マジで……この世界⁉️   作:タク-F

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出会うべくして出会った者達は互いに想いを伝え合う。
それが望んだモノではなかったとしても。

本編へどうぞ。


今度こそ胸の内を伝えてみよっか?

僕達は姉さん達のお陰で何とかブラッドの元へ向かう事ができ、漸く到着した。

 

「ブラッド!凛祢!やっと見つけたぞ!お前達の野望は成就させない!ここで止める!」

 

「勇の力を奪った罪は大きいぞ!貴様等は必ず倒す!そして勇の力を取り戻す!」

 

すると凛祢がこちらへと歩いて来た。

 

「勇君……私の提案の答えを聞かせてくれるよね?」

 

「七海さん!キャロルさん!お二人にブラッドを任せます!僕とキャロルで凛祢を止めます!」

 

「漸く勇との共闘だ!これが初めての共同作業とは些か不満だが!勇の力を取り戻す為だ!貴様には灸を据えてやる!」

 

「任せなよ勇君。キャロル達もかまわないよね?」

 

「私達はナナ姉のモノでナナ姉は私達のモノだよ?その決定に不満はないから。勇!ヘマをしたら許さないからね!」

 

〈必ず目的を果たせ!オレが言えるのはそれだけだ!〉

 

「七海さん!キャロルさん!シャナさん!ありがとうございます!よろしくお願いします!行くよキャロル!」

 

僕達と凛祢は七海さん達の邪魔をしない為にも戦闘場所を変える事にした。いや……戦闘にならないならその方が良いんだけどね………。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「さて……ごめんね凛祢。さっきは君からの問いかけを無視したことは謝るよ。」

 

「そんなことは良いんだよ。だって私は勇君の答えが聞きたいんだから。」

 

「だけどお前の望む通りの答えを勇が出すとは限らないぞ?それでもお前は答えを聞くと言うのだな?」

 

キャロルの言葉には説得力があった。嘗てシャトーで僕はキャロルの命題が誤りであると否定し、その考えこそが最もイザーグさんの想いと反対だと突きつけた。そんなキャロルだから凛祢へと最後の確認をしているのだろう。

 

「構わないよキャロルちゃん。もし勇君が善意で協力してくれないなら……仕方ないけど力ずくで言うことを聞いて貰うから。」

 

「そう……か。お前はそこまで及んでいたか。ならば……」

 

キャロルはそう言うとダヴルダヴラを纏い出した。確かにこの状況は〈あの時〉と似ている。違うのはキャロルが僕の隣にいる事だろう。だけど僕の口からも伝えるべき事は伝えよう。

 

「何度でも言うよ。悪いけど僕達は凛祢達に協力はできない。僕達にも守るモノがあるし、人々の〈幸せ〉はモノだけじゃあ満たされない。そして満たす為に世界を包むのは只の支配だ。だから僕達は認めないし、何度だって凛祢達を否定して戦うよ!」

 

「そう……なんだね。やっぱり勇君の答えは変わらない……か。なら私は勇君を連れて行くよ!絶対に君を離さない!」

 

凛祢は僕の答えを聞くと少し儚い顔をした。しかしその後の瞳には光が消えていた。

 

「勇……奴のあの顔は………。」

 

「うん……気付いているよ。キャロルを始めとした皆と同じ表情だってね。そして凛祢は僕の力の残滓を使い始めた事もね。」

 

「オレの虫の居所が悪いのは相変わらずだ。まったく……勇は目を離すとすぐに女を引っかける……。オレと契った直後だろうに……。」

 

本当にごめんねキャロル……。僕が結んだ縁は間違いなく良い事だけじゃあない事はわかっているけど、それでも受け止めてくれるのは嬉しいよ。

 

「準備ができたのは二人だけじゃあないよ?私の力は勇君の力。絶対に私は負けない!」

 

凛祢は右手に〈ダイン=スレイフ〉を所持していた。そして左手には銃が確認できた。だけどあの形状は!

 

「あれはサンジェルマンの銃か!しかもオレの知らない装飾付きだと!」

 

「この力は勇君がイメージした力。その中でもキャロルちゃんの次に想い入れのある姿だよ?」

 

「!?」

 

凛祢は語り終えると姿が消えた。そして唐突に僕の目の前に現れて来た!

 

「チィ!サンダルフォン!」

 

僕はサンダルフォンで受け太刀を試みたけど、その所為で自分の視界の左側を覆う結果になった。そしてその死角から凛祢の回し蹴りをモロにくらった!

 

「あがぁ!」

 

「勇!貴様よくも勇を!」

 

キャロルはザドキエルとメタトロンで凛祢の動きを面で捉えるつもりだったみたいだけど、その予想を裏切る速度で僕は蹴り飛ばされた。

 

「キャロルちゃんは来ないで欲しいかな!」

 

凛祢は数発の弾を発射すると、その動きは常に弾道を変化させながらキャロルへと迫っていた。恐らく時間稼ぎなのだろう。

 

「今の一撃でわかったでしょう?勇君は私達には勝てない。だから私達に協力して?」

 

僕は教えて貰っているし、その違和感にも気付いている。だから今度は此方が揺さぶってやる!

 

「凛祢……君の僕に固執する理由が明らかに異常だよ?それに今だってそうさ。顕現させるのがサンダルフォンなら今の一合で僕は腕を斬り落とされていた。なのに凛祢はそれをしなかった。〈詰めが甘い〉とかじゃあないよね?明らかに手加減をしているよ?」

 

「それが本当だとしたらどんな意味があるの?」

 

「前提が変わるね。凛祢は人々の感情の……〈救われたい願い〉から生まれたとシャナさんは言っていた。そして僕が知る平行世界の〈園神 凛祢〉は〈士道さん〉を救う為に姿を現した!だから凛祢!君は既に自我を獲得しているんだ!」

 

「平行世界の事が今当てはまる訳ないじゃない!」

 

「それだよ!今凛祢は平行世界の自分と比べられた事に嫉妬した!凛祢だって一人の!君自身を見てくれる人が欲しかったんだ!この世界に彼は……〈士道さん〉はいない!だけど僕はここにいる!僕が君を受け止める!」

 

「勝手な事を言わないでよ!私には使命が!成すべき事があるんだよ!それを果たさないと私は始まらないの!」

 

「なら人と協力すれば良いんだ!何度でも言うけど人の〈幸せ〉は物質じゃあ満たされない!人を満たすには心を満たす事が大切なんだ!」

 

「だから私達は勇君の天使で!」

 

「それは只の抑圧だ!人には〈想い〉が!〈愛〉がある!」

 

「愛なんて所詮簡単に壊れてしまう儚い物なのに!」

 

このやり取りでわかった。凛祢は目的の達成を願う気持ちは変わらない。だけどその先には一人の自由を求める想いがある!だから僕は凛祢を救う!

 

「なら答え合わせだ!凛祢の使命は人々を幸せにする事だ!そしてその志を同じくするフィーネさんに出会った!その情報交換の過程で霊力を持つ僕を観測した!更に僕とキャロルの意識が現実を離れる僅かな隙が起こり、これを好機と捉えて僕へ接触して〈天使〉を強奪したんだ!後はブラッドと協力して足りない分を僕から回収すれば充分な力となる筈だ!そして世界をこの〈凶禍楽園〉で包めば良い!」

 

「それはこれまで私達が説明した事じ「気づかないのか?」えっ!?」

 

「力を狙うなら僕に固執する理由はない!平行世界を観測できるならオリジナルの士道さん達から奪えば良かった筈だ!」

 

「っ!でもそれは!」

 

「それが理由だよ。凛祢は既に自我を手にしていた。効率だけなら他の方法すらあるのに、敢えて僕達や七海さん達を狙ったんだ。そして今凛祢達は目的を果たす直前まで来た。だけど凛祢はここでもう一つ無意識に求めたんだ。凛祢は自由を求めている。なら僕達と協力をすれば良いんだ!」

 

「私達が言ってた事と同じじゃない!」

 

「いいや!それは違うな!」

 

既にエネルギー弾をいなしていたキャロルが、僕達の前に戻って来ていた。

 

「お前が勇の世界に来て、オレ達と世界を知れば良い。オレ達にはその為の力があり、お前の力は必ず受け入れられる。」

 

「そして僕達は僕達のペースで人々と関わるんだ。人には心がある。例えば花を見て綺麗だと感じて幸せになる事もある!」

 

「でも人々は簡単にその綺麗な花を踏みにじる事も……いや何度でも繰り返す!」

 

「なら花の美しさを伝えるんだ!武器を手に持つよりも素晴らしいモノがあると伝えれば良いんだよ!……いや、伝えるだけじゃない!僕達は花を植え続ける!」

 

「そんな綺麗事ばかり並べるのはエゴ……いや偽善者だよ!」

 

「偽善者で良いんだ!正義と悪ならわかりやすく白黒付けられた!だけど本当に難しいのは正義と正義がぶつかる時だ!そしてそれを乗り越えたのが響達二課の装者や七海さん達仮面ライダー!そして士道さん達精霊なんだ!だから僕は……いや僕達はもう迷わない!その行動を偽物にしないために証明し続ける!だから必ず凛祢とも手を繋ぐんだ!」

 

その言葉を全て聞いた凛祢は涙を流していた。まるで自分を初めて見つけたように……。

 

「勇君……わたし……わたし!」

 

「僕達は手を取り合える!」

 

僕達の手がふれ合うその瞬間………十を越える触手が凛祢を回収しようとしてきた!

 

「勇君!」

 

凛祢は僕に二つのフルボトルを投げて来た!

 

「これは私の決意!もし勇君が私達を打ち負かしたその時は………」

 

凛祢は最後まで言葉を伝えきれずに胸を触手に貫かれ、そのまま回収されてしまった。

 

「勇……恐らく凛祢の伝えたかった言葉は……」

 

「多分だけど凛祢の伝えたかった言葉は、

 

〈もし私達を打ち負かしたその時は……改めて手を取り合おう。でも私達にも果たすべき使命がある。だから勇君達がまだ諦めていないなら絶対に私達を打ち負かして!〉

 

だろうね。だから僕に二つのフルボトルを返したんだ。」

 

キャロルは僕の言葉を聞くと少しだけ頬を膨らまして肯定してきた。

 

「恐らくそうだろうな……。まったく……あれではオレが退け者じゃないか……。」

 

「大丈夫だよ。キャロルの事が一番大事だから。だけどこの事態は見過ごせない。だからもう少しだけキャロルの力を貸して欲しい!」

 

「何を今さら……。当に勇はオレのモノで、オレは勇のモノだ。勇のその覚悟に泥を塗るつもりはない!最後まで付き合うぞ!」

 

「ありがとう……行くよキャロル!この人々の願いが曲解した世界に終止符を打つ!そして可能なら……」

 

「〈フィーネだって救う〉だろう?まったく……勇のお人好しは立花 響と変わらないじゃないか!」

 

「良いんだよ!響の行動はある意味一つの答えだ。だから僕は自分の力と伸ばした手で救える人々はなるべく救う!全ては望まない……必ず選ぶ時が来る。だからこそ!僕はもう迷わない!自分が後悔しない選択をし続ける!」

 

「そうだな!それでこそオレが心から惚れた〈雪音 勇〉という人間だ!ならばその全てを最後まで見届けるのはこのオレだ!」

 

僕達はお互いの決意を語って中央に向かった。あそこにブラッド……いや、フィーネさんがいる!




勇と凛祢は和解しかけた。しかしブラッド……いや、フィーネは許容しなかった。そして主人公達は合流する。

次回の更新をお待ちください。

そしてこちらから神咲さんの作品へジャンプできます。
https://syosetu.org/novel/222283/
〈錬金術師と心火を燃やしてみよっか?〉
是非七海さん視点でもお楽しみください。

一話の長さはどちらの方が好きですか?

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