マジで……この世界⁉️   作:タク-F

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目の前に現れた二人の存在が勇の心を揺さぶる。彼女達の言葉を聞いた勇が感じたモノとは?

本編へどうぞ。


敵の目的を聞いてみよっか?

僕の前に現れた奏さんと凛祢が、僕に協力を要請してきた。そして僕にこの世界の事を説明する……と。

 

「まずはアタシから説明するぜ?勇が出会った仮面ライダーブラッドの正体は平行世界の〈櫻井 了子〉さん。……つまりフィーネだ。」

 

〈櫻井 了子〉……その正体は先史文明より現代まで生き続けた当時の巫女〈フィーネ〉。転生システムである〈リイン・カーネーション〉を用いて各々の時代の転換期において影で暗躍し、文明や技術の発展に貢献した人物だ。そして〈ルナ・アタック〉と呼ばれた月の破壊をもって人々を〈バラルの呪詛〉から解放しようとした人物だ。だけど僕達の世界の彼女は既にその想いに一区切りをつけた。………なのに今更何故僕の力を?

 

「その顔なら了子さんが何をしたかわかってるみたいだな。なら続けるぜ?異世界の了子さんは更に〈白黄 七海〉の世界から、〈ビルドドライバー〉と〈ハザードトリガー〉を奪い取ったんだ。そしてこの世界にたどり着いた。」

 

すると今度は凛祢が語り出した。

 

「そして私の持っていた〈コブラロストフルボトル〉と〈グレートクローズドラゴン〉が共鳴した事で、私と彼女は出会えたんだよ?」

 

確かに映画での仮面ライダーブラッドの変身道具は、〈ビルドドライバー〉・〈ハザードトリガー〉・〈コブラロストフルボトル〉・〈グレートクローズドラゴン〉の四点だった。

 

「そしてこのフィーネの世界ではね………。人々は彼女に色々な願いを押し付け始めたの。フィーネには先史文明からの膨大な知識があった。だから全ての人々が幸福な世界を目指した。そしてフィーネ自身もその願いを叶えたいと思ったし、その為には時間が必要になった。だからフィーネは自分自身を不老不死にして研究への時間を強引に確保したんだよ。」

 

凛祢が最後に言葉を暗くさせると、今度は奏さんが語り始めた。

 

「だけど人間ってのは変化に弱い生き物なんだよ。急速に発展しすぎた文明ってのは、とてもじゃあないが手に負えないものだ。そしてそんな文明にすがりついた人類に待っていたのは只の破滅だ。だけど了子さんには既に人間への関心よりも研究への想いが勝っていた。だから正直人類の破滅なんて興味なしだったよ。なんならその時すら研究所に引きこもっていたぐらいだからな。」

 

「それがブラッド……フィーネさんの目的……なんでそこまで……。」

 

本当にわからない。なんでフィーネさんは人々の為にそこまで……自分の事を投げ捨ててまで………。

 

「さあね。それはアタシ達にはわからないし、正直なところ興味はない。だから勇が自分で聞けば良いんだぜ?」

 

「私達に協力してくれたら彼女にも会えるよ?私達の願いは同じだからね。」

 

「フィーネさんと凛祢の願いが〈同じ〉?……それは一体……?」

 

驚いている僕に凛祢は、〈しまった〉という顔をしながら説明を再開した。

 

「ごめんね勇。私の願いもね……みんなが幸せに暮らす事なの。私もね……誰かが悲しむ事や苦しむ事、怒る事や泣く事が耐えられないの。だけどね……世界は一つじゃあなかったの。だったら私は何度でもやり直せる!私は一つ一つの世界を幸せに包む。どれだけの時間がかかったとしても必ずなし遂げる!その為に頑張ったし、フィーネ……いや、今は〈享楽の巫女〉を名乗っていたね。だけどそんなことはどうでも良いんだよ。私は世界を幸せにしたい。彼女も世界を幸せにしたい。だから手を組んだ。それだけなの。だから改めて勇にお願いしたいな。私達に協力してくれない?」

 

「アタシからも頼むよ。二人の願いを叶えたいんだ。」

 

凛祢と奏さんのお願いは僕の心を強く揺らした。それだけに返答をする事ができなかった。

 

〈ジャッキングブレイク〉!

 

僕達を覆っていた空間は、サウザーに変身したキャロルさんによって破壊された。そしてその中のシャナさんが、語り始めた。

 

〈キャロル……一時的に主導権を貸してほしい。オレ自らが、奴等の正体を語ろう。〉

 

「わかったよシャナ。人格を入れ替えるね?」

 

すると少し柔らかかったキャロルさんの雰囲気が、少し緊張した雰囲気に変わった。恐らくシャナさんが語るのだろう。

 

「まず〈天羽 奏〉!お前は勇の力の一部だ!本当の姿を現せ!」

 

「あ~あ。ばれちゃったよ凛祢?どうする?」

 

「ならもう良いよ〈奏〉……いや、ラジエル。」

 

奏さんがラジエルと呼ばれるとその体はラジエルの前任者である、〈本条 二亜〉を模した姿へと変化した。そしてこう言葉を続けた。

 

「ミカエルとガヴリエルも出て来いよ!」

 

ミカエルと呼ばれたスマッシュは〈星宮 六喰〉に、

ガヴリエルと呼ばれたスマッシュは〈誘宵 美九〉に各々が変化した。しかもご丁寧に礼装まで再現されている。

 

「やはり思った通りか。そして〈園神 凛祢〉!お前はオレと〈同じだ〉!だがお前は人々の救われたい願いから生まれたようだな!ならばここでお前を下してナナ姉のもとにたどり着いて、ブラッドを倒す事。そしてみんなでもとの世界へ帰る事がオレ達の願いだ!故に押し通るぞ!……キャロル……。後は任せた。」

 

するとシャナさんの意識とキャロルの意識が入れ替わったようで、雰囲気が少し変わった。

 

「まあ……待ってよ。私もやることがあるから……。」

 

凛祢さんは僕に近づいて来ると、僕の唇を奪った。そしてなにかの情報を流しこんできた。

 

「ッ!」

 

凛祢が流してきた情報はこの世界を始め、全ての平行世界をどれだけ平和にしたいかを濃縮した想いだった。そして僕をあの時に襲ったのは凛祢だという事を。………だけどなんで僕にキスを……?力を奪い返されるかもしれないのに。

 

「どうかな?私の想いは。私がどれだけ頑張るつもりか勇君ならわかるでしょう?」

 

「凛祢……君は一体……?」

 

「時間切れだよ。さあ!残る力を貰うよ勇君。私達と戦おうぜ?」

 

二亜さん……いや、ラジエルの言葉通り僕達は戦う事に成りそうだ。だけど今の僕は……

 

「勇!呆けない!今ここでお前が倒れたら誰があの私を迎えに行くの!あの想いは嘘なの!」

 

キャロルさんに発破をかけられて僕も漸く戦闘準備を始めた。使えるのは〈メタトロン〉〈ザドキエル〉〈ラファエル〉〈サンダルフォン〉〈ケルビエル〉だけど〈アイン〉は相変わらず……か。なら今の僕はいつもの捨て身が使えないな。少し困ったかもしれない。

 

「挨拶代わりに喰らうが良い!」

 

キャロルさんは氷柱を展開して横になぎはらってきた!

 

「続くよキャロルさん!メタトロン!〈光剣〉!」

 

キャロルさんの攻撃をスマッシュ達が回避すると、僕はその氷を〈光剣〉を用いて礫に変えて面での攻撃に切り替えた!

 

「面での遠距離攻撃か……悪手よな。ミカエルよ!〈開〉だ!」

 

ミカエルスマッシュ(長いから六喰さんって呼ぼう)が、僕の攻撃を門に飲み込んだ!

 

「くそっ忘れてた!メタトロン!〈天翼〉だ!そしてサンダルフォンも来てくれ!」

 

今の僕が取れる戦法はマーカーを使った時間差攻撃、そして攻撃自体を高い火力で叩き込む事。いつも通りカウンターよりの戦いに慣れているから、少しやりにくいのが本音だ。

 

「私もいますよ~!〈輪舞曲〉です!」

 

視界から離れていた美九さんが、音波を用いて畳みかけてきた!くそ!

 

「反撃の余裕は与えぬぞ?ミカエルよ〈開〉だ!」

 

六喰さんは先程溜め込んだ礫を纏めて返してきた!この威力は明らかに強く、僕とキャロルさんは倒れ伏す事になった!

 

「わかったでしょ勇君。私達がどれだけの覚悟を背負ったか。だからもう一度……いや、何度でも言うよ。私達に協力してほしい。それが平和へと繋がるから!」

 

体力の疲弊をした僕達には、その言葉が毒のように突き刺さる。オマケに美九さんが〈独奏〉を加えてきてる。この場所から早く離れないと!

 

「あの人達は天使の力をここまで……予想以上だね……。ならここは退かせて貰うよ。勇は私に掴まれたら動くな!〈凶禍楽園〉の主さん!次は……」

 

「ちょっと!?キャロルさん!?まだ話は……」

 

僕はそこで言葉を止めた。なぜならそこには〈増殖分裂タイプのアルカ・ノイズ〉が稼働を始めるところだった。アレはキャロルさんに手渡した奴だ!

 

「残念だけど今は機じゃあないよ。私達はここから退かせて貰うから!」

 

キャロルさんは僕を掴むと、全力で戦線離脱をした。

その結果凛祢達から逃れる事はできた。

だけどキャロルさんの体からは所々火花が出ていたから、本当にギリギリでの離脱だという事だ。

 

「僕は彼女の……凛祢の望みを叶えるべきなのか……倒すべきなのか……」

 

「その答えを出すのは勇だよ。だけど覚えておいて。彼女の〈幸せ〉は一方的に与えられる幸せだという事だから。……とごめんねシャナ。かなり体に無理をさせたから、ダメージがひどいよね。」

 

〈確かに痛みは馬鹿にならない。だがそれでもオレ達にはやることがある。その為ならばこの程度の痛みは耐えられるさ。〉

 

僕は彼女達の覚悟に報いられるかな……。

 

〈今はまず休め!その状態では馬鹿な事しか考えられないぞ!お前がそんなことでは誰がこの状況を打開するんだ?〉

 

「そうだね。今はその言葉に甘えさせて貰うね。」

 

僕はシャナさんの言葉に従い意識を手放した。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

~~戦闘場所side~~

 

「中々強かったね……勇君の〈アルカ・ノイズ〉。」

 

「そーだね。正に研究の賜物だよ。」

 

「しかしこれで彼を見失いましたねぇ。」

 

「大丈夫であろう?奴は必ず現れる。むく達から……いや、ブラッドから力を取り戻さねばならぬからな。」

 

凛祢達はサウザーが放った〈アルカ・ノイズ〉を撃破した。しかし流石は勇お手製の増殖分裂タイプだ。完全に逃げられたし、殲滅までに時間を取られ過ぎた彼女達はしばらく待つ事になった。

 

「だけどあんな手品も後数回だろうね。だから勇君……私は何度でも君に頼むよ。私の目的を果たす為にね。」

 

凛祢はまだ気づかない。勇に固執する理由が、力のみではない事を。そして勇もまだ気づかない。彼女が何を想いキスをしたのかを。




人間の感情は自らが意図しない行動をして、その結果意図しない事態になり得る事がある。そしてその可能性を孕むのは〈人間〉のみとは限らない。

次回の更新をお待ちください。

そしてこちらから神咲さんの作品へジャンプできます。
https://syosetu.org/novel/222283/
〈錬金術師と心火を燃やしてみよっか?〉
是非七海さん視点でもお楽しみください。

一話の長さはどちらの方が好きですか?

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