八話
「復・活《リ・ボーン》!!!!死ぬ気で約束を守る!!!!」
あれ?体が、熱い?
俺はあの時、リボーンに打たれた時に、確かに死んだはずだった。なのに、この体は言うことを聞かずに勝手に動く。体のリミッターが外れたかの様に筋肉はしなやかに、バネの様に、鋼鉄の様に変化していく。
地に落ちた俺の体は着地した瞬間にもう一度宙へと押し戻される。そして、ただ一つ残った火の着いた爆弾を消火する。
「なに!?」
不良野郎は驚きのあまり咥えていたタバコをポトリと落とした。
「くそ!!」
アイツは慌ててタバコとライターを出した。
でも、俺は間髪入れずに不良野郎へと飛びかかる。
「ウォォォ!!!!死ぬ気で約束を守る!!!!」
・・・約束・・・凪と交わした、勝って絶対に生きて帰ると言う約束。誰一人として死ぬ事なく。
アイツは俺から距離を置き、再び爆弾に火を着けた。
「二倍ボム、果てろ!!」
先程と同質量くらいの爆弾を宙にばら撒いた。しかし、その爆弾が起爆することはない。
俺は宙にばら撒かれた爆弾を次々と手刀で消して行く。
それを見てアイツはなにを思ったのか、両手で抱え切れないほどの爆弾と、口一杯に咥えた火の着いたタバコ。
「これで終いだ!三倍ボ、し、しまった・・・!?」
未来は簡単に想像がついた。
足元に落ちた大量の爆弾。数個にはすでに火が着いている。もしも起爆すれば、火の着いていない爆弾まで誘発されて、俺とアイツは死ぬ。もちろん、逃げなければの話だ。
なのに、アイツはその場所から一歩も動こうとしない。
「・・・俺もここで、ジ・エンドか・・・」
俺は勝負に勝ち、アイツは死ぬ。
アイツがこのままなにもしなければ、後数十秒もすれば死体が転がることになる。
俺も早く避難しないと危ない。・・・なのに、体は言う事を聞いてくれない。まるで本能が訴えかけている様だ。
アイツを救え。と・・・
俺はいつ起爆するかもわからない爆弾を次々に消していく。
最後の火を消した時、先程まで内に有り余っていた力が何処かへ消えていく。
我に帰って自分の姿を見れば、それは公然わいせつ罪で捕まるレベルの格好だった。
でもこの時は気にならなかった。
何より、アイツがそんな暇を与えてくれなかった。
「す、すげぇ!俺、間違ってました!俺なんかじゃない、十代目に相応しいのは貴方だ!」
どう言うことだ?まるでさっきとは態度が違う。
「良かったなツナ とりあえず、これでも着てろ」
リボーンはいつからそこに居たのか、自然と話に入ってきて制服の予備をくれた。
「申し遅れました。俺 獄寺隼人って言います。十代目 俺、同年代の日本人がボンゴレのボス候補だって聞いてどうしても実力を試してみたかったんです・・・どうか、俺を貴方のファミリーに入れてください!」
「これでファミリー 1人目だな」
話がどんどん過ぎていくが、一つだけ・・・聞かなきゃいけないことがある。
「ねぇ・・・どうして最後諦めたの?」
この答えで、この男を仲間にするかどうかを決める。じゃなきゃ、ファミリーが、崩壊する。
「それは・・・ここが、散り際だと思ったからです」
そうか、なら・・・
「君を俺のファミリーに入れるわけにはいかない」
「?」
「ど、どうしてですか!?十代目!?」
俺は、頭に血が上ってきた。散り際って何だよ?そんな簡単なことじゃないだろ?命って。
「・・・リボーン帰るぞ」
俺は何も答えずに踵を返して帰路につく。
「指図すんじゃねぇ」
リボーンは小走りで追ってくる。そして、彼・・・獄寺隼人にアドバイスをした。
「・・・獄寺、街に行け。シャマルが来てるはずだ」
それだけ言うともう一度小走りで俺に飛び乗る。
「お前、わかってんじゃねぇか あの答えじゃ、ファミリーには入れられねぇな」
学校の校舎裏には、佇む獄寺と爆破跡だけが残った。
「ただいま〜」
疲れのあまり、変な風に間延びしてしまう。
リビングでガタッと音がしたと思ったら凪が勢いよく飛び出してきた。そして、
「ツナくん!」
俺の名を呼ぶ声に惹かれて顔をあげれば、凪は俺にタックル気味に突進してきた。でも、彼女は自然と胸に納まった。俺のことを心配してくれたのだろう、目元に涙が浮かんでいた。
「心配、したんだよ?あんな危険な人と戦って、もしもの事があったら・・・私」
俺は凪の頭を撫でてあげる。少しでも安心できる様に。
「ごめん。でも、ちゃんと約束守ったよ」
「あら〜♡2人ともイチャついちゃって♡もっとイチャつきなさい!」
・・・横槍が入った。
「何言ってんの母さん?」
凪は自分がした事、自分がされている事に気付いたのかバッと俺から離れる。
「・・・」
凪は下を向いたまま二階に行ってしまった。
「あら?少しからかい過ぎたかしら?」
母さんは頰に手を当てて考え込む。
「もう少し放っておくべきだったかしら?」
何言ってんの母さん?
「家庭内恋愛って良いわよね〜」
何言ってんの母さん!?
俺は内心で母さんにツッコミを入れて上に行こうとする。
そう言えば・・・
「母さん ケーキあるんでしょ?」
「あら?リボーンくんに聞いたの?大丈夫、ちゃんと取ってあるわよ」
今までは、母さんがケーキを焼いてくれたりしても食べることなんてなかった。でも、何でだろうな。凪が来てから家族の溝が埋まった様な気がする。
俺は冷蔵庫からラップのかかったケーキを取り出して食べる。
「うん。うまい」
久々に言ったな。
すると母さんが、なぜだか知らないが泣き出した。
「!?どうしたんだよ!?」
「つ、ツーっ君がうまいって、五年振りに言ったのよ!何を食べても美味しいも、不味いも言わなかったツーっ君が、うまいって!今日はお赤飯ね!!」
この後、母さんと一悶着あったが何とかお赤飯は無しにした。