マジで……この世界⁉️   作:タク-F

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帰国した者達

~~響side~~

 

私達は勇君が敵を足止めしてる間にバルベルテを出国できた。そして結社の情報はカリオストロさんがダミーの情報と本命の情報を見分けてくれた。

 

「流石は勇の師匠なんだな。あたし達だけならダミーの情報に踊らされた可能性が高かっただろうな。」

 

「ええ。エレン達が結社の情報網を使いこなしている以上は、ダミーの情報を掴ませる可能性は高かったと思うわ。だから情報戦はあーしに任せなさい。」

 

「流石嘗ては詐欺師として人を手玉にとり続けたカリオストロさんです。キャロルも貴女方の手腕には一目置いていました。」

 

「あらエルフナイン。嬉しいことを言ってくれるわね。だけど少しプライバシーって物はないかしら?」

 

詐欺師カリオストロ!?大物じゃん!私達が映画やドラマで見たことある人じゃん!

 

「もしかして貴女は?」

 

「ええ。嘗てはイタリアを拠点に活動して今の時代でも創作の世界でたまに耳にすることのある、そのカリオストロの認識で間違いないわ。同様にプレラーティも本人よ。あーし達は嘗てサンジェルマンに命を救われたわ。だから私達はサンジェルマンの願いを叶えたいと思うし、私達自身も勇のことをかわいい弟だと認識しているわ。」

 

勇君のお師匠さんはすごい人だなぁ。そしてそんな人達の指導を耐え抜いた勇君だからあの強さがあったんだね。

 

「あんたが勇のことを強くしてくれた恩人なのは聞いていたし、勇自身もあんた達を尊敬していたことも知ってる。だからあたし達は強くなりたい。今の勇の隣を歩めるのはキャロルだけだ。そんな現状にあたしは満足なんてできないし、悔しくてしかたない。だからもしあんた達が良いならあたし達を強くして欲しい。」

 

クリスちゃんの素直な言葉は、私も感じていた葛藤があった。私達はこのままでいるつもりはないけど、闇雲な努力じゃあ成せないことがあるのはキャロルさん達との戦いで学んだ。だから私達だって!

 

「良いわよ。結社との因縁にケリをつけたその時は、あーし達が貴女達に協力することを約束するわ。だから安心しなさい。」

 

「はい!」

 

「ああ!」

 

「よろしくお願いします。」

 

「私達は!」

「もう諦めたくないのデス!」

 

この場にいた私達は、今よりももっと強くなる覚悟を決めた。だけど、ここにいない翼さんやマリアさんも同じ気持ちになると思う!

 

「さて小娘共。恐らくだが帰国した後に敵の襲撃があるだろうな。」

 

「まってくださいフィーネさん!勇君達があの国で敵を抑えていた筈では!」

 

未来が了子さんに掴みかかったけど、了子さんは気にせずに言葉を続けた。

 

「私のラジエルが告げているのだ。必ず日本で敵が待ち受けているとな。故に今回は私も前線に上がるつもりだ。幸い勇から嘗て私が使った聖遺物の復元が完了した話が既にあり、ラジエルの展開によってその聖遺物は一時的に使用できる。この力が反応した以上は何か良からぬことが起こると考えるのが筋だろうな。」

 

「あら?なら全盛期のフィーネの再臨ね!これは頼もしいわよ!」

 

私達は新たな不安を抱えながら帰国することになった。

 

 

 

 

 

 

~~帰国後~~

 

私達が空港を出て一度自宅に戻った後、本部より敵が現れた知らせが入った。

 

《アルカ・ノイズ及びバンダースナッチの反応を確認しました!場所は……》

 

藤尭さんからの連絡に応じて私達は都心での戦闘をすることになった。

 

「はじめましてシンフォギア装者。そして臆病者。私が魔術師の代表のエレン・M・メイザースです。短い間でしょうがお見知りおきを。」

 

あの人が魔術師の!?

年齢は二十代に見えるけど、纏う雰囲気は息がつまるような気がした。そしてエレンさんが禍々しい雰囲気のする本のページを破ったかと思うと、そのページが人の形をし始めて、同じ顔の女の子達が現れた!

 

「あれは何!?勇のラジエルと似てるけど、こんな禍々しい物ではなかった筈よ!」

 

私達の中でその天使の名を知っているカリオストロさんは驚いた声をあげた。

 

「なるほど……貴女方は既に〈シスター〉の存在をご存じでしたか。では説明の手間が少し省けますね。この本の名は〈ベルゼブブ〉。天使と対を成す魔王とでも覚えてくれれば良いでしょうか。そしてこの少女の名を〈二コルベル〉。魔王の力より現れた疑似精霊という存在です。故に私達は勧告します。大人しくゼウスとヘラを渡しなさい。そうすれば無駄な犠牲は少なく済むでしょう。」

 

〈ゼウス〉?〈ヘラ〉?一体何のこと!?

 

「なるほど。エレン達は勇のことを〈ゼウス〉。キャロルのことを〈ヘラ〉と呼称したのね。ギリシャ神話の主神の名を冠するなんて随分な評価ね。」

 

「まるで勇達を道具扱いか!ふざけるのも大概にしやがれってんだ!」

 

クリスちゃんはギアを展開して二コルベルって呼ばれた娘達にミサイルを放った!

 

「きゃあ!」「いたぁい!」「いきなりね!」「ひどいわ!」

 

彼女達は攻撃を受けるとバラバラになったけど、直ぐに再生してきた!

 

「そんな攻撃は無駄です。彼女達はそんなものでは倒れませんよ?そしてあの攻略法も今は使え無いですよ?」

 

〈あの攻略法〉!?私達にはわからないけど、別の世界では通じた方法があった。だけど今はそれも通じない。私達は一体どうすれば!

 

「そうか。ではこういう手段を提供しようではないか。」

 

そう言って現れたのは了子さんだった。

 

「フィーネ!アイツ等には攻撃は効かねえ!時間と体力の無駄遣いだ!」

 

「慌てるなクリス。既にキャロル達はその対策に至っている。その為に私の聖遺物を復元させたのだからな。」

 

「フィーネさんの」

「聖遺物デスか?」

 

了子さんの聖遺物はデュランダルとネフシュタンの鎧、そして後一つが………

 

「〈ソロモンの杖〉か!?だが今更ノイズを出したところで……」

 

「嘘!?」「何この化物!?」「怖い!」「恐ろしい!」「ひいぃぃ!」

 

了子さんはノイズを召喚すると、二コルベルって娘達に接触して、彼女達を炭の塊に変えてしまった!

 

「何の冗談ですか?彼女達はその程度の攻撃では倒れない筈です。そもそもその杖はこの世界から消えた筈です。貴女方はそれを知っている筈ですが?」

 

顔をしかめるエレンさんに対して了子さんは涼しい顔でこう言ってきた。

 

「簡単なことだ。この杖達の復元者が勇とキャロルである以上は、出力の向上や概念の操作、対象のコントロール等容易いことだ。」

 

それって私達のギアと似たようなことを勇君がやってたってことなの!?私達全然聞いてないよ!

 

「なるほど。ゼウスとヘラの加護ですか。そうなると不利なのはこちらですね。二コルベルの起動実験が成功した以上は長居は無用です。今回はこれで失礼します。またいつか縁のある時に」

 

そう言ってエレンさんは帰って行った。そしてとうとかう私は、初めて手を繋ぐ発想になれない人達と出逢ってしまった。

 

「私はこれからどうすれば良いの?」

 

私の声は虚空に消えていった。

 

~~響sideout~~

 

 

 

 

 

 

 

 

~~勇side~~

 

 

師匠達の厳命により静養していた僕は響達より一週間遅れて帰国した。そしてその時に届いた報告は驚くべき情報の塊だった。

 

「〈ティキ〉の復活にエレンさんの奇襲。そして〈ベルゼブブ〉の展開と〈二コルベル〉の出現か。」

 

不味いかも。ヤバい敵ばかりだ。

 

「そしてフィーネがソロモンの杖を起動して〈二コルベル〉を撃破か。復元して良かったな勇。」

 

キャロルの提案を聞いて良かった。僕はあの時、〈ネフシュタンの鎧〉と〈ソロモンの杖〉、そして〈デュランダル〉の復元を行った。僕のセーフティを解除できるのはキャロルと僕だけ。だからフィーネさんの(もうあり得ないけど)反乱は不可能だし、もしもの事態に備えたかった。(というよりは僕が装備したかった。)

 

「しかしカリオストロの報告は間違いないわね。エレンは間違いなく、前の世界の力を十全に使いこなし、更にはこの世界で錬金術を学んでいるわ。ファウストローブのない私達では、恐らく勝てないでしょうね。」

 

そう……師匠達のファウストローブはまだ完成していない。だから戦力的にもギリギリかもしれないなぁ。

 

《報告を続けるわ。エレンの操る〈二コルベル〉にあーし達の攻撃は決定打にはならなかったわ。だけどフィーネの攻撃のみ通じたわ。これには理由があるわね?》

 

そう。今更だが僕達は今、カリオストロ師匠と通信している。但し情報が多すぎて整理に時間がかかるけど。

 

「はい。敵の〈ベルゼブブ〉と僕達の〈ラジエル〉は表裏一体です。僕達からの攻撃のみが彼女達に有効だと思われます。嘗て〈士道〉さんも自ら無力化した程ですから。」

 

「なるほどね。勇はこのあとすぐにセレナと接触させるとして、今回はフィーネにも出て貰わないと手が足りない……か。かなり険しい道のりね。でも私達は挫けずに達成するわ!背中を見てくれる弟子達の為にもね。」

 

「流石サンジェルマンというワケだ。それでこそ、私達の希望なワケだ。だから勇もどんどん甘えるワケだ。昨日の〈事〉は私達は素晴らしく思っているワケだ。なぜならサンジェルマンは楽しむべきなワケだ。」

 

「プレラーティ!からかうのは止めて!私はそんなつもりじゃあ!」

 

「いいやお前は満足していたワケだ。キャロルもご満悦なワケだ。誇るべきなワケだ。」

 

プレラーティ師匠の口撃に僕と師匠は顔が赤くなり、気絶してしまった。

 

「さて。プレラーティ……機密資料解読の仕上げに取りかかるぞ!」

 

「キャロル!何故シャトーの一エリアがラブホ仕様なワケだ!これでは支障が出るワケだ!」

 

「本当にそうか?サンジェルマンが勇と〈事〉を成す時にあそこ程雰囲気の良い場所はあるまい?」

 

「その名前を出されると反則なワケだ。だが、勇の為という事で今回は手打ちとするワケだ。だが今後の拡張は許さないワケだ!」

 

「心得ている。そしてもうすぐ解読結果が出るな。その前にこの二人をベッドに連れて行くぞ。」

 

キャロルは二人をベッドに休ませた。なんだかんだ優しいのが彼女である。

 

「私達にかかれば解読は楽勝なワケだ。」

 

二人が解読した結果には、第二次世界大戦の時期の聖遺物研究の資料が発見された。これが後に厄災をもたらす事はまだ誰も知らない。

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