本編へどうぞ。
~~クリス回想~~
あたし以外の奴等がどんどんイグナイトを制御していく。なのにあたしは未だに踏ん切りがつかねえ。
「情けねえなあたしは。響や未来はキャロルの奴と対峙して退けた。マリアは一人でガリィって人形をぶっ飛ばした。後輩共さえも敵を倒した。先輩は勇がついてるとはいえ必ず倒せるだろうな。そう考えると何もしてないのはあたしだけだな。」
あたしの中に焦りが生まれる。成果のないあたしに誇れる物が残っていない。勇が側にいないことは以前もあったが、今回はあたし達とキャロルの戦いだ。勇とあたしが結ばれる為には、絶対にアイツをぶっ飛ばさねえといけねえ。だけどあたしにその力が今はない。
~~クリス回想終了~~
~~勇side~~
翼さんがファラさんを撃退した後に僕達は本部へ帰投した。今のキャロルは〈ヤンドラ・サルヴァスパ〉を狙わないから、僕達も〈深淵の竜宮〉には向かわない。だけど風鳴邸の戦いの間にミカちゃんが、調ちゃん達と交戦して、二人はイグナイトを使いこなしたらしい。
「残るは姉さんだけか。レイアさんは一体どこで勝負を仕掛けるんだろう?」
「では旦那様より派手に指示をいただけますか?私はいつでも構いません。確実に任務を果たして見せます。」
どうやらレイアさんもステルス機能が搭載されていたようだ。本人のイメージからは意外だったけど。
「なら僕が状況をセッティングするからさ。その時にお願い出来る?合言葉は〈最後の自動人形〉ってことでどうかな?」
「旦那様の意思は、我々にとっては最優先で尊重されるものとなります。なので派手にその言葉に従います。」
「ありがとうレイアさん。派手な活躍を期待しているよ?」
「仰せのままに。旦那様。」
そう言ってレイアさんは再び景色に溶け込んだ。今の彼女は地味な仕事も黙ってこなしてくれるから僕も助かるよ。
~~翌朝~~
「ではこれより再編したチームを発表する」
司令室に集められた僕達(あと透明化したレイアさん)は、
○僕・響・未来・姉さんのチーム。
○マリアさん・翼さんのペア。
○調ちゃん・切歌ちゃんのペア
に分けられた。チーム分けの進言をしたのは僕だけど。すると姉さんの体が震えていた。
「オッサン!これはどういう意味だよ!あたしがお荷物だって言いてえのかよ!」
姉さんの悲痛な叫びが本部に木霊した。
「今のクリスの精神状態ではイグナイトは制御できない。故に私が訓練の組み合わせを編成した。異論があるか?クリス。」
フィーネさんの言葉には怒気が込もっていた。
「~~~くそっ!」
姉さんは司令室を飛び出して行った。
「待ってよクリスちゃん!」
「義姉さん!一人だと危ない!」
響と未来もあわてて姉さんを追いかけた。僕も皆を追いかけるように部屋を出てレイアさんと密談した。
「決めたよレイアさん。響と未来を僕達全員が揃った時に襲撃して欲しい。今の姉さんは責任感で動いている。だから自分で全てを背負い込もうとするからさ。その時に僕が姉さんを焚き付ける。」
「仰せのままに。派手な花火をあげましょう。」
そう言って僕もレイアさんと別れた。そしてしばらく三人を探していると叫び声が聞こえた。
「なんであたしが守られなきゃいけねえんだよ!あたしはお前達の姉貴分なんだよ!あたしが守らなきゃいけねえんだよ!」
「何でも一人で抱え込まないでよクリスちゃん!クリスちゃんの無茶を私達は黙って見ていることなんてできないよ!私達だってクリスちゃんを支えたいの!」
「響の言う通りです。今の義姉さんは義姉さんらしくありません。まるで自暴自棄です。そんな人を見捨てられる程私達は薄情なつもりはありません。例えそれが同じ男性に恋をした間柄でも関係ありません。私達はそんな簡単な関係じゃあありませんから!」
そう言って響と未来は姉さんをビンタして、姉さんは殴り返した。
「三人とも!このまま仲間割れを続けてたら〈最後の自動人形〉であるレイアさんに勝つなんて無理だよ!冷静になりなよ!」
僕の合言葉を聞いたレイアさんが、このタイミングで襲撃してきた。
「仲間割れか………地味に好都合だ。邪魔者を排除してテストを終わらせるか。そしてマスターに報告するとしよう。最後の一人は見込み違いだったとな。」
レイアさんの目は失望といったモノになっていた。そしてアルカ・ノイズが召喚された。
「未来!クリスちゃんを守らなきゃ!」
「響!背中は任せるから義姉さんを守り通すよ!」
二人はそう言ってノイズを殲滅してレイアさんに戦いを挑んだ。だけどレイアさんに宿った力〈ザフキエル〉は時間の天使だ。そして本人は接近戦ではトンファーを愛用して、遠距離はコインの射出と、天使がなくとも能力が高い。二人は徐々に追い詰められてきた。
「未来………この人………接近戦も強い………」
「響………弱音を吐いたらダメ………義姉さんを守らなきゃ………」
二人は慣れない防衛戦に苦戦を強いられ、ギアが纏えない姉さんはどんどん絶望していた。
「やめてくれよ………あたしの守りたいものを傷つけないでくれよ………もうあたしから奪わないでくれよ………」
響達得意の接近戦はトンファーというリーチから思うように決定打が当てられず、ついには巨大化したコインに挟まれて二人は倒れた。
「あぁ…………響………未来………あたしの所為で…………」
姉さんの声は力がなかった。正直僕だって見ていられない。だから声をかけることにした。
「姉さん。なんで二人が姉さんを守っていたかわかる?」
「あたしを守る理由……?足手まといだからじゃあねえのかよ………。」
「いいや違うね。二人共姉さんが大好きなんだよ。大好きな姉さんを守りたいから代わりにレイアさんと戦っていた。イグナイトを使わないのは、暴走した時に姉さんを巻き込まない為だよ。僕が間に合わなかったら、本当に助けられなくなるからね。」
「未来はとにかく、響までそんなことを………なのにあたしは………」
「姉さんはどうしたいの?」
「どう………か。あたしは守りたい。もう大切なモノを失わない為に。今回は勇との関係が変わることが怖かった。何処か遠くに行ってしまう気がしてた。だから皆は勇を離さない為に努力していたし、それが眩しかった。」
「なら………姉さんもそうすれば良いんじゃあないかな?」
「だけどあたしはアイツにボロ負けしたし!アイツが怖くて仕方ねえ。本当にどうかしてしまったんだ!」
僕は姉さんの右頬をひっぱたいた。
「あぅ!勇!お前何しやがる!」
「姉さんはさ。三度目の響との戦闘のことを覚えてる?」
「ああ。響に初めてイチイバルを使った戦闘だったな。」
「実はあの時僕も居合わせてたんだ。姉さんの雰囲気に怯えて隠れていたけどね。」
「それがどうしたんだよ!ていうかいたなら出て来いよ!そしたら全員揃ったじゃあねえか!!」
「あはは………それはごめん。だけど姉さん。あの時の気持ちを思い出して欲しい。僕と再会したい一心だったあの時の強い気持ちがあれば、姉さんは呪いすら制御出来る。僕達はそれを知っているから。でももしそれでも立てないなら、僕がキャロルを説得するよ。彼女が最後の自動人形だけど何とかするよ。それが僕のケジメだから。」
「なに一人で話進めてんだよ………。あたしが立てないって決めつけやがって。生意気なんだよ弟の癖に。」
口は悪いが姉さんの目に力が戻った。後は呪いに打ち勝つだけだな。
「皆すまねえ!!!!あたしが迷ってた!!!!だがあたしはもう迷わねえ!!!!必ず立ち上がる!!!!だから見てろ!!あたしの姿を!!!!」
そう言って姉さんはイチイバルを纏ってレイアさんの前に立った。
〈クリス は 立ち上がった!〉
やったね!これで呪われた旋律が揃うよ!
キャ 「本当に必要な物だったか?」
ん???まさか?えっキャロルちゃん嘘だよね?
キャ 「答えはいずれ示される!
次回は〈抜剣!イグナイトモジュール⑤〉だ!
読者の皆様は更新を楽しみにして欲しい!」
ちょっとキャロルちゃんそれ僕のセリフ!
キャ「少し黙るが良い!作者ぁ!」
(作者は分解されてしまった!)
一話の長さはどちらの方が好きですか?
-
一話を濃密にして話数を少なく
-
このまま切りの良い範囲で
-
どちらでも良し