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「行くよキャロル!凛祢を救い出す!」
「任せろ勇!必ずブラッドを倒す!そしてアイツも救い出す!」
僕達は決意を固めて七海さん達の戦う場所へと向かった。触手の向きから見てもブラッドはまだあの場所にいる!
「漸く戻って来たか。……しかし僅かに遅かったぞ?凛祢はもうすぐ私に取り込まれる。」
僕達が七海さん達と合流すると、消耗している七海さんとキャロルさん(達)と勝利を確信するブラッドがいた。ブラッドは凛祢を引き寄せ赤いスライムの様な液体に体を変化させて凛祢を包み込みスピリチュアルスマッシュ・ジャッジメントフェイクに変貌した。
「あの姿は……ただのスマッシュでも、精霊でもない!それに凛祢を……〈ルーラー〉の力を取り込でる!なんて禍々しい力だ!七海さん!キャロル!シャナさん!キャロルさん!ここで奴を倒さないと本当に世界が!」
僕はあの力が恐ろしい物だと本能で感じた。そしてそれは他の皆も同じ様子だった。
「確かにな。奴は思想まで含めて危険だ!ここで倒すぞ!」
「ブラッド……今度こそ終わらせるよ。姉さんの発明品をもう悪用はさせないから!」
「ナナ姉の言う通りだ!私達が今度こそ終わらせる!そして……〈ナナ姉とデートの続きをする……だろ?〉シャナ!最後まで言わせてよ!」
僕達が覚悟を決めるとブラッドは鼻で笑っていた。
「お前達の覚悟が如何に強かろうと所詮は弱者の集まりだ。〈私〉と言う完全な存在が全てを包む邪魔はさせんぞ!」
フィーネはそう僕達に告げると腕を振り衝撃波を放って来た!
「「ラファエル!〈護る者〉!!」」
僕とキャロルは二人でラファエルを展開したけど、それでも衝撃は抑えきれずに僕達四人は各々が木に叩きつけられた。そして七海さんとキャロルさんは変身が解除されてしまった。
「腕を振るうだけでこの威力か!」
「かなり不味いな。ダメージがかなり大きい。」
「ここまでブラッドが強いなんてね……」
「でも私達が倒さないと……」
「オレ達の世界は!みんなが!」
悲鳴をあげる体に鞭を打って立ち上がる僕達にフィーネはこう告げて来た。
「やはり私にこそこの力は相応しいな……役立たずには過ぎた力だ。私を裏切る……いや、敗北する事さえ望んでいるような者など不要でしかなかったか。」
更にフィーネはこう付け加えた。
「自らが課せられた使命を放棄するとはな。貴様のような中途半端な役立たずの力も、この私が利用してやろう。」
「凛祢が役立たず……だと!!」
僕はフィーネのその言葉が許せなかった。だからこう言わずにはいられなかった。
「憐れな人だ……。
人と人を繋ぐ絆を痛みだけだと勘違いしていたあの時の貴女の方が、まだ人と分かり合う努力をできていただろうに……。
貴女はそれすら放棄した!だから僕達は貴女を倒す!覚悟しろ行き遅れの老害!」
「小僧……貴様は今何と言った?私の聞き間違いなら良いのだが貴様は私の事を侮辱したか?」
「聞き間違いじゃあない!僕は確かに言ったぞ!痛みを絆だと言っていた頃の貴女がまだ人どわかり合う努力をしていたと!そして今の貴女はそれすら放棄した老害だと!だから僕達は諦めない!例え何度負けたとしても何度だってフィーネさんに挑む!」
フィーネは僕の言葉に誤りが無いと悟ると怒りで体を振るわせていた。それはそうだろう。万能に近い力を得た今の自分が、〈カ・ディンギル〉を建造していた頃の自分に劣ると言われたんだ。それは耐えられる言葉では無いだろう。
「もう許す道理は無いな。貴重な力のサンプル故に手加減をしていたが、それが貴様達を増長させていたとはな。ならば教えてやろう!私が手にした圧倒的な力を!」
すると僕の魂の叫びを聞いて七海さんは立ち上がった。でも僕は恐れていた。仮面ライダーが変身を解かれた状態とはダメージを超過した時だということを。これ以上は命が危ないという事を。
「もうやめてください七海さん!貴女は錬金術師だけど人間です!愛するキャロルさん達がいる!彼女達を悲しませたらいけないです!僕は仮にも精霊です!そしてブラッドのあの力は僕から奪われた力でもあります!この事態は僕が片付けますから!これ以上彼女達を悲しませないでください!」
「ありがとうね勇君。勇君の覚悟のお陰で私もまた立ち上がれるよ。だけどね……その言葉はそっくりそのまま勇君に返すよ。勇君は確かに精霊で人よりも体は丈夫だろうね。だけどね……勇君達の最初の話通りなら勇君とキャロルちゃんは結ばれたばかりなんだ。そんな二人の仲が引き裂かれるなんてあったらダメなんだよ。それにね……ブラッドのあの装備の半分は私達の世界で作られた物だよ?だから私達にも果たすべき責任がある!」
七海さんはそう言うと言葉を切った。なら僕はこう返すべきだろう。
「七海さん……すみません。僕の考えが甘かったです。僕の命は既に僕だけの物じゃない!姉さんの!未来の!師匠達の!響達の!そしてキャロルとの命でもあるんだ!だから……僕はもう間違えません!力を貸してください!」
「うん!良く言えたね!だから今度は私が体を張るよ!なんたって私は君よりもお姉さんだからね!」
「そうか白黄 七海!貴様もまだ私に歯向かうか!ならば仕方無い!貴様達は全員皆殺しだ!二度と日の光すら浴びる事は無いと知れ!」
フィーネさんはそう言うと青い竜の形をした二つのエネルギーを放って来た。だけどその攻撃は七海さんが取り出したとあるボトルにより、4人を囲むように展開された。そしてフルボトルやプログライズキーによってその攻撃は防がれた。
「それと言い忘れていたけどねブラッド……理想郷は既に存在しているよ!」
「何だと!それはどういう意味だ白黄 七海!」
七海さんの言葉に初めてフィーネさんは動揺した。それはそうだろう。自分が作り出そうとしている楽園が既にあると言われたんだ。僕がフィーネさんでも動揺しただろう。そして七海さんは言葉を続けた。
「私達にはね……帰る場所があって、仲間がいて、友人がいて、家族がいて……愛する人が隣にいる。そこが私達の理想郷だ。貴女なんかに作ってもらう必要はないんだよ!」
七海さんの言葉に僕も胸を打たれた。だけど僕も男だ!意地と信念とプライドがある!
「仮面ライダーブラッド!……いや、享楽の巫女フィーネ!貴方は私たちが倒す!私達は自分達の手で幸せを掴むんだから!」
僕も七海さんに負けていられない!ここで決意を見せる!
「凛祢も返してもらいます!!そして……僕は貴女さえも救います!」
七海さんの次の言葉がなんだかわかる気がした。だから僕はこの言葉を贈るべきだと感じた。
「「さあ…心火を燃やして、戦争(デート)を始めよう」」
僕達は再び立ち上がった!
勇の覚悟は七海を、七海の言葉は勇を互いに奮い立たせた。反撃の機会が遠い可能性は高いが、それは諦める理由にはならない。
次回の更新をお待ちください。
そしてこちらから神咲さんの作品へジャンプできます。
https://syosetu.org/novel/222283/
〈錬金術師と心火を燃やしてみよっか?〉
是非七海さん視点でもお楽しみください。
一話の長さはどちらの方が好きですか?
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一話を濃密にして話数を少なく
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このまま切りの良い範囲で
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どちらでも良し