「さてジェシカ……始めましょうかしら?」
「今回の私達は全ての準備を終えたワケだ。そしてお前の倒し方はわかっているワケだ。」
「あまり舐めなイで欲しいわね。私の実力ヲ見くびらない方ガ良いわよ!」
ジェシカは〈随意領域〉を展開して防御を固めつつもミサイルを放つ。しかしあーし達は既にその動きを知っており、更にプレラーティは一度彼女の攻撃を身をもって味わっている。
「この事態ならあーしも隠し玉を使うわよ~!」
あーしはファイティングスタイルをとり、フリッカーにエネルギーを乗せて放った。初見でこれを受ければ今の装者達にも報いる事ができうるので、訓練までとっておきたかったが今はプライドを捨てた。
「ならば私も全力を注ぐワケだ!」
プレラーティはけん玉を使い軌道力を確保した。そしてその状態から精密操作された氷の錬金術がジェシカに放たれる。
「!?この出力ハ一体どこかラ!」
動揺する彼女だがあーし達は退く理由も負ける理由もない。だから全ての手札を晒そうとあんただけは落とさせて貰うわよジェシカ……。
「相手にはあーしもいるわ!だから余所見はダメよ!」
「援護するワケだカリオストロ!」
あーしが接近戦を挑み厄介な〈随意領域〉の展開を抑制し、プレラーティが退路を絶つ。そうすればあの兵力を持つリコリスは必ず活動限界に襲われるだろう。その時こそが私達の勝機足り得るので、処理に必要な情報を飽和させる事で彼女を無力化する。
「これが私達の覚悟と言うワケだジェシカ!」
プレラーティは炎と氷の錬金術を使用する。いくら〈随意領域〉があるとしても温度は人にとって重要だ。しかし今は戦闘中でそちらの調整に集中力をとられれば致命的な隙が生まれる。
「〈随意領域〉を用いテ状況ヲ打開……いえ迎撃をシなくては!」
ジェシカは温度変化への対応を諦めて私達へと斬りかかる。確かにその方が優先度は高いだろう。しかし今の集中力を欠いた彼女はもう恐くない。
「決めるわよプレラーティ!」
「任せるワケだカリオストロ!」
〈カイザーフィスト!〉
〈シャッテンヘルシャフト!〉
私達はタイミングを合わせて技を放ち、ジェシカは反応が遅れて直撃を受けた。
「嘘……ワタシのリコリスが……」
ジェシカの表情は切ないものだった。目的を果たせずに私達に敗北する事は彼女にとっては相当の苦痛だったのだろう。
「今は眠りなさいジェシカ……。必ず勇が貴女達を元の世界へ送り還す筈よ。」
私は彼女にこの呟きが聞こえないと知っていながらにそう言葉を残した。
僕とキャロルでペンドラゴンを纏うエレンさんと戦う事になった。しかし恐怖は感じていない。
「この世界では初めてじゃないですか?その〈顕現装置〉の運用はほとんど確認されていなかった筈です。」
「流石〈ゼウス〉という事ですか。ええ。確かに私のペンドラゴンはまだ起動して間もないでしょう。しかしそちらも私が使う必要がなかった事を忘れていませんか?」
エレンさんは明らかに余裕のある表情を崩さない。そして僕達を見て更に挑発を仕掛けて来た。
「そして私達の宿願が果たされるまでもう間もなくです。シンフォギア装者ごときではアダムは倒せないでしょう。」
僕はその言動に殺気を放った。しかしそれ以上の殺気を放つ者もまた存在していた。
「そうか……お前は響達を見くびっているようだな。ならば教えておこう。奴等は想像以上に諦めが悪く、実力以上の奇跡を体現するオレの恋敵達だ。まあ……奴等の前ではそう言える事ではないがな。」
僕はキャロルの言葉に思わず笑ってしまった。そして一つの覚悟を決めた。
「キャロルの気持ちを知れた僕は嬉しいよ。ならその為にはエレンさん……貴女を早く下す理由が出来た。だから全力で行くよ!」
僕はビルドドライバーを装着して、二つのフルボトルを起動する。そして収束礼装を纏い変身の準備に入る。
<〈精霊!〉・〈希望!〉ベストマッチ!>
<Are you ready?>
「救います!それが僕の覚悟で願いなんですから!」
<繋がるココロ!デート・ア・ライブ!イェーイ!>
そして僕の収束礼装に変化が始まった。礼装を形成していた力が光輝き出してアーマーを形成した。
「行きます……皆さんの力をお借りします!」
そして僕はセイヴァーへと変身した。
「やはり勇のその姿はいつ見ても頼もしい!ならばオレもこの力を解放しよう!」
そしてキャロルもあのモーションに入った。
キャロルは、メタトロンの光を集めると両手の中へと集めてグッと握りこんだ。
そして散り散りになった光は、黒い光へと色を変えキャロルを包み込んだ。
「やはりこれは恐ろしい力だ!しかし同時にすばらしい力でもある!これが勇に並び立つオレの力だ!
キャロルはそう言うと闇を切り裂き姿を現した。やっぱキャロルは反転体の力すら美しく見せてくれるね。
「ッ!真那を下したゼウスに魔王を従えたヘラですか!良いでしょう。私が最強であると今度こそ証明します!」
僕達の考える事は全てが同じだった。
〈早く相手を下す〉それだけだ。
「〈サタン〉よ!オレに力を寄越せ!そして〈サンダルフォン〉よ!オレを導け!」
「〈五番〉と〈十番〉の展開!そして現れろ〈烈槍・ガングニール〉!」
キャロルは〈サタン〉と〈サンダルフォン〉を、僕は〈カマエル〉の治癒力を身に纏わせて、〈サンダルフォン〉とマリアさんの〈ガングニール〉を顕現させた。
「ッ!!〈魔王〉力を持つ〈ヘラ〉は〈天使〉との併用を、〈ゼウス〉は〈イフリート〉の治癒力と〈プリンセス〉の剣……更にはシンフォギアの槍ですか!ですが先程も言った通り私は退きません!エリオットとアイクの分まで私は果たすと決めたのです!」
エレンさんの動きはとても素早い事がわかっていた。だから僕達はその速度に対して一撃で勝負をつける事ができる力を纏った。
「しかしいつオレ達の動きを遅いと決めつけた!貴様の動きなぞ目で追えるぞ!」
キャロルはエレンさんの動きを完全に見切っていた。そして高速で動く彼女に鍔迫り合いを仕掛けた。
「なんて力なのですか!これが天使の力だと言う筈がありません!私達は嘗てその実力を知っています!あの時の彼女達と貴女達は何が違うと言うのですか!」
キャロルの剣を受け止める為に余程の集中力とエネルギーを使う事が僕の目で見ても明らかだった。しかし彼女の相手はキャロル一人じゃない。少し卑怯と思うけど僕達にも負ける訳にはいかない。背負うモノがあるんだから。
〈HORIZON†SPEAR!〉
「それだけじゃないよ!」
〈最後の剣!〉
僕が放った技はマリアさんの得意技の一つ〈HORIZON†SPEAR〉と〈サンダルフォン〉の大技にあたる〈最後の剣〉だ。今のエレンさんに素早い攻撃を避ける力と余裕はない。その攻撃は彼女の理解を越えて叩き込まれる事になった。
「あぅ!なぜ私は無様に膝をついている……。
何故貴方達はここまで強くあれる!」
エレンさんは何故慢心を捨てた自分達が悉く負けていくのか理解ができていないみたいだった。そしてその答えを告げるのはキャロルだった。
「魔術師のトップよ……覚えておけ。オレ達は自分の中に絶対に譲れないモノが存在している。何を犠牲にしても離さず、何を言われても折れないモノが胸の中より沸き上がる。人はそれを〈愛〉と呼ぶのだ。」
「〈愛〉……?そんなモノの為に私達の悲願はまたも邪魔されたと言うつもりなのですか!そんな事で納得ができる訳!」
エレンさんは幾度となく士道さん達に邪魔されてきた時の記憶と、この世界で僕達と戦った時の記憶が許せないと言わんばかりにミサイルを乱雑に放ち、ブレイドを振り回した。しかしその攻撃に恐怖を感じる事はない。
「終わりにしましょうエレンさん。」
僕は霊力を右足に注ぎ込んだ……そして一度跳躍する。
「勇……早く決めてやれ。」
「わかったよキャロル……これで終わらせる!」
〈スビリチュアルボルテックフィニッシュ!〉
「ひぃ!防御性の〈随意領域〉を全力で展開!この一撃はしのがないと!」
嘗てあの世界で七海さんと合わせた必殺技だが、今回は僕一人で放った。そしてその一撃はエレンさんの〈随意領域〉を軽々と破壊しても勢いを落とす事なく彼女に直撃した。
「うああああああああ!!!」
衝撃に耐えられないエレンさんの体はカリオストロ師匠達の戦場の方角へと向かった。
「少しやり過ぎたかな。」
僕達は急いでカリオストロ師匠達の元へと向かった。
「もう!ビックリするじゃないの!まあ手間も省けたから良いわ。」
僕達が到着した時にはエレンさんとアルテミシアさん、そしてジェシカさんが無力化されて拘束されていた。
「さっさと始めてやるワケだ。その方が彼女達の為になるワケだ。」
「わかりましたプレラーティ師匠。〈ミカエル〉……〈開〉だ!」
ミカエルで開いたゲートに僕はエレンさん達を送り込む。
「貴女達のした事は許される事ではありません。しかしあの世界では未来を掴める事を祈っています。」
僕はそう呟きゲートを閉じた。
「さて……オレ達も早く合流するぞ。ヴァイスハウプトの事だ。恐らく次の段階へと手を進めるだろうな。」
僕達は響達が戦う場所へと視線を向けた。するとその方角で神の光が降臨する様子がわかってしまった。
一話の長さはどちらの方が好きですか?
-
一話を濃密にして話数を少なく
-
このまま切りの良い範囲で
-
どちらでも良し