~~キャロルとの戦いから三日後の司令室~~
「というわけでキャロル君達も無事に俺達〈SONG〉に合流してくれることになった。皆よろしくするんだぞ!」
司令の元気な声が部屋に響いた。
「ふん!そういう訳でオレ達もこちらで厄介することにしたのでな。よろしく頼むぞ泥棒猫共。」
訂正。一触即発だった。
「キャロルちゃん!私達はお互いに勇君の魅力に惹かれた者同士だもんね!仲良くしようね!正妻戦争から敗れたキャロルちゃんは私達を助けてくれるもんね!」
「立花の言う通りだな。私達は同じ人物に惚れた身だ。良き仲間になれるだろうな。だが立場は弁えて貰おう。」
「これでてめえが義妹になる未来はなくなった。あたし達の方が立場は上だぜ?」
「キャロルは仲間。それは良いことだけど」
「あたし達の方が偉いのデス!」
「はいはい。皆キャロルをいじめないの。傷口に塩を塗るなんて可哀想でしょう?」
「いえいえマリアさん甘いですよ?私は九年の想いが奪われるところでしたから、まだ足りないと思いますよ?」
装者一同が盛大にキャロルを挑発した。そうだよね。皆キャロルに勝ったと思っているもんね。
「?七人がかり且つ勇の情けで立ち上がらせてもらった、負け犬集まりではなかったのか?まぐれの過信と妄想癖は正直見苦しいぞ?」
キャロルの涼しい表情は崩れない。なんならドヤ顔だった。
「いや、まだ紹介の途中なんだが………」
司令の申し訳なさそうな声がして、全員言葉が止まった。そして更に別の人物が司令室に入って来た。
「おお!やっぱり皆揃っているゾ!チビ二人もいるし、他の奴等も戦えるのが楽しみだゾ!」
「ミカ!生きていたの!?」
「あたし達があの時間違いなく倒したはずデス!」
「久しぶりねマリア・カデンツァヴナ・イヴ。良い顔してるじゃない。ガリィちゃんの目はやっぱり狂ってなかったわね。」
「ガリィ!?貴女がどうして!?」
「派手な戦いだった。我々も良いモノを見せてもらったぞ。」
「レイア!お前生きていたのか!あの時確実に倒した手応えがあったぞ!」
「ごきげんよう翼さん。貴女も成長してるようで次の手合わせが楽しみだわ。」
「なんと!ファラも生きていたのか!」
やっぱり皆〈自動人形〉が再び現れたことに驚きが隠せなかったようだ。すると司令は咳払いして話を進めた。
「そうだ。キャロル君配下の彼女達も俺達の仲間になってくれたのだ。心強いことだな!」
「だが!オッサン!こいつらは町の破壊を強行したんだぞ!大丈夫なのかよ!」
「ふん!心配は要らんぞ義姉よ。オレか勇かレイアが戦闘翌日には該当エリアの修復を行っている。司令室にも報告が届いているだろう?」
「ああ。戦闘日の前日に該当エリアに避難勧告が出され付近の住人は前後三日避難していたし、戦闘日翌日には付近は元通りだったそうだ。故に今まで報告していなかったのもあるがな。」
そう。僕達は該当日の前後で付近の人払いと復元を抜かりなく行っていた。勿論ガヴリエルみたいな天使も使ったけど、実際は比較的スムーズに終わっていた。
「ザフキエルの〈四の弾〉ね。あの力ならそれが可能だわ。」
「その通りだ。故に何も問題は行っていなかっただろう?」
再び司令が咳払いをして話を戻した。
「そういう訳だ!皆これからも頼むぞ!」
「ああそれと、ファラ達がお前らと戦う時は、
〈ダイン=スレイフ〉の旋律と霊力の計測の為に性能が落ちていたのでな。本来の力はまだ出しきれていなかったぞ?」
「嘘!」
「まだ全力じゃなかったのデスか!一体どこまでトンデモなのデスか!」
当然こういう反応もあるよね。
「故に研鑽しろよ小娘共。オレ達は常に勇の側にいる努力を怠らんからな?」
「聞いたかお前ら!まだあたし達は強くなれる!まだまだ上を目指せるんだ!これからも負けられないぞ!」
「そうだね!頑張ろう!」
「まだまだ私達は強くなれる!そして勇にまとわりつく邪魔者を倒せる!そうすれば勇と………」
「調!聞いたデスか!」
「うん。切ちゃん。私達も頑張ろう!」
「まだ私達は終われない!あの時の奇跡を私の手に納めてみせる!」
「やることが増えちゃったなぁ。でも、うん!私も頑張ろう!」
こうして響達は新たな目的をもって訓練に臨めるようになり、更に新しい相手と巡りあえた。彼女達はこれからも強くなるだろう。
~~キャロル合流から一週間後の司令室~~
キャロル達が合流を果たしたことで、エルもキャロルと再会ができた。ついでにシャトーはフロンティアに現在は置いてあり、司令室・僕達の家・シャトーには、それぞれに対応した転移の陣が組み込まれた。これに伴い、僕達の家もそれぞれ改装された。付近の敷地をまるごと買い上げ、敷地が今までの三倍になった。出入りの人数を考えたらある意味当然だよね。
「なんと!お家が広くなったのデス!これで秘密基地が作れるのデス!」
「修練の環境を整え易くなったのは喜ばしいことだ。これで私はもっと強くなって害虫を退治できる。」
「うーん……勇君を押し倒せる私だけの部屋を確保しないと……。」
「食料庫の充実はやっぱり必要だよね!どこにしようかな!」
「秘密道具の収納場所がようやく確保できる!これでもっと機会をうかがえる!」
「モニタールームの充実と機材の調達をしないと……。私達のアドバンテージをいかさなきゃ。」
「やっとパパとママの仏壇を静かなところに置ける。今まで騒がしすぎてごめんなさい。」
なんだろう。まともなことに使いそうなメンバーが少ない。姉さんと響、かろうじて調ちゃんぐらいかな?まともなことを言ってるの。
「私の研究所の二号室か。確かにここなら鮮度の良いデータがとれて、解析までのロスタイムも少なくて済むな。良い場所だな勇?」
当然装者以外も利用しますよ。
「ええ。ようやく始まりますねフィーネさん。ああそれと、後でシャトーに来て貰えませんか?キャロルから話があるそうですよ?」
「ディーンハイムから小娘共ではなく私に話か………。わかった。このバカ共の教育が終わったら向かうとしよう。」
「頼みますね。あと僕も同行だそうなので、出発の時には呼んでください。」
「わかった。しかし今更なんの用事だ?検討がつかんぞ?」
フィーネさんはそう言いながらも姉さん達の教育を始めた。当然だけど、切歌ちゃんと未来とマリアさんの案は後回しになり、響・調ちゃん・姉さんの意見は優先され、翼さんの件は自己努力なら許可された。ある意味一番厳しいね。
「さて、僕もプライバシーを確保できる空間の確保にとりかかりますか。」
実は自宅では安眠をあまりできていない。姉さんや未来、マリアさんに狙われているから、自宅の方が割と油断できない。
「だから熟睡したい時はフィーネさん達監視の本部か、六喰さんみたいに宇宙空間で寝てたんだよなぁ。本当に長かった。」
でもハジメテをキャロルにあげられたのは嬉しかった。だって僕の前世からの初恋だったしね!キャロルも喜んでくれたから僕は幸せだな。
「そう言えばファラさん達も交代でこっちに来てくれるから、色々助かるな。ミカちゃんだけは一人だと心配だけど護衛ならある意味最強だしね。」
「勇!小娘共への説教は済んだぞ!ディーンハイムを待たせる前に行くぞ!」
僕はフィーネさんに呼ばれてシャトーに向かった。でもシャトーに到着したフィーネさんに不幸が襲いかかるなんて、この時は僕も含めて呼ばれてたメンバーはまだ知らなかったんだよなぁ。
さて……フィーネさんにもたらされた不幸とは一体なんだというのだろうか?その答えは番外編にて記されますので、興味のある方はそちらもお願いします。
次回〈ネタばらし……そして精霊同盟の締結〉です。ついに最強の妹が爆弾を落とします。
更新をお待ちください。
神咲さんとのコラボ章開始は日曜日からです!
〈錬金術師と心火を燃やしてみよっか?〉
https://syosetu.org/novel/222283/
です。開始前までに読んでいただけたら、より内容を楽しんでいただけると思いますので、よろしければお願いします。
一話の長さはどちらの方が好きですか?
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どちらでも良し