そして番外編も同時に更新されていますので、是非そちらもお楽しみください。
それでは本編へどうぞ!
昼下がりのある日
「勇!あたしと家デートをして欲しい!」
「姉さん。要求の仕方が響だよ。僕はかまわないけど、大丈夫なの?キャロルが怒っても責任はとれないよ?」
実際キャロルの嫉妬は恐ろしいからね。まあ姉さんは恋人以上の姉を目指すって言ってたから、ある意味特別なポジションを狙っているよね。
「へっ!その辺を抜かるあたしじゃあねえよ!キャロルの奴からは許可も出てるし、そうじゃなくてもあたし達は家族だからな。そもそも気にしねえだろう?」
そう言われたらある意味納得はできる。キャロルも自分が正妻になってからは少し丸くなったんだよね。
「で………姉さんのデートプランはどんな物なの?」
「ふふん!今は夏だからな。時期的には肝試しのシーズンだろう?だけど突発的な思い付きじゃあすぐつまんなくなるし、本格的な準備をする気にもなれねぇ。だからコイツを使おうと思ってな!」
姉さんがそう言って取り出したのはホラー映画だった。
「あれ?姉さんホラー苦手じゃあなかったっけ。なんでまた急にこんなものを?」
「うっ、うるせえよ!響の奴だよ。アイツがレンタルするDVDを間違えやがったんだよ!本当はオッサンのオススメ映画を見る予定だったらしいけどな。だからあたしに押し付けて来やがった。」
なんとなく状況がわかった気がする。未来にバレる前に姉さんに押し付ける昔のパターンだなコレは。
「まあ良いか。じゃあ寝落ちしても良いように夜に視ない?なんとなくそっちの方が雰囲気も出るし。」
「ったりめぇだな。じゃあ勇も一緒だからな!」
そう言って姉さんは部屋から出て行った。昔から素直じゃあないよね。一緒にみて欲しいとは言わないのが姉さんらしいと言えばらしいけども。
~~上映準備完了~~
「トイレ良し!時間良し!」
「コーラ良し!ポップコーン良し!」
二人共準備は万全だった。まあ映画鑑賞だしね。コーラとポップコーンはあっても良いかな。喉に詰めなければ。
「………じゃあ上映するぞ……」
姉さんは震える手でディスクを再生した。よく見ると手が震えていた。なんだ……やっぱり怖いんだ。
「うひゃあ!!なんだよコレ!怖い!怖すぎる!」
「ヤバい……ノイズよりマシだと高を括っていたけど、マジで怖い!なんかノイズの方が可愛く見えてきたかも!」
僕は姉さんに、姉さんは僕に無意識で手を重ねていた。なんだかんだ言っても僕達は家族だね。怖いモノだって似てるし、無意識に頼りたくなる。
「ひいぃ!アイツの顔どうなってんだよ!銃で撃たれて動じねえとか!あたしじゃあ勝てねえじゃんかよぉ!」
「いや姉さんが言わないでよ!装者の中で一番の射撃特化の姉さんが匙投げたらあとは物理組しか残らないから!」
「知るかよそんなこと!なんなら後輩の鎌で刈り取れば良いじゃねぇか!」
「確かに切歌ちゃんのイガリマなら可能だろうけどさ!今僕達は怖いの!普通に意味ないから!」
「そう言うこと言うなよ!あたしだって怖いんだよぉ!」
姉さんは今にも泣きそうだし、僕も内心かなりキテる。キャロルとかフィーネさんとかこの類いの連中なのに!全然同じだと思えない!
「勇!やっぱり手をつないでくれ!怖くて逃げたくなる!」
「こっちも同じことを頼む気になったけどさ!結局なんでこんなモノ再生する気になったんだよ!」
「勇と一緒にいたかった!昔みたいにバカやってはしゃいで疲れはてたいなって!」
こんなやり取りができるのは僕達が家族だからなんだろうなぁ。響や未来にはこんな姿見せられないし、キャロルの方にも恥ずかしくて言えない。なんなら記憶に鍵をかけたいやつで。
「なあ………体が震えてしょうがねえから抱きしめてくれねぇか?あたし達の仲だろう?」
やっぱり姉さんは強かだな。例えキャロルに負けても、自分らしくあり続けられるのは、姉さんの強みなんだよな。そんな姉さんが僕は大好きだったけどね。でも確かにキャロルへの想いと姉さんへの想いって違うな。これが家族愛と恋なんだろうね。
「良いよ姉さん。昔みたいに二人で体を寄せあってビデオを見ようか。」
「なんだかんだ言いながらも、あたしは勇を愛してるからな。」
「こんな時にその言葉はズルいよ姉さん。」
「仕方ねぇだろぅ?こんな時じゃねえと本音で言えねぇじゃねえかよ。」
「まあ確かに、僕達らしいと言えば僕達らしいね。これからもよろしくね。クリス姉さん。」
「~~っ!やっぱりお前はあたしの愛しい弟だよ!」
こんなやり取りをしていたらいつの間にかビデオはスタッフロールが流れてた。どうやら僕達は相当ビビっていたらしい。
観測者の報告による評価 雪音 クリスの場合。
デートプラン 良し
勇の新たな一面が見ることができた。そして次からはオレも混ざることができる。というかエルは逃げ出すだろうな。これでは姉妹で勇とホラー映画の鑑賞はできないが、それはあくまでもこちらの問題の為にカウントしない。あんなに簡単に勇と抱きつけるのはなんと魅力的なことだろうな。
もし義姉が勇と関係を進めたいなら、一度だけは先を譲るかな。そして二回目はオレも混ざりたい。アイツの体は別の意味でも魅力があるからな。
最早デートすらキャロルの監視付き……流石ヤンデレ!
しかし肝試しでは……なかった。だけど満足すればそれがデートだ!
次回は「お料理は心を込めて」です!
切調コンビのデートプランをお楽しみください!
次回も18時より更新します!
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