それでは本編へどうぞ
~~八月某日~~
「私達のギア改修ですか?」
響の?声を聞いた際の、フィーネの怒声が司令室に響いた。
「当たり前だ!貴様等全員勇とよろしくしたではないか!その状態で戦闘をすればギアが耐えられんわ!」
「オレの予想以上の計測数値だ。故にギアの方が耐えれんのは当然の事だ。」
「じゃあキャロルさんは何か対策方法を見つけているのね。」
「ああ。その為に勇は今、2043年11月のフロンティアに〈十二の弾〉で向かっている。響のガングニールの欠片を回収する為にな。」
「過去に……ですか?でもなんで響のガングニールなんですか?」
「響だけアームドギアが無いからな。融合症例の末期の欠片が必要になった。それで勇が今回収に向かってる。」
「なるほどな。当時の私達が探しても見つからなかったのはその為か。今になって納得したぞキャロル。」
「と、いうわけだ。未来以外はアームドギアを、未来は展開した鏡を研究棟に置いていけ。」
そう言われて五人はアームドギアを、未来は鏡を置いて退室した。そろそろ勇が戻って来るな。
「お待たせ。無事に体から零れたガングニールは回収できたよ。キャロルの方も用意は終わったみたいだね。後は……フィーネさん待ちかな?」
「戻ったぞキャロル。聖杯・杖・剣・硬貨の聖遺物だったな。無事にアビスから回収して来たぞ。」
「ネフシュタンとデュランダルも準備は終わったからね。こっちは始めるから、ギアの方をキャロルがお願いね。完成したらラジエルで複製するための情報を読みとってハニエルで対象の構造を上書きすればストックは作れるね。」
「では私はガリィの所に行くぞ。薬の開発が捗るのでな。」
そう言ってフィーネはガリィの所に向かった。そもそも今のオレ達が取り組んでいる事はそれぞれがこうだ。
・オレがギアに〈霊結晶〉を組み込む。ファウストローブと同じ原理なのでオレが適任だ。
・勇がデュランダルとネフシュタンを纏い、そこから勇の霊力を直接注ぎ込んで強化。勇以外では〈霊結晶〉の行程が必要になるからな。
・フィーネが液状に濃縮した勇の霊力を〈薬〉に調合。嘗てガリィの作った試作品と掛け合わせて、より高純度な〈薬〉に昇華して、更に霊力還元術式を施す。これで勇と〈愛しあう〉時に手間が減り、更に至福の快楽に変わるのだからな。
「さて、始めるか。まずは響の欠片だな。〈霊結晶〉はガヴリエルだから藍の結晶と錬成して………コレで充分か。後は響に取り込ませれば体の中で溶け合う筈だな。」
次は翼のギアだな。
「確かサンダルフォンなら紫の〈霊結晶〉だったな。ここからはアームドギアに力を注ぎ込んで持ち主に返すだけだからな。収納した次の使用時には強化が終わる筈だ。」
作業中に灰色の〈霊結晶〉が勇の作業場所に飛んで行った。どうやら持ち主の触媒に惹かれ合う性質があるようだな。面白い現象だ。
「しかし残る〈霊結晶〉は青・黄・緑か。一体誰が候補となるのか。」
すると緑の〈霊結晶〉が輝き出してオレを取り込んだ。
ここはどこだ?
〈うう……なんであたしまでやらなきゃいけないのよ。琴里達は人使いが荒いわ。〉
アイツの顔は見覚えがあるな。確か勇の話ではハニエルの前任者だったはずだ。
「お前はハニエルの前任者の〈鏡野 七罪〉だな。何故オレを呼んだ?いや、今はそれよりも礼を言うのが先だったな。ありがとう。あの時は助かった。」
〈私だってあの時もすぐに帰るのは本意じゃあなかったわよ。貴女は既に全ての天使を満足に使えるんだから大丈夫だと思ってた。だけどあの時は見過ごせなかったし、折紙は新しい力を託せたしね。でも助かったなら何よりで良かったわ。〉
「当たり前だ。勇に並び立つ為の力だぞ?努力を怠る訳がないだろう?だが、それでもあの力を託された事は素直に嬉しく思うな。」
〈ええ。そんな貴女に伝言をお願いしたいのよ。どうやら今代の候補者達が運命の分岐点に立たされていながら、彼と接触できていないから。〉
なに?継承候補者に危機か。だからオレにメッセージを。
〈流石に貴女ならすぐわかるのね。私と違って。〉
「まあな。で、どのような伝言なのだ?」
〈「貴女達の未来を変える選択肢がある。この力を使えば貴女達の助けに必ずなる。」こう伝えてくれないかしら?私みたいな根暗からの頼みだけど。〉
「別にお前が悪い訳ではないのだろう?では気にする理由も、必要もないな。故に必ず伝えよう。」
〈貴女も優しいのね。「士道」と同じように。〉
「確かお前達の世界の勇のような男だな。話には聞いているのでオレも是非礼がしたいものだ。お前のおかげで勇は覚悟を決めてくれたからな。」
〈ああそれと、その人物が接触する数ある機会の、しかるべきタイミングで「霊結晶」がその人物に融合を果たすから、貴女に迷惑をかけないわ。今回は偶々依り代が確保できたからメッセージを伝えられただけだから。〉
なるほどな。確かに今回の接触はイレギュラーだったが、かえって都合が良かった訳か。
〈それと残る二つは、既に継承者の選定はすんでいて、後はタイミングをみて私と同じように継承されるわ。ごめんなさい。私が伝言役で。後の二人じゃあダメって琴里にうるさく言われたから。〉
「なるほどな。ザドキエルとミカエルの前任者は確かに伝言役には向かんな。すまないな。お前に手間をかけた。」
〈なんで私が感謝されるのよ。迷惑をかけているのに。〉
「実際に助かっているのさ。」
そのやり取りをもってオレの意識は現実に戻された。
あと二つの〈霊結晶〉か。一体継承者は誰なんだろうな。
聖遺物の強化過程で不穏な事をしている人物もいましたが、まあそれは後に活躍できる事態に至ります。そして彼女達も本格的に合流します。
次回〈師弟再会!〉
更新をお待ちください。
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