~~響side~~
私達は勇君達の采配で敵の大部隊と交戦する事になった。
「ねえ皆……あの艦の動き方がおかしくないかな?」
「どうしましたか未来さん?」
「別に普通だと思うデスよ?」
「ん~その勘は大事にするべきだとアタシは思うゾ?だけどアタシ達の役目は敵の大部隊の侵攻を止める事だゾ。避難誘導をしている翼達が前線にどれだけ早く来られるかはアタシ達がどれだけ敵を抑えるかで変わるゾ。だからその勘は後で信じるべきだゾ!」
未来は艦を見ながら不審な動きを見抜いていた。だけど今はまだ避難誘導もままならない……それなら私達は!
「じゃあ皆!最短で最速で真っ直ぐに!」
「敵のアルカ・ノイズを倒して!」
「あのバンダースナッチも片付けるデス!」
「翼さん達が合流できるように頑張る!」
「そして皆であの艦を落とすゾ!」
「「「「「おぉ!」」」」」
私達は戦闘準備を開始した。
~~響sideout~~
~~空中艦side~~
未来の勘は外れていなかった。〈増殖分裂タイプ〉の大型アルカ・ノイズを投入した空中艦には、二人の魔術師が待機していた。
「ジェシカ……どのくらいいける?」
「操舵トオペレーションまでネ。まだテリトリーノ発生まではつらいワ。」
「わかったよ。じゃあ私がテリトリーの展開を主に引き受けるからお願いね?じゃないと〈ディーヴァ〉〈ベルセルク〉〈エンジェル〉の捕縛が難しくなるからね?」
「〈イフリート〉の人形はよろしいのですか?」
空中艦内では響達を捕らえる為の作戦が立てられていた。
「この作戦の指揮権は私にあるよ?〈小型〉はなるべく広く展開して、敵を分断する。〈大型〉は敵が消耗するように立ち回らせる。そしてなるべく被害を目立たせるようにする。これが作戦の全容だよ?エレンが〈ゲーティア〉を持ち出した以上は失敗は許されないよ?」
「失礼しました!これより大型を投下します!」
さあ精霊……私達は油断しない。貴女達の力を使って亡きウェストコット様の悲願を果たさせて貰うよ?
~~空中艦sideout~~
~~未来side~~
私達は大型アルカ・ノイズの撃破をしたけど、その動き方はやっぱり誘導臭い動き方をしていた。
「司令室!敵の動きが広域的です!翼さん達の様子はどうなっていますか!」
〈此方友里よ。未来ちゃんの読み通り敵は明らかに散開して、皆の合流を阻害している気配がするわ!だから翼さん達がこの一帯を避難させ終わるまでは敵をこの一帯から出さないで貰える?そして肝心の避難率もこの広域の襲撃で四割程度しかできていないのも響くわね……〉
「ッ!まだ四割しか……皆!ここは危険だけど散開しよう!翼さん達が合流したその時は!」
「〈全員であの艦を落とす〉だよね未来!任せて!」
私達が散開の覚悟を決めた時、先程までのノイズと明らかに別の奴が戦場に現れた。
「なんデスかあれは!」
「大きい……蛇?」
「でも首がたくさんあるよ!普通のノイズじゃない!」
「……まさかモチーフは〈八岐大蛇〉なの!?」
「ごめん未来……八岐大蛇ってなんだっけ?」
響ぃ!ここは戦場だけどそのくらいは知っててよぉ!
「わかりやすく言うと見た目通り八首の蛇だゾ。そして首を斬られても簡単には死なない逸話つきの化物だゾ!」
「ありがとうミカちゃん!」
「でも未来……その通りなら……」
「うん。簡単には倒せないかもしれない。だから皆!天使を展開して一撃で落とすよ!」
すると皆はそれぞれの天使を纏い出した。
「ガヴリエル!〈行進曲〉!皆は全力でお願い!」
「ありがとう響さん!行くよ切ちゃんラファエル〈貫く者!〉」
「合点デス!ラファエル〈縛る者〉!」
「「ラファエル!〈天を駆ける者!〉」」
「メタトロン〈砲冠!〉」
「カマエル〈砲〉だゾ!」
私達の全力を響が束ねて強化し、敵の大蛇ノイズに攻撃を当てる事に成功した。しかしあのノイズは……
「嘘!あの一撃で倒れなかったの!?」
「それどころか分裂しているデス!」
「まさかテリトリーを……お前等!砲撃が来るゾ!」
ミカちゃんが声をかけた次の瞬間には私達の立つ場所に砲撃の雨が降り注いだ!
「ガヴリエル!〈輪舞曲!〉」
「メタトロン!〈光剣!〉」
「「ラファエル!〈護る者!〉」」
私達は各々が防御をする事で攻撃を凌いだ。だけどその隙にノイズは分裂して、散り散りに動き始めた!
「しまった皆!あのノイズが!」
「こうなったら皆で散開しよう!あの大きさなら皆で各個撃破できる筈だよね!」
「なら無茶は控えるゾ!翼達の合流を信じるんだゾ!」
「調了解。必ず戻ります!」
「切歌了解デス!絶対に帰って来るデス!」
皆は各々に別れてノイズの迎撃を始めた。私はこの場所にいるノイズを倒そう。
「司令室!現在の避難状態は!」
〈此方藤堯!現在凡そ八割完了。このペースなら後一五分弱で皆さん合流可能です!〉
「後一五分……か。消耗は避けたいけど……」
ここを通す訳には行かない私は、全力で戦う事になりそうだ。
「ここは私が通さない!首が二つあるくらいで調子に乗らないで貰うよ!」
私は双頭のヘビノイズとの戦闘を開始した。
「メタトロンは相性が悪い……なら神獣鏡を使えば!」
私はすぐに神獣鏡を再展開して、マーカーをばら蒔いた。仮にもノイズならこの攻撃は有効になる。そして早く片付けて勇君の援護に回る!
「そしてベッドの上で悶える勇君を……「食べちゃうのよね?」!誰なの!?」
「アハハ!この間あったばかりじゃない!つれないわねぇ?」
まさか〈ニコルベル〉が出て来るなんて!
「だけど一人なんだ。なら纏めて潰してあげるよ!」
神獣鏡をエクスドライブへ変化させて私は直ぐに〈暁光〉を放ちヘビを弱体化させた。
「なっ!一撃であそこまで弱体化させるなんて十分化物じゃない!ならこのあたしが相手してあげるよ!」
ニコルベルは紙吹雪を発生させて私めがけて放って来た!
「メタトロン〈天翼!〉からの〈光剣!〉」
「チィッ!大人しく捕まりなさいよ!それにちょこまか動いて目障りなのよ!」
天翼の動きを捕らえられない彼女は私を見失い、私はその時の死角からの攻撃を繰り返す。……だけど直ぐに対応が始まる。
「目では追えなくても予測はつくわ!そこにいる筈よ!」
紙吹雪から紙飛行機に変わることで一撃の威力が増し続けた。そして時間稼ぎも困難を極めた時に私は声を聞いた。
「ならば私が引き継ごう。デュランダルの一撃を喰らうが良い!」
背後から声が聞こえた時には斬撃が通りはじめてた!
「うわぁ!直ぐに逃げないと!」
私は急いで逃げた。そして声の主に怒りをぶつけた!
「了子さん!私ごと殺す気でしたね!危ないじゃないですか!」
「あぁすまんな。キャロルの次に目障りなお前はしばらく退場していてくれ。そして私がその座に返り咲こう!」
そう言いながらデュランダルを振るう了子さんが残るアルカ・ノイズは召喚したノイズで相殺して、ニコルベルは顔が青ざめていた。
「この化物!あんたみたいなのが〈シスター〉の力を得ているとか冗談にならないわよ!もうあたしは帰るから!」
「絶対に逃がさない!」
私は逃げるニコルベルの真上に鏡を展開して、そこから必殺の一撃になる〈天光〉を発動した。そして光に包まれたニコルベルは破れたページへと姿を変えた。
「了子さんがここに来たということは……」
「ああ。他の地点でも無事に避難が完了した。だが加勢に来られたのはここが最初みたいだな。他の連中はまだ間にあってはいないだろう。」
「なら直ぐに向かいましょう!」
「いや、私の〈ラジエル〉によれば今回の標的は継承者達だ。ここは〈奴等〉に任せて我々は本部へと帰還するぞ。」
「……ッ!あの人達が出るんですか!?わかりました!直ぐに帰還します!」
私達はフィーネさんからの情報を信じて帰還を始めた。まさかあの人達が暴れるなんて………ね。
~~未来sideout~~
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