今日から二日間、一日二話ずつの合計四話投稿します。
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皆様ありがとうございます、
それでは、本編をどうぞ。
あれからまたさらに1年半が過ぎた。つまり僕が結社に身を寄せて5年が経過していた。
師匠たちのおかげで僕自身、精神面で大きく成長できた。おそらく前世の時よりも、今の方が達観してるとさえ感じてしまう。
練金術の訓練を重ね、師匠たちからの課題をこなし続けられたのは、僕自身の成長というよりも、常に励まし・叱り・誉め・教え続けてもらえたからなのだから。
その甲斐があって、師匠の得意技の一つである、
〈ミリアドスフィア〉を、キューブ体で構成することができた。そして、「今の君ならば、その技は実戦レベルで使えるだろう。誇ると良い」と言ってもらえた。
更に、僕の技を〈ミリアドキューブ〉と、自身の技名を捩ってまでつけてくれたのだ。
師匠からその言葉を聞いた時、僕は涙が溢れて止まらなかった。人に認められることがこんなにうれしいのはいつ以来だろう。ここまで頑張ってきて良かった。
そんな今だからこそ、師匠たちから告げれた提案は、僕にはとても衝撃的なものだった。
「少し良いかしら勇?結社の、そして今後のわたしたちに関することで大事な話があるわ」
「今後に関わる大事な話ですか?」
なんだろう。師匠のあの覚悟を決めたような・悲しみを抱いたような目は。
あんな顔の師匠は見たことがない。
そして僕は同時に、とても重要な何かを見落とし続けている気もしていた。
「ええ。でもその前に勇にも確認しなければならないことがあるわ」
そして師匠は続けてた。
「勇は、この組織の中で今どんなポジションにいるか理解しているかしら?」
驚いた。質問の内容からして、今の僕の立場を、僕自身がどう思っているかを、師匠は聞いてきたのだ。
確かに考えたことはなかった。嘗ての同期よりもいっそう厳しい指導を受けていた僕は、皆よりも実力が突出し始めるにつれ、距離を置かれるような気がしていた。
「アイツは俺たちと住む世界が違う」と恐れられていた。
「師匠たち直属の隠れた第4の幹部。悪い意味で陰ではそう呼ばれている。そう思います」
これが僕の正直な気持ちだ。劣り過ぎた人間や、突出した力を持つ人間は他者から疎まれる。僕自身は、努力の成果と感じていても、周りは納得しないことなどがあるのが組織なんだから。
「その通りよ勇。だからこそ、わたしたちは勇に伝えたい、ことがあるの」
空気が変わった。一体どんな言葉を続けるんですか?
「プレラーティに頼んでいた、ある提携先の錬金術師のもとに、あなたに常駐してもらいたいの」
提携先への常駐か確かにな。
結社側は相手への恩売りと、ある意味での厄介払いができる。
相手は、優れた練金術師を確保できる。
双方のメリットはとれてるな。なら僕はその期待に応えたい。
「わかりました。あとで資料を頂けますか?」
「その必要はないわ。常駐先は〈チフォージュ・シャトー〉で、相手の名前は、〈キャロル・マールス・ディーンハイム〉あなたのよく知る人物でしょう?」
その名前を聞いた時、僕は頭が真っ白になり、
「出発は1ヶ月後よ。よろしくね」
師匠の最後の言葉が聞こえなかった。
本日も、昨日と同様に0時に投稿します。
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