オレはもしものことを考えて本部で待機をしていたが、まさにそんな事態が起こってしまった。
「翼さん交戦!敵は巨大な蛇の化け物と魔術師です!既に勇さんが現地に向かっています!」
「藤堯ァ!直ぐにマリア君と未来君を増援に向かわせろぉ!」
「司令!響ちゃん達より入電です。敵指揮官逃亡により追撃、更に村に立て籠る可能性と更なる逃亡手段の可能性だそうです!」
「友里ォ!直ぐに支援・追跡準備に入れェ!」
あわただしく司令室の状況が変化しているな。
「良いかしらキャロル。貴女はこの状況をどう見てるかしら?」
サンジェルマンの奴が珍しく話かけてきたな。さてでは質問に答えるか。
「陽動・リアライザの性能テストだな。少なくとも主戦力と言われた二人が戦闘をせずに移送に従事したことも違和感がある。必ずあの自動人形にカラクリがある筈だ。」
「そうね。エレンとアルテミシアが戦闘をしなかったことも気がかりね。まるでジェシカは捨て石と言わんばかりの動きね。局長にとってそれ程の意味があるのは間違いないわ。」
ヴァイスハウプトは、得体の知れない男だった。そして勇が警戒する二人も実力が未知数。
「確か勇が捕えた魔術師がいたな。ソイツの尋問はどうなる?」
「私達がこの場所で引き受けるわ。最も彼らは末端ないしは使い捨てでしょうけどね。」
そう話していると翼達が帰投してきた。
「やはり敵の目的はあの人形のようです。私達ではあの蛇が打倒できませんでした。申し訳ありませんキャロルさん。」
「気にするな。ファラからの報告も来ている。敵が未知数な以上は慎重さも重要だ。よく判断を誤らなかったな。」
すると今度は別の連絡が入ってきた。相手はガリィか!
《マスター!不味いです!民間人に負傷者が出ました!アルカ・ノイズの攻撃が足に当たり解剖が始まる前にクリスが足を撃ち抜きました!》
「その報告は本当かガリィ!だがこちらも敵が未知数な以上は直ぐに動けん!その場で応急措置を施せ!響とお前なら可能な筈だ!そして状況が変化して介入が可能になればオレが動く!それまで持たせろ!」
《了解です!現状維持に務めます!》
ガリィからの通信が切れる頃には勇の方も双方の撤退が完了していた。ならばオレが介入するぞ!
「司令室!今からオレが負傷者の治療に向かう!勇にも合流を促してくれ!勇も縁のある者の負傷だ!」
「こちら藤堯了解しました。勇さんにはそのまま村に転移して貰います!」
そうしてオレはクリスのもとに転移した。
~~勇side~~
「勇君大丈夫?連戦の筈だよ?」
未来の心配通り連戦と強敵に疲労が大分たまってきた。けど、ステファンやソーニャとの再会は僕の義務でもあるからね。
「流石に戦闘はキツい。だからステファンの治療も今は厳しいかな。」
「そっちはキャロルさんが行うそうよ。今はクリス達が待機しているわ。」
マリアさんの報告も助かるな。本来ならマリアさんに響達の治療を頼みたかったけどこっちに来てもらったんだ。なら僕は責任を果たさないとね。
「ありがとうございます。そろそろ僕は生きます。」
そうして僕は姉さん達のもとへ先に転移した。
「クリス!なんで貴女がステファンを!なんで!」
到着した僕が見たのは、右足を失ったステファン・落ち込む姉さん・見守る響達・そして到着したキャロルだった。
「すまない。待たせたな。急いでいるので早速だが始めるぞ。」
キャロルはステファンにザフキエルの〈四の弾〉を放って右足を復元した。
「嘘!ステファンの足が!でも私は許さないわよクリス!貴女がしたことを!」
完全にソーニャさんは怒っている。当然だけどその事を僕達は何も言えない。
「すみませんソーニャさん。凡そ十年振りの再会をこのような形でしてしまったことを深くお詫びします。姉さんの行為が貴女達の心に傷をつけたことは事実です。治療の出来る能力があったとはいえその事は本当に申し訳ありませんでした。」
「何よ今さら!私は貴女達を絶対に許さないわ!」
「ええ。この場所でいくら謝ってもそれは受け入れられないと思ってます。なので落ち着いた時に改めてお詫びをさせて貰えませんか?」
「勇………お前………」
「僕達だってこのような形での再会は望んでいませんでした。なので日本で改めて、こうありたかった再会をしましょう。」
するとステファンが意識を取り戻したようだ。
「姉さん……もう良い……よ。クリスさんのお陰で……俺達は命を……救われた。今は……それだけで……良いじゃない……か。」
「ありがとうステファン。日本に着いた時は必ず、お詫びをさせて欲しい。君の勇敢な行動には僕達も助けられたんだから。」
「私は貴女達姉弟を許す気になれないわ。だから今はステファンに免じてこの場では引き下がるわ。」
「ありがとうございます。ソーニャさん。改めて日本で謝らせてください。」
「すまない。ソーニャ………今のあたしはそれだけしか言えない。」
僕達は自分達の責任とこれからの動きを改めて考えることになった。
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