ごめんね 急に呼び出しちゃって。」

「別に良いんだけど、用って何?」

 笹川さんはモジモジしながら俺に聞いて来た。

「えっと・・・沢田くんって誰かと付き合ってるの?」

「別に、誰とも付き合ってないけど・・・」

 俺がそう言うと笹川さんは花が咲いた様に笑った。

「そ、そうなんだ!」

 

しかし、その行動がまたもや波紋をよんだ。今度はクラスじゃない。学校で噂になったの

だ。

学校のアイドル、笹川京子が同じクラスの沢田綱吉を昼休みに校舎裏に呼んだ。と言う事

象が尾を引いて、笹川さんが俺に告白したけど俺がそれを断った。みたいな話になってしま

ったらしい。その噂が俺の耳に入って来た頃にはもう手遅れだった。

 放課後になると廊下には沢山の男子がクラスの男子を敵でも見るかの様な目で睨みつけ

ていた。教室から出ようとした生徒を片っ端から名前を言わせて検問の真似事をしていた。

「なぁツナ」

「何だよ 武」

 あの人数の男に睨まれるとあまり教室を出たくない。それを察したのか武が話しかけて来たのだ。

「お前何したんだよ?あんだけの人数怒らせて」

「あぁ、実は・・・」

 俺は武に事情を大雑把に話す。

 

「・・・ドンマイ」

 それが唯一、武から言われた言葉だった。

「それがピンチになった親友にかける言葉かよ?」

 俺たちが教室内で一悶着やっていると、廊下から声が響いた。

「沢田というのはどこのどいつだ!?俺の京子を誑かしやがって!ただじゃ済まさないぞ!!」

 その大声の主は竹刀を持ったいかにも、な人だった。

確か、剣道部主将のもち、持、餅・・・モチ何とかさんで良いや。

 モチ何とかさんの大声は検問をより強固なものにした。

 しかし教室内の女子がヒソヒソと小言を伝言している様だった。話の内容は・・・

「私、別に先輩と付き合ってないです!委員会が同じだけなんです!」

 そう言ったのは、話の中心人物の笹川さんだった。

 廊下に向けて言ったその言葉はモチ何とかさんの信用を地に落とす物だった。

 どうやら、あのモチ何とかさんは「自分はあの笹川京子と付き合っている」という噂を流していた様だ。

 その事実が露見すると女子はモチ何とかさんから数歩引いた。そして、モチ何とかさんは・・・言うまでもない・・・

「っ!?!?・・・は、早く沢田を出せ!!何処だ!早く出て来い!」

と喚き散らした。

全く・・・勘弁して欲しい。今日の朝アイツに言われたんだよなぁ・・・

「今日こそは授業をするぞ 六間が終わったら飛んで帰って来い。俺がみっちりしごいてやる・・・もしも遅れたら、埋める」

 アイツが癇癪起こす前に早く帰らねぇと・・・

「ツナ さっさと行って来い!」

 そう言って首根っこを掴まれた俺は凄い力で投げ飛ばされ、ドアの前に俺はいた。

「!?さ、沢田が空から降って来た!?」

「沢田が来たぞ!!」

「早く道を開けろ!!」

「・・・あの冷たい目、ス・テ・キ・・・

 クラスメイトは好き好きに言葉を・・・おい待て。最後の誰だ!?最後の男は誰だ!?!?

 俺が心の中でクラスメイトに集中しているとスッと俺に影が覆いかぶさる。

「お前が沢田だな?」

 モチ何とかさんが俺を見下ろして問いかける。口元は釣り上がり遠目で見るより下卑た人だな、とか思っていると・・・

「よし!連れて行け!!」

・・・恨まず、リボーン・・・

 俺は廊下に居た大量の男に連行されて行った。

 

「沢田、俺はお前がどう生きようが、何をしようが、どうでも良い。お前の様な人間、俺には関係ないからな・・・だが、お前は超えては行けない領域に足を踏み込んだ!俺の女に手を出してただで済むと思うなよ!!」

 モチ何とかさんの声は体育館によく響いた。て言うか、本人に否定されたのに設定を突き通すつもりらしい。

 何も知らない女子からはその姿が格好よく見えたみたいで、

「キャ〜!先輩 カッコイイ!!」

「あんな男倒しちゃえー!!」

「女の敵。許すまじ・・・」

「冷めた目をした少年が不器用な青年に絆されていく・・・滾ってきたー!!」

 女子は女子で俺を絶対悪みたいな風に言って・・・おい待て。最後の誰だ!?最後の女子は誰だ!?!?

 俺は心の中で貞操の危機に怯えていると目の前に竹刀が置かれていた。

「さぁ、剣を持て!俺の女に手を出した罪、ここで償ってもらう!!」

「構え!」

 審判は白旗と赤旗を持ち、俺とモチ何とかさんの間に立った。

「この俺と勝負して、勝った方が京子をもらい受ける。それでいいな?」

 俺の返事を前にその試合は始まりを告げた。

「始!!」

 竹刀は俺がいつも振っている奴の半分くらいの重さだった。

 俺が竹刀を普通に構えるとモチ何とかさんの顔には驚愕が張り付いた。

「おい!沢田には特別性の竹刀を渡せと言っただろ!」

 モチ何とかさんがそう言うと審判はあたふたとし始め、こう言った。

「い、言われた通りに特別性の「五キロ竹刀」を沢田には渡しました!」

 二人が言い争っていたので俺は「五キロの竹刀」をモチ何とかさんの脳天目掛けて振り下ろすと彼は防ぐこともせずにその攻撃を直で喰らった。

 すると、モチ何とかさんは崩れ落ちて口から泡を拭いて気絶した。

・・・呆気ない結末だった。武とやった方がまだマシだった

 

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